cms-import-animaroll-wp

カナダオオヤマネコが持つ特徴|日本でペットとして飼えるのか?

「カナダオオヤマネコはどんな動物?」
「カナダオオヤマネコはペットとして飼えるの?」
「日本でカナダオオヤマネコを見ることはできる?」
名前だけは聞いたことがあるものの、どんな動物なのか分からない、そもそもカナダオオヤマネコの存在を初めて知ったという方もいるのではないでしょうか。

本記事では習性や大きさ、生息域などカナダオオヤマネコに関する基本情報から、生息数の動向などを説明していきます。

この記事を読めばカナダオオヤマネコについて、詳しく知ることができるでしょう。また、日本にカナダオオヤマネコはいるのかなどの疑問も解決します。

カナダオオヤマネコの正確な情報を知りたい方はもちろん、少しでも興味がある方はこの記事を読んでみてください。

そもそもオオヤマネコとは?

オオヤマネコはネコ科に分類される中型の肉食動物です。主にヨーロッパや北アメリカ、アジア北部に分布しており、草原や森林地帯などに生息しています。

現在、4種のオオヤマネコが存在すると言われており、種類によって個体差はあるものの基本的にがっしりした体と長い脚、そして大きな足先が特徴的です。

カナダオオヤマネコが持つ特徴

カナダオオヤマネコは哺乳綱食肉目ネコ科オオヤマネコ属に分類されており、オオヤマネコの近縁で同一種とされている一方で、ボブキャットの方が近いとも言われています。しかし、ボブキャットよりは大型で、オオヤマネコと比較するとやや小型です。

まるでぬいぐるみのようなモフモフした体には黒っぽい斑点模様があり、シルバーがかった茶色の毛皮は夏になると赤味のある茶色い毛に変わり、冬より短くなります。換毛期は4月~5月と10月~11月です。

この記事では、そんなカナダオオヤマネコの生態や食性などを詳しく説明していきます。
  • カナダオオヤマネコに見られる生態
  • カナダオオヤマネコの大きさ
  • カナダオオヤマネコの鳴き声
  • カナダオオヤマネコの主な生息域
  • カナダオオヤマネコの食性
  • カナダオオヤマネコの平均的な寿命
  • カナダオオヤマネコの繁殖

カナダオオヤマネコに見られる生態

カナダオオヤマネコは餌であるカンジウサギが夜行性という理由から、狩りの主な時間帯は夜です。行動範囲はカンジキウサギの密度によって変化し、雪や木の切り株とその周辺に尿や糞で香りをつけてマーキングします。カナダオオヤマネコは山や木の高いところに登ることで捕食者から逃れますが、狩りは地面でしか行いません。

カナダオオヤマネコは母親が娘を育てる際や、交尾期の一時的な関係を除けば、単独行動が基本です。特に同性の個体はお互いを避けることが多いですが、獲物が少ない時に限り、メス同士でグループになって狩りをすることはあります。

カナダオオヤマネコの大きさ

カナダオオヤマネコの体長は67~110cm、尾長が5~17cm、体重は7~17kg程です。

オスの方がメスより少し体が大きく、足裏や短い尾は体毛におおわれているため、寒冷地に適応できると考えられており、深い毛におおわれた長い脚は雪の中を歩き回るのに適していると言われています。

カナダオオヤマネコの鳴き声

カナダオオヤマネコはメスを取り合う際に、大きな唸り声を上げると言われています。

メスはおよそ1年の間に1匹のオスとだけ繁殖行動をおこなうと考えられているため、繁殖の機会を失わないよう争っていたというのが専門家の見解です。また、繁殖の季節になると唸り声以外にも、メスを追いかけながら低く短い声を繰り返しあげるオスもいると言われています。

カナダオオヤマネコの主な生息域

カナダオオヤマネコの生息地は、名前にもなっているカナダです。他にも北アメリカの寒冷地域や、アラスカの針葉樹林に生息しています。木や山に登ったり、泳いだりすることも可能ですが、主な行動範囲は地上です。

カナダオオヤマネコの食性

カナダオオヤマネコの主な食べ物はカンジキウサギです。その他にも、特に夏期はネズミやリスなどのげっ歯類と鳥類も捕食し、ヘラジカやトナカイなど動物の死骸と昆虫も食べると言われています。

カナダオオヤマネコの平均的な寿命

カナダオオヤマネコの寿命は野生だと10年~15年、最長で16年程です。飼育下では外敵がいないからなのか、平均寿命は27年程で、野生より長く生きると言われています。

カナダオオヤマネコの繁殖

カナダオオヤマネコの繁殖期は2~4月頃で、オスは鳴き声とにおいを頼りに年に1度程度、数日間だけ発情するメスを探し出します。約56~70日の妊娠期間の後、1回の出産で1~6匹(通常は3匹か、4匹)程の赤ちゃんを産み、最多出産数は8匹と言われています。

赤ちゃんが生まれるとオスは追い払われ、生後5ヵ月前後で離乳し、10~17ヵ月程で独り立ちし、21~33ヵ月程で性成熟に達します。

カナダオオヤマネコの生息数の動向

主な餌となるカンジキウサギが増えればカナダオオヤマネコの個体数は増加し、逆に約10年周期でやってくるカンジキウサギの減少と共にカナダオオヤマネコも激減していきます。

被食者が減れば餌不足で捕食者も減り、それゆえ難を逃れた被食者が増えれば捕食者も再び増えるといった仕組みになっているからです。

また、オオヤマネコの生息数が減少する理由は人間にもあります。なぜかと言うと、オオヤマネコの美しい毛皮を求めて、狩猟してきたからです。他にも生息地の破壊や交通事故が原因で絶滅の危機に瀕しており、無視できない問題となっています。

カナダオオヤマネコはペットにできる?

