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ウーパールーパーが成体になる条件とは?変化した後の適切な飼育方法

「ウーパールーパーの名前は知っているけど、実際どんな生き物なの?」
「かわいいから飼ってみたいけど、なにを用意すればいいの?」
「ペットショップでふつうに買えるのかな?」
1980年代に爆発的なブームを巻き起こし、現在でも癒しのペットとして人気のウーパールーパーですが、詳しい生態や特徴を知らないという方は多いのではないでしょうか。

本記事では、ウーパールーパーの生態や特徴について詳しく解説しています。また、これからウーパールーパーを飼ってみたい方向けに、初心者向けの飼い方もわかりやすくまとめました。

記事を読み終わるころには、ウーパールーパーという生き物についての知識が身につき、正しい飼育方法をマスターできていることでしょう。

ウーパールーパーについて詳しく知りたい方も、これから飼育デビューしてみたい方も、ぜひチェックしてみてください。

ウーパールーパーってどんな生き物?



ウーパールーパーはサンショウウオの一種で、カエルやイモリと同じ両生類の仲間です。メキシコのソチミル湖に住むメキシコサラマンダーがヨーロッパに持ち出され、品種改良を経て生まれたのが現在のウーパールーパーです。

両生類の一種ですが、ウーパールーパーには他の両生類にはない特徴があります。ここではウーパールーパーだけの特徴や寿命、生態について詳しく見ていきましょう。

生物学的分類

ウーパールーパーは、メキシコに生息するメキシコサラマンダーの品種改良から生まれました。生物学的には両生類にあたり、カエルやイモリ、サンショウウオの仲間です。

ルーツともなったメキシコサラマンダーは、正式名称をスペイン語で「アホロートル」と言います。「アホロートル」とは、アステカ語の「アショロトル」が由来であり、アステカ神話に登場する神の名前です。「水中の妖精」「水中の犬」といった意味があります。

ウーパールーパーという名前は、日本に輸入される際についた、いわば「商品名」です。1980年代のテレビCMをきっかけに、一大ブームが起きました。

生息地

ウーパールーパー自体は品種改良から生まれましたが、ルーツであるメキシコサラマンダーはメキシコのソチミル湖と周辺地域に生息しています。生息地の開発や水質汚染により生息数が減少したため、現在では絶滅危惧種に指定され、ワシントン条約で保護の対象になっています。

ちなみに、日本で流通しているウーパールーパーは、国内で養殖された個体です。ペットショップや通販サイトで、姿をみることができます。

大きさ

ウーパールーパーは成長すると20~25cmほどになり、30cmまで成長した記録もあるといわれています。ショップで販売されている個体は子供のため、大きさは2cm~4cm前後です。

ウーパールーパーは見た目のかわいらしさから、あまり大きくならないのでは、と思われがちです。しかし、成長スピードがはやく、半年で20cmほどまで成長するため、大きさに合わせた飼育環境を用意しましょう。

寿命

ウーパールーパーの寿命は、平均5年〜8年前後です。飼育環境を整えて、水質や温度管理を正しく行えば10年ほど生きることもあります。世界的には25年生きたという記録もあるといわれており、思いのほか長生きする生き物と言えるでしょう。

しかし、水質の悪化や温度管理を正しく行わない場合には、2〜3年ほどと短命になるため注意が必要です。

特徴

ウーパールーパーは、エラがついた幼体(子供の姿)のまま成熟し繁殖までできる、という珍しい特徴を持つ両生類です。「幼形成熟(ネオテニー)」と呼ばれる現象です。

野生でも自然に成長して大人の姿になることはないウーパールーパーですが、一定の条件のもとでは、成体(大人の姿)に変化する場合があります。成体のウーパールーパーは、エラや水かきがなくなり、イモリのような見た目に変化します。見た目の印象のほか、エラ呼吸から肺呼吸に変わることも大きな特徴です。

ウーパールーパーの種類



現在、ウーパールーパーには「リューシスティック」「アルビノ」「マーブル」「ゴールデン」「ブラック」の5種類がいます。

「リューシスティック」は体が白く目が黒い見た目です。「アルビノ」は体も目も真っ白な見た目ですが、反対に「マーブル」は迷彩柄のような黒いまだら模様が特徴的です。また、「ゴールデン」は黄色い体にキラキラした模様が入る種類で、「ブラック」は体が黒一色という種類になります。

