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猫の舌がザラザラしている理由と猫が舌を出している理由をご紹介

なぜ猫の舌はザラザラしている?

猫の舌は他のペットとは違い、舐められると痛みを感じ、驚いてしまう方が少なくありません。初めて猫を飼う人にとっては、「なぜ猫の舌はザラザラしているのか?」と疑問に思うでしょう。

また、時折猫が舌を出しっぱなしにしたまま歩いている時もあり、これも不思議な行動に見えるでしょう。実はこうした猫の不思議な生態には、しっかりとした理由が存在します。

そこで、今回は猫の舌がザラザラな理由と舌を出している理由についてご紹介します。

猫の舌がザラザラしている理由4つ

猫の舌をよく見てみると、先端部分に白いトゲのようなものがびっしりと付いているのが見えるでしょう。猫の舌には「糸状乳頭」というものが生えており、これが猫の舌がザラザラする正体です。

糸状乳頭は舌の奥までトゲが逆向きに生えており、舐められるとトゲが皮膚に引っかかるため痛みを感じます。猫の舌がザラザラしているのには、以下の4つの理由があります。
猫の舌がザラザラしている理由
  1. 唾液をためる
  2. 大量の唾液を身体の奥に運ぶ
  3. 毛を清潔にして整える
  4. 体温を下げる

猫の舌がザラザラしている理由その1:唾液をためる

猫の舌のザラザラは、唾液をためる役割を持っているという最新の研究報告があります。

これまで、ザラザラの基である糸状乳頭は先端がとがっていると考えられてきました。

しかし、アメリカ・ジョージア工科大学の研究チームによると、糸状乳頭は杓子のような形をしていることが分かり、毛づくろいを行う際に唾液をためてそれを毛や皮に舐めつけることが新たな事実として判明しました。

実際には管を半分に切ったような形をしており、管の内側に唾液をためるという仕組みになっています。

猫の舌がザラザラしている理由その2:大量の唾液を身体の奥に運ぶ

猫の舌は、糸状乳頭でためた唾液を体の奥まで運ぶという役割も持っています。

猫の舌はザラザラな部分がブラシとしての役割を持ち、また唾液をうまく運ぶことができるという点から、ブラッシングに最適な形をしています。

そして、舌を使って唾液を体の奥まで運び、常に清潔を保っています。

最新の調査では、猫が1回毛皮をブラッシングするにつき、約半分ほどの唾液が毛皮に付着しているという報告もあります。

唾液を体の奥に運ぶことは、猫にとって健康を維持する重要な行動と言えるでしょう。

猫の舌がザラザラしている理由その3:毛を清潔にして整える

ブラッシングを頻繁に行う猫ですが、これは毛を清潔にして健康を維持するための行動でもあります。

猫は1日に平均して10~14時間ほどの睡眠を取りますが、起きている時間でもその4分の1は毛づくろいの時間にあてています。

猫にとって体を清潔に保つことは、毛に付いた寄生虫やゴミなどを取り除いて病気から身を守るという目的があります。

そのため、唾液を効率よく前進に運び自身の健康を守るようにするために、猫の舌がザラザラしています。

猫の舌がザラザラしている理由その4:体温を下げる

猫の舌がザラザラしているのは、毛づくろいのためだけではなく体温調節という目的もあります。

糸状乳頭によって体の奥まで運ばれた唾液は、猫にとっては汗の機能を持ちます。実は猫は肉球にしか汗腺を持っていないため、汗で体温調節をすることができません。

その代わりとして、唾液を体全体に塗ることで汗の代わりとして機能させ、体温調節を行っています。

ただし、唾液だけでは体温調節のすべてがうまくわけではありませんので、飼うときは注意しておくと良いでしょう。

猫が舌を出している理由5つ

ふと猫を見てみると、舌を出したまま歩いていたり、舌出ししたまま寝ていることがあります。口元からちょっとだけ顔を覗かせている舌を見ると、なんだかほっこりしてしまいす。

猫にとって舌はとても重要な機能を持っています。そんな舌を出したままにする行動にはどんな理由があるのでしょうか。

実は、猫が舌を出したままにしているのには以下の5つの理由があります。
猫が舌を出している理由
  1. リラックスしている
  2. 疲れている
  3. しまい忘れ
  4. 舌を出しやすい種類
  5. 歯が抜けている

猫が舌を出している理由その1:リラックスしている

猫が舌を出している理由の一つとして、リラックスしているという理由があります。

猫は本来警戒心が強い動物で、普通であれば舌出したままという状態を見ることはできません。

しかし、飼い主との長い時間をかけて信頼関係を育むことによって、リラックスする時間が長くなり、安心して舌を出してしまいます。

特に子猫から自宅で飼われていた猫に多くみられ、特に睡眠中に多く見ることができます。一方、野生の猫ではほとんど見ることができません。

猫が舌を出している理由その2:疲れている

意外な理由としては、疲れて思わず舌を出したままにしてしまうこともあります。

猫は1日の多くを睡眠と毛づくろいに当てており、起きている間は頻繁に毛づくろいをしています。そのため長い時間べろを使って毛づくろいをしていると、疲れがたまってしまいつい舌をだらりとしてしまうことがよくあります。

こうした現象は、毛の短い猫よりも毛が長い猫に多く見られます。また、毛づくろい中に声をかけると思わず舌を出しっぱなしのまま振り返ることもあります。

猫が舌を出している理由その3:しまい忘れ

猫の性格によっては、特に理由もなく舌をしまい忘れてしまうということもあります。

ほとんどの場合、猫が舌を出しっぱなしにしているのには理由があります。単純に体の健康を維持するためであったり、とっさの動きでつい出しっぱなしになってしまったなどさまざまです。

