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カササギの鳴き声の特徴|基礎知識やカササギフエガラスとの違いなども紹介

「ふと目を向けたら、カラスによく似た白と黒のツートンカラーの鳥がいたけれど、あれは何という鳥?」
「カチカチカチ、という鳴き声が聞こえたけれど、どんな鳥?」
「カササギは飼うことができるの?」
このようにカササギがどんな鳥なのか、カササギの詳しい生態についてよくわからず疑問に思っている方もいるのではないでしょうか。

この記事では、カササギの鳴き声の特徴、基礎知識やカササギフエガラスとの違いなども詳しく解説しています。

この記事を読むことによって、カササギの生態や鳴き声などについて、知ることができるでしょう。

カササギの鳴き声が気になる、生態を知りたくなったというときは、是非この記事をチェックしてみてください。

カササギに関する基礎知識

カササギは、日本では佐賀県の平野を中心に、限られた範囲に生息している鳥です。

スズメ目カラス科に属しており、よく見かけるカラスよりも一回り小さく、白と黒のツートンカラーの鳥です。
特徴的な声で鳴き、非常に頭が良いことで知られています。

それでは、カササギに関する基礎知識について詳しく解説していきます。
カササギがどこに生息していて、何を食べているのかなど、生態について興味がある方は是非参考にしてみてください。

文化財保護法による保護の対象となっている

カササギは、日本では主に九州北部の狭い地域でしか生息が確認されていません。そのため、文化財保護法による保護の対象となっています。

出典:カササギ(カチガラス)の紹介|佐賀県
参照:https://www.pref.saga.lg.jp/kiji0031353/index.html

名前の由来

カササギの名前の由来は、朝鮮の古名である「かし(かさ)」と、漢名である「鵲(しゃく)」が合わさった名前だとされています。

もともとカササギは日本にはいない鳥でした。
しかし、中国で人気がある鳥だったため、絵や詩歌にカササギが取り入れられたものが日本に輸入されたことで、奈良時代にはその名が知られていました。

そのため、カササギは百人一首などにも詠まれ、多くの人に愛されてきました。
百人一首についてはこのあと詳しく解説していますので、チェックしてみてください。

身体の大きさや羽の配色

カササギの身体の大きさは、ハシブトガラスよりも少し小さいくらいで、色は白と黒の二色です。

体調は約45㎝で、尾の部分は約26㎝となり、体の半分以上は尾になります。

顔から胸にかけて黒、羽の一部と腹は白色になり、黒と白のツートンカラーで知られている鳥です。

カササギに見られる習性

カササギは、市街地や農耕地、河原などに生息していて、人間と同じ生活範囲に生息しています。

雑食性で様々なものを食べますが、特にどんぐりなどの木の実をよく食べ、背の高い木の上や電柱などに木の枝などで大きな球体の巣を作ります。

カササギは群れたりせず家族単位で暮らしますが、巣立ちした若鳥は集団でいることが多いのも習性の一つです。

また、カササギは鳥の中でも非常に優秀で、頭がいい鳥の一つです。

哺乳類以外で初めて、鏡に映った姿を自分だと認識するテストをクリアしました。
さらに、子供や老人は警戒せず、若い男性などには警戒することも知られており、カササギは人間の外見を見て、自分にとって危険かどうか判断していることがわかっています。

カササギの生息域

カササギの生息域は、世界的には北アメリカ西部やヨーロッパの全域、中央アジア、アラビア半島南西部、極東、オホーツク海北部沿岸などで見ることができます。

日本では主に佐賀県内の16市町、福岡県の筑後地方の市町村で生息が確認されています。

特に佐賀県内では、佐賀市、鳥栖市、多久市、武雄市、鹿島市、小城市、嬉野市、神埼市、吉野ヶ里町、基山町、みやき町、上峰町、大町町、江北町、白石町、太良町で生息を確認しています。

