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アマガエルの飼育に必要なアイテムは?飼い方や注意点もあわせて解説

「アマガエルの飼育には、何を用意したらいいのかわからない」
「アマガエルにはどんな餌をあげたらいいんだろう」
「アマガエルを複数で飼育しても大丈夫かな?」
このように、アマガエルを飼ってみたい人の中には、多くの疑問や不安がある人もいるのではないでしょうか。身近な存在であるアマガエルですが、意外にわからないことはたくさんあります。

この記事では、アマガエルの基礎知識から、飼育法や入手法、さらには飼育するときの注意点もまとめて解説しています。記事を読むことで、アマガエルを上手に飼育することができるでしょう。

アマガエルの飼育法を知りたい人や、入手したアマガエルの育て方を知りたい人は、参考にしてみてください。

アマガエルとはどんなカエルなのか?

アマガエルは、アマガエル科アマガエル属に分類されるカエルです。カエルの中でも、イラストやモチーフとして登場することも多く、日本人にとってとても身近なカエルと言ってもいいでしょう。

「緑色のカエル」と言われたら、ほとんどの人がアマガエルを想像します。まずは、アマガエルがどんなカエルなのかを解説していきます。

生息域と生態

アマガエルは、沖縄や一部の地域を除いた日本全国に生息しています。日本だけでなく、朝鮮半島や、中国東部、バイカル湖周辺なども生息域となっています。

また、樹上性のカエルですので、主に木の上で生活しています。とはいえ、地上で見ることが多いので、イメージとしては意外かもしれません。

体の特徴

アマガエルは、おおよそ3~4センチの大きさで、メスのほうが大きくなります。前足には4本、後ろ足には5本の指があり、それぞれの指先には丸い吸盤が備わっています。

腹側が白色で、背中側が黄緑色となり、目の周りには黒い筋のような模様があります。ただし、アマガエルは環境に応じて体色を変化させるので、必ずしも黄緑色をしているわけではないので注意しましょう。

繁殖時期

アマガエルの繁殖時期は、普通4~7月ですが、時には8月まで続くこともあります。日が落ちると、水田などの水たまりに集まり、喉嚢という部分を使って大きな鳴き声を出します。

メスは、水たまりでオスとペアになると、泳ぎ回って卵を産みだします。一晩でおおよそ200~1000個の卵を水面に産むと、約50~60日後に再び産卵に現れます。

寿命

アマガエルの寿命は、野生下では4年ほどですが、環境の整った飼育下の場合は5~7年ほど生きます。また、オタマジャクシから、カエルの姿に変わるまでは1か月ほどで完了してしまいます。

他の種類のカエルと比べると、短いと言えます。たとえば、ウシガエルは寿命が10ほどで、オタマジャクシからカエルの姿に変わるまでは3年を要することがあるほどです。

鳴き方

カエルの鳴き声としてイメージする「ケロケロ」という鳴き声は、アマガエルの鳴き声ではありません。これは別の種類のカエルで、アマガエルは「ゲッゲッゲッ」や「クワックワックワッ」のような鳴き声を出します。

特徴として、一般的にカエルは繁殖期の夜に鳴きますが、アマガエルは雨が降る前にも鳴きます。これは、繁殖期でなくても、昼間であっても起こりるのです。この時の鳴き声は、「雨鳴き」と呼ばれています。

アマガエルの入手方法

アマガエルはネットで購入することができます。爬虫類や哺乳類の場合は、対面販売が義務付けられており、ペットショップ等を訪れる必要がありますが、アマガエルは両生類なのでその義務がないのです。

もし、野生のアマガエルを捕獲したいのならば、4~6月の水田近くの草むらを探すとよいでしょう。

販売価格

アマガエルは、1匹750円ほどで取引されています。ただし、これは普通の個体の値段です。アルビノだったり、青い個体の場合はオークションサイトなどで10000~20000円の値段が付くこともあります。

アマガエルの飼育に必要なアイテム

ここまで、アマガエルの特徴や生態について見てきました。ここからは、飼育に必要なアイテムを見ていきましょう。初心者で、飼うには心配事が多い人にもわかりやすく、1つずつ解説していきます。しっかり環境を整えてあげれば、アマガエルも長生きしてくれます。
  • 飼育ケース
  • 床材
  • 湿温度計
  • 水入れ
  • 木や観葉植物
  • 炭または中和剤

