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タシギは日本で見られる?特徴は?タシギの分布や生態を紹介

タシギとは?

タシギとは、鳥の名前です。渡り鳥であり、冬鳥です。

漢字ではタ・シギとそのまま読み、「田鴫」あるいは「田鷸」と書きます。田んぼによく居ることから、田(タ)と名付けられた由来もあります。

シギ類として最も日本で広く知られているのがタシギです。タシギがそこにいるということは、豊かな自然環境がある証拠でもあります。

タシギの特徴は?

タシギの外見はトンビやスズメなどの、茶色をベースにした体色をしています。模様を含んだ茶色は、枯葉などの迷彩模様として優秀です。

タシギは美味しい鳥のためスナイパーの的になることもあります。タシギ界の中では社会問題となっているのでは?と予想できます。

頭から尾まで柔軟な一本の骨を持つことで運動能力を高めている動物は、脊索動物(せきさくどうぶつ)と呼ばれ、タシギもまたその特徴を持っています。

最大の特徴は長いくちばしです。

大きさ

タシギの大きさは、トンビの半分ほどで、スズメの倍ほどの大きさです。

体長はだいたい27cmほどです。鳥としての体長27cmを計る場合、くちばしの先から尾羽までの長さが27cmということです。つまり特徴的な長いくちばしも入れて27cmということになります。

くちばしの割合が大きく7〜9cmと推定されます。ということは頭から尾羽までは18〜20cmほどと予想できます。羽を広げたときの翼の最大全長は43cmとなります。

くちばし

タシギ最大の特徴は、その長いくちばしです。

ミミズや昆虫を器用に捕まえてエサにすることから、鳥の手としても重要な役割にもなっています。鳥の種類も数あるといえど、なかなか立派なくちばしを持っているタシギです。

くちばしが長い分、とらえ食べたエサの味を口の中で長く楽しむことができるといえます。ヒナ鳥のころにはまだ長いくちばしが成長していないため、親鳥からエサをもらいつつ成鳥へと育っていきます。

体色

タシギの羽や体毛はスズメと似ている模様をしています。鳥らしい羽らしい模様といえば、ある程度思い浮かべることができるでしょう。

茶色をベースに白と黒がまだらのように、ちらほら見えます。

オスメスともに毛の模様や羽の色に違いはありません。そのため人間がタシギを見てオスメスを判別するのは至難です。

タシギも自分の体色がどういうものかわかっており、上記の画像のように、茶色い枯葉がたくさんあるところにいると、優秀な迷彩柄となります。

タシギの生態は?

普段は淡水の水田や河川に立っています。田んぼで突っ立っている姿など、なかなか愛嬌のある格好をしています。

エサとしては田んぼによくいるミミズなどを食べています。頭の高いところに位置する目は周囲を監視するのに都合がよく、危険を感じるとさっさと飛び立ちます。

渡り鳥としての習性を持っています。基本的に群れを作らず単独で行動しますが、移動の時期は同じなのでほかのタシギ達とも会い、一緒に行動したりもします。
タシギの生態
  1. 嘴端開閉(したんかいへい)
  2. 半夜行性
  3. 雑食
  4. 求愛行動

嘴端開閉(したんかいへい)

嘴端開閉(したんかいへい)なんだか難しい言葉ですが、読み解くと「嘴」くちばしの、「端」さきっちょが、「開」開いたり、「閉」閉じたり、する様子のことです。

くちばしは長いけど、柔らかいのは先端だけであり、そこから頭につながる8割ほどの部分は、けっこう硬いくちばしをしている。とも受け取れます。

人間がタシギのモノマネをしようとしたら、おちょぼ口になって唇の先端だけを動かすと、タシギの気持ちに近づけるはずです。
嘴端開閉(したんかいへい)について
  • 口先のこと
  • 先端2cmほど
  • 柔らかい
  • 器用

半夜行性

メインとなるエサを探す時間帯は夜です。そのため図鑑などでは夜行性として紹介されています。タシギがここは安全だと思えば、昼にもウロウロするようです。

それにしても夜に田んぼのなかからミミズや昆虫などを普通に見つけているわけですよね。くちばしや匂いで探すのもあるでしょうが、目も良いです。

人間でいう夜食のラーメンなどにあたるのが、タシギの昼食。それもけっこう頻繁に。渡り鳥として長く飛行するためにもスタミナは必要なのでしょう。
半夜行性について
  • 主に夜食中心
  • たまに昼につまみ食い
  • 昼も夜も寝る

