ヒヨドリの歴史
ヒヨドリの歴史は古く、今から800~1000年前の平安時代には貴族たちの間で愛鳥として親しまれていました。
ウグイスやホトトギスは和歌や短歌にも詠われているので有名ですが、意外なことに平安後期になるとヒヨドリを飼い、名前をつける貴族も多くいたという文献もあるほどです。現在では愛鳥に名前をつけることは当たり前ですが、平安時代当時では飼っている鳥に名前をつける、というのは珍しく、名前をつけられた愛鳥はヒヨドリが初めてだと言われています。
また、平安時代末期の源平合戦でもひよどりの名前が出てきます。
ウグイスやホトトギスは和歌や短歌にも詠われているので有名ですが、意外なことに平安後期になるとヒヨドリを飼い、名前をつける貴族も多くいたという文献もあるほどです。現在では愛鳥に名前をつけることは当たり前ですが、平安時代当時では飼っている鳥に名前をつける、というのは珍しく、名前をつけられた愛鳥はヒヨドリが初めてだと言われています。
また、平安時代末期の源平合戦でもひよどりの名前が出てきます。
●源義経の鵯越(ひよどりごえ)の逆落し● 平安時代末期の寿永3(1184)年、平家討伐を源頼朝に命じられた義経と範頼は、平氏を挟み撃ちにするため二手に分かれた。義経の軍勢は「鵯越(ひよどりごえ)」と呼ばれる絶壁(現神戸市兵庫区)の上から、「この崖を鹿が下ったというなら、馬でも下れるであろう」と、合図とともに馬ごと駆け下り、崖下の平氏の陣へ一気に攻め入った。不意をつかれた平氏は海になだれ込み、船で瀬戸内海を渡って屋島へ逃げた。 これは、源平合戦「一の谷の合戦」の名場面です。ここに出てくる「鵯越」という地名は、海を渡ってきたヒヨドリが、絶壁をなす急斜面を一気に昇っていくさまを見て付けられたと伝えられています。
http://www.buyo-gas.co.jp/exchange/public/yatyou/yatyou17.html
ヒヨドリの生態
ヒヨドリは全長は28cmほど、翼を広げた翼開長は40cmほどの大きさで、現在では1年中、山林や農耕地、市街地、また都市部でも見ることのできる野鳥です。
体の色は主に灰色で翼と尾羽は灰褐色、耳の周りが茶色く、腹には白と灰色の点々模様があり、頭は青灰色でボサボサ頭のような冠羽を持っています。
大きい動物には警戒心が強いですが、自分より小さな鳥のメジロなどにはつついて追い払うなど気が強い面を見せます。
そんなヒヨドリの生息地や食べ物、特徴など、ヒヨドリの生態を詳しく紹介します。
体の色は主に灰色で翼と尾羽は灰褐色、耳の周りが茶色く、腹には白と灰色の点々模様があり、頭は青灰色でボサボサ頭のような冠羽を持っています。
大きい動物には警戒心が強いですが、自分より小さな鳥のメジロなどにはつついて追い払うなど気が強い面を見せます。
そんなヒヨドリの生息地や食べ物、特徴など、ヒヨドリの生態を詳しく紹介します。
ヒヨドリの生態1:分類
ヒヨドリの生態として、まずは分類を紹介します。
ヒヨドリは鳥網スズメ目ヒヨドリ科ヒヨドリ属に分類される鳥類です。
ヒヨドリ属の中にはヒヨドリと、リュウキュウヒヨドリ、タイワンヒヨドリ、ハシブトヒヨドリ、イシガキヒヨドリ、アマミヒヨドリ、オガサワラヒヨドリ、ダイトウヒヨドリが亜種として分類されています。
ヒヨドリ科の中には、クロヒヨドリ、シロガシラ属のシロガシラなども分類されています。
ヒヨドリは鳥網スズメ目ヒヨドリ科ヒヨドリ属に分類される鳥類です。
ヒヨドリ属の中にはヒヨドリと、リュウキュウヒヨドリ、タイワンヒヨドリ、ハシブトヒヨドリ、イシガキヒヨドリ、アマミヒヨドリ、オガサワラヒヨドリ、ダイトウヒヨドリが亜種として分類されています。
ヒヨドリ科の中には、クロヒヨドリ、シロガシラ属のシロガシラなども分類されています。
ヒヨドリの生態2:生息地
ヒヨドリの生息地は、日本や、日本列島周辺の朝鮮半島南部やサハリン、台湾、中国南部、フィリピン北部です。
日本以外での生息地では数が少なく、日本固有の鳥として見られることも多くあり、国内各地の気候や環境、食べ物などに生態を合わせその地域でしか見られないヒヨドリも存在しています。