飼育に必要なアイテム①飼育ケース

飼育ケースは、最低限でも20×15×17ぐらいのプラスチックケースを用意します。逃亡防止のために、通気性の良い蓋つきのものがおすすめです。

100円均一に売っている小さな水槽でも飼えますが、おすすめしません。あまり小さすぎると、清潔な環境を維持することが難しくなってしまうからです。よほど自信があるのでなければ、大き目のものを用意したほうがいいでしょう。

飼育に必要なアイテム②床材

飼育ケースには、床材を敷いてあげます。床材は保湿効果があるものならば、何を利用しても構いません。野生のアマガエルを捕まえたのならば、その場所の土を利用することも可能です。

おすすめは、爬虫類や両生類用のソイルです。バクテリアがフンを分解してくれるので、清潔な環境を維持しやすくなります。

飼育に必要なアイテム③湿温度計

アマガエルの飼育は室温をおよそ22~27℃に保ってあげます。湿度は70~85%ほどが望ましい状態なので、温湿度計を導入するのがおすすめです。体が湿っていたほうがいいので、霧吹きなどで水をかけてあげるのも、体調管理に役立ちます。

飼育に必要なアイテム④水入れ

アマガエルは水切れに弱く、乾燥死してしまうことがあります。それを防ぐために水入れは必ず用意しましょう。また、アマガエル自身の毒素や老廃物などが混ざりますので、3日に1度は交換して、新鮮な水を常に用意してください。

水入れの大きさは、カエルの全身が浸かるぐらいであれば問題ありません。

飼育に必要なアイテム⑤木や観葉植物

必ずしも必要というわけではありませんが、木や観葉植物も用意したいアイテムです。観葉植物を導入するメリットとしては、鑑賞の時にきれいに見えるだけでなく、カエルが落ち着ける環境づくりになる点があります。

観葉植物の選び方のポイントとしては、少ない光でも育つか、そして、多湿の環境でも問題ないかどうかに注目しましょう。もちろん、人工のものでも構いません。

飼育に必要なアイテム⑥炭または中和剤

アマガエルの飼育には、新鮮な水を用意する必要がありますが、普通の水道水をそのまま使うことは避けてください。アマガエルは水道水に含まれているカルキを嫌うので、カルキ抜きをする必要があります。

初心者の方は、カルキ抜きというと難しく思うかもしれませんが、知っていれば簡単にできます。汲み置きの水道水を日光にさらす方法もありますが、これは時間がかかってしまいます。おすすめは、中和剤を使うことです。10~20分程度で完了します。

また、炭を使用した場合は、飲めるぐらいにきれいになるので、こだわりたい人は炭がおすすめです。

アマガエルの飼育方法

アマガエルの飼育に必要なものを紹介してきました。ここからは、飼育が始まってから行うことを解説していきます。アイテムを用意するだけではなく、維持することによって、アマガエルも長生きしてくれます。

アマガエルは雑菌の繁殖に弱いので、あっという間に弱ってしまいます。それを防ぐためにも、しっかりとした衛生管理の知識を身に付けていきましょう。

エサの選び方と与え方

アマガエルの餌はコオロギや、ショウジョウバエがおすすめです。1回の餌やりで1匹から3匹程度を週に2~3回のペースで与えましょう。与える時には、同じものが続かないようにします。

また、餌のコオロギなどが脱走しないように、羽は取ってから与えるようにしてください。

栄養面への配慮

同じ餌ばかりを与えていると、栄誉が偏ってしまい、病気の原因になります。なるべく色々な種類の餌を与えるようにしましょう。基本となる昆虫は何種類か用意し、場合によってはサプリメントの導入も検討してください。

サプリメントを選ぶ際には、リン酸カルシウムが含まれているものは避けてください。餌となる昆虫類にはリン酸カルシウムが含まれているので、過剰摂取となる可能性があるためです。

温度と湿度の管理

湿温度計でも説明したように、飼育する際は22~27℃程度に室温を保ちます。およそ30℃を超えてくると、調子が落ちてくるうえに、およそ36℃を超えると死亡の可能性もあります。また、およそ20℃を下回りだすと、消化能力の低下も出てくるので、温度管理には気を付けましょう。

もし、冬場に冬眠させたくない場合はヒーターなどを導入して、25℃程度をキープしてください。

ケージ内のフンや床材の清掃

アマガエルは病気に弱いので、その原因となるフンはしっかり取り除いてください。細菌が繁殖しやすいフンが残っていると、そこから病気に感染してしまいます。できるだけ清潔な環境を保つようにしてください。

