キバタンの特徴や寿命の長さは？飼い方と飼育に必要なものも紹介

「キバタンを飼うために必要なケージの広さは？」
「寿命が長いと聞くけど実際どのくらいなの？」
「エサはなにをあげればいいの？」
このようにキバタンを飼ってみたいけれど、飼い方が分からず悩んでいる方はいらっしゃいませんか。

この記事ではキバタンの寿命はかなり長いなどの基礎知識や飼育に必要な道具、管理の注意点について解説しています。

記事を読むことによってキバタンに適した飼育環境を用意することができ、上手に管理しながら健康に育てることができるようになるでしょう。

キバタンをペットとして飼ってみたい方はぜひ参考にしてください。

キバタンは、頭部に冠のような羽をもつ、オウム目オウム科に分類される鳥類です。

野生ではオーストラリアに広く分布しており、ペットとしても高い人気があります。一方で、寿命が長いこともあり、個体数が増えすぎてしまい害虫として駆除されることもあるのです。

また、豊富な毛色を持つインコと違い、キバタンは白色の体に黄色の冠羽という風に統一されており、特徴的で美しい見た目をしています。

キバタンはオーストラリアが原産の50cmほどの大型のオウムで、真っ白な体に黄色の冠羽を持つ特徴的な見た目をしています。性格は明るく好奇心旺盛で、遊ぶことが大好きです。

また、野生下でも20年以上と鳥類の中でも長い寿命を持ちます。知れば知るほど魅力的なキバタンですが、野生ではどのような生活をしているのか、飼育下での寿命はどれくらいなのか、実際の性格などを詳しく見ていきましょう。

キバタンはバタンインコという鳥の仲間で、野生では森などに群れを作って生活しています。外敵が近づくと見張り番が警戒の鳴き声をあげて仲間に知らせる頭の良い鳥なのです。植物の種子や果実などを主食としています。寿命は鳥類の中では長く、野生での寿命は20〜40年ほどです。

キバタンの鳴き声はとても特徴的で大きい声なので森林の中でも遠くまで響かせることができます。

体長は50cmほどで、体重は800g前後とかなり大きいです。日本でよく見るセキセイインコは体重35gほどなので、キバタンがかなり大型な鳥類であることが分かりますね。

オスとメスは目の色で見分けることができ、オスは黒色でメスは赤茶色の目の色をしています。繁殖期は年2回で、水辺近くを住処として、つがいで過ごし、タマゴを2個産みます。

少し変わった習性としては食物を解毒するために粘土を食べる土食をすることです。

キバタンの性格はとても明るく、好奇心が旺盛で頭が良いです。遊ぶことも大好きなので、色々な遊びを覚えることができます。記憶力や表現力が優れているのでおしゃべりやダンスなどの芸を覚えてくれることもあり、ものまねも得意です。

また、甘えん坊で寂しがり屋な一面もあり、人にかまってもらうことが大好きです。そのため、長時間1人でお留守番をすると強いストレスを感じることがあります。環境の変化も苦手で、ストレスが原因で自傷行為を行うこともあるため気をつけましょう。

野生のキバタンはオーストラリアとパプアニューギニア周辺に生息しています。

オーストラリアで様々な気候の地域に分布しており、シドニーでは王立植物園などの街中でも見つけることができるのです。また、リゾート地であるグレートバリアリーフのハミルトン島ではホテルにやってくることもあります。野生のキバタンは人間を怖がらず、自分から近づいてきます。

キバタンの寿命は大変長く、野生での寿命は20年〜40年ほどで、飼育環境下での寿命は50年～70年くらいです。120歳まで生きたキバタンもいるそうなので驚きですね。

悲しいですが、この寿命の長さが飼育放棄などに繋がってしまうこともあるのです。キバタンは鳥類の中でも寿命がかなり長いことを理解し、終生飼育ができるかどうかをしっかりと考えなければいけません。

人なつっこい性格や特徴的な見た目からペットとして人気なキバタンですが、適切な飼育環境を整えてあげなければ、ストレスから大きな鳴き声をあげてご近所に迷惑をかけてしまったり、病気になってしまったりして、寿命が全うできないこともあります。

ここからはキバタンを飼育するために必要なアイテムを見ていきましょう。キバタンの身体的特徴や性格を考慮して必要なものを選んであげてください。

また、寿命が長いため、生涯にわたって定期的に道具を買い替える必要があるので金銭面も考慮するようにしてください。

キバタンは大型の鳥ですので、体に合わせた広く大きなケージを用意する必要があります。冠羽や羽を広げても余裕を持ち、動き回れる位の大きさのケージを選びましょう。

また、キバタンは賢く、ケージの開け方を学習し、自分で開けて脱走してしまうこともあるので注意が必要です。出入り口はナスカンや南京錠などを使って、簡単に開けられないようしましょう。

