地域猫とは?野良猫と何が違うの?
地域猫とは、地域の合意を得て管理されている、飼い主のいない猫です。1994年に横浜市磯子区で実施された、野良猫問題の対策から生まれた呼称です。
磯子区では、行政と地域住民が一丸となって避妊手術や餌やり、排泄のルール設定、トラブル防止に取り組んだ結果、数年で野良猫が減少し、改善効果が現れました。
磯子区の成功以来、地域猫活動は全国に広まりました。一方、地域猫の言葉が一人歩きし、失敗もあいついでいます。
磯子区では、行政と地域住民が一丸となって避妊手術や餌やり、排泄のルール設定、トラブル防止に取り組んだ結果、数年で野良猫が減少し、改善効果が現れました。
磯子区の成功以来、地域猫活動は全国に広まりました。一方、地域猫の言葉が一人歩きし、失敗もあいついでいます。
地域猫活動で失敗しないためには?
地域猫活動で失敗しないためには、環境省が提示する住民・行政・ボランティアの「三者協働」が必須です。
地域猫活動は、野良猫撃退方法でも、野良猫をかわいがる活動でもありません。野良猫の害を減らし、すべての猫が屋内飼育されるための過渡期の一手段です。
野良猫問題は「かわいそう」「迷惑」と人が感情的に対立しやすい問題です。失敗をふせぐためにも、冷静に問題点を見すえて、人にも動物にも良い環境をめざしましょう。
地域猫活動は、野良猫撃退方法でも、野良猫をかわいがる活動でもありません。野良猫の害を減らし、すべての猫が屋内飼育されるための過渡期の一手段です。
野良猫問題は「かわいそう」「迷惑」と人が感情的に対立しやすい問題です。失敗をふせぐためにも、冷静に問題点を見すえて、人にも動物にも良い環境をめざしましょう。
地域猫を導入する理由とは?失敗しないために正しく理解しよう
地域猫は、「野良猫をなくしたい」「猫の命を大事にしたい」の観点から、猫を守りたい人と、猫を排除したい人の妥協点として導入された制度です。
野良猫問題は、突き詰めれば人間どうしの問題になります。また、野良猫が小動物、鳥や昆虫、は虫類など他の生物を襲う食害は、環境問題にもなります。
野良猫だけの問題ととらえたら失敗します。野良猫が地域にとってどういう存在かを理解し、活動内容と効果を正しく把握しましょう。
野良猫問題は、突き詰めれば人間どうしの問題になります。また、野良猫が小動物、鳥や昆虫、は虫類など他の生物を襲う食害は、環境問題にもなります。
野良猫だけの問題ととらえたら失敗します。野良猫が地域にとってどういう存在かを理解し、活動内容と効果を正しく把握しましょう。
去勢をして野良猫の繁殖を防ぐ
活動の最初に全頭を捕獲し、去勢・避妊手術を行って、出産による野良猫の増加を止めます。捕獲・手術・元の場所に戻す一連の活動を、TNR(Trap-Neuter-Return)運動といいます。
手術済みの猫は、片耳の先に桜の花びらのような切れ込みの目印を入れます。耳カットした猫は「さくら猫」と呼ばれています。
去勢手術により発情期や縄張り意識が無くなり、鳴き声の騒音や猫どうしのトラブル、感染症も減少します。
手術済みの猫は、片耳の先に桜の花びらのような切れ込みの目印を入れます。耳カットした猫は「さくら猫」と呼ばれています。
去勢手術により発情期や縄張り意識が無くなり、鳴き声の騒音や猫どうしのトラブル、感染症も減少します。
野良猫によるフンやゴミを漁る被害を減らせる
猫への餌やりルールや排泄場所の管理により、地域の衛生環境を守ります。
餌やりの場所、時間と食べきれる量を厳守し、指定時間外の餌場の回収と置き餌の禁止で、食べ残しやゴミの散乱を無くします。餌が充足すると、ゴミ捨て場をあさられにくくなります。
設置した猫用トイレへの排泄をしむけ、後片付けや糞尿の清掃まで行うことで、臭害だけでなく、糞を介した人への感染症の危険も減らします。
餌やりの場所、時間と食べきれる量を厳守し、指定時間外の餌場の回収と置き餌の禁止で、食べ残しやゴミの散乱を無くします。餌が充足すると、ゴミ捨て場をあさられにくくなります。
設置した猫用トイレへの排泄をしむけ、後片付けや糞尿の清掃まで行うことで、臭害だけでなく、糞を介した人への感染症の危険も減らします。
野良猫の殺処分を減らす
野良猫を地域猫にして管理することで、殺処分される猫を減らしていけます。
猫は1年に数回出産します。避妊手術せず餌だけをやっていると、栄養状態が良いので子猫がたくさん生まれ、育ってまた出産します。数が増えた分被害も増え、行政に引き取られて殺処分される猫も多くなります。
野良猫を一代限りとし、増やさないことで、騒音、臭害、食害は徐々に減り、結果的に殺処分や、猫を嫌う人による猫の排除、虐待も減らせます。
猫は1年に数回出産します。避妊手術せず餌だけをやっていると、栄養状態が良いので子猫がたくさん生まれ、育ってまた出産します。数が増えた分被害も増え、行政に引き取られて殺処分される猫も多くなります。
野良猫を一代限りとし、増やさないことで、騒音、臭害、食害は徐々に減り、結果的に殺処分や、猫を嫌う人による猫の排除、虐待も減らせます。
これで失敗しない!地域猫活動のながれとは
