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インコの病気を種類別に紹介|サインは日々のチェックで確認しよう

「これから、インコを飼いたい。」
「もっと、インコの生態を詳しく知りたい。」
これから、インコを飼いたいとお考えの方も多いのではないでしょうか。

本記事では、インコの生態や日頃の健康チェック法もわかりやすく解説しています。また、インコのかかりやすい病気を種類ごとに詳しく紹介いたします。

インコたちは日常生活の中で、私たちにサインを出しているのです。そのサインに気が付けるかどうかは、私たち人間にかかっています。

本記事を読めば、インコ達から発するSOSを受け取れて、インコの飼育に役立つことでしょう。

大切なペットであるインコに長生きしてもらうために、インコがかかりやすい病気について知りましょう。

これからインコを飼う方、インコについてもっと詳しく知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

インコの生態を理解しよう

インコは最近では、ペットショップでも見かけることが多くなってきました。カラフルでこんまりとしたその可愛らしい容姿に、思わずほっこりしてしまうこともあるでしょう。

日本で、すっかりお馴染みのインコですが、どこの国からやってきた鳥なのかご存知ですか?意外と知られていないのではないでしょうか。

インコの故郷では、日本の雀のように自由に空を飛び回っているのです。

また、おしゃべりするインコもSNSによく見かけ、注目されることも多くなりました。

そんな彼らは、実はとっても我慢強い一面もあるのです。例え痛くても、その素振りを見せないため、病気であるか判断が難しいのです。かかりつけの動物病院があると安心です。

ここからは、インコの出身地についてと、その我慢強さはどこからやってくるのか、わかりやすく説明いたします。

南国生まれで気候の変化に敏感


インコの原産国は、オーストラリアです。オーストラリアの内陸部の乾燥した地帯に野生として生息しています。暖かく湿度が低い気候が適しています。

日本の湿度が高く、冬場は寒い気候がインコにとっては好ましくありません。まだ若く健康なインコであれば、ある程度は適応できます。

しかし、エアコンなど活用してインコにとって快適な環境を提供すると良いでしょう。

雛や病気になってしまったインコ、シニア期のインコには、特に体調管理をしっかりしましょう。

インコは病気を隠すのが上手

“鳥類は病気を隠すのがうまい”と、よく言われる理由はなんでしょう。

それは、弱っている姿を見せるということは、外敵からターゲットになりやすいからです。
それは野生の世界では、命を危険に晒すことになります。

そのためインコは、我慢できる限界まで堪えて、できるだけ弱みを見せようとしません。

日頃のお世話しながら、さりげなくインコの様子をよく観察することが何より大事です。

インコが病気になる前にできる健康チェック

インコの身体に、何か異変が起きたときに、飼い主が見分けるポイントがあります。

それは、「見た目」「動き・行動」「便・尿」の3点です。

この3点に注目しながら、インコの様子を観察して見ましょう。インコは、人間に比べると、4倍もの速さで歳を重ねていくのです。

人間にとってはたった数日ですが、病魔は待ってはくれません。数日遅れたがために、手遅れになることもあるでしょう。

いつもと様子が違う、何か変だなと感じたら、迷わず動物病院へ受診しましょう。

毎日、インコの観察をすることが早期発見に繋がります。

見た目でわかるチェック方法

インコの見た目で、具合が悪いのかどうか、チェックする方法があります。

以下に書かれているところはないか、入念に確認しましょう。

・ご飯は食べていない
・膨らんでいる
・羽のつやがない
・左右は対称でない
・止まり木に留まらず、床にいる
・気持ち悪そうにしている、または嘔吐している
これらのポイントが当てはまれば、すぐに動物病院へ連れていきましょう。