また、ヨーロッパやアメリカ大陸、アフリカ、オーストラリアには生息していない珍しい鳥のため、外国のバードウォッチャーにはヒヨドリを見に日本に来るという人も少なくありません。
日本以外での生息地では数が少なく、日本固有の鳥として見られることも多くあり、国内各地の気候や環境、食べ物などに生態を合わせその地域でしか見られないヒヨドリも存在しています。
また、ヨーロッパやアメリカ大陸、アフリカ、オーストラリアには生息していない珍しい鳥のため、外国のバードウォッチャーにはヒヨドリを見に日本に来るという人も少なくありません。
ヒヨドリの生態3:捕食
捕食、食べ物は生態を知る上でとても重要な事柄です。
ヒヨドリは雑食でなんでも食べますが、好物なのは甘い果実や花の蜜、木の実や昆虫などです。
普段は花の蜜や果物、野菜や木の実などを好んで食べますが、昆虫はあまりたべません。昆虫を食べるのはより栄養が必要な繁殖期や羽の生え変わる時期、羽が生え揃うまでの幼鳥など羽を作るためのたんぱく質が必要な時だけとされています。
一説には、ヒヨドリの祖先が熱帯~亜熱帯の環境にいたため、今でも甘い花の蜜や果物が好物だとも言われています。
ヒヨドリは雑食でなんでも食べますが、好物なのは甘い果実や花の蜜、木の実や昆虫などです。
普段は花の蜜や果物、野菜や木の実などを好んで食べますが、昆虫はあまりたべません。昆虫を食べるのはより栄養が必要な繁殖期や羽の生え変わる時期、羽が生え揃うまでの幼鳥など羽を作るためのたんぱく質が必要な時だけとされています。
一説には、ヒヨドリの祖先が熱帯~亜熱帯の環境にいたため、今でも甘い花の蜜や果物が好物だとも言われています。
ヒヨドリの生態4:鳴き声
ヒヨドリの鳴き声は「ヒーヨヒーヨ」という鳴き声で、名前の由来ともなっています。
「ヒーヨヒーヨ」と鳴いたり、他にも「ピーピョロピョロピ」「ピーピー」などと鳴き、繁殖期の求愛のさえずりや仲間とのコミュニケーション、また威嚇の甲高い声などさまざまな鳴き方をします。
「ヒーヨヒーヨ」と鳴いたり、他にも「ピーピョロピョロピ」「ピーピー」などと鳴き、繁殖期の求愛のさえずりや仲間とのコミュニケーション、また威嚇の甲高い声などさまざまな鳴き方をします。
ヒヨドリの生態5:寿命
ヒヨドリの寿命は野生では4~5年ほどです
同じスズメ目であるスズメは1年ほど、同じくらいの大きさのムクドリは5~7年、カラスは10年と言われているので、大きさ相応の寿命だと言えます。
同じスズメ目であるスズメは1年ほど、同じくらいの大きさのムクドリは5~7年、カラスは10年と言われているので、大きさ相応の寿命だと言えます。
ヒヨドリの種類別の特徴
ヒヨドリ、と聞くとすべて同じ鳥だと思われがちですが、ヒヨドリの中にはたくさんの種類がいて、それぞれ特徴を持っています。
例えば、日本の小笠原諸島北部(父島など)に分布するオガサワラヒヨドリはヒヨドリよりも暗色が強く、与那国島以外の八重山諸島(石垣島など)のイシガキヒヨドリは耳の羽から喉は赤褐色で胸と腹は褐色、というように、濃淡の違いや羽の模様、色などの違いが見られます。
地域に生態を合わせて違う魅力を持った、それぞれのヒヨドリの生態や特徴を紹介します。
例えば、日本の小笠原諸島北部(父島など)に分布するオガサワラヒヨドリはヒヨドリよりも暗色が強く、与那国島以外の八重山諸島(石垣島など)のイシガキヒヨドリは耳の羽から喉は赤褐色で胸と腹は褐色、というように、濃淡の違いや羽の模様、色などの違いが見られます。
地域に生態を合わせて違う魅力を持った、それぞれのヒヨドリの生態や特徴を紹介します。
ヒヨドリの種類
- シロガシラ
- リュウキュウヒヨドリ
- タイワンヒヨドリ
- ハシブトヒヨドリ
- クロヒヨドリ
1:シロガシラ
シロガシラの生態は、ヒヨドリ科シロガシラ属に分類されるヒヨドリの仲間で主に中国南部や台湾、八重山諸島に分布し、全長は19cmほどでヒヨドリより一回り小型となっています。
