猫に色覚はあるのか?
いつも傍らにいて心を和ませてくれる猫たちは、現代の私たちにとってかけがえのない存在となっています。
そんな愛しい猫たちにあなたがおもちゃを選ぶ時、「どの色が一番喜んでくれるのだろうか」と悩んだり、また「そもそも猫に色は識別できるのだろうか」と考えたりしたことはありませんか?
近年の研究で、猫にも色覚があるということがわかっています。しかし猫が見ている色の世界は、我々ヒトが見ている色とは少し違っているそうです。
今回はそんな猫の色覚について見ていきましょう。
そんな愛しい猫たちにあなたがおもちゃを選ぶ時、「どの色が一番喜んでくれるのだろうか」と悩んだり、また「そもそも猫に色は識別できるのだろうか」と考えたりしたことはありませんか?
近年の研究で、猫にも色覚があるということがわかっています。しかし猫が見ている色の世界は、我々ヒトが見ている色とは少し違っているそうです。
今回はそんな猫の色覚について見ていきましょう。
猫は色を識別できるのか?
猫にも色を識別する色覚があり、複数の色を見分けることができるといわれています。
しかし現在では、猫には見える色と見えない色があり、ヒトと同じように世界が見えているわけではないということも知られています。
それでは、一体どのような色が猫には見えるのでしょうか。また猫が好きな色や嫌いな色はあるのでしょうか。
しかし現在では、猫には見える色と見えない色があり、ヒトと同じように世界が見えているわけではないということも知られています。
それでは、一体どのような色が猫には見えるのでしょうか。また猫が好きな色や嫌いな色はあるのでしょうか。
猫が見える色
猫は現在、青・黄に加えて緑の波長帯の色も識別できているのではないかといわれています。
古くは、猫は「白黒の世界(モノクロ)」で世界を見ていると思われていました。
しかしその後、「二色型色覚」を持っているという説が一般的になり、長く支持されてきました。
2色型色覚とは、人間でいうと1型2色覚(赤緑色盲)のある人の見え方に近く、青と黄色が見分けやすい色となります。
猫が3色型色覚を持っているのではないかといわれだしたのは、今世紀に入ってからです。
また、猫はさらに、紫外線領域の視覚をも持っているのではないかという説もあります。多くの鳥の目は、紫外線を感知する錐体細胞をもつ4色型色覚ですが、猫が紫外線領域の光を何のために感知しているのかは解明されていません。
古くは、猫は「白黒の世界(モノクロ)」で世界を見ていると思われていました。
しかしその後、「二色型色覚」を持っているという説が一般的になり、長く支持されてきました。
2色型色覚とは、人間でいうと1型2色覚(赤緑色盲)のある人の見え方に近く、青と黄色が見分けやすい色となります。
猫が3色型色覚を持っているのではないかといわれだしたのは、今世紀に入ってからです。
また、猫はさらに、紫外線領域の視覚をも持っているのではないかという説もあります。多くの鳥の目は、紫外線を感知する錐体細胞をもつ4色型色覚ですが、猫が紫外線領域の光を何のために感知しているのかは解明されていません。
猫が見えない色
猫もヒトと同じく、3種類の錐体細胞があるらしいとされていますが、猫に見えている世界も、ヒトと同じような色の構成になっているのでしょうか。
実は、猫は赤色を見分けることが困難だとされています。
ネコの目は赤色の波長域を感じることが困難で、赤とグレーが同じような色に見えていると推測されています。そのため、猫にとって、赤い色のおもちゃや食べものはあまり興味をそそるものではない可能性があります。
実は、猫は赤色を見分けることが困難だとされています。
ネコの目は赤色の波長域を感じることが困難で、赤とグレーが同じような色に見えていると推測されています。そのため、猫にとって、赤い色のおもちゃや食べものはあまり興味をそそるものではない可能性があります。
猫が好きな色
それでは、ねこの目にはどのような色が好ましく映っているのでしょうか。
猫の色覚面から考えると、黄色や青といった色がより強くアピールしている可能性は高いでしょう。
しかし、識別しやすい色が必ずしも好きとは限らず、そこは人間と同じく、生活環境や種類も含めて個体差もあるのではないかと考えられます。
身近なところでは、青い色が好きな猫の話はよく聞かれます。また、赤色が見えないとされている猫としては少し不思議な話ですが、ネット上では「ピンクが好き」というのも、たびたび目にする話題です。
猫の色覚面から考えると、黄色や青といった色がより強くアピールしている可能性は高いでしょう。
しかし、識別しやすい色が必ずしも好きとは限らず、そこは人間と同じく、生活環境や種類も含めて個体差もあるのではないかと考えられます。