手遅れになる前に、躊躇することなく動物病院で受診をし、獣医師の指示を仰ぎましょう。

目は赤くないか|腫れていないか

インコの目が赤くないか、腫れはないか日頃からチェックしておくと良いでしょう。

外傷性で多い他の鳥とのケンカによるものや結膜炎やアレルギーの可能性があります。

また、目だけでなく他にも腫れがないかチェックしましょう。例えば喉が腫れると、動きが鈍り、食事や呼吸に影響が出てしまう可能性があります。

腫れは、病気を可視化できるため飼い主にも、わかりやすい症状といえるでしょう。気になる点があれば、獣医師に相談しましょう。

頭や顔は汚れていないか

インコは、1日の24時間のうち2時間ぐらいは、毛繕いならぬ羽繕いに時間をとります。

例え頭の羽が汚れても、すぐにきれいにするでしょう。そのため、頭が毛が汚いままでいることは、本来ならないはずです。

頭の羽が汚れたままにしている時は、注意が必要です。

体調が優れないと、わずか数時間で汚してしまいます。そして羽繕いするだけの余裕がないのかもしれません。

求愛行動や、巣作り、水浴び後なども汚れますが、健康なため問題ないでしょう。

羽が抜けたりはげていないか

インコの羽は、元気な時でも新陳代謝が活発になり、抜けることがあります。「換羽」と呼ばれ、これは自然な現象です。

インコは毎日2時間ほど、羽繕(はづくろい)をして羽を手入れします。

羽繕いをしていた羽を抜いてしまうときは注意が必要です。

発情行動やパニック、栄養不足、皮膚炎など原因は実に様々です。

相性が合わない同居する鳥によって毛引きをされることもあります。よく観察し、場合によっては別々のケージで飼育すると良いでしょう。

鼻の色や周りは汚れていないか

インコの鼻は、嘴(くちばし)の付け根にあり、ロウ膜と呼ばれる柔らかい皮膚で覆われています。

性別、種類によって、様々な色の違いあります。

発情期には、メスは茶色く変化します。オスには変化は見られません。発情期が終われば、ゆっくりと元に戻っていきます。

もし、白く変色しまるで軽石のような小さな穴が空いたら、ダニによるものでしょう。

オスが茶色く変化したら生殖器系疾患、代謝性疾患を疑いましょう。

インコの鼻(ロウ膜)の色の変化は、健康のバロメーターといえるのです。

くちばしは伸びていないか|変形していないか

インコのくちばし(嘴)は少しずつ伸びます。稀にくちばしが伸びすぎてしまうことがあります。

くちばしが伸びすぎてしまう原因は、2つあります。
1、インコがくちばしを手入れしない、もしくは出来ない状態にある。
2、くちばしが伸びるスピードが異常に速い。

インコは、こまめに手入れを(咬んだり、こすったり)欠かさないのですが、病気になると手入れが出来なくなります。

爪は伸びていないか|出血していないか

インコ同士が喧嘩をしたり、事故に遭ってしまったりすることでインコが出血してしまうことがあります。まず止血をしなければいけません。

飼い主だけでは出血を止めることが出来ない時や、どこから出血しているか正確に分からない時は動物病院へ大至急連れて行きましょう。

インコの爪が伸びすぎていないかもチェックしてあげましょう。病気になると、爪の手入れも疎かになります。

羽の色は正常か

インコは、飛ぶ時以外は、羽を左右対称にたたんで暮らしています。

基本的に成鳥のインコは、羽の形、色は、年齢とともに変化するということはありません。

これができない時は、神経系の疾患や中毒、事故に遭った可能性があります。

事故に巻き込まれて、骨折してしまったり、飼育環境によるストレスから羽咬症、毛引き症、自咬症になってしまうインコもいます。

お腹や胸が膨らんでいないか

インコのお腹、胸が膨らんでいるかどうかは、非常に分かりづらいです。

もし飼い主が見て気が付く場合は、すでに病気がかなり進行している可能性があります。

また、飼い主が近くにいる時だけ、気が付かれないように隠す個体もいます。少し遠くから、インコを観察するなど工夫が必要になります。

また、定点カメラを利用してインコを録画しておくと、獣医師にも伝えやすいでしょう。

おしりは汚れていないか


普段インコのおしりに、便や尿が付着することはないでしょう。

おしりが汚れてしまう場合には何らかの病気が関係している可能性があります。
・ソノウ炎
・腸炎
・肝臓疾患
・キサントーマ
・総排泄腔疾患
などが考えられます。

また、産卵直前の場合も考えられます。

インコを清潔に保つために、お手入れをしてあげてください。またケージ内もよくこまめに掃除をしておくと、感染リスクを抑えられます。

仕草や行動でわかるチェック方法

愛らしいインコは、ペットであり家族そのものと言えます。愛鳥には、いつまでも元気で長生きして欲しいというのは、飼い主なら皆が願うことです。

インコが不調を飼い主にこっそり話してくれたら、どんなに良いかと思われることでしょう。

インコは、大胆に不調を訴えてくることはありませんが、日常の中で飼い主に小さなSOSを送っているのです。

そのSOSを受け取ることができるようにするには、日頃からインコの様子をよく観察することが何より重要になります。