雑食

鳥は普段なにを食べているか、だいたい予想できるでしょうか。ミミズから昆虫といった定番から、たまに陸地で見かけるカニ、植物の種子まで幅広く食べます。健康的な食事といえます。

タシギ自体がバランスのいい食生活のためか、タシギを調理するととても美味しいのです。フランス料理の食材として用いられることもあります。
雑食について
  • 鳥らしい食生活
  • 好き嫌い無し
  • ミミズ
  • 昆虫
  • カニ

求愛行動

結局のところ、生物なのでしょう。人間と同じです。タシギであれオスはメスにモテたいのです。スナイパーに狙われる危険をおかしてでも、派手に動いて音を立てメスに飛びかかり求愛するのです。

めでたくカップルとなり新築を築くわけですが、タシギの家は適当に穴を掘って、適当に草を並べただけの質素なつくりです。渡り鳥のタシギにとっては最適な家なのでしょう。

平均して4個の卵をメスが産み、卵を抱き温めるのもメスだけがやります。孵化までの日数は2週間とも20日とも言われています。
求愛行動について
  1. 急降下
  2. さえずる
  3. 羽音をたてる

タシギの生息地は?日本で見られる?

アメリカ北部、アメリカ南部、ユーラシア大陸、アフリカ中部から南部にかけて生息しており、地球のいたるところにいる、たくましい鳥です。

渡り鳥として冬にはアメリカ中央部、ヨーロッパ南部、アフリカ中東エリア、インドなど暖かい地域へ移動します。

もちろん日本にもいます。日本だけで考えれば、北海道から沖縄へと渡る個体もいるのでは? と推測できます。自ら快適な気候を求めて移動している賢い鳥とも言えます。

生息圏は?

タシギは海にはいません。渡り鳥として海上を飛行中は除きます。塩分を含まない淡水を好むので、草原や湿地帯田んぼなどにいます。

特に絶滅の心配もなく、渡り鳥ではありますが、一日中飛び回っているわけではないので、里山に近しい地域であればどこにでもいるようです。

ぶらりと田んぼの近くを通るときには、周囲を見渡すとその辺にいるかもしれません。ただしカモフラージュは上手なので、状況にもよりますがパッと見ではわかりません。

日本にいる地域・地帯は?

渡り鳥としての移動の習性として、寒い時期には南へ行くことを考えに入れると、日本国内においてはやや南に集まりやすいです。

関東から南にかけてよく見られています。個体によって好みの差があるためか、たまに北海道にもいます。

日本のレッドデータ検索システムにおいて東京や神奈川にもたくさんいます。東京であっても都心から少し離れれば里山的地域もありますから、その辺で羽を休めているものと思われます。

見られる時期はいつ?

タシギは冬に日本にいることが多いですが、ちょうど木々は枯れている季節です。

茶色ベースに黒白という羽模様は、枯れ草の中にあればカモフラージュとして優秀なため探す際には目を凝らす必要もあります。

冬に枯れ葉の近くで茶色の30cmくらいの鳥を見つけたとしても、それは本当にタシギでしょうか?実はタシギと似た鳥に、ハリオシギ、チュウジシギ、オオジシギという鳥もいます。彼らも野鳥です。

この4種類はとても似ている鳥のため、判別は至難の業です。タシギだけは頭の中央にモヒカンのような白の縦線がはっきり見てとれます。

タシギの鳴き声は?

ピヨピヨピヨ、ヒヨコに似た声にときおり人間のクシャミのような声が聞こえます。ピヨピヨとクシャミを合わせて「ジェッ」と鳴き声を表現されたりもします。

朝のチュンチュンお目覚めといった声優的な鳴き声、またはコケコッコーとも鳥の声帯タイプが違います。独特な鳴き声です。

驚いて逃げるときにジェッジェッジェッと飛び跳ね逃げていったり、メスへの求愛のときにジェッジェッジェッと飛びついたりします。かわいいでしょ?

タシギの生態系を理解して自然の中で探してみよう!

タシギは渡り鳥です。夏にはほどよく涼しい地域を好み生息していますが、寒すぎるのも避けるので冬には南、あるいは暖かい地域へと移動します。

淡水のところにしかいないと言えるので、塩分を含む海近辺にはいません。草原や水田、河川にいます。

日本には冬に来ることが多いですが、枯葉と羽模様の相性が良く、優秀なカモフラージュとなっているため、その季節に探すとなるとある程度の眼力も必要です。

とても似ている鳥も数種類いるので、頑張って探してみましょう。

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