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リビアヤマネコはどんな動物?イエネコのルーツとされることなどを紹介

「リビアヤマネコは飼育に向いているの?」
「リビアヤマネコはどんな普通のイエネコとどう違うの?」
このように名前は聞いたことはあるけど、リビアヤマネコを詳しくは知らないという方もいるのではないでしょうか。

約9500年前から人類と一緒にいると言われているイエネコ。その祖先と言われているのがリビアヤマネコです。見た目は日本猫の「キジトラ」や「茶トラ」とよく似ていると言われていますが、いったいどのようなヤマネコなのでしょうか?

この記事ではリビアヤマネコに関する基礎知識や特徴、そしてイエネコのルーツについて解説しています。読むことでリビアヤマネコの特徴について知ることができるでしょう。

リビアヤマネコに興味を持もった方は、ぜひ参考にしてください。

リビアヤマネコはどんな動物?

リビアヤマネコは食肉目ネコ科ネコ属に分類される動物です。現在飼育されているイエネコの起源であると言われています。

学名はFelis silvestris lybicaで、アフリカヤマネコとも呼ばれており、5種類あるヤマネコの種類のうちの一つ、ヨーロッパヤマネコの亜種と言われています。

生息域は北アフリカと中近東、アラビア半島からカスピ海にかけてで、北アフリカにある国「リビア」が名前の由来です。

赤道より南にも分布していますが、遺伝学的に異なるそうで、亜種または別種とされています。

イエネコのルーツとされるリビアヤマネコ

リビアヤマネコの生息地域である北アフリカや中東地帯は、肥沃な土地だったので、その地域は穀物の生産が盛んになりました。

それに伴い、穀物を荒らすネズミなどの小動物に悩まされることになりますが、それらを捕食してくれていたのがリビアヤマネコでした。

人間とリビアヤマネコが共に生活するようになった時期は明確に分かっていませんが、リビアヤマネコの生息域では、9500年前のキプロス島シルロカンボス遺跡から人間と一緒に生活していたと思われる猫の遺骨が出土されていますし、4000年から5000年前のエジプトにおいても、猫は神聖な生き物として扱われており、埋葬場からは猫のミイラも発見されています。

その後、旅商人や船乗り達の手によって猫は全世界に拡散していき、日本にも、6世紀ごろに仏教と共に中国から持ち込まれたと言われています。

イエネコの先祖であるリビアヤマネコは、数千年の時をかけて現在知られるイエネコの姿に進化していきました。

近年では、DNAの解析なども行われ、リビアヤマネコからイエネコへの変化は、様々な検証によって科学的に解明されています。

ちなみに、猫の方が犬より野性的なのは、猫は犬のように狩りなどで使役する目的で飼育されなかったからだそうです。

リビアヤマネコは飼育できるのか?

結論から言えば、リビアヤマネコの飼育は可能です。

基本的にリビアヤマネコは、取引が規制されている動物ではありません。そして、飼育に許可が必要な特定動物(人間に危害を及ぼす恐れのある危険な動物のこと)ではないので、ペットとして飼うことは、法律的には可能です。

取引金額は50万円前後と言われています。

しかし、ペットショップにいるような種ではありませんし、日本にはブリーダーがいないため、入手方法は海外からの輸入になります。そのため一般の方が飼うのは難しいでしょう。

リビアヤマネコは、他のヤマネコに比べて人間に懐きやすいと言われていますが、それでもヤマネコです。獰猛な面もあり、イエネコと同じように飼うわけにはいきません。野生種なのでイエネコよりも匂いが強いなどの問題もあります。

そして、イエネコとヤマネコの最大の違いは、他の種族に対しての順応性の高さでしょう。

イエネコは人間だけではなく、一緒に暮らす犬など、他の種族にも友好的に接することがあります。他の種族である子犬を育てたりなどは、ヤマネコなど野生種には見られない行動です。

その点もリビアヤマネコを飼うのは難しいといえるでしょう。

飼える可能性があったとしても、様々な準備や覚悟が必要なので、飼育は現実的とは言えないでしょう。

リビアヤマネコの特徴について

リビアヤマネコは狩りをするために砂漠や砂地に隠れるため、「デザートキャット」や「アフリカンキャット」とも呼ばれています。

リビアヤマネコの平均的な体長は、50cmから70cm程度、平均体重は3kgから6.5kgです。体型はイエネコと比べて、同じくらいか少し大きめの体格をしています。

見た目も、リビアヤマネコとイエネコはよく似ていますが、イエネコと比べると、全体的にスラリとした体型で足や尾が長く、耳が大きいので、リビアヤマネコの方が野性味を感じる見た目になっています。

リビアヤマネコの被毛の色は、ベースの色が砂のような灰色または薄い茶色です。また、体全体に褐色から黒の縞模様があるのが特徴です。

額の部分にMの字に見える縞模様や、目の横から「クレオパトラ・ライン」と呼ばれる縞模様は、イエネコに見られる縞模様とそっくりです。

色や模様の特徴は日本猫の「キジトラ」や「茶トラ」のような感じですね。

あと、暑い地域が原産の猫なので、被毛は短毛種のみとなってます。

リビアヤマネコのいる動物園はある?

残念ながら、国内でリビアヤマネコを展示している動物園は現在ないようです。

海外ではアメリカのバーミンガム動物園で展示されているそうです。

国内では、動画などでしかリビアヤマネコは見られないでしょう。

ちなみにですが、南アフリカのピラネスバーグ国立公園やボツワナのクガラガディー・トランスフロンティア公園などはリビアヤマネコの生息地なので、運が良ければ見られるそうです。

リビアヤマネコについて深く知ってみよう

イエネコの祖先と言われているリビアヤマネコ、見た目などはイエネコとよく似ていますが、生態など違う点も多いです。

リビアヤマネコを飼うのは、入手ルートが容易ではないことや、飼育環境を整えるのが難しいなど簡単ではありません。

ですが、歴史的に見て人間とは長く共に暮らしてきたなど、リビアヤマネコについて調べてみると面白い発見がたくさんあります。

この記事では簡単にしか紹介できなかったのですが、獰猛なヤマネコであるリビアヤマネコが、人を警戒せず慣れ親しむ性質のイエネコへと、遺伝子レベルで変化を遂げたことなど、最近の研究を見ても大変興味深いです。

残念ながら国内の動物園で見ることはできませんが、動画などでは見ることができますので、この機会にリビアヤマネコについて調べてみても面白いでしょう。
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