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マダライモリとは?特徴や寿命・飼育に必要なものも併せて紹介

「イモリは飼うのが難しいって聞くけど、マダライモリはどうなのかな?」
「マダライモリの寿命ってどのくらいなんだろう?」
「マダライモリって人工飼料で飼えるのかな?」
マダライモリに関する疑問は、多くあるでしょう。

マダライモリは、飼育が比較的容易で魅力的な両生類です。

この記事では、マダライモリの特徴や原産地、飼育方法について詳しく解説していきます。また、繫殖方法についてや、雌雄の違いについても説明します。マダライモリの仲間は、他の両生類よりも雌雄の判別が容易です。

記事を読んでいただければ、あなたもマダライモリを飼育できるようになるでしょう。また、繁殖にも挑戦できます。

あなたも、ぜひマダライモリを飼育してみてください。

マダライモリの特徴は?

マダライモリ(学名Triturus marmoratus)はスペイン北部、フランス南西部の標高400m以下の湿った森林に分布しており、ヨーロッパではメジャーなイモリの1種ですが、フランスでは最近、その数を減らしています。

マダライモリは英語でMarbled Newtと言い、両生綱有尾目イモリ科クシイモリ属に分類される生物です。クシイモリの仲間は、繁殖期になるとオスが背中にクレストと呼ばれる、長い帆のようなひれを発達させることで知られています。

イモリの中でもマダライモリは、緑色の体に黒い斑紋が入り、背中には頭から尻尾までオレンジ色のラインが通っている、見た目がとても華やかな種です。

また、日本のアカハライモリなどと違って、成体は水棲ではなく陸棲であることも特徴の1つでしょう。

マダライモリの体長と成長速度

マダライモリは最大で17cm程度、すらりとした体型で、それほど大きい種ではありません。日本のイモリの代表、アカハライモリよりは少し大きめです。

マダライモリの成長はゆっくりとしています。卵から生まれて2~3ヶ月は幼体で、ウーパールーパーのような姿をしており、水棲です。その後陸に上がって、2年ほどかけてゆっくり成長します。

成体は泳ぐのが下手

アカハライモリなどは、幼体も成体も水棲です。一方、マダライモリの成体は陸棲で、繁殖期を除いて、水中に入ることはありません。

そのため、マダライモリの成体は泳ぐのがとても苦手です。飼育する際には、陸地を主としたテラリウムを作りましょう。

マダライモリの寿命

マダライモリの寿命はおよそ15~20年です。野生ではもっと短いのですが、天敵のいない飼育下ではかなり長生きになります。

正しい飼育方法で飼育すれば、長い間あなたのペットとして生きてくれるでしょう。

マダライモリの繁殖方法は?


マダライモリの成体は夏から冬にかけて、涼しくなってくると繁殖に入ります。秋口になったら、飼育環境をテラリウムからアクアテラリウムに変更しましょう。完全なアクアリウムでもよいのですが、その場合はマダライモリが呼吸できるように、浮島などを用意します。

繁殖水槽には、産卵床とするための水草を入れましょう。アナカリス、マツモなどが適当です。

成体は産卵を終えると、陸地に上がります。もとの飼育環境に戻しましょう。水中には水草とそれについた卵が残されます。卵から幼生の時期は、溶存酸素が必要なのでエアレーションをしましょう。

受精卵が孵化するのは、半月ほど経ってからです。孵化したての幼生は、3日くらいはヨークサックから栄養を得るので、餌を食べずじっとしています。その後は、ブラインシュリンプやミジンコなどで育てることができるでしょう。

少し大きくなってきたら、赤虫を小さく切ったものなどで飼うことができます。外エラが小さくなってきたら成体になるサインなので、水槽内に上がれる陸地を作りましょう。

雄雌の判別方法

マダライモリの雌雄判別は、繫殖期であれば簡単です。背中に帆のようなクレストと呼ばれるひれが現れるのがオス、そうでないのがメスとなります。

繁殖期以外では、2種類の雌雄判別方法があります。

1つは、背中のオレンジ色の線の観察です。オスはオレンジ色の線のところどころに黒い斑点があります。メスはオレンジ1色で模様はありません。

もう1つは総排出孔の形状です。後脚の間にある総排出孔を広げて観察しましょう。オスはI字型をしており、メスは点状です。

マダライモリの販売価格は?

それでは、マダライモリはどのくらいの値段で販売されているのでしょうか。マダライモリは生殖地では保護されていて、繁殖期のみ捕獲が可能です。そのため、野生個体は春に出回ります。

一方、人工繁殖の個体は、野生とは違い保護といった制限がありません。様々なサイズが1年中販売されています。

いずれも値段は5,000~10,000円程度です。オークションや通信販売などで、幼体をもう少し安く入手できることもあります。

マダライモリを飼育するために必要なものをご紹介


ここからは、マダライモリを飼育する上で必要な道具を紹介していきます。マダライモリは比較的飼育が簡単とはいえ、両生類はセンシティブな生き物です。しっかり準備をしてから飼育を始めましょう。
  • 飼育ケージ
  • シェルター
  • 床材
  • 霧吹き

飼育ケージ

マダライモリの飼育には、様々な容器が利用できます。天敵は空から現れることが多いため、動物は上から世話をされることが嫌いです。繁殖を行わないのであれば、横から世話のできる爬虫類用のケージが適しています。