ここから、インコが辛い時にする仕草や行動をわかりやすく紹介していきます。

もし以下の様子が見られたら、すぐに動物病院へ連れていきましょう。

糞がいつもと違う

インコは1日に、約50個近く排泄をします。これは鳥特有ですが、空を飛ぶための性質です。

こまめに排泄することで、身体を軽くしています。便秘をしている状態は、インコにとってよくありません。

日頃からフンの回数や形状、色を観察しておきましょう。

水っぽい便なら、消化器官の病気の可能性もあります。

嘔吐

インコのオスもメスも繁殖期に吐くことがあります。これを吐き戻しと呼びます。これは、求愛行動であり病気ではありませんので心配入りません。

繁殖期の求愛なら、対象となる鳥もしくは、人や物が必ず存在します。オスならば食事を与えるために、メスなら子育てをするために求愛します。

辺りに撒き散らさずに、1箇所にまとめて吐き場合には、吐き戻しと考えて良いでしょう。

病気による嘔吐の場合は、辛そうに顔を左右に振り、周囲に嘔吐物を撒き散らします。

このような吐き方をしていたら、動物病院へ連れていきましょう。

元気がなく食欲もない

インコはこまめに食事をとります。絶食は、病気であることのサインです。様々な病気が考えられますので、一刻も早く動物病院へ受診しましょう。

じっと動かず、胸やお腹が膨らんでいるケースは危険なサインです。

また、事故により首の形が曲がってしまい、普通の食事の与え方では食べることができないケースもあるようです。その場合は、飼い主が工夫する必要があります。

口呼吸をしている

口(くちばし)を開けて呼吸をすることを開口呼吸と言います。開口呼吸することは稀です。

時折、緊張や興奮、室内が暑いことで見られます。

状況が落ち着くことで元の呼吸に戻るでしょう。

インコの呼吸が早まっていることを見分けるポイントは2点あります。
・ボビング(尾羽を振るように呼吸)
・スターゲイジング(上を見上げながら呼吸)
このどちらかが当てはまれば病状がかなり悪いでしょう。

咳やくしゃみをしている

インコのくしゃみは、「クシュクシュ」といった音がするため、わかりやすいでしょう。

また、ロウマク(鼻)の上部が鼻水により濡れたり、顔が腫れたりします。
顔が腫れてくると、左右対称でなくなるため気が付きやすいでしょう。

悪化すると、結膜炎を引き起こすため注意が必要です。

刺激物を吸引してしまったり、風邪により引き起こされます。

羽を膨らませている

インコは、具合が悪いときや身体が痛むと羽を膨らませます。
また翼をきちんとたためず、地に着くくらい翼をおろしていることもあります。

羽を膨らませるということは弱っている証拠でもあります。
外敵から狙われないようにする本能から、弱った姿はなかなか飼い主にも見せたがりません。

インコに気づかれぬよう、そっと遠くから異常がないか観察しましょう。

インコの病気を種類別に紹介

ここまで、インコが見た目からわかる健康チェック法と、仕草や行動から分かる健康チェック法について紹介してきました。

大好きな飼い主にさえも、弱みは見せないインコたちを守るには、日々の健康観察が重要です。
普段のインコの様子をしっかり観察し、いつもと少しでも違うことがあれば獣医師に相談しましょう。

犬、猫に比べ、鳥の診察を行う獣医師は少ないです。インコが元気な時から、鳥も受診してくれる動物病院を探しておくことをお勧めします。
万が一の時に役立つことでしょう。

ここからは、インコのかかりやすい病気について種類別に紹介していきます。

メガバクテリア症(AYG、マクロラブダス症)

多くの鳥類の胃に存在する大きな棒状の微生物が原因で起きる病気です。

その見た目が大きかったことから「メガ(大きな)バクテリア(細菌)症」と呼ばれました。

しかし、研究により真菌(カビ)の仲間であることが判明しました。名前を改めて、「マクロラブダス」になりました。

全てのインコが発症するわけではありませんが、免疫力が低下することで症状が現れるようです。

よく見られる症状としては、食欲不振、嘔吐、軟便、下痢が挙げられます。

ビタミンB1欠乏症(脚気、脚弱症、チアミン欠乏症、多発性神経炎)

ビタミンB1が不足することから起きる病気です。

特に巣立ち後の幼鳥には注意しましょう。運動量が増えてビタミンB1が不足しがちです。

また、アワ玉のみの挿し餌ではビタミンB1が欠乏してしまいます。アワ玉を作る過程で、ほとんどビタミンB1が減少するためです。

欠乏すると、多発性神経炎を引き起こします。脚のしびれや筋肉の痛みが起こり、脚を引きずりはじめ、やがてくちばしや翼を駆使して辛そうに行動します。

悪化すれば、呼吸困難になり、命を落とします。

幼若鳥専用のペレット、もしくはパウダーフードを与えましょう。

ビタミンD欠乏症

幼鳥、産卵期のインコに多く見られるビタミンD3が欠乏して起こる病気です。

ビタミンD3とは、腸管、骨、腎臓に働きかけ、カルシウムやリンの濃度調整をする栄養素です。食事からビタミンD3を摂取したり、日光浴をすることで浴びる紫外線から体内で生成されます。

