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猫神が神様として崇められている理由|猫神の神社やお寺8選

猫神とは?

猫神とは簡単に言えば猫の神様のことです。姿形はほぼ同じ猫でありながら、猫の神様として崇められているのが猫神です。

日本では猫神が、大切に祀られている神社やお寺も存在します。世界各国の神話にも登場します。

猫神と歴史

猫神の歴史は古く、猫神の姿も、地域や時代によって多少の違いがあります。エジプトの初期の猫神は雌ライオンの頭に人間の体、その後猫神(イエネコ)の頭に変わり神様の性格も変わりました。

ブラジルではシアナと呼ばれ、ジャガーと人間との間に生まれた猫神がいます。イングランドでは、黒猫が猫神です。

猫と人間との関わり

猫と人間との関わりは古く、紀元前3000年ごろと言われています。ペットでお馴染みの猫(イエネコ)の起源は、古代エジプトに遡ります。

そして、イエネコの祖先は、約13万1000年前、中東の砂漠などで生息していたヨーロッパ山猫(リビア山猫)をネズミの駆除などのために家畜化したものだと考えられています。

猫を神様として崇めている理由

猫を神様として崇めるのは、猫が可愛いい存在だけではなく、人間にとって大変役立つ働きをすることが大きな理由です。

猫の身体能力の高さと狩猟の本能が強い、天候や災害を察知する能力などには驚かされます。
猫を神様として崇めている理由
  • 猫は世界各国での家の守り神とされていた
  • 女神パステトは猫の女神
  • 多産を司る神様
  • 漁師の守護神
  • ネズミの駆除

猫を神様として崇めている理由1:猫は世界各国で家の守り神とされていた

猫には、癒し効果だけではなく、特別なパワーがあり、病気や災害などから家族を守ると信じられてきました。世界各国で、猫にまつわる話は多数存在しています。

日本では、猫が家族の病気を治したり寄せ付けない、家族の身代わりになるなどと信じられてきました。

猫を神様として崇めている理由2:女神バステトは猫の女神

女神バステトは、エジプト神話に登場します。当初は雌ライオンの頭を持つ女神で、攻撃的な神様とされましたが、猫の頭を持つ女神となってからは、穏やかな性格の神様になりました。

また、古代エジプト時代では、猫(イエネコ)を宝のように、とても大切にしていました。法律では国外への持ち出しが禁止されていました。

多産を司る神様

猫は多産を司る神様でもあります。猫の出産は、2~8匹の子猫を産みます。しかも、多産な猫は、年に2~3回出産することもあります。

アメリカのトラ猫が生涯で産んだ子猫は420匹で、ギネスに記録されています。

猫を神様として崇めている理由3:漁師の守護神

黒猫を飼っていると海難事故が防げると信じられています。猫と一緒に船に乗り込む猟師が多いのも、漁師の守護神と信じられているためです。

国や地域によっては、猫の毛色で吉凶が真逆になることもあります。白猫や黒猫の場合は特に、不吉の意味だとしたり、幸運を招く意味にもなるので、注意して使われています。

猫を神様として崇めている理由4:ネズミの駆除

人間の生活が狩猟から農耕に移行した結果、備蓄される穀物が増えたことでネズミが大量発生し、駆除が必要になり、小動物を狩る本能が強い猫が登場しました。

猫の聴力は、ネズミが出すような超音波も聞き取れるといわれ、身体能力も高く、夜行性であることも、ネズミの駆除に猫が最適でした。

世界で有名な猫神様とは?