地域猫活動の流れは、「去勢・避妊手術」→「管理」→「野良猫ゼロ」です。地域住民が主体となって、行政、ボランティアの支援のもとで行います。
生き物を相手とする活動であり、始めると数年がかりにおよびます。失敗しないためには、入念な準備と覚悟が必要です。
環境の違いから、1つの成功例が他地区では失敗にもなります。地域の問題点を把握し、行政の指導やボランティアのサポートを得ながら、計画を立てて進めましょう。
生き物を相手とする活動であり、始めると数年がかりにおよびます。失敗しないためには、入念な準備と覚悟が必要です。
環境の違いから、1つの成功例が他地区では失敗にもなります。地域の問題点を把握し、行政の指導やボランティアのサポートを得ながら、計画を立てて進めましょう。
失敗しない地域猫活動の方法1:地域猫活動のグループを作る
最初に協力者をつのってグループを作ります。責任者を立て、活動の役割分担をします。
想定する地区で地域猫活動が可能か、必ず行政機関に相談します。「猫の面倒をみたい」だけでは行政も動けません。適切な運営ができるか慎重に判断されます。行政の承認を得られたら、先に進めます。
自治体によっては、地域猫サポーター制度があるので登録しましょう。動物愛護センターや、猫の問題に詳しいNPO、NGOにも相談します。
想定する地区で地域猫活動が可能か、必ず行政機関に相談します。「猫の面倒をみたい」だけでは行政も動けません。適切な運営ができるか慎重に判断されます。行政の承認を得られたら、先に進めます。
自治体によっては、地域猫サポーター制度があるので登録しましょう。動物愛護センターや、猫の問題に詳しいNPO、NGOにも相談します。
失敗しない地域猫活動の方法2:地域猫活動のルールなどを決める
猫の活動時間、頭数や性別を把握し、餌場やトイレの設置場所、餌やりの時間、与える餌の量、清掃、猫の死骸の対応など、管理ルールを決めます。
自治体で地域猫のガイドラインが設定してある場合は、ガイドラインにそったルールを定めましょう。勝手に餌をやる人がいたら、人数や場所も確認します。
猫を元の場所に戻す以上、糞尿被害や食害はすぐには無くなりません。人と猫、他の動物にも配慮したルール作りが大切です。
自治体で地域猫のガイドラインが設定してある場合は、ガイドラインにそったルールを定めましょう。勝手に餌をやる人がいたら、人数や場所も確認します。
猫を元の場所に戻す以上、糞尿被害や食害はすぐには無くなりません。人と猫、他の動物にも配慮したルール作りが大切です。
失敗しない地域猫活動の方法3:地域猫を導入する地域の住民への説明
地域猫活動の導入前に、住民、行政、ボランティアを交えた説明会を開催し、理解と協力を得ます。住民の合意なく進めると確実に失敗します。
地域猫活動は手がかかる上、即効性が無いので、猫をすぐ排除したい人には受け入れにくい方法です。また避妊手術代、餌代など、少なくない出費に抵抗感を示す人もいます。
行政やボランティアにも間に入ってもらい、住民の合意と協力を得られるまで、辛抱強くていねいに説明します。
地域猫活動は手がかかる上、即効性が無いので、猫をすぐ排除したい人には受け入れにくい方法です。また避妊手術代、餌代など、少なくない出費に抵抗感を示す人もいます。
行政やボランティアにも間に入ってもらい、住民の合意と協力を得られるまで、辛抱強くていねいに説明します。
失敗しない地域猫活動の方法4:地域猫にするために去勢・避妊手術の実施
合意後、地域の野良猫に去勢・避妊手術を実施します。手術に協力してもらう病院を決めて、1匹も残さず捕獲器で捕獲し、手術を受けさせます。
野良猫の避妊手術には補助金が支給されます。役所の担当課で手続きを行いましょう。自治体によって金額や承認される頭数が違うので、前もって確認し予算を立てておきます。
小さすぎる子猫は避妊手術に適さないので、獣医と相談し、譲渡会などでもらい手を探すのも方法の1つです。
野良猫の避妊手術には補助金が支給されます。役所の担当課で手続きを行いましょう。自治体によって金額や承認される頭数が違うので、前もって確認し予算を立てておきます。
小さすぎる子猫は避妊手術に適さないので、獣医と相談し、譲渡会などでもらい手を探すのも方法の1つです。
失敗しない地域猫活動の方法5:地域猫の管理
避妊手術をすませて元の場所に戻した猫を、地域で管理します。回覧板などを活用し、地域内で情報を共有しましょう。
ルールに基づく餌やり、排泄場所の管理や近隣の清掃はもちろん、猫の害を受けた人には行政やボランティアのサポートを受けながら対応します。
捨て猫を防ぎ、避妊手術をしていない猫を見つけたら、ただちにTNRを行います。動物病院や行政、各団体を通じて里親探しも検討しながら、猫の数を減らしていきます。
ルールに基づく餌やり、排泄場所の管理や近隣の清掃はもちろん、猫の害を受けた人には行政やボランティアのサポートを受けながら対応します。
捨て猫を防ぎ、避妊手術をしていない猫を見つけたら、ただちにTNRを行います。動物病院や行政、各団体を通じて里親探しも検討しながら、猫の数を減らしていきます。
地域猫活動が失敗する理由とは?