身近なところでは、青い色が好きな猫の話はよく聞かれます。また、赤色が見えないとされている猫としては少し不思議な話ですが、ネット上では「ピンクが好き」というのも、たびたび目にする話題です。
猫が嫌いな色
猫が嫌う色、苦手な色に関しては定説的に語られている色があります。
猫は黒色、特にエナメルなどのように光沢のある黒が苦手だとされています。
猫にとって、黒色の認識、識別がしやすいためではないかといわれていますが、ハッキリとしたことは分かっていません。
しかし、実際に猫が嫌がるという話も多いため、真っ黒な家具やテカリのある黒い服は避けてあげるほうが無難でしょう。
猫は黒色、特にエナメルなどのように光沢のある黒が苦手だとされています。
猫にとって、黒色の認識、識別がしやすいためではないかといわれていますが、ハッキリとしたことは分かっていません。
しかし、実際に猫が嫌がるという話も多いため、真っ黒な家具やテカリのある黒い服は避けてあげるほうが無難でしょう。
猫の色覚について知ろう
上の動画は、同じ景色をを目の前にした時に、人と猫の見え方の違いを紹介してある1分ほどの短い動画で、使われている画像の制作者は、アーティストのNickolay Lammという方です。
画像では、猫の視力、視野の広さ、ピントの調整能力の及ぶ範囲、また暗視能力などについての再現がなされています。
猫の目を解剖学的にみると、光を感知する錐体細胞が人の6倍、色を感知するかん体細胞が1/6となっています。そんな猫の視界や色覚を直感的に感じることができる動画です。
猫の世界が気になる方はぜひ一度ご覧になってみてください。
画像では、猫の視力、視野の広さ、ピントの調整能力の及ぶ範囲、また暗視能力などについての再現がなされています。
猫の目を解剖学的にみると、光を感知する錐体細胞が人の6倍、色を感知するかん体細胞が1/6となっています。そんな猫の視界や色覚を直感的に感じることができる動画です。
猫の世界が気になる方はぜひ一度ご覧になってみてください。
猫の色覚について知ろう
- 視力
- 視野の広さ
- ピント
- 暗視野
- 動体視力
1:視力
猫の視力は、十分に成熟した個体でも0.3程度。
夜間に狩りおこなう習性をもつ猫は、少ない光量下で視覚的情報を得やすくするために水晶体や角膜が厚くなっています。その結果として屈曲率が大きくなってしまうため、猫には近視傾向があるといわれています。
猫は、25cm未満のごく近い場所や10mを超える遠くのものに対しては、視界がぼやけるために、特にはっきりと識別することが困難だとされています。
狩りを行う必要のなくなった現代の猫はともかく、生きるために狩りを行っていたころの猫には、ものをハッキリ見るための解像度や、色を識別するための色覚は重要ではなかったということです。
夜間に狩りおこなう習性をもつ猫は、少ない光量下で視覚的情報を得やすくするために水晶体や角膜が厚くなっています。その結果として屈曲率が大きくなってしまうため、猫には近視傾向があるといわれています。
猫は、25cm未満のごく近い場所や10mを超える遠くのものに対しては、視界がぼやけるために、特にはっきりと識別することが困難だとされています。
狩りを行う必要のなくなった現代の猫はともかく、生きるために狩りを行っていたころの猫には、ものをハッキリ見るための解像度や、色を識別するための色覚は重要ではなかったということです。
2:視野の広さ
猫の両眼視野は約120度と広く、全体視野は250度とやや狭め。
両眼視野とは、両方の目を使って、対象物を立体的に見ることができる範囲のことです。
狩猟をする動物の場合、獲物までの正確な距離を掴むために必要な両目視野が広くできているという特徴があります。
猫の120度というのは人の視野とほぼ同じ数値で、犬の視野より若干広めになっています。この両眼視野が広いということは、狩りをする上で大きな利点となります。
全体視野とは、右目と左目で見える範囲を重ねた数値です。
片目で見る場合には距離感は感じにくくなりますが、外敵などの存在を察知するのには有効です。そのため、草食動物では全体視野が広くなります。
猫の全体視野が250度であるのに対し、草食動物である馬の視野は330度となっています。
両眼視野とは、両方の目を使って、対象物を立体的に見ることができる範囲のことです。
狩猟をする動物の場合、獲物までの正確な距離を掴むために必要な両目視野が広くできているという特徴があります。
猫の120度というのは人の視野とほぼ同じ数値で、犬の視野より若干広めになっています。この両眼視野が広いということは、狩りをする上で大きな利点となります。
全体視野とは、右目と左目で見える範囲を重ねた数値です。
片目で見る場合には距離感は感じにくくなりますが、外敵などの存在を察知するのには有効です。そのため、草食動物では全体視野が広くなります。
猫の全体視野が250度であるのに対し、草食動物である馬の視野は330度となっています。