体の色は主に白と黒で、額や目の周りは黒く、後頭部あたりは白色です。頭の白色はシロガシラという名前の由来にもなっています。背や尾、翼の上面は褐色味のある薄い緑色をしていて、喉や腹などの下面は白色で、胸にはうすい褐色が見られます。くちばしと脚は黒く見えます。
鳴き声はヒヨドリよりもツグミなどに似た美しいさえずりをします。
頭が白いことはもちろんですが、ヒヨドリにはある点々模様がなかったり、ヒヨドリにはないうすい緑色や美しいさえずりが特徴です。
体の色は主に白と黒で、額や目の周りは黒く、後頭部あたりは白色です。頭の白色はシロガシラという名前の由来にもなっています。背や尾、翼の上面は褐色味のある薄い緑色をしていて、喉や腹などの下面は白色で、胸にはうすい褐色が見られます。くちばしと脚は黒く見えます。
鳴き声はヒヨドリよりもツグミなどに似た美しいさえずりをします。
頭が白いことはもちろんですが、ヒヨドリにはある点々模様がなかったり、ヒヨドリにはないうすい緑色や美しいさえずりが特徴です。
2:リュウキュウヒヨドリ
リュウキュウヒヨドリの生態は、ヒヨドリ科ヒヨドリ属の亜種で、沖縄諸島と宮古諸島に分布し、全長は27~28cmほどでヒヨドリと同じくらいの大きさです。
体の色はヒヨドリよりも全体的に濃く、背は暗い赤褐色をしています。ヒヨドリの特徴である耳の周りの茶色が嘴の下や喉まで伸び、帯のようになっています。
沖縄の方言ではピューサー、スーサーなどと呼ばれています。
全体的に暗い赤褐色で、首の周りに茶色の帯が特徴です。
体の色はヒヨドリよりも全体的に濃く、背は暗い赤褐色をしています。ヒヨドリの特徴である耳の周りの茶色が嘴の下や喉まで伸び、帯のようになっています。
沖縄の方言ではピューサー、スーサーなどと呼ばれています。
全体的に暗い赤褐色で、首の周りに茶色の帯が特徴です。
3:タイワンヒヨドリ
タイワンヒヨドリの生態は、ヒヨドリ科ヒヨドリ属の亜種で、与那国島にしか分布していない大変珍しい鳥です。
体の色がヒヨドリよりも黒や灰色っぽく、やや嘴が太くなっているのが特徴です。
体の色がヒヨドリよりも黒や灰色っぽく、やや嘴が太くなっているのが特徴です。
4:ハシブトヒヨドリ
ハシブトヒヨドリの生態はヒヨドリ科ヒヨドリ属のの亜種で、小笠原諸島南部の火山列島に分布しています。
同じ小笠原諸島に生息するハシブトヒヨドリとオガサワラヒヨドリですが、最近のDNA分析の研究で2種の起源は異なり、
小笠原諸島南部に生息するハシブトヒヨドリは本州や伊豆諸島、小笠原諸島北部に生息するオガサワラヒヨドリは沖縄県南部の八重山諸島を起源としていることがわかりました。
ハシブトヒヨドリの特徴は、その名の由来ともなっている嘴の太さです。
同じ小笠原諸島に生息するハシブトヒヨドリとオガサワラヒヨドリですが、最近のDNA分析の研究で2種の起源は異なり、
小笠原諸島南部に生息するハシブトヒヨドリは本州や伊豆諸島、小笠原諸島北部に生息するオガサワラヒヨドリは沖縄県南部の八重山諸島を起源としていることがわかりました。
ハシブトヒヨドリの特徴は、その名の由来ともなっている嘴の太さです。
5:クロヒヨドリ
クロヒヨドリの生態は、ヒヨドリ科の鳥で、台湾や中国南部や東南アジアに分布しています。
体の色は全体が黒く、嘴と脚のみが赤く目立つ色をしています。
日本には生息していませんが、台湾では馴染みのある鳥です。日本では一度だけ迷い鳥として与那国島で観測されています。
体の色は全体が黒く、嘴と脚のみが赤く目立つ色をしています。
日本には生息していませんが、台湾では馴染みのある鳥です。日本では一度だけ迷い鳥として与那国島で観測されています。
ヒヨドリに関するトリビア3選
1年中見られるヒヨドリは身近な鳥となり生態を観察しやすい鳥です。
昔は渡り鳥だったことや、巣がツバメの巣と同じように縁起物として大切にされていたり、反対に、自宅に巣を作られ鳴き声の騒音やフン害、果実や野菜などを食べて荒らすなどの害鳥としての面もあり、その対策に頭を悩ませている方もいます。
ヒヨドリは渡り鳥なのか日留鳥なのか、巣はなぜ縁起物なのか、巣を作られないための対策など、ヒヨドリのトリビアを生態から詳しく紹介します。