しかし、舌を出しっぱなしにするのは猫の性格にもばらつきが見られます。

警戒心が強い猫だと舌を出しっぱなしにすることはほとんどなく、逆におっとりした性格の猫なら、よく舌を出しっぱなしにしてしまうということがあります。

猫が舌を出している理由その4:舌を出しやすい種類

猫の種類によっては、舌を出しやすい種類というものがあり、それが舌を出しっぱなしにしてしまう理由とも言えます。

もともと猫は前歯が長く短く顎が小さいですが、その分舌が比較的長い動物です。そのため、他の動物と比べて舌をうまく収納することが難しい動物でもあります。

猫の種類の中でも、ヒマラヤン、チンチラ、ペルシャなどは顎の中にうまく舌を収納することができないことが多いです。飼う前に、猫がどんな種類かを確認しておくようにしましょう。

猫が舌を出している理由その5:歯が抜けている

老齢の猫に多いのが、前歯が抜けてしまったことで舌をうまくしまえなくなるという点です。

猫の舌はもともと長く、前歯で長い舌をうまく使って舌をしまっています。しかし、老齢の猫になると徐々に歯が抜けてしまい、歯が抜けたことによって舌がしまえなくなるということがよくあります。

老齢期の猫だけでなく、若い猫でも歯が抜けてしまうと舌がうまくしまえなくなるということが起こるため、常に注意して見ておく必要があります。

猫の舌の仕組み

猫の舌は、毛づくろいで清潔に保つだけでなく、体温調節機能としての役割も持つ猫にとっては欠かすことのできない便利な道具です。

しかし、猫の舌はそれだけではなく、他にも便利な機能が備わっています。これは、猫の舌がザラザラしているからこそ発揮することができる能力でもあります。

ここからは、猫の舌の仕組みについてご紹介します。

猫の舌の仕組みその1:水を飲むときのスプーン変わり

猫が水を飲むとき、舌を水につけてピチャピチャと音を立てながら舐めていますが、これは猫の舌のザラザラをうまく使っているためです。

猫は人間と違い、手を使って水を口に運ぶという行為ができません。また、頰を使って水を吸うという機能も持ち合わせていないため、舌を使って水を飲んでいます。

猫の舌のザラザラ部分である糸状乳頭が杓子のうような形をしており、これをうまく使って水をすくって飲んでいます。猫は舌の面積がそれほど大きくないため、高速で舌を出し入れしながら飲む必要があります。

猫の舌の仕組みその2:味を感じる

実は、猫にも味を感じることのできる味蕾という機能が備わっており、これを使って美味しい、不味いの判断をすることができます。

とは言っても、ほとんどの味覚を舌に依存しているというわけではありません。猫は食べ物の味を臭いで判断する動物だからです。

しかし、猫の舌にも味を感じる味蕾が存在します。味蕾では酸っぱさやにがさなどを感じ取り、猫の場合は特に酸っぱさを敏感に感じ取り、塩辛さはあまり感じないと言われています。

猫の舌の仕組みその3:グルーミング

毛づくろいを行うことはグルーミングとも呼ばれ、猫以外の動物もグルーミングによって体を清潔に保っています。

猫も人間と同じようにストレスを感じる動物です。飼い主に怒られるなどして緊張・不安に感じることがあると、これを落ち着かせようとグルーミングを行うことがあります。

また、グルーミングはネコにとってコミュニケーション方法の一つとも言われています。お互いに信頼し合った仲間の毛を舐め合う「愛情表現」として使われることがほとんどです。

舐める仕草で分かる猫の気持ち

猫を飼っていると、時々猫自らが飼い主の手や顔を舐める仕草を見ることができます。猫によって舐める頻度には個体差がありますが、猫を飼っているとよく見かける光景でもあります。

実は、この飼い主を舐める仕草には猫の気持ちが表れています。猫の気持ちを把握することで、猫との信頼関係をうまく築くことができますので、ぜひ参考にして下さい。

舐める仕草で分かる猫の気持ちその1:飼い主への愛情表現

猫が飼い主を舐めてくる理由の一つとして、飼い主への愛情表現があります。

先ほども述べましたが、猫はグルーミングでお互いに信頼し合った仲間と舐めあったりする行動を取ることがあります。飼い主を舐めるということは、猫が飼い主を信頼しているという証でもあります。

少しだけ舐める猫もいれば、長時間に渡って舐める猫もいて、個体差がはっきり現れる行動でもあります。また、手や顔など舐める部分も猫によって個体差が表れます。

舐める仕草で分かる猫の気持ちその2:気持ちをリラックスさせている

猫がひっきりなしに自分の毛を舐めている場合は、緊張状態からリラックスさせてようとしている行動の可能性があります。

毛を舐める行為にはリラックス効果があると述べましたが、不安な状態になった時に気持ちを落ち着けるため、激しく毛を舐める仕草を取ることがあります。

また、猫は子供の頃から親猫に毛づくろいをしてもらい、ザラザラした舌で舐められることでマッサージ効果もあることから安心感を得ていました。

その頃の記憶が成長しても覚えているため、このような仕草を取ることがあります。

猫の舌がザラザラしているのは毛づくろいのため

猫の舌がザラザラしているのは、毛づくろいをすることで体を清潔に保ち、体温調節機能としての役割を果たしているからです。

ザラザラした部分は糸状乳頭と言い、杓子のような形をしていることが最新の研究で明らかになりました。糸状乳頭があることによって、猫は毛づくろいを頻繁に行い、健康状態を保っています。

また、舐める仕草にも猫の気持ちが表れており、飼い主が猫からのメッセージを受け取るヒントにもなります。猫を飼う時は、毛づくろいをしているところをよく観察してみると良いでしょう。
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