地域猫活動の一番の失敗要因は、人間関係と費用です。常に正しい知識と情報を集め、問題を把握し、失敗の要因を除いていく必要があります。
住民の合意を得ずに進めてトラブルを起こせば、地域猫活動への信頼を低下させ、猫も救われなくなります。
マナー無視で餌をやる人が、ネット上で「餌やりババア」「愛誤」と罵倒されているように、愛護感情をふりかざして周囲の意見をないがしろにする態度は、同意も協力もしてもらえません。
住民の合意を得ずに進めてトラブルを起こせば、地域猫活動への信頼を低下させ、猫も救われなくなります。
マナー無視で餌をやる人が、ネット上で「餌やりババア」「愛誤」と罵倒されているように、愛護感情をふりかざして周囲の意見をないがしろにする態度は、同意も協力もしてもらえません。
地域猫活動が失敗する理由1:住民間の地域猫に対する温度差
住民の認知と合意が前提の地域猫活動は、地域住民の温度差が1番のハードルです。たとえ猫が好きでも、目の前で起こる猫の被害に苦しんでいる人が、即効性のある解決法を求めるのは当然です。
活動には避妊手術代や餌代など、費用もかかります。地域の協力が必須ですが、猫嫌いの人に納得してお金を出してもらうのは難しいことです。
猫好きな人は感情を、猫嫌いな人は苦情を、一方的に主張せず、話し合いを重ねないと失敗します。
活動には避妊手術代や餌代など、費用もかかります。地域の協力が必須ですが、猫嫌いの人に納得してお金を出してもらうのは難しいことです。
猫好きな人は感情を、猫嫌いな人は苦情を、一方的に主張せず、話し合いを重ねないと失敗します。
地域猫活動が失敗する理由2:餌やりや避妊・去勢を徹底管理しないと却って猫が増えてしまう
猫に不妊手術をしても、頭数と餌やりの管理を怠ると、逆に野良猫が増えて失敗に終わります。
避妊していない猫が少しでもいると、そこから繁殖します。活動につけこんで、猫を捨てに来る人間も少なくありません。
また、マナー無視の餌やりをする人が現れると、再び環境を悪化させるだけでなく、他地区から猫が入る可能性が生じます。
猫が増えると避妊手術代が高額になり、手術代が捻出できなくなって、増加を止められなくなります。
避妊していない猫が少しでもいると、そこから繁殖します。活動につけこんで、猫を捨てに来る人間も少なくありません。
また、マナー無視の餌やりをする人が現れると、再び環境を悪化させるだけでなく、他地区から猫が入る可能性が生じます。
猫が増えると避妊手術代が高額になり、手術代が捻出できなくなって、増加を止められなくなります。
地域猫活動が失敗する理由3:1代の地域猫につき、5年近く見守らなければならない
避妊手術を施した猫は、自然死するまで3~5年は見守り続けます。長期間にわたる活動は、なし崩しに失敗する危険があります。
毎日餌やりと片付け、糞尿の清掃を続けるのは、忍耐と努力が必要です。活動が一部の人に押しつけられると、大きな負担になります。
捨て猫を阻止できず猫が増えれば、最初からやり直しになり、活動が終わらなくなります。最後の1匹がいなくなる日まで責任を持てないなら、活動は失敗です。
毎日餌やりと片付け、糞尿の清掃を続けるのは、忍耐と努力が必要です。活動が一部の人に押しつけられると、大きな負担になります。
捨て猫を阻止できず猫が増えれば、最初からやり直しになり、活動が終わらなくなります。最後の1匹がいなくなる日まで責任を持てないなら、活動は失敗です。
地域猫活動を失敗させないためには、徹底した管理や運営が必須
地域猫活動は、住民の認知と理解、合意があって、初めて成り立つ活動です。愛護感情におぼれて自己を省みず、悦に入っていては失敗しかしません。
また、野良猫問題は地域の問題なので、地域で解決する他ありません。地域住民のコミュニケーションが、とても大切です。
屋外で暮らす野良猫がいなくなる日まで忍耐強く、徹底した管理とルールに基づいた運営を行うことで、野良猫問題は減少し、助かる猫も増えるでしょう。
また、野良猫問題は地域の問題なので、地域で解決する他ありません。地域住民のコミュニケーションが、とても大切です。
屋外で暮らす野良猫がいなくなる日まで忍耐強く、徹底した管理とルールに基づいた運営を行うことで、野良猫問題は減少し、助かる猫も増えるでしょう。