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どうして猫を持ち上げると伸びる?|おとなしくなる猫の好きな持ち方

持ち上げると猫の体が伸びる理由

猫を持ち上げようとしたら体が伸びて全然持ち上がらない、なんて経験をしたことはありませんか。猫は非常に体が柔らかく、驚くほど伸びます。

なぜそんなにも伸びるのか。原因はもともとの体の作りや本能的な反応にあります。

※ただし大人の猫ちゃんの首を掴んで持ち上げることは、体に負担がかかるので決してしてはいけません。

持ち上げると猫の体が伸びる理由1:猫の体の構成

持ち上げると猫の体が伸びる理由として、1つ目は「猫の体の構成」です。猫は人間に比べて骨の数が多く、関節間も非常に伸びやすくできています。

そのため、全身がとても柔らかく、体長は通常時の約2倍まで伸ばすことが可能です。また、内蔵も移動しやすい構造をしており、体を伸ばすことによる支障はありません。

つまり、骨格や内臓の仕組みによって、猫は持ち上げると体が伸びてしまうということです。

持ち上げると猫の体が伸びる理由2:猫の皮膚が伸びる

持ち上げると猫の体が伸びる理由として、2つ目は「猫の皮膚が伸びる」という点です。

柔軟で素早い動きを可能とするため、あるいは敵の攻撃から内蔵を守るために、猫の皮膚は伸びやすくできています。体の中身だけでなく表面も同時に柔らかくなければ柔軟性は生まれません。

また、皮膚の伸縮性が高いというだけでなく、体に対する皮膚の量が多いということも原因として考えられます。

こうした皮膚の性質によって、体を持ち上げると体が伸びるという現象に繋がります。

持ち上げると猫の体が伸びる理由3:本能で脱力する

持ち上げると猫の体が伸びる理由として、3つ目は「本能で脱力するから」です。持ち上げられることによって、自然と体の力が抜けてしまうようにできています。

母猫が子猫を咥えて移動するのを見たことがあるでしょうか。母猫の「子猫を持ち上げる習性」に対応して、猫は「持ち上げられると脱力する習性」を生まれながらに持っています。

本能的な習性であるため、母猫の元で育ったか否かは関係がありません。猫である以上は、動物の種としてこのような性質を持ちます。

猫が伸びるときの気持ち

猫は外部的な力によって体が伸びるだけでなく、自らもよく体を伸ばしています。これにはどんな意味があるのでしょうか。

心や体をほぐすだけでなく、気持ちを切り替えたいとき、甘えたいときなどにもよく行われる動作です。
猫が伸びるときの気持ち
  1. 眠い
  2. 気持ちの切り替え
  3. リラックス
  4. ストレッチ
  5. 血液の循環を良くする
  6. 毒素を出す
  7. 甘えたい

猫が伸びるときの気持ち1:眠い

猫が伸びるときの気持ちとして、1つ目は「眠い」です。安心感や心地よさを感じることで体が脱力し、それを切り替えるために伸びをします。

すなわち、今ある状態に眠気を誘われているということです。

また、一度体をほぐすことで脱力を促すということもあるでしょう。いずれにしても、「これから寝ようか」といった心理を読み取ることができます。

その場に居心地の良さを感じている証拠です。

猫が伸びるときの気持ち2:気持ちを切り替えている

猫が伸びるときの気持ちとして、2つ目は「気持ちを切り替えている」ということです。

何か嫌なことがあったときや失敗してしまったときなど、不安や緊張をほぐすために伸びることがあります。

心から生じる体の強張りを改善しようとしている、ということです。猫にとってはストレスを感じているサインでもありますので、状況に問題がないかを確認してあげましょう。

叱った後などに緊張を覚えることもありますので、様子を見ながらケアしてあげてください。

猫が伸びるときの気持ち3:リラックス

猫が伸びるときの気持ちとして、3つ目は「リラックスしている」です。特に、伸ばしたままの状態で寝ているような場合は、究極にリラックスしていると言えます。

体を伸ばすことは瞬時の行動を妨げる行動であり、危険を感じる状況ではとてもできません。すなわち体を伸ばすということ自体、そこに一定の安心感があるものと考えて良いでしょう。