さらに、噛む力が非常に強いため、低価格のケージですと破壊されてしまう可能性があります。ステンレス製の頑丈なケージが適していますが、それでも数年でボロボロになってしまいます。寿命も長いので生涯で数回はケージを買い替える必要があるでしょう。

ケージの管理については、まず、キバタンが非常に脂粉（フケ）が多い鳥ということを理解しましょう。脂粉がフンと共にケージの下に溜まります。敷き紙を置き、毎日交換してください。また、定期的にケージごと水洗いする必要があります。アレルギーがある方は空気清浄器の設置も検討しましょう。

止まり木は、キバタンが食事・睡眠・羽繕いなど生活の多くの時間を過ごす場所になります。

止まり木には色々な種類があり、太さが均一なものやプラスチック素材の止まり木、自然の枝で作られた止まり木などがあります。

では、キバタンを飼育する際にはどの止まり木が適しているのでしょうか。

まず素材についてですが、自然の枝で作られたものがキバタンには適しています。自然木の止まり木は太さが不均一で脚にいい刺激を与えてくれます。太さが均一のものだと足の裏にタコができることがあります。

また、プラスチック製の止まり木は、キバタンがくちばしや爪のケアをする際にあまり削れないのでケアが上手く行かないことがあります。

また、止まり木を選ぶ時には必ずキバタンの脚の大きさに合っているかを確認しましょう。太すぎたり細すぎたりすると、脚や爪に悪影響を与えます。

キバタンが止まり木を握った際に、止まり木の真ん中より少し下の位置に爪の先が当たる位が適した太さです。この状態だと、爪が止まり木に当たっているので、自然に爪が削れます。

ケージの中にはキバタンが退屈しないようにおもちゃを入れてあげましょう。キバタンは頭がよく、木をかじるだけでは満足しないので、頭を使ってエサを取り出す知育玩具のようなものが適しています。

また、ストレス解消のためにも壊しても大丈夫なおもちゃも入れてあげましょう。

野生のキバタンは穀物や果物、植物の種子などを主食としています。

飼育下のキバタンに同じものを与える必要はなく、ペットショップに売られている大型オウム用のペレット（主原料がトウモロコシなどの穀物類でビタミンなどのオウムに必要な栄養素が配合されたもの）を主食としてあげましょう。

小松菜やチンゲンサイ、ブロッコリーなどの野菜、りんご、バナナなどの果物はおやつとしてあげてください。

キバタンを飼育する際には大きなケージや止まり木、ストレス解消のためのおもちゃなどが必要不可欠ですが、そういった道具を揃えた上で、実際にどのように飼育をしてあげればいいのでしょうか。

ここからは、キバタンとの過ごし方をみていきましょう。適切な環境を整え、ストレスをなく、寿命を全うできるように健康に飼育してあげましょう。

キバタンは大型の鳥ですので、ずっとケージの中にいるとかなりストレスが溜まってしまいます。そのため、定期的に放鳥を行い、ストレスがたまらないようにしてあげましょう。大型なので放鳥のためには、それなりに広いスペースが必要となります。

また、人と遊ぶことが大好きなので、しっかりと遊んであげられる時間が必要です。そのため忙しくてかまってあげる時間が取れない人はキバタンの飼育は控えた方がいいでしょう。時間に余裕があるか、複数人が交代でキバタンのお世話をできる環境が飼育には向いています。

温度管理については、熱帯に住む鳥なので、日本の冬は寒すぎます。キバタンが過ごす部屋は15℃以下にならないように温度管理をしましょう。

ペットショップやネット通販で大型のオウム用のえさを購入しましょう。キバタンは環境の変化でストレスを感じ、食欲が減ってしまうこともあります。普段食べなれていた餌を把握するために、キバタンを購入したペットショップで何をどのくらいの量や頻度で食べていたかを聞いておくといいでしょう。

キバタンはくちばしが大きいため、りんごやバナナなどの果物類、小松菜やブロッコリーなどの野菜類を好んで食べます。おやつとして与えてあげましょう。

基本的には1日2回、朝と夜にあげてください。適切な分量はペレットを体重の10％分与え、おやつとして野菜・果物をあげるようにするといいです。飼育下では運動不足になりやすいのでごはんのあげすぎには気をつけましょう。

