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ハチドリはペットとして飼えるの?飛び方の特徴や生態も併せて解説

「ハチドリってどんな動物?」
「ハチドリのくわしい生態が知りたい」
「ペットとして飼育することってできるの?」
このように、ハチドリに関する疑問や興味をもったことがある人もいるのではないでしょうか。

この記事では、ハチドリのくわしい生態や飛び方などの特徴、ペットとしての飼育が可能かどうかについて紹介していきます。

この記事を読むことで、ハチドリについての知識を得ることができます。その知識があることでハチドリをより魅力的に感じることができ、加えてハチドリとどのように関わっていけば良いのかが分かるようになるでしょう。

ハチドリについて知りたい人や、ハチドリをペットにしてみたいと思っている人は、ぜひこの記事をチェックしてください。

ハチドリとは?

ハチドリとは、アマツバメ目ハチドリ科に属している種類のことです。ハチドリの仲間は350種類ほど存在しているとされています。生息地は北米、カナダ、アメリカ合衆国南西部からアルゼンチン北部にかけてです。

ハチドリは漢字で表記すると「蜂鳥」になります。「蜂」の名がついた理由は、ハチドリの飛び回るブンブンという羽音が蜂の飛ぶ音に似ていたためです。

また、ハチドリは英語で「Hummingbird」と呼ばれます。これも蜂の飛ぶ音が由来になった名前です。

ハチドリの生態

ハチドリの体の色は種類によって異なります。例に挙げると紫色、褐色、緑色などです。ほとんどのハチドリが鮮やかな色合いをしており、デザインも華やかで目を引きます。ハチドリは求愛行動で体の華やかさを利用しているため、色鮮やかで美しい外見をしているのです。

ハチドリは進化によって視覚が発達した動物であるとされています。また、脳の視覚情報を処理する部分も発達しているため、空間認識能力が優れた鳥であるといわれているのです。

飛行中は視覚情報をもとにして、方角や自分の位置を理解することができます。加えて、物の小さな動きでも見極めることができるため、高速で飛んだり細かい動きで飛んだりすることができるのです。

ハチドリの餌

ハチドリの餌は花の蜜がメインです。特徴的な長くて細いくちばしを器用に使い、飛行しながら花の蜜を吸います。もしペットとして飼っていたなら、ジュースを与えると飲んでくれるでしょう。

ハチドリのくちばしは長いため、花冠の長い花の蜜でも簡単に飲むことができます。これにより、他の虫や鳥などと争うことなく食事を摂ることができるのです。これは植物側にとってもメリットになります。蜜を吸う動物を限定することで、効率的に受粉が行えるのです。

ハチドリは高速で飛ぶことから、かなり代謝が良いとされています。そのため、失ったエネルギーを補うために食べる餌の量はかなりのものです。自身の体の1.5倍ほどの量の餌を食べると考えられています。

ハチドリの飛び方

ハチドリはホバリング飛翔と呼ばれる飛び方をします。これは1秒間に55~80回ほどの高速で羽ばたき、空中でとどまるという飛び方です。

ホバリング飛翔を行うのは基本的に昆虫類ですが、ハチドリは鳥でありながら上手にホバリング飛翔を行います。ハチドリは翼を蜂や蠅の羽と同じように前後に羽ばたかせ、空気の渦をつくることでその場にとどまることを可能にしているのです。

そんなハチドリですが、ホバリング飛翔を可能にするために足が退化してしまっています。体を軽くするために筋肉はあまりなく骨も細いため、ほとんど歩行することができません。エネルギーの消費が激しいのもホバリング飛翔によるものです。

ハチドリの寿命

ハチドリは体が小さく代謝も良い動物ですが、比較的寿命は長いです。平均寿命は3~5年ほどで、長く生きる個体になると10年以上は生きることができます。同じく哺乳類の中では小さいチビトガリネズミが2年以上生きられないことからも、その寿命の長さが分かるでしょう。

これまでに推定も含めて10年以上生きていることが確認されたのは、フトオハチドリ、ノドクロハチドリ、アカハシエメラルドハチドリなどです。

孵化してから巣立つまではハチドリも弱く、命に危険が迫りやすい期間です。しかし、その期間を過ぎれば長く生きられる個体も多くなるでしょう。

ハチドリの体長

ハチドリは鳥の中でも体のサイズが小さいです。数多くの種類が存在していますが、その多くが体長10cmほど、体重は15gほどしかありません。その小ささから、ペットにしたいと考える人もいるでしょう。

ハチドリの中で最も小さいのはマメハチドリで、体長は6cmほど、体重は2gほどです。その小さな姿は鳥というよりも昆虫に近いでしょう。

最も大きいハチドリはオオハチドリです。その体長は20cmほど、体重は20gほどにもなります。

ハチドリは日本に生息しているの?