「今は体を脱力させても大丈夫」というリラックスした状態だからこそ、伸びるということです。

猫が伸びるときの気持ち4:ストレッチ

猫が伸びるときの気持ちとして、4つ目は「ストレッチ」です。同じ体勢を続けていた場合など体が凝り固まったと感じたときに、体を伸ばすことでストレッチをしています。

猫は生活の大半を寝て過ごす動物です。そのため、同じ体勢で過ごすことも多いでしょう。かと言って、同じ体勢でいることに負担を感じるのは人間と同じです。

つまり、体の負担を和らげるために、猫は伸びるということです。

猫が伸びるときの気持ち5:血液の循環を良くする

猫が伸びるときの気持ちとして、5つ目は「血液の循環を良くする」です。伸びることによって、行動を起こす準備をしています。人間が運動の前に準備運動をするのと同じような感覚です。

寝ている時間の多い猫は、その分体内の流れも滞ります。起きたままの状態では行動しづらいというのは私達の感覚としてもわかるでしょう。

眠っていた体を起こし、行動するための体に切り替えるという意味で、猫は伸びるということです。

猫が伸びるときの気持ち6:毒素を出すため

猫が伸びるときの気持ちとして、6つ目は「毒素を出すため」です。毒素とは「体内に溜まった老廃物」のことで、体の巡りを良くすることによってこれを排出します。

人間の言葉で言うならば、「デトックス」でしょう。

猫は伸びることで血液を循環させ、筋肉の働きを促し、体を快適な状態に保っています。体を動かすことの少ない動物ですが、こうした行動により毒素を排出することを可能としています。

猫が伸びるときの気持ち7:甘えたい

猫が伸びるときの気持ちとして、7つ目は「甘えたい」です。甘えたい気持ちを素直にアピールしている場合もあれば、気持ちを落ち着かせるために伸びる場合もあるでしょう。

あなたに視線を送っていたり、お腹を見せるようにして伸びているのであれば、「甘えたい」「構って欲しい」という気持ちの表れです。

そうでない場合は一見クールに伸びをしているだけですが、内心はあなたに甘えたくて仕方がないという状態ですので、いずれにしても構ってあげると喜びます。

猫が抱っこを嫌がるときの気持ち

猫の中には、持ち上げるのを嫌がる猫もいます。その理由は何でしょうか。

幼い頃からの経験の有無もありますが、その他にトラウマがあったり、抱く方に問題がある場合もあります。以下のポイントを確認してみてください。

猫が抱っこを嫌がるときの気持ち1:機嫌が悪い

猫が持ち上げることを嫌がる理由として、1つ目は「機嫌が悪いから」です。単純に触られたくない、構って欲しくないという状態の場合に、抱っこを嫌います。

普段から持ち上げることを嫌っているのでなければ、一時的な気持ちでだっこを拒否している可能性が高いです。

無理に持ち上げることはせず、しばらくはそっとしておきましょう。あまりしつこく迫ってしまうと、あなた自身が嫌われることになってしまいます。

猫が抱っこを嫌がるときの気持ち2:苦い経験がある

猫が持ち上げることを嫌がる理由として、2つ目は「苦い経験があるから」です。いわゆるトラウマというやつで、持ち上げられることによって嫌なことが起こると認識してしまっています。

猫には人間の言葉が通じないので、過去のトラウマを克服させることはまずできないでしょう。無理に持ち上げることで慣れさせる、という強硬手段もできません。

持ち上げることに強い拒否反応を示すのであれば、抱っこはできないものと諦めてあげる方が猫のためにも良いでしょう。

猫が抱っこを嫌がるときの気持ち3:飼い主の匂いが嫌い

猫が持ち上げることを嫌がる理由として、3つ目は「飼い主の匂いが嫌いだから」です。人によっては持ち上げることができる、という場合には匂いの可能性を疑いましょう。

普段から持ち上げることを嫌うのであれば、そもそもの体臭から相性が合わないということになります。時々持ち上げることを嫌がられるとすれば、その時の匂いに原因があるでしょう。