ネギやアボカド、モロヘイヤなどはキバタンにとっては有害なので食べさせないようにしてください。

適切なエサをあげることでキバタンの健康寿命をのばしてあげましょう。

キバタンは飼育放棄されてしまうことが多い動物です。理由としては鳴き声がかなり大きいことと、寿命がとても長いことが挙げられます。

キバタンの寿命はとても長いですが、賢く、人懐っこい性格のため、上手く飼育することができればキバタンとともに魅力的な楽しい生涯を送れるでしょう。

キバタンの飼育を考えている方は、寿命が長さや鳴き声の大きさをよく考慮してからキバタンを迎えてあげてください。

キバタンの鳴き声はかなり大きく、雄叫びのような甲高い声をあげます。そのためキバタンを飼うには防音環境が不可欠です。マンションなど集合住宅では、防音対策をしっかりしないと苦情が入り、ご近所トラブルになりかねませんので気をつけましょう。

1人での留守番の時間が長かったり、遊びの時間が短かったりするとストレスがたまり、継続的に鳴き続けることがあるので、まずはキバタンとの時間をしっかりと作り、ストレスをためないようにしてあげてください。

具体的な防音対策の設備としては、アクリル板で覆ったり、家中の窓や壁を2重にしたり、窓に防音カーテンをつけたりするなどが挙げられます。寿命が長く、長期間の対策が必要なので自宅をリフォームしてしまうのも1つの方法です。

現在の自宅の環境を考慮し、防音対策をしっかり行えることを確認した上でキバタンを迎えてください。

キバタンにとって遊びはとても重要で、飼い主さんとのコミュニケーションの向上に必要不可欠です。遊び自体がストレス解消の方法でもあるので、遊びの時間はしっかりと確保してあげましょう。

暇な時間が長いとキバタンは多大なストレスを受けてしまいます。ストレスは自傷行為である毛引きや自咬みの原因にもなります。留守番をさせる時にはケージ内に知育オモチャなどを入れてあげて退屈を感じにくくする工夫をしてあげてください。

また、定期的に放鳥時間をしっかりと確保しましょう。大型の鳥なので、ストレスなく飛べるように開放感のある広い空間も必要です。

カルシウム欠乏症の対策のために週に2回以上は日光浴の時間もつくってあげましょう。

かじることが好きで、習性として口に色々なものを入れて確認するため、放鳥を行う空間には危険なものを置かないようにし、清潔に保つことも大切です。

そのため、仕事が忙しいなどで、遊んであげる時間や放鳥時間が十分に作れない方やキバタンのために広いスペースが用意できない方にはキバタンの飼育は不向きです。

キバタンの寿命はかなり長く、野生では20年～40年ほど、飼育下での寿命は70年以上にもなる子もいます。20代でキバタンのヒナを飼い始めた場合は70代までお世話が必要になるのです。そのため、自分がお世話をできなくなった時に家族の協力が得られるかが大切になります。

もしかしたら自分の子供やお孫さんの代までキバタンのお世話が必要になる可能性があることを考え、キバタンをお迎えする必要があるのです。先に飼い主さんが寿命を迎えてしまい、里親に出されてしまう子もいます。

終生飼育できるかどうかよく考え、家族にはキバタンの寿命がとても長いため将来的に面倒をみてもらう可能性があることをあらかじめ伝えてから飼育を始めましょう。

キバタンはとても頭の良い鳥なので、自力でカギを開けてケージから脱走してしまうことがあります。ケージから脱走すると部屋の中を荒らされてしまったり、キバタンがケガをしてしまったりする可能性があります。ケージには南京錠やナスカンなどでしっかりと施錠を行ってください。

また、放鳥時に窓から脱走してしまうこともあるため、ハーネスなどをつけて対策をしましょう。

キバタンは大型の鳥であるため、くちばしの力も非常に強く、ケージをこじ開けたり、おもちゃを破壊してしまったりすることもあります。人間も噛まれたらケガをする可能性があるので気をつけましょう。

キバタンは海外ではペットとして人気が高いですが、日本ではまだ飼っている人も少なく、珍しいペットです。そのため、寿命がかなり長いことや鳴き声がとても大きいことを知らずに飼い始め、面倒をみきれなくなってしまい里親に出されてしまうことも少なくないです。

キバタンをお迎えする前には家族とよく相談し、寿命が長いことを理解してもらい、しっかりと防音対策をして環境を整えましょう。鳴き声の大きさは動物園などで実際に聞いて確かめてみるとよく分かるでしょう。

飼育のための環境をしっかりと整える必要のあるキバタンですが、大変賢い鳥なのでおしゃべりや様々な遊びを楽しむことができます。また、しっかりと物事を教えてあげれば正しく理解し、寿命も長いため、飼い主さんの生涯のパートナーとなってくれるでしょう。