ウーパールーパーの入手方法



ウーパールーパーの入手法は、ペットショップや通販サイトでの購入が一般的です。ウーパールーパーのルーツと言うべきメキシコサラマンダーは絶滅危惧種です。そのため、日本での入手方法は養殖された個体の購入に限られます。

価格は種類によって変わりますが、人気のリューシスティックという種類で700円~1,500円前後です。高い場合でも2,000円~5,000円前後が相場と考えてよいでしょう。

ショップや通販で販売されているものは、幼体がほとんどで、成体は販売されていません。もし成体にさせたいなら、幼体のウーパールーパーを購入してから成体にする必要があります。

ウーパールーパーの飼育に必要なものと選び方

ウーパールーパーの飼育には水槽が必要なほか、水槽用クーラーやシェルターといった、ウーパールーパー特有のアイテムも必要です。

ここからは、ウーパールーパーの飼育に必要なアイテムを一つずつ詳しく解説していきます。はじめての飼育ではアイテム選びに迷ってしまうでしょう。しかし、最後まで読めば必要なアイテムを迷わず用意できるようになります。ぜひ、チェックしてみてください。
  • 水槽と蓋
  • シェルター
  • 水温計
  • 水温管理用品
  • 水質調整剤

水槽と蓋

水中で生活するウーパールーパーの飼育には水槽が必要です。成長すると25cm前後になるため、幅45cm以上の水槽を用意しましょう。複数飼育する場合は、幅60cmの水槽が安心です。

また、ウーパールーパーは意外にも水槽から飛び出す生き物です。飛び出し防止として、水槽には必ず蓋をつけましょう。別々で購入もできますが、水槽と蓋のセット販売もあるので初心者におすすめです。

シェルター

臆病な性格で暗い場所を好むウーパールーパーには、隠れ家としてシェルターを用意しましょう。また、ウーパールーパーは視力がよくないため、本能的に隠れられる場所があると安心してくれます。

シェルターは、水槽用として市販されている素焼きの土管などがおすすめです。ウーパールーパーは夜行性のため、昼間の居場所としてもシェルターがあると安心です。

水温計

ウーパールーパーの適温は15℃~20℃前後と低温のため、水温計は必須です。夏の暑さに弱いウーパールーパーは、水温が25℃を超えると弱ってしまうため、水槽には必ず水温計を設置し温度変化には気を配りましょう。

水温管理用品

ウーパールーパーは暑さに弱いため、夏場は水槽用のクーラーや冷却ファンがあると安心です。水槽用のクーラーは豊富な種類があり、手のひらサイズの小型タイプや設定した温度を自動で維持してくれるタイプがあります。

デメリットとしては、水槽用クーラーは高額な商品が多いため、費用を抑えたい場合は冷却ファンがおすすめです。

水質調整剤

ウーパールーパーは水道水では飼育できないため、必ず水質調整剤を使い、ウーパールーパーが住める水を用意しましょう。水道水をそのまま使うと、中に含まれているカルキがウーパールーパーにダメージを与えてしまうのです。

水質調整剤は、バケツに溜めた水に混ぜるだけでカルキの除去が簡単にできます。また、調整剤によってはウーパールーパーのエラや体表を保護してくれます。飼育前には水質調整剤を使い、ウーパールーパーに適した水を用意しましょう。

ウーパールーパーの飼育方法



ウーパールーパーの飼育において、健康で長生きさせるためにおさえておきたいポイントがあります。必要なポイントをおさえておけば、ウーパールーパーを長生きさせられるでしょう。ぜひチェックしてみてください。

餌の種類と与え方

野生のウーパールーパーは昆虫、ミミズ、小魚など、口に入るものなら何でも食べる雑食性の大食漢です。飼育する場合は、市販されているウーパールーパー用の人工餌を、1日1回食べ残さない程度に与えます。餌の与えすぎは消化不良や水質悪化につながるため、適量を与えましょう。

人工餌のほか、冷凍アカムシやイトミミズといった餌もあります。栄養バランスがくずれないようにおやつ程度に与えて、日常的には人工餌を与えましょう。

最適な温度

ウーパールーパーの適温は、15℃〜20℃前後と言われています。ウーパールーパーは暑さに弱い生き物です。夏場は水温が高くなりやすいため、水槽用クーラーやファンを使って、水温が25℃を超えないように保ちましょう。