ハチドリは日本には生息していません。ハチドリは熱帯の暖かい地域に生息している種類が多いため、日本の気候で野生として生きていくことは難しいでしょう。

家の庭や公園などでハチドリのような生き物を見たことがあるという人もいるでしょう。しかしそれは、ペットとして飼育されたハチドリが逃げ出して来たわけではありません。

日本に生息するハチドリによく似た生き物は、スズメガという名の虫です。色鮮やかで飛び方が良く似ているため、見間違えられることが多いのでしょう。スズメガの中でも間違えられやすいのはオオスカシバとホシホウジャクという種類です。

ちゃんと見比べるとスズメガとハチドリは全然違う生き物なのですが、どちらも高速で飛び回るため間違えられることが多いです。

ハチドリはペット飼育が可能なのか?

ハチドリはワシントン条約で保護されており、ペットにする目的で輸入することが不可能な鳥です。そのため、ハチドリをペットとして飼育することはできません。いくらペットにしたいという思いが強かったとしても、日本で飼育することは事実上不可能なのです。

個人でハチドリをペットとして飼うことは不可能であるため、ハチドリを実際に見るためにはハチドリがいる場所に足を運ぶことが求められます。

ハチドリを見られる場所

日本でハチドリを見るためには、個人のペット飼育が許可されていないため、動物園や植物園などの施設でハチドリを飼育している場所を探すことが求められます。しかし、現在の日本ではハチドリが見られる施設はありません。

以前は長崎バイオパークでチャムネエメラルドハチドリという種類を見ることができましたが、最後の1羽が亡くなってしまいました。それからハチドリの飼育は行っていません。

ハチドリはペットとしての輸入が禁止されているだけでなく、施設に輸入することもとても難しい動物です。さらに、飼育や繁殖も難しいとされています。

ハチドリを見たいという人は、ハチドリが野生に生息している場所に足を運びましょう。お気に入りの種類のハチドリがいるならば、その種類が生息している国に行ってみることをおすすめします。

世界最小の種類はマメハチドリ



マメハチドリは、世界で最も小さい鳥です。2gほどしかない体重は、1円玉2枚分の重さと変わりありません。

なぜマメハチドリがここまで小さいのかというと、他のハチドリとの生存競争をした結果であると考えられています。

そもそもマメハチドリは、他のハチドリと同じほどの大きさでした。そして他の種類と同じ地域で生きていく中で、食料となる花の蜜の奪い合いが起きたのです。

マメハチドリは食料を得るために、小さな花の蜜を飲むようになりました。そのうちに、つられて体も小さくなったと考えられます。

小さくて可愛らしいマメハチドリですから、ペットとして飼育してみたいと思う人もいるでしょう。しかし、マメハチドリも他のハチドリと同じく、ペットにすることはできません。ペットにしたいと考えていた人は、そのことを知っておきましょう。

マメハチドリの卵

小さな鳥であるマメハチドリは、産む卵もとても小さいです。大きさはわずか1cmほどで、コーヒー豆とほとんど同じになります。

キューバに暮らすマメハチドリは雨季に繁殖期に入り、卵を産んで育てます。子育てをするのはメスの仕事です。綿や蜘蛛の巣を材料にして3cmほどの小さな巣がつくられ、その中で子育てが行われます。

成長しても小さな鳥ですから、生まれてくるヒナも当然小さいです。それ故に、子育てには危険が伴います。巣やヒナが風で飛ばされたり、蟻などの小さな虫に襲われたりする可能性があるのです。母親のマメハチドリはそんな危険から精一杯ヒナを守って子育てをします。

そんな風にして、マメハチドリは小さいながらもたくましく生きていっているのです。

ハチドリはペットとして飼えないことを知っておこう

ハチドリはとても小さい鳥です。しかし小さいだけでなく、おもしろい特徴を沢山もっています。飛び方や食事といったハチドリの特徴は、他の鳥とは異なるとても魅力的なものです。

そんな可愛らしくて魅力的なハチドリですが、ペットとして飼育することはできません。それは、ペットにする目的で輸入することが禁止されているからです。

現在の日本でハチドリを見ることはできません。もし見たとするならば、それはペットとして飼育されているものが逃げ出したのではなく、スズメガという全く別の動物でしょう。

ハチドリはペットとして飼えないことを知っておいてください。ハチドリを見たいと思ったならば、ペットにすることを検討するのではなく、見られる国に足を運んでみると良いでしょう。
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