餌からビタミンD3が不足したり、日光浴する時間が足りないことで発症します。家では、日光浴を一日最低15分させると良いでしょう。ガラス越しなら30分は日光浴をさせてあげてください。

冬場は、紫外線が減るので特に長めに日光浴させることを心がけましょう。

鳥の疥癬(カイセン)症

疥癬症とは、ヒゼンダニというダニによって起こる皮膚の病気です。

症状は、患部が分厚くなり、くちばしは変形したり伸びたりします。ヒゼンダニは皮膚にトンネルを作って寄生するのでため、無数の小さい穴が開きます。そのため、痒みや皮膚炎を起こすのです。

人への感染はありませんが、鳥同士は感染します。乾癬症にかかったインコのケージには、同居させないようにしましょう。

内服薬や注射で殺ダニ剤を投与することで、治療が可能です。

オーム病(クラミジア症)

クラミジア感染による人獣共通感染症です。

鳥類全般に感受性があります。病鳥の糞便、分泌液や羽毛による汚れた環境によって感染します。

鳥には無症状のことが多く、人に感染すると頭痛、咳、痰、筋肉痛、関節痛などインフルエンザと似たような症状を引き起こします。

多骨性骨化過剰症(骨髄骨)

インコの骨の中は、本来軽く空洞が出来ています。(ハニカム構造)空を飛ぶために、少しでも軽量化するための進化の結果です。

しかし、発情期になると卵を産むための準備を始めます。卵の殻をつくる為に、骨の中にカルシウムを蓄えます。

骨の中に、カルシウムが異常に多く沈着してしまった状態を指します。

この病気はメスだけでなく、精巣腫瘍を持ったオスにも起きることがあります。

マイコプラズマ病

マイコプラズマ病はマイコプラズマ菌の感染によって引き起こされる呼吸器の病気です。

マイコプラズマは、単独でなく、他の細菌と混合感染すると発症することが特徴です。

慢性呼吸器病や関節炎を引き起こします。

病鳥との直接関わったり、病原体を含んでいる飛沫物など汚れた環境での感染が挙げられます。

結膜炎、鼻炎、副鼻腔炎、気管支炎、気嚢炎にまで進行する場合もあります。

PBFD(オウム類の嘴、羽毛病)

PBFDウイルス(サーコウイルス)から感染します。幼若期のインコが発症しやすいです。

潜伏期間は、2~4週ほど、しかし長いと数カ月~数年にわたります。

免疫不全になり、死亡することもあります。

回復しても、キャリアとなり他の鳥に感染させてしまいます。病鳥の糞や羽毛による汚れた環境によって感染するため、同じケージの中で他の鳥を飼うことはできません。

腹部黄色腫(キサントーマ)

インコの皮膚が黄色に変色して腫れてしまうことを、黄色腫(キサントーマ)と呼びます。

高脂血症の状態であるインコに刺激が加わったことで発症する炎症です。腫瘍ではありません。

インコが発情すると、卵の卵黄のもとになる中性脂肪が多く作られます。常に発情することで、インコは高脂血症の状態になります。

内服治療と、食事内容を見直し、また発情を抑制するため一つのケージで飼育することで改善していきます。

過剰産卵

栄養が十分に摂取しており、卵管に問題がなければ発生しません。

しかし、カルシウムなどの栄養が不足していることに加え、卵管異常があるとトラブル(卵の変質や変形、卵塞)の原因となります。

また、インコの産卵周期の回数は1年に1~2回であり、1回の周期で、4~7個の卵を産みます。

過剰産卵とは、この標準を超える周期回数、産卵数であることを指します。

精巣腫瘍

オスによく見られ、精巣に腫瘍ができる病気です。精巣は熱に弱く、温められると腫瘍になりやすい性質があります。

犬や猫は、体外にありますが、鳥は飛ぶため体の中に精巣を持ちます。さらに発情すると、精巣の大きさは通常よりも10倍以上にも大きくなります。体内の中で、他の内臓と接触するため、温度がさらに上がりやすくなります。

年に1~2回の発情であれば問題ありませんが、常に発情していると腫瘍になる原因となります。

卵塞(卵秘、卵詰まり、卵停滞、難産)