床材は、土などを使っている場合は1ヵ月に1度交換しましょう。ソイルなどの人工物を使っている場合は、3日~1週間で交換するか水洗いしてください。

アマガエルを飼育する際の注意点

基本的な飼育方法を見てきたので、ここからは飼育時の注意点を見ていきましょう。アマガエルのちょっとした変化に気づくことによって、未然に病気や怪我を防ぐことができます。

餌に対する反応をチェック

アマガエルの餌に対する食いつきが悪くなるときがあります。そんなときは、給餌の前に霧吹きで湿り気を与えてやると、改善することがあります。また、餌の昆虫を違う種類に変えてみたり、小さなサイズのものを与えてみたりしてください。

冷凍や人工の餌の与え方

餌の昆虫はばら撒いて与えるのが基本になりますが、慣れてきたらピンセットで与えることが可能です。個体差もありますが、アマガエルは人に慣れやすいので、1ヵ月ほどで給餌が可能になります。

最初は、コオロギの尻をピンセットでつまんで、そっと与えてください。草や木に張り付いて休んでいるときよりも、餌を探してうろうろしているときのほうが食いつきがよくなります。

触れた後は手を洗う

アマガエルには弱い毒があります。捕食されそうになったときに身を守るためですが、人間にも有害です。よって、触れた後には手を洗ってください。もし、移動させたいときには、コップを使います。アマガエルの前にコップを構えて、尻をピンセットなどでつついて移動させてください。

複数での飼育

アマガエルを複数で飼育することはおすすめできません。オスメス混合の場合、オスがメスに繁殖行為を迫るのでストレスがかかってしまいます。また、メス同士の場合も、個体の大きさに差があると共食いが起きる可能性があります。

共食いを避けるためにも、複数で飼育したい場合は、同じサイズのメス同士でやるようにしましょう。

アマガエルがかかる可能性のある病気

ここからは、アマガエルの病気について見ていきましょう。どんな病気にかかる可能性があるかを知っていれば、適切な対処を取ることができます。アマガエルの健康を維持するためにもぜひ知っておいてください。また、病気を知ることによって、飼育において気を付けるポイントもわかってきます。

レッドレッグ

レッドレッグ(赤肢病)はエロモナス・ヒドロフィラという細菌が原因と言われている病気です。特徴としては、腿や腹部、喉や指の皮膚が充血して赤く見えるようになり、悪化すると出血や壊死を起こします。最終的には死亡する可能性もある病気です。

細菌に感染する原因としては外傷や、不衛生な環境、ストレスなどが挙げられます。防ぐには、衛生的な環境を維持したり、外傷が起こらないようなレイアウトにしていきましょう。過度なハンドリングを避けることも重要です。

出典:ツノガエルのレッドレッグと皮膚体腔膜穿孔|動物病院うみとそら
参照:https://www.ah-umitosora.com/case/entry/post-66/

代謝性骨疾患

もし、ぎこちない歩き方をしていた場合、代謝性骨疾患の可能性があります。この病気は、幼体の時に栄養の偏った餌を与えられ続けると発症しやすくなります。進行すると全身まひを起こし、重症になるとカルシウム値の異常からのけいれんを引き起こす病気です。

防ぐためには、バランスの取れた給餌をすること、特にリンとカルシウムのバランスに気を配ってください。

出典:カエル(ベルツノガエル、ソバージュネコメガエルなど)の代謝性骨疾患(MBD、歩き方がおかしい)|キキ動物病院
参照:https://kiki-petclinic.com/page/frog/109.php

寄生虫

病気ではありませんが、アマガエルには寄生虫がいることがあります。代表的なものは、マンソン裂頭条虫と、壺型寄生虫です。どちらも、アマガエルは中間宿主なので直接的に体調を崩すことはありません。人間への感染例もありませんが、犬や猫が感染することがあります。

犬や猫がカエルを食べることによって感染し、消化器官の不調を引き起こしてしまいます。飼育下で食べられることはまれですが、可能性として知っておくといいでしょう。

アマガエルに合う環境を整えて飼育しよう

アマガエルは初心者向けと言われています。知識や揃えるアイテムの難易度も高くありません。しかし、他の樹上生活を送るカエルとの共通点がとても多いカエルです。しっかりと飼育することができるのならば、他のカエルを飼育する際にも役に立つことでしょう。

この記事で説明したポイントや注意点は、アマガエルを飼育するにあたって非常に役立ちます。環境を整えて飼育することによって、あなたのアマガエルを育ててみてください。
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