カナダオオヤマネコは、日本でもペットショップに取り寄せをお願いしたり、海外のブリーダーとのやり取りをサポートしてくれるサイトを通じて、アメリカなどから輸入したりすることは可能です。ただし、輸出入の手続きが大変で、値段も1匹120~200万円程と相当かかります。

また日本でカナダオオヤマネコは特定動物に指定されているため、都道府県知事、もしくは政令指定都市の長に猛獣飼育許可を申請し、飼育許可証を発行してもらわなければなりません。

もし無許可で飼育すると法律違反となり、6ヵ月以下の懲役、もしくは100万円以下の刑罰を科せられるので注意しましょう。

出典:オオヤマネコはペットとして飼える?|ねこちゃんホンポ
参照:https://nekochan.jp/catspecies/article/1096#anchor5

カナダオオヤマネコ以外のオオヤマネコの種類

オオヤマネコにはカナダオオヤマネコ以外にも存在しているのはご存じでしょうか。

ここからは他3種のオオヤマネコについて、カナダオオヤマネコとの違いも交えながら簡潔に紹介していきます。

ヨーロッパオオヤマネコ

ユーラシアリンクスやシベリアオオヤマネコという別名があるヨーロッパオオヤマネコは、4種類の中でもっとも体が大きいと言われるオオヤマネコです。中央アジア、ロシア、ユーラシア大陸北部の針葉樹林帯や開けた草原、岩の多い丘陵などに分布しています。

げっ歯類や鳥類、爬虫類や昆虫など食性は幅広く、力の強いヨーロッパオオヤマネコはアカシカやトナカイ、イノシシなどの大型の哺乳類も捕食する点がカナダオオヤマネコとの違いです。

他にも一夫多妻である点や、妊娠期間は67~74日程であること、また1回の出産で1~5匹(通常は2匹か、3匹)程の赤ちゃんを産むなどの違いがあります。

ボブキャット

ボブキャットは、アメリカを含むカナダ南部、メキシコ北東部の森林や草原、半砂漠地帯に分布する、カナダオオヤマネコより小さなオオヤマネコです。

小さいと言っても、大型の家ネコの約2倍の大きさはあり、12種類程の亜種がいます。尻尾が短いことから、Bob tail(ボブテール)+Cat(キャット)で、ボブキャットという名前がつけられました。

捕食の対象は生息地域や季節によって変化し、ウサギやジリスなどの小型の草食動物や鳥類を中心に、昆虫や小さなネズミ科の動物、シカなども捕食することからボブキャットはかなりの雑食です。妊娠期間は50日前後で、1度の出産で1~4匹程の赤ちゃんを産みます。

スペインオオヤマネコ

イベリアオオヤマネコという別名もあるスペインオオヤマネコはスペイン、ヨーロッパ南西部のイベリア半島に生息しています。

急激に個体数が減少したことにより絶滅危惧種に指定され、一時期は絶滅の瀬戸際でした。しかし、スペインで進められてきた保護活動や、スペインオオヤマネコの人目を避ける習性のおかげで現在は個体数が回復しつつあります。

主食はほぼアナウサギに頼り切っており、それ以外には有蹄類や鳥類、爬虫類などを捕食し、げっ歯類を食べる点はカナダオオヤマネコと同じです。

アナウサギを食べる競争相手を減らすことを目的に、同じご飯を食べるヨーロッパジェネットやエジプトマングースなどを襲う場合もあると言われています。

繁殖期は12月~2月で、妊娠期間は63~66日前後、1度の出産で2~4匹程の赤ちゃんを産み、育てるのも母親です。生後7~8ヵ月前後で独立し、完全に親元を離れるのは13~24ヵ月前後と言われています。

日本でカナダオオヤマネコを見ることはできる?

過去には動物園で飼育されていたこともありましたが、残念ながら現在では、日本でカナダオオヤマネコを見ることはできません。

しかし、シベリアオオヤマネコであれば、東京の羽村市動物公園と兵庫県の神戸市立王子動物園の2ヵ所で飼育されているでしょう。種類は違いますが、オオヤマネコを一目見てみたい方は足を運んでみてはいかがでしょうか。

カナダオオヤマネコの特徴や生態を把握しよう

ここまでカナダオオヤマネコの特徴や生態を説明してきましたが、いかがだったでしょうか。メスを取り合う際の鳴き声が凄まじく、食性からも分かるように肉食動物ではあるものの、可愛らしい見た目はとても魅力的です。

この記事で紹介した内容を把握して、多くの人にカナダオオヤマネコの魅力を伝えてみてはいかがでしょうか。
モバイルバージョンを終了