卵塞とは、インコの卵が膣部あるいは子宮部から、一定の時間を経過しても産卵できない病気です。

一般的には、約1日で体内に卵が作られ、すぐ産卵されます。しかし卵が体内にできても自力で産めずに、長時間いきんでいたり、うずくまってしまうインコもいます。
・初産
・過剰産卵
・ビタミン、カルシウム、ミネラル不足
・日光浴不足
原因には上記のようなものがあります。

時間が経過すればするほど、痛みが強くなり、中にはショック死してしまうインコもいます。安易に考えず、動物病院に相談しましょう。

毛引き症と自咬症

毛引き症とは、インコ自ら羽毛を引き抜く症状を指します。毛が抜けるため、地肌が丸見えの状態になります。

くちばしさえ届けば全てが抜いて、さらに悪化すると地肌まで地肌まで傷つけてしまう「自咬症」にまで発展してしまいます。

人によくなつき、賢いインコは、飼い主に構ってもらえないことによる精神面のストレスから発症することが多いです。

また、炎症、汚れを取り除きたいがゆえに発症することもあるようです。

腺胃拡張

腺胃が通常より大きく肥大してしまう病気です。

ちなみに腺胃とは、人の胃と同様に酸性の消化液で、餌を分解する臓器です。オウム目に属する全てインコやオウムに多く見られる病気です。

発症すると、神経障害を起こして、腺胃を中心に消化器官で拡張してしまいます。著しく消化器官の運動機能が低下します。

歩行異常などの運動機能も衰えてくるため、止まり木に止まれないなど明らかな変化が見受けられます。

未だに、原因は特定されておらず、根本的な治療方法がない不治の病です。

そのう炎

「そのう」とは、餌を一時的に溜めるための袋状の器官です。

そのう炎とは、そのうに炎症が起きる病気です。

原因は、挿し餌を作り置きすることにより鮮度が落ち、雑菌が繁殖してしまったものを与えてインコに与えてしまうことです。また、温度管理も大切です。

熱すぎると、やけどしますし、冷たいと消化不良を起こしてしまいます。手間がかかりますが、人肌くらいに温めた挿し餌をインコに与えるようにしましょう。

また、人間の食べ物を誤飲したり、成鳥になっても挿し餌を与えていると、そのう炎になりやすいので注意しましょう。

発症すると嘔吐、下痢、食欲不振、あくびをよくする、水をたくさん飲むなどの症状が見られます。

腫瘍

腫瘍とは、皮膚や皮下組織や内臓にしこりが出来る病気です。

良性と悪性が存在します。しこりの大きさや硬さ、また痛みがあるかどうかは、出来た部位によって違います。また種類も様々です。

・肉芽腫 毛細血管と線維芽細胞から成るしこり
・黄色腫 脂肪のように見えるしこり 外科手術の際に出血しやすい
・脂肪腫 脂肪組織からなる良性腫瘍
・線維肉腫 線維芽細胞の悪性腫瘍
・骨肉腫 非上皮細胞(支持組織)に発生した悪性腫瘍
・尾脂腺の腫瘍 良性の乳頭腫と腺腫と悪性の腺癌と扁平上皮癌の2パターン

鳥類は哺乳類と骨格が異なるため検査などが制限されます。そのため特に内臓の腫瘍を発見することは困難です。

痛風

痛風とは、尿酸が蓄積して起こる病気です。

鳥の排泄物を見ると、緑茶色の糞と白いねばっとした成分があります。この白色の成分こそ、尿酸になります。

原因は、インコの腎不全により、身体の外へ尿酸がうまく排泄できないことで起こります。
・タンパク質やビタミン・ミネラルの過剰摂取、または不足
・遺伝
・水分不足
・老化
・感染症
なども原因の一つと考えられています。

インコの脚の関節がいつもより腫れていたり、足をあげて止まり木を掴みたがらない様子があれば、すぐに動物病院へ連れていきましょう。

インコの病気は日常の世話から予防していこう

いかがでしたか。

インコの生態や病気、今すぐできる健康チェック法をお伝えしてきました。インコは我慢づよい生き物です。少しくらい痛くても辛くてもへっちゃらな顔をして飼い主のそばにいるでしょう。

もし、あなたの大切なインコに病魔が忍び寄っているとしたら、飼い主は何をしてあげられるのでしょうか。

それは、日常的な世話と観察です。いつもと違うかな?という観察眼がインコを救うのです。躊躇せず、動物病院へ連れていき獣医師に相談してください。

愛鳥とともに、心豊かな生活を満喫できるように日頃から観察を行いましょう。

ぜひ、あなたの大切なインコの様子をお世話をしながらよく観察することをお勧めします。この記事を参考にしていただけましたら、幸いです。
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