化粧や香水などの匂いを確認してみてください。

猫が抱っこを嫌がるときの気持ち4:抱き方が悪い

猫が持ち上げることを嫌がる理由として、4つ目は「抱き方が悪いから」です。安定感がなく、落ちてしまいそうと感じれば、猫はその場から逃げてしまいます。

猫を抱っこするということは、猫にとっては空中に持ち上げられるということです。不安定な抱き方では安心できず、不快感を覚えてしまうでしょう。

猫にとって安心感のある、安定した抱き方を習得してあげることで改善する場合があります。

猫が落ち着く抱き方

猫は体がよく伸びるため、持ち上げることにもコツが必要です。抱き方がしっかりしていないと猫は不快感を感じ、直ぐに逃げてしまいます。

では、どのような抱き方が良いのでしょうか。愛猫との相性を分析しながら挑戦してみてください。

猫が落ち着く抱き方1:安定する持ち方

猫が落ち着く抱き方1つ目は、「安定する持ち方」です。体を密着させ、重心をしっかりと支えられるように意識しましょう。

まずは片手をわきの下へ差し込み、上半身を持ち上げます。すかさずお尻のあたりに手を添えて持ち上げます。または、後ろ足をたたむようなイメージで持ち上げてください。

ポイントは、お尻から後ろ足にかけてしっかりと体重を受け止めながら持ち上げることです。抱き上げた後も下からずり落ちてしまわないように意識することで、猫の不安を解消できます。

猫が落ち着く抱き方2:わきの下に手を入れる持ち方

猫が落ち着く抱き方2つ目は、「わきの下に手を入れる持ち方」です。体が大きい猫など、上半身を片手だけでは持ち上げることができない場合に有用です。

持ち上げる際に、両手でわき下を掴みます。あなたの体を使って猫の体重を支えつつ、片手をお尻の方へ回してあげましょう。人間の子供を抱っこするような感覚です。

猫の伸びに慣れるまでは難しいですが、習得すれば大きくなった猫でも抱っこすることができます。

猫が落ち着く抱き方3:おなかを隠してあげる持ち方

猫が落ち着く抱き方3つ目は、「おなかを隠してあげる持ち方です。」猫にとってお腹は弱点なので、抱っこによって晒されてしまうことを嫌う場合があります。

猫のわき下からお腹にかけて手を添えたり、腕を回すようにしてあげるとよいでしょう。前かがみの体勢にしてあげると、お腹が隠れます。

または、肩に乗せるようにして抱いてあげると、お腹がしっかり隠れます。

猫が落ち着く抱き方4:首根っこを持ち上げる

猫が落ち着く抱き方4つ目は、「首根っこを持ち上げる持ち方」です。猫には首根っこを持ち上げられても大丈夫という性質があるため、首から持ち上げることも問題ではありません。

首の皮と肉を掴んで持ち上げてみましょう。このとき、筋肉を掴むことのないように注意してください。正しい持ち方ができていれば、猫は自然と大人しくなり、後ろ足をたたんでくれます。

腰を支えるようにして抱き上げてあげましょう。

※ただし大人の猫ちゃんの首を掴んで持ち上げることは、体に負担がかかるので決してしてはいけません。

猫が落ち着く持ち方をしてあげよう

いかがでしたか。猫は体の柔軟性が非常に高く、大きくなればなるほど持ち上げることも簡単ではなくなります。

どこを支えれば安定するのか、猫が安心する体勢は何かなど、実際に試しながら丁度良いものを見つけてみてください。共通して言えるポイントは、「安定感」です。

また、猫が苦しくならないような体勢を心がけてください。抱っこされても大丈夫という認識が根付けば、あからさまに拒否することもなくなるでしょう。

ただし、大人になってから抱っこを覚えさせるのはとても難しいので、時には諦めも肝心です。
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