エジプトのバステト神、イングランドでは黒猫、ブラジルではシアナ、北欧のノルウェージャンフォレストキャットなどは、神話に登場する有名な猫の神様です。

それぞれの猫神について詳しく解説していきます。

バステト神(エジプト)

エジプト神話に登場するバステト神は、猫の女神として有名です。太陽神ラーの娘か妹、妻とされていました。雌ライオンの頭のバステトは、遠方の女神やラーの目などの物語で攻撃的な性格の女神でした。

猫の頭のバステトは、アトゥムの娘となりました。天空の神や音楽の神としての穏やかな性格を持つ女神となります。

漁師の守り神(イングランド)

イングランドでは、黒猫が猟師の守り神とされます。

猫は猟師の守り神として、猟師と一緒に船に乗れる(猫は船酔いしない)、猟師が漁をしている間留守宅を守る、長い航海にはネズミの駆除をするなど猟師にとって役立つ働きが大きい存在と信じられています。

シアナ(ブラジル)

ブラジル神話で登場するシアナは、ジャガーと人間の間に産まれた猫の姿をした神様(猫神)です。

また猫神であるシアナは、ブラジル原住民のジュルナ族(インディアン)の祖先神と言い伝えられ、信じられてきました。

ノルウェージャンフォレストキャット(北欧神話)

北欧神話では、雷神トールや女神フレイヤと共にノルウェージャンフォレストキャットが登場します。

神話の中で大型の猫として表現され、ノルウェー原産のノルウェージャンフォレストキャットがモデルと考えられます。

有名な猫神の神社やお寺8選

日本各地にある猫神信仰ですが、その中から日本で有名とされる猫神の神社やお寺をご紹介しましょう。

美喜井稲荷、豪徳寺、田代島の猫神社、木島社、王子神社、猫神神社、生善院、招霊赤猫社をどうぞご覧ください。

有名な猫神の神社やお寺1:東京赤坂の美喜井稲荷

東京赤坂にある美喜井稲荷は、羊羹で有名な虎屋本店ビル近くの路地にひっそりと佇む小さな神社です。

「この神様にお願いする時はタコを食べない」というのが有名なお約束です。狛犬ではなく狛猫が出迎えてくれます。

もしかしたら、近所の野良猫が顔を見せてくれるかもしれませんよ。
住所交通手段猫神の数
東京都港区赤坂4丁目9-19最寄り駅 赤坂見附駅(東京メトロ丸ノ内線・銀座線) A出口(赤坂3丁目方面)より徒歩約9分(650m)狛猫や小鳥を手に乗せた猫など(3柱)

有名な猫神の神社やお寺2:東京世田谷の豪徳寺

東京世田谷にある豪徳寺は、招き猫発祥との伝説があるお寺として有名です。井伊直孝(彦根藩主)が猫に招かれて、雷雨を避けられ、ありがたい説法を聞くことができたことから、後に井伊家の菩提寺としました。

豪徳寺には、招福観世音菩薩(招猫観音)を祀る招猫殿があり、その横には願が成就したお礼としての招福猫児(マネギネコ)が多数奉納されています。こちらの招福猫児は、右手を上げた白猫の姿です。
住所交通手段猫神の数
東京都世田谷区豪徳寺2丁目24-7最寄り駅 宮の坂駅(東急世田谷線)より徒歩約5分・豪徳寺駅(小田急線)より徒歩約10分招猫観音・招福猫児が多数

有名な猫神の神社やお寺3:宮城県田代島の猫神社

宮城県石巻市にある田代島は、牡鹿半島近くに浮かぶ猫の島(猫の楽園)として、日本だけではなく海外でも有名です。

昔から田代島では漁協と養蚕が盛んだったことから、ネズミの駆除をする猫を島民は大切にしていました。現在も、田代島には犬がいません。

漁で使う岩で死んでしまった猫を網元が埋葬した後、大漁が続き海難事故も無くなったことから、猫神(大漁の守護神)となりました。

田代島の猫神社は、大泊港から1㎞ほどの南方で、田代島のほぼ中央付近にあります。猫神社の猫神は、美興利大明神(大漁の守護神)です。
住所交通手段猫神の数
宮城県石巻市田代浜字二斗田最寄り駅 定期船発着所~田代島 JR石巻駅より網地島ライン(路線バス約10分)タクシー(約5分)三陸道石巻港IC 石巻河南IC(約20分)  定期船発着所 田代島 二斗田港(約40分)より徒歩約20分1柱 美興利大明神