いずれ繁殖を行う、幼体から飼育するといった場合には、水槽を使用するのが良いでしょう。もちろん、ある程度の水深が必要になるからです。

マダライモリは大きくなる生物ではないので、30cm水槽でも飼育可能です。繫殖を考える場合は多頭飼いになるので、60cm水槽を用意しましょう。

脱走の名人ですから、必ず通気性の良い蓋をかぶせることが必要です。

また、幼体は共食いをする性質があるため、1匹ずつ、もしくは水草など遮蔽物を入れて、少数ずつの飼育が必要になります。この場合は、小さいプラスチックケースか食品用の小容器を利用してください。

シェルター

マダライモリの成体は、野生下では水辺の倒木や落ち葉の影などに隠れて生息しています。そのため、成体の飼育環境にはシェルターが不可欠です。

マダライモリは乾いた環境を嫌うので、ウェットシェルターを設置してください。ウェットシェルターとは、上部に水を入れるところのある素焼き製のもので、湿った隠れ家を作れます。マダライモリは広い場所では落ち着かないため、小さめのものを使いましょう。

床材

マダライモリ飼育のための床材には、ソイル、赤玉土、水苔、ヤシガラマットなど、湿度が保てるものを選びます。園芸用のものは、動物に害のある物質が含まれている場合もあるので、動物飼育用のものを購入してください。

床材は排泄物などで汚れやすいので、3週間に1度、全て交換しましょう。

動物飼育用の床材は、ペットショップや通信販売で購入できます。

霧吹き

マダライモリは湿度の高い環境を好むので、毎日霧吹きでケージ内の湿度を上げておきましょう。できれば湿度計を設置して、湿度が60%以下にならないように気を付けます。

霧吹きは100円ショップのものでもかまいませんが、動物飼育用の霧の粒子サイズ調節可能なタイプが高湿度を保つのには適しています。

陸地と水場のレイアウトを用意

マダライモリの成体を飼う場合には、床全面に湿らせた床材を敷き、浅く水を張った水入れを埋め込むだけで充分です。水入れは、密閉容器の蓋を取ったものでかまいません。

繁殖させたい場合には、広い水場が必要になります。オスのクレストが発達してきたら、陸と水場が半々になるようレイアウトを変更してください。完全に水場で生活するようになったら、水深25cmの水場だけのレイアウトにしましょう。

産卵用の水草が必要になりますが、これを植え込むため以外の床材は不要です。植えずに重しなどで固定できれば問題ありません。

繁殖期にマダライモリの成体が水棲になると言っても、エラ呼吸に戻るわけではなく、呼吸のため水面に上がってきます。水苔を敷き詰めた浮島を用意しましょう。産卵が終われば、成体は陸に上がります。元の環境に戻してください。

卵と幼生は陸地を必要としませんが、エアレーションは必要です。また、幼生が大きくなり脚が生えてきたら、水面に出られるように足場を作ります。足場を登って肺呼吸を始めれば、成体のレイアウトで飼育できるでしょう。

エサの量と頻度はどれくらい?


ここからは、マダライモリのエサについて説明していきます。マダライモリは肉食性の両生類です。エサは与えると与えただけ食べてしまうので、量と頻度を調節しましょう。

変温動物は消化効率があまり高くありません。エサを与えすぎると消化不良で病気になることもあります。成体に与えるエサの量は、その個体の頭の大きさと同じくらい、頻度は週に2回程度です。幼体は1日に1回、食べるだけ与えましょう。

お勧めのエサ

マダライモリに適していて、入手しやすいエサは冷凍赤虫です。冷凍庫で保存できるので、とても便利なエサと言えます。ホームセンターや熱帯魚店などで入手可能です。通信販売も盛んなので、ぜひ利用しましょう。

給餌の際は、解凍した赤虫をピンセットではさみ、個体の目の前で揺らせば自然に食いつきます。

マダライモリは赤虫以外に、生餌のコオロギやSサイズのローチも好みますが、これらは栄養バランスが良くない上、サイズを維持したまま保存することができません。

そのほかの生餌にミルワームがあります。入手は楽なのですが、栄養バランスがコオロギなどより悪いです。さらに、エサを丸飲みする両生類の場合、ミルワームが内臓を食い破るなどの事故が起こるので、与えないようにしてください。

レプトミンなど人工エサに餌付いてくれると、栄養バランスが良い上、保存も楽で値段も安いため、飼い主にとっては望ましいと言えるでしょう。

エサを拒食した時の対策

マダライモリが拒食した際には、まず飼育環境をチェックしましょう。温度が22~28℃に保たれていないと食欲が落ちます。また、床材が汚れていると、自家中毒を起こしてしまうこともあり注意が必要です。

環境に問題がなければ、生餌を与えてみましょう。先に少し触れた、コオロギやローチです。健康であれば、マダライモリはこれらに食いつきます。

ただし、孵化直後と、幼体が陸に上がった直後はエサを食べないのが普通です。孵化直後は3日ほど間を空けましょう。陸に上がったばかりの個体には、積極的に生餌を与え、陸上生活に適応させます。

マダライモリの生態を理解して飼育しよう


マダライモリの生態や飼育・繁殖方法について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。

マダライモリは低温高温に比較的強く、飼育しやすい両生類です。また、馴れてくると、飼い主を見てエサだと感じ、シェルターから出て寄ってくるようにもなります。

長生きで、ペットとして魅力的なマダライモリ、あなたも飼ってみたいと思いませんか。
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