このようにカササギの生息地は日本の中でも限られた場所になるため、大正12年3月7日に、生息地を定めた国の天然記念物に指定されています。

出典:カササギ(カチガラス)の紹介|佐賀県
参照:https://www.pref.saga.lg.jp/kiji0031353/index.html

カササギの食性

カササギは様々なものを食べる雑食性の鳥です。

特に昆虫やミミズ、貝類、魚類、カエル、キュウリ、スイカ、柿などの果実類、穀物、豆類などをよく食べます。

木の実や穀物、果物、野菜などを食べるので、害鳥とされることがありますが、秋にイナゴなどの害虫を食べてくれるので、害鳥ではなく益鳥とされる面もあります。

カササギの巣作りの仕方

カササギは高い木の上や、電柱の一番上に、球状の巣を作ります。

直径約60cm-1mにも及ぶ大きな巣を木の枝や藁を使って営巣します。
球体の巣を作ることで、天敵であるカラスなどから雛や卵を守る効果があります。

巣づくりは、早い個体たちは10月下旬ごろから巣を作り始め、12月から3月ごろまで行われます。

カササギの繁殖

カササギは、3月中旬頃までに巣を作ります。その後5月下旬には生まれた雛たちが巣立っていきます。

巣ができると卵を6~7個ほど産み、メスが卵を温めます。
17~18日程度で卵が孵化したあと、約4週間で雛は一人前になります。

つまり、雛は4月~6月が巣立ちの時期になります。
雛たちは約25日ほどでなんとか飛べるようになり、巣を出て生活するようになります。
しかしその間も親鳥が雛たちの世話をし、雛が完全に一人で生きていくようになるのは、それから1か月ほどかかります。

カササギの寿命

カササギの寿命についてはよくわかっていませんが、最高で25年生きたカササギがいると言われています。

カササギはカラス科に分類されています。
大半のカラスは10~20年ほどが平均寿命となりますので、カササギも同じくらい生きる可能性があります。

カササギの天敵

カササギの天敵は、カラスです。

カラスは雑食性のため、カササギの卵や雛を襲って食べてしまうことがあります。

さらにカササギの雛や若鳥は、カラス以外にも猫や蛇、イタチなどに狙われてしまうことがあるため、それらも天敵とされています。

カササギの鳴き声の特徴

カササギの鳴き声はとても特徴的で、機械のような濁った声を出しますが、言葉で表すと「カチカチカチ」という鳴き声に聞こえます。

「カチカチカチ」以外にも、「カシャカシャ」と鳴くことがあります。
その独特な鳴き声により佐賀県では、「カチガラス」の愛称がつけられています。

カササギとカササギフエガラスの違いとは?

カササギとカササギフエガラスは、同じ「カササギ」と名前がつき、その姿もよく似ていますが、特に類縁関係などはありません。

カササギは日本で生息していますが、カササギフエガラスはオーストラリアに生息しているため日本にいると普段の生活の中で出会うことはないでしょう。

また、カササギは「カチカチカチ」と鳴くのに対して、カササギフエガラスは「クォークォー」と鳴くのが大きな違いです。

カササギの飼育は可能?

カササギは、文化財保護法による保護の対象となっているため、飼育はできません。

傷ついたカササギや、飛べないカササギの雛がいて保護を必要としていると感じたら、各都道府県の野生鳥獣担当機関に連絡をして指示を仰ぎましょう。

違法に捕獲したり、保護している場合は罰せられることもありますので、注意が必要です。

カササギと関連するもの

それではここから、カササギと関連するものについて詳しく解説していきます。

カササギは県や国の鳥に指定されていたり、七夕や百人一種にも深い関わりがあったりします。
どのような関わりがあるのか、是非チェックしてみてください。

県鳥・国鳥

カササギは、佐賀県で県の鳥に指定され、韓国では国鳥にも指定されています。

県鳥や国鳥とは、都道府県や国のシンボルとして選ばれた鳥のことです。

佐賀県ではカササギの生息域が国の天然記念物に指定されていることもあり、1965年から一般公募で県鳥として定められました。

また、韓国ではカササギは昔から代表的な吉鳥とされてきたこともあり、国鳥とされています。

七夕

カササギは中国では、七夕で織姫と彦星の間を流れる天の川にかかる架け橋の役目を果たす鳥として親しまれてきました。

古代の日本ではもともとカササギがいなかったので、カササギに「サギ」がつくため「サギ」がカササギの代わりに七夕に登場しています。

百人一首

カササギは七夕伝説を題材にした百人一首に登場します。

特に、奈良時代の公卿で万葉集の編纂に関わった歌人でもある大伴家持は、小倉百人一首で「かささぎの 渡せる橋に おく霜の しろきを見れば 夜ぞ更けにける」と詠んでいます。

その意味は、「かささぎたちがその翼を広げて架けた橋は天の川にあるそうだ。天の川で瞬く星の姿は霜が白々とさえわたるようで、それを見ると冬の夜がふけたことを実感する」というものです。

この和歌は、大伴家持を代表する和歌の一つで、今でも愛されています。

カササギの鳴き声は特徴的

カササギは日本の中でも限られた場所に住んでいる、鳴き声が特徴的な鳥です。

もし、「カチカチカチ」という鳴き声が聞こえたら、カササギが傍にいる可能性がありますので、姿を探してみましょう。

鳴き声が聞こえたら屋外に出てカササギを観察してみましょう。
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