水質

ウーパールーパーの飼育に適した水質は、弱アルカリ性~弱酸性の水です。ph(ペーハー)だと6.5~7.5が目安ですが、日本の水道水ならphは問題ないため、あまり神経質になる必要はありません。

ただし、水道水をそのまま使うとカルキが含まれているため、水質調整剤でカルキ抜きをします。もしくは、バケツにくんだ水道水を1日放置してカルキ抜きをします。

ウーパールーパーが成体化する条件



ウーパールーパーは水質や水温の変化など一定の条件を満たすと、幼体から成体へと変化し、完全に大人の姿になります。成体化すると見た目や生活環境が変化するため、飼育前に成体化の条件をあらかじめチェックしておきましょう。

飼育水の状態

ウーパールーパーは水質が悪いと成体化する、と言われています。掃除が不十分であったり水温が高すぎたりする場合に、より良い生活環境をもとめて水中から陸上へ上がるのではないか、と考えられています。

もし、ウーパールーパーを成体にさせたくないなら、水槽の掃除や水の交換など、メンテナンスや温度管理をこまめに行いましょう。とくに夏場は気温があがり水質がわるくなりやすいため、こまめな管理が必要です。

飼育水の水位

ウーパールーパーはエラ呼吸をしますが、ときどき水面に口を出して口呼吸することがあります。水位を減らし口呼吸の頻度を多くすれば、エラよりも肺で呼吸するほうが効率的になるため、成体化するという説があります。ただし、水位が高くても成体になる場合もあるため、確実とは言えません。

飼育環境にあるヨウ素の量

水槽内にヨウ素が多いと、ウーパールーパーが成体になりやすいという説があります。ヨウ素とは、理科の実験でもよく使われますが、発育に関係する甲状腺ホルモンの原料です。ヨウ素はウーパールーパーの成体化にも関わっていて、水中のヨウ素が多くなると、成体に変化しやすくなります。

ヨウ素は、水中に置く敷石に含まれていることがあるため、もし成体化させたくないなら敷石の置きすぎには注意しましょう。

ウーパールーパーの成体後の変化



それでは、ウーパールーパーが成体になったあとは、具体的にどのような変化があるのでしょうか。成体のウーパールーパーは、見た目や生活環境、寿命が大きく変わります。知らずに成体化させてしまい、予想と違っていたということがないように、あらかじめポイントをチェックしておきましょう。

見た目

まず、成体化したウーパールーパーは見た目が大きく変わります。幼体のときの白くフワフワと水中を泳ぐ姿から、まるでイモリのような姿に変化します。

体は全体的に黒くなり、ツルツルとした質感です。エラや手足の水かきがなくなり、まぶたができるため、まばたきをするようになります。また、陸上を歩けるように手足も大きくなります。

子供のころの姿と大幅に変化するため、ウーパールーパーのイメージが変わる人も少なくないでしょう。

生活場所

成体化したウーパールーパーは、エラ呼吸から肺呼吸に変化するため、陸上で生活できるようになります。

幼体のころは水中で生活していましたが、肺呼吸に変化するため水中を泳ぎまわることができません。水位が高いと呼吸ができず溺れてしまうため、水位が低い水場と陸地の両方を作ってあげるといいでしょう。

寿命の長さ

成体化したウーパールーパーは寿命が短くなり、1か月~5年前後まで縮んでしまいます。もともと、ウーパールーパーは幼体のまま生涯を過ごす生き物です。成体化する過程でおきる細胞分裂で体に大きな負担がかかり、寿命が短くなってしまうと言われています。

幼体のままであれば平均寿命が5年~10年ほどですから、長生きさせたい場合は成体化しないほうが良いでしょう。

始まった成体化は止められる?



一定の条件がそろうとウーパールーパーの成体化が始まります。体が黒くなりはじめ、エラもなくなるという変化が見られます。もし、ウーパールーパーに成体化の予兆が出た場合、止めることはできません。変化が始まったのなら、成体化したウーパールーパーのための飼育環境を整えましょう。

ウーパールーパーの成体化後の飼育に追加で必要なもの

ウーパールーパーは子供の姿のまま大人へと成熟しますが、一定の条件がそろうと成体(大人の姿)へ変化します。「変態」と呼ばれる現象です。

成体化したウーパールーパーの飼育では、追加で必要になるアイテムがあります。ウーパールーパーが快適に暮らすために必要なものを、しっかりチェックしましょう。

床材

成体化したウーパールーパーは、エラ呼吸から肺呼吸へと変化します。つまり陸上で生活できるようになるのです。生活場所も水中から陸上へと変化するため、床材を使って陸地を作る必要があります。

