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ウーパールーパーの陸生化って?必要な条件や変化後の飼育方法についても解説

「どういう環境で陸生化するの?」
「陸生化したウーパールーパーはどのような姿になるの?」
「育てていたウーパールーパーが陸生化してしまった!どう飼えばいいの?」
どこかとぼけた愛嬌のある顔が人気のウーパールーパーですが、陸生化することをご存じでしょうか?

幼体のまま成長する「幼生成熟」の性質を持つウーパールーパーは、生活環境によって成体化して陸上で生活することができるようになります。

この記事では、ウーパールーパーの基礎知識と陸生化についてわかりやすく解説しています。

この記事を読むことで上記のような疑問が解決でき、ウーパールーパーを飼育するにあたって適切な知識を得ることができます。ぜひ参考にしてみてくださいね。

ウーパールーパーは陸上でも生活できる?

ウーパールーパーはカエルやイモリと同じ両生類の仲間です。

両生類は、エラ呼吸の幼体から成長して肺呼吸になり、水中から陸上で暮らすことが可能になります。

つまり、両生類であるウーパールーパーも成体化することで、陸上生活ができるようになるのです。

ウーパールーパーの特徴

水の中でのんびり浮いているウーパールーパーですが、その生態や生息地をみなさんはご存じでしょうか?

ここでは野生のウーパールーパーの生息地や幼生成熟、驚異的な再生能力など5つの特徴を紹介します。

生息地

ウーパールーパーという名前は日本の流通名称で、正式名称はメキシコサラマンダーといいます。その名の通り、メキシコに生息している両生類です。

メキシコの首都である、メキシコシティのソチミルコ湖に生息する固有種になります。

ウーパールーパーの体色は白色ですが、野生のメキシコサラマンダーは黒っぽい体色をしています。現在飼育されているウーパールーパーは、突然変異によって生まれた白いメキシコサラマンダーを人工的に繁殖させて流通させたものになります。

幼生成熟(ネオテニー)

両生類は幼体から成体に成長することで繁殖できるようになります。

しかし、ウーパールーパーは幼体のままでも繁殖できるという特異性を持っており、それを「幼生成熟(ネオテニー)」と呼びます。

細胞の再生能力を持っている

ウーパールーパーは幼生成熟という性質のため体が未分化で、細胞が失われても再生する能力を持っています。

手足がちぎれたり脳に損傷を負ったりしても1~3か月程度で元通りになるそうです。

この驚くべき回復能力のため、実験動物として乱獲された悲しい過去を持ちます。

絶滅の可能性もある

ウーパールーパーはその驚異的な再生能力により、実験動物として乱獲されました。

それだけでなく、生息地であるメキシコのソチミルコ湖は開発や埋め立てなどによりほとんど水辺が残っていません。水質の汚染や外来魚による捕食の影響も深刻です。

種が絶滅する危険度が記載されているレッドリストでは、ウーパールーパーはごく近い将来に絶滅する可能性が高いとされる「絶滅危惧IA類」に指定されています。

また、取引には輸出国の許可が必要になっています。

変態について

両生類は幼生時エラ呼吸で水中生活をしていますが、成体になり手足が生え肺呼吸を行えるようになると陸上生活を行います。

水中生活から陸上生活に適応できるように自らの体を変化させることを変態といいます。

前述したように、ウーパールーパーは幼生成熟という性質をもつので、他の両生類と違い変態を行わずとも成熟することができます。

野生のメキシコサラマンダーは、両生類が変態するために必要な「サイロキシン」というホルモンを分泌できないため変態できないとされています。

しかし飼育環境下にあるウーパールーパーは、人工繁殖と品種改良により生育環境によって変態できるようになりました。

陸生化の特徴

それではウーパールーパーが陸生化したとき、どのような特徴が見られるのでしょうか?

彼らが陸生化すると「体色が黒く」、「エラが消え」、「手足が大きく太くなり」、「背びれや水かきが消失し」、「まぶたができ」、「肺呼吸が可能」になります。

ウーパールーパーは最長25年ほど生きるとされる長寿の生き物ですが、変態すると体に大きな負担がかかるため、寿命が1か月~5年とかなり短くなってしまいます。

長生きさせるには、陸生化をさせないことが重要になってきます。

陸生化するとされる条件とは?