昔は渡り鳥だったことや、巣がツバメの巣と同じように縁起物として大切にされていたり、反対に、自宅に巣を作られ鳴き声の騒音やフン害、果実や野菜などを食べて荒らすなどの害鳥としての面もあり、その対策に頭を悩ませている方もいます。
ヒヨドリは渡り鳥なのか日留鳥なのか、巣はなぜ縁起物なのか、巣を作られないための対策など、ヒヨドリのトリビアを生態から詳しく紹介します。
1:ヒヨドリは渡り鳥なのか留鳥なのか
ヒヨドリは元々、夏の間は北海道やサハリン、冬の間は越冬のため沖縄や台湾、フィリピン北部、朝鮮半島南部などへ数百ほどの群れを作り渡る、渡り鳥という生態でしたが、現在では1年中日本に留まる留鳥となっています。
年月をかけて日本の気候に適応する進化をし、日本固有の鳥とまで言われるようになりました。
北海道で繁殖したヒヨドリは現在でも冬の間は本州や沖縄に渡っていたり、季節によって国内を渡っていたりもしますが、基本的には留鳥として各地に分布しています。
年月をかけて日本の気候に適応する進化をし、日本固有の鳥とまで言われるようになりました。
北海道で繁殖したヒヨドリは現在でも冬の間は本州や沖縄に渡っていたり、季節によって国内を渡っていたりもしますが、基本的には留鳥として各地に分布しています。
2:ヒヨドリの巣は縁起が良いのか
ヒヨドリの繁殖期は4月下旬頃から9月にかけてと長く、巣作りをした後、卵を産んでからは2週間ほどで孵化しその後10日ほどで巣立つという生態です。1回の子育てが約1ヵ月と短いため、同じつがいで年に2~3回子育てを行うヒヨドリも多くいます。
ヒヨドリはツバメと同じように自力で巣を作ることから、出世や繁栄の象徴、招福の縁起物として言い伝えられており、自宅の庭木などにヒヨドリの巣が作られることは縁起の良いことだとされています。
ヒヨドリはツバメと同じように自力で巣を作ることから、出世や繁栄の象徴、招福の縁起物として言い伝えられており、自宅の庭木などにヒヨドリの巣が作られることは縁起の良いことだとされています。
3:ヒヨドリの巣作り対策方法
ヒヨドリの巣が縁起物とされていても、昼夜問わずの鳴き声やフン害などに悩まされている方にとっては、自宅での巣作りは遠慮してほしいものでもあります。
巣を作らせないためには、庭木や庭先に鳥避けネットをはったり、キラキラした光沢のあるテープや紐などを枝に巻きつけたりすることが効果的です。
一般的な鳥避けネットはヒヨドリは潜り抜け巣を作ってしまうこともあるので、隙間が狭い、網目が小さめの畑用ネットを使うことも良いでしょう。
また、巣に卵や雛がいる場合、勝手に巣を撤去することは鳥獣保護法により禁止されているので注意が必要です。
巣を作らせないためには、庭木や庭先に鳥避けネットをはったり、キラキラした光沢のあるテープや紐などを枝に巻きつけたりすることが効果的です。
一般的な鳥避けネットはヒヨドリは潜り抜け巣を作ってしまうこともあるので、隙間が狭い、網目が小さめの畑用ネットを使うことも良いでしょう。
また、巣に卵や雛がいる場合、勝手に巣を撤去することは鳥獣保護法により禁止されているので注意が必要です。
ヒヨドリの生態を知って観察を楽しもう
ヒヨドリは昔から日本で親しまれ、ヒヨドリも日本の気候や食べ物に生態を合わせ進化しながら日本の留鳥となりました。
日本列島周辺にしか分布しておらず、その多くは日本に生息しているために日本固有の鳥として知られ、また地域ごとで羽の色や模様、鳴き声などの生態や特徴が異なることから各地のヒヨドリを観察するために外国のバードウォッチャーも多く来日しています。
ヒヨドリの生態や各地のヒヨドリの特徴を知ってヒヨドリをより身近に感じ、庭先や旅先などでヒヨドリの違いを観察して楽しみましょう
日本列島周辺にしか分布しておらず、その多くは日本に生息しているために日本固有の鳥として知られ、また地域ごとで羽の色や模様、鳴き声などの生態や特徴が異なることから各地のヒヨドリを観察するために外国のバードウォッチャーも多く来日しています。
ヒヨドリの生態や各地のヒヨドリの特徴を知ってヒヨドリをより身近に感じ、庭先や旅先などでヒヨドリの違いを観察して楽しみましょう