3:ピント
猫がもっともピントを合わせやすい距離は、75cmという説が有力。
一説では2~6mが一番よく見えるともいわれています。逆にピントを合わせづらい距離としては、25cm未満の近距離と、10~15m以上があげられています。
猫は夜間に狩りを行うため、少しの光量でも活動できるよう角膜や水晶体を厚く発達させてきました。しかし、そのために水晶体の厚さを調節してピントを合わせるということが難しくなったとされています。
視野自体は広いのですが、解像度の高い中心視野以外の領域、特に周辺視野では視野がぼやけるため、動くモノを察知する以外の能力は高くありません。
一説では2~6mが一番よく見えるともいわれています。逆にピントを合わせづらい距離としては、25cm未満の近距離と、10~15m以上があげられています。
猫は夜間に狩りを行うため、少しの光量でも活動できるよう角膜や水晶体を厚く発達させてきました。しかし、そのために水晶体の厚さを調節してピントを合わせるということが難しくなったとされています。
視野自体は広いのですが、解像度の高い中心視野以外の領域、特に周辺視野では視野がぼやけるため、動くモノを察知する以外の能力は高くありません。
4:暗視野
視界が暗い中では、人間の1/6の光量でモノを見分けることが可能。
視野が暗いなかで狩りをする必要があった猫は、白黒を判定する桿体細胞を人間の3倍以上持っており、暗い所でもモノを見分けられる目の構造となっています。
また暗闇のなかで、獲物を狙うスナイパーのような猫の目がキラリと光るのを目撃した方も多いかと思いますが、これは網膜の奥にある輝板という部分に光が反射している状態です。
猫は、この反射と桿状体という2つのしくみを使って夜の世界に生きてきました。そのため、猫に急に強い光を向けると、人が太陽を直視した場合と同じように目が悪くなる可能性があり、注意が必要です。
視野が暗いなかで狩りをする必要があった猫は、白黒を判定する桿体細胞を人間の3倍以上持っており、暗い所でもモノを見分けられる目の構造となっています。
また暗闇のなかで、獲物を狙うスナイパーのような猫の目がキラリと光るのを目撃した方も多いかと思いますが、これは網膜の奥にある輝板という部分に光が反射している状態です。
猫は、この反射と桿状体という2つのしくみを使って夜の世界に生きてきました。そのため、猫に急に強い光を向けると、人が太陽を直視した場合と同じように目が悪くなる可能性があり、注意が必要です。
5:動体視力
猫の動体視力は人間の4倍。
猫は動きの早いものを追うのがとても得意で、素早く動く対象物を瞬時に視界に捉えて追尾する名ハンターです。
しかし逆に、猫は動きの遅いものを認知するのは苦手です。ゆっくりと動くものはもはや「止まっている」と認識してしまい、時には興味をなくしてしまうこともあります。
猫と遊ぶ時には、ゆっくりより、素早くおもちゃを動かしたほうが猫の関心をひきやすく、集中して楽しんでくれるはずです。
猫は動きの早いものを追うのがとても得意で、素早く動く対象物を瞬時に視界に捉えて追尾する名ハンターです。
しかし逆に、猫は動きの遅いものを認知するのは苦手です。ゆっくりと動くものはもはや「止まっている」と認識してしまい、時には興味をなくしてしまうこともあります。
猫と遊ぶ時には、ゆっくりより、素早くおもちゃを動かしたほうが猫の関心をひきやすく、集中して楽しんでくれるはずです。
色覚を知って飼い猫にとって過ごしやすい環境を目指そう
「犬は人に付き、猫は家に付く」といわれますが、猫が心地よく住み着いてくれる家にはどんな視覚的・色覚的環境が必要なのでしょうか。
光や動くものへの反応の高さから、光のチラつきがなく、人や他の生物の動きから遮蔽される空間だと落ち着いて休むことができそうです。
キャットハウスや段ボール箱の中が大好きな猫が多いのは、よく知られています。
また、猫の狩猟本能を満足させるおもちゃがあると喜んでくれそうです。グッズの色は青や黄色、なぜかのピンクなどにすると興味を持ってくれそうです。
ただ環境や好みについては個体差も大きいです。もし気に入ってくれなくても、手を変え品を変え、愛猫の好みが見つかるまでじっくりお付き合いしてあげましょう。
光や動くものへの反応の高さから、光のチラつきがなく、人や他の生物の動きから遮蔽される空間だと落ち着いて休むことができそうです。
キャットハウスや段ボール箱の中が大好きな猫が多いのは、よく知られています。
また、猫の狩猟本能を満足させるおもちゃがあると喜んでくれそうです。グッズの色は青や黄色、なぜかのピンクなどにすると興味を持ってくれそうです。
ただ環境や好みについては個体差も大きいです。もし気に入ってくれなくても、手を変え品を変え、愛猫の好みが見つかるまでじっくりお付き合いしてあげましょう。