陸生化する条件はいったい何でしょうか?

原因としては諸説ありますが、「水槽内のヨウ素濃度」、「水質の悪さ」、「水位の低さ」が挙げられています。

以上の条件に付いて詳しく解説していきましょう。

水槽内のヨウ素が多い

両生類は「サイロキシン」という甲状腺ホルモンにより変態します。このサイロキシンですが、ヨウ素を摂取することにより分泌が誘発されます。

水槽のインテリアとして石を敷くことがありますが、この敷石はヨウ素を豊富に含んでいます。敷石によって水槽内のヨウ素濃度が上がると、陸生化を起こす可能性が高まります。

敷石を誤飲することもあるので、置かない方が無難といえるでしょう。

水質が悪い

飼育している水槽内の水が汚れていたり、水温が高かったりすると、不快な環境から逃れようとして陸生化しやすくなるといわれています。

陸生化させないためにはこまめに水替えをしてあげること、水温計を利用して水温をチェックすることが必要になります。

ウーパールーパーの適温は5~25度ほどで、水槽の水は3日~1週間ごとに入れ替えましょう。水は全部入れ替えてしまうと環境が変わってストレスになるため、1回で替える水量は1/3~1/4程度にしましょう。

水位が低い

エラ呼吸をするウーパールーパーですが、ときおり水面から顔を出して口呼吸をすることがあります。

水位が低いと水面から顔を出しやすくなり、口呼吸の頻度が増えて陸上生活に耐えられるように体が変化するといわれています。

水位を高くしても変態するケースもあるようなので、必ずしも陸生化が起こる原因とは言えませんが、原因の1つとされているので注意してあげましょう。

陸生化したウーパールーパーの育て方

もし大切なウーパールーパーが陸生化したらどうしたらいいでしょうか?

変態し肺呼吸が可能になった彼らは今までの水中生活が難しくなるため、水槽のレイアウトを変えたりエサも変えてあげたりする必要があります。

ここでは陸生化後の飼育環境とエサについて詳しく説明していきます。

水槽のレイアウトを変える

変態したウーパールーパーはエラ呼吸から肺呼吸になっているので、今までのように水中だけでは生きられません。そのため陸地を作ってあげる必要があります。

しかし、陸生化したからといって急に陸地だけにしてしまうと、生活環境が大きく変わってストレスを感じてしまいます。

水場は溺れないように水位が低めの水入れを用意し、陸地は岩場やミズゴケなどを置いて徐々に陸地を増やしましょう。

エサの種類を変える

陸生化すると食の好みも変わってきます。幼生時は人工餌も食べますが、陸生化すると生き餌を好むようになります。

動くエサを好むようになるため、変態の途中にメダカや金魚などを与えると喜んで食べるようになります。ウーパールーパーがつつかれたり攻撃されたりするようなら人工餌に戻しましょう。

陸生化前に好んでいた魚は陸生化後に食べなくなるため、コオロギなどの生きている昆虫を与えるようにしてください。

ウーパールーパーの陸生化を学び飼育方法を身に付けよう

この記事ではウーパールーパーの陸生化について解説してきました。

ウーパールーパーは野生では変態しませんが、飼育下にある個体は生活環境の影響で陸生化します。

25年ほど生きるとされているウーパールーパーは陸生化すると約1か月~5年まで寿命が縮み、生活環境も食の嗜好も変わります。陸生化後に適切な環境を準備しないと溺死や、食欲不振で大切なペットを失ってしまうことになりかねません。

陸生化する原因は「水槽内のヨウ素が多い」「水質の悪化」「水位が低い」の3つが挙げられます。これらの原因を取り除くことにより回避することができますが、注意しても陸生化してしまうことがあります。

長生きさせるには基本的には陸生化をさせないことが重要ですが、もししてしまったらこの記事を参考にして、適切な飼育方法でお世話してあげましょう。
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