床材にはソイルという水草用の土やミズゴケを敷き詰める方法のほか、岩や大きめの石を置く方法があります。

ヒーター(陸地用)

成体化したウーパールーパーは陸上で過ごす時間が多くなるため、陸地部分の温度調整が必要です。エアコンを使う方法のほか、寒い日は爬虫類用のパネルヒーターを水槽の下に敷き陸地を温めてあげましょう。

ウーパールーパーの成体化後の飼育方法

ここでは、ウーパールーパーが成体化したあとの飼育方法について紹介します。幼体のころとは生活環境や餌が変わるため、幼体と同じ方法で飼育することはできません。

成体になったあとは寿命も短くなってしまうウーパールーパーですから、正しい飼育方法を覚えて、快適に生活できる環境を整えてあげましょう。

餌の種類と与え方

ウーパールーパーは成体化すると、コオロギやミミズ、ミルワームなどを食べるようになります。肉食性が強くなるため、幼体のころの人工餌を食べるとは限りません。

コオロギやミルワームなどはペットショップや通販サイトで手に入ります。コオロギの固い足を嫌がる場合もあるため、できるだけ足を取り除いてから与えるといいでしょう。また、ウーパールーパーは基本的に大食漢のため、餌の与えすぎには注意しましょう。

最適な温度・湿度

成体化したウーパールーパーの適温は、幼体のころと大幅には変わらず18℃~26℃程度です。成体になった後は陸地で過ごす時間が長くなるため、寒い日は爬虫類用のパネルヒーターを使い水槽内を温めます。

また、成体化したウーパールーパーには大量の水は必要ありませんが、皮膚が乾燥しないように水場を作り、湿度が下がりすぎないようにしましょう。

レイアウト

成体化したウーパールーパーは、水中よりも陸地で過ごす時間が多くなるため、水槽レイアウトは陸地の面積を増やしましょう。全体の3分の2程度が陸地になると良いでしょう。

しかし、いきなり全てを陸地にしてしまうと、ウーパールーパーにストレスがたまります。水面から上がれる程度の岩場をつくり、徐々に陸地を増やしていくと安心です。陸地にはミズゴケや水草用のソイル(土)など保湿性が高いものを使い、水場はウーパールーパーが簡単に顔を出せるくらいに浅くしておきます。

ウーパールーパーの成体化を防ぐ方法

ウーパールーパーは幼体のままのほうが寿命が長く飼育も簡単なため、健康で長生きさせるためには成体化を防ぐことが重要です。生涯を幼体のまま過ごすウーパールーパーにとって、成体化は大きな負担です。また、成体化した場合の飼育方法も難しくなります。

下記にまとめた成体化を防ぐポイントを、ぜひチェックしてみてください。

幼体時の飼育環境を維持する

ウーパールーパーが成体化しないためには、成体化する必要性を感じさせないことがポイントです。つまり、幼体のときの飼育環境を維持しつづければ成体化することはありません。

野生のウーパールーパーは、成体化することはほとんどありません。成体化は偶発的になることが多く、上記で紹介したような条件がそろわない限りは、幼体のまま一生を過ごします。ウーパールーパーの飼育では、できるだけ環境を維持したまま飼育しましょう。

適切な飼育環境を維持する

ウーパールーパーは、水槽内の環境が悪化し、住みづらくなってくると成体化という道を選びます。つまり、環境を悪化させないことが重要です。具体的には、適切な水質・水温・水位を守ることがポイントです。定期的に掃除や水の交換を行い、水温を維持し、水位をさげすぎることがなければ、成体化する確率は低くなります。

成体化を防ぐことは、ウーパールーパーのよりよい生活環境を守り、寿命をのばすことにもつながります。ウーパールーパーの快適な一生のために、日々の管理は適切に行いましょう。

ウーパールーパーの飼育方法と成体化について知ろう



ウーパールーパーは、初心者でも飼育しやすい点や見た目のかわいらしさから、癒しのペットとして大変人気があります。しかし、環境の変化に合わせた成体化や寿命の変化という、ほかの生き物にはない特徴を持っています。

ウーパールーパーを健康で長生きさせるためには、飼育する側が正しい知識を身につけることが重要です。本記事で身につけた知識をもとに、ぜひウーパールーパーとの癒しの生活を楽しんでみてください。
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