有名な猫神の神社やお寺4:京都京丹後市の木島社

京都京丹後市にある金刀比羅神社の境内には、珍しい親子のような狛猫の木島社があります京丹後の峰山は、丹後ちりめん発祥の地とされ、養蚕が盛んでした。

木島社では、山城の木島神社から機織養蚕の守護神を迎えた後、養蚕家などが一対の狛猫を奉納されました。
住所交通手段猫神の数
京都市京丹後市峰山町杉谷1147-9山陰近畿自動車道 京丹後大宮ICより約15分 舞鶴若狭自動車道 福知山ICより約50分 峰山駅(丹後鉄道)より800m 金刀比羅神社前(丹後バス 峰山線、丹後峰山線)よりすぐ2柱 右側(父猫?)左側(母猫と子猫?)

有名な猫神の神社やお寺5:徳島八万町の王子神社

徳島市八万町の王子神社の御祭神は、天津日子根命・お松大明神・お玉大明神(猫神)です。今から約300年前に、阿波の猫騒動があり、お松(無実の罪で処刑)とお玉(お松の愛猫)の霊が祀られました。

それ以降、願いを叶えてくれるくれる猫神(願掛け猫神さん)として有名になりました。また、月替わりの可愛い御朱印が大となっています。
住所交通手段猫神の数
徳島県徳島市八万町向寺山55徳島市営バス3番乗り場「文化の森」行き・徳島バス4番乗り場 佐那河内線「仁井田西」行き、「神山高校前(大木経由)」行きに乗車、「園瀬川」バス停で下車し徒歩約10分1柱(お玉)

有名な猫神の神社やお寺6:鹿児島市の猫神神社

鹿児島市の猫神神社は、仙巌園という薩摩藩主島津氏の別邸跡の敷地内にあります。

文禄慶長の役にて、島津義弘公が7匹の猫を伴って出征し、日本に戻った2匹が猫神として祀られています。鳥居の近くには多くの猫の絵馬が奉納されています。
住所交通手段猫神の数
鹿児島県鹿児島市吉野町9700-1バス最寄り駅 仙巌園前(鹿児島シティビュー・まち巡りバス・民営バス) 自家用車の場合(駐車場あり) 鹿児島中央駅より約20分、鹿児島空港(姶良IC~国道10号線経由)より約40分、桜島フェリー桟橋より約10分2柱

有名な猫神の神社やお寺7:熊本球磨郡の生善院

熊本球磨(くま)郡の猫寺は、水上村の球磨川沿いにある真言宗智山派(お寺)千光山生善院です。山門の両脇では、狛猫が出迎えてくれます。

こちらの猫寺には悲しい伝説があります。焼失した普門寺跡に、祟り(黒猫・玉垂の霊)を鎮めるため建立されたのが千光山生善院で、本堂の観音堂もその時に建てられました(1625年創建)。
住所交通手段猫神の数
熊本県琢磨郡球磨郡水上村大字岩野3542湯前駅(球磨川鉄道)より徒歩約30分1柱(玉垂)

有名な猫神の神社やお寺8:大分臼杵市の招霊赤猫社

大分県臼杵(うすき)市の猫神は、福良天満宮の境内にある招霊赤猫社です。

境内に愛宕稲荷神社(保食大神・お稲荷様)があり、赤猫と呼ばれた大塚幸兵衛が熱心に信仰していた崇敬心から「あかねこ(言葉)」ではなく、大塚幸兵衛の魂を「赤猫の招き猫」に籠らせた「幸せ(福)を運ぶ赤猫」として祀られるようになりました。
住所交通手段猫神の数
大分県臼杵市大字福良352バス最寄り駅 平清水より徒歩約5分 臼杵駅(JR九州)よりタクシーで約7分 上臼杵駅(JR九州)より徒歩約5分 自家用車の場合(駐車場あり) 臼杵ICより約5分1柱(あかねこ)、29体(赤猫石)

猫神のいる神社やお寺に行ってみよう!

私たちにとって大切で大きな存在の猫と猫神の話は、たくさんありましたが、いかがでしたか。

人間と猫との歴史が長いため、猫にまつわる話は日本をはじめ世界各国に存在します。お時間が許されるなら、ぜひ猫神の神社やお寺にお出かけしてみましょう。
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