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犬はどうして鼻をなめるの?その理由9選|その他カーミングシグナル

犬が自分の鼻をなめる理由

犬の行動を見ていると、わりと頻繁に自分の鼻をペロッとなめていることに気づきます。これは実は、嗅覚の鋭い犬にとってとても大切な行動なのです。犬が自分の鼻をなめるときに考えられる理由は以下の通りになります。
犬が自分の鼻をなめる理由
  • 嗅覚を敏感にたもつため
  • 今から行動を始めようとしている
  • リラックスしようとしている
  • 食べ物を食べたいと思っている
  • 鼻が乾いている

犬が自分の鼻をなめる理由1:嗅覚を敏感にたもつため

人間が五感のうち最も利用する感覚が視覚で、すべての感覚のうち8割は視覚を利用しているといわれています。それに対して犬は嗅覚が4割、聴覚が3割です。鼻でにおいを嗅ぐことででさまざまなことを感じ取っているのです。

そのためにも犬はつねに嗅覚を敏感にたもっている必要があります。鼻をなめることで粘膜がより湿り気を帯び、においの分子が鼻の粘膜に吸着しやすくなります。においの分子をたくさん吸着させて敏感ににおいを感じ取れるようにしているのです。

犬が自分の鼻をなめる理由2:今から行動を始めようとしている

先ほどもご紹介したとおり、犬は感覚の大部分を嗅覚に頼っています。嗅覚が重要な犬はこれから何かの行動を始めよう、というときに鼻のコンディションを整えようとします。コンディションを整えるには適度に湿らせる必要があるので、鼻をなめるのです。

人間でいうと、メガネをかけている人がきちんとかけなおしたり、袖が邪魔にならないように腕まくりをするような感じです。「さあ、やるぞー!」といった雰囲気です。

犬が自分の鼻をなめる理由3:リラックスしようと思っている

犬は慣れない場所に連れていかれたときや他の犬がたくさんいるところに行ったときにも鼻をなめます。これは、緊張したり不安な気持ちを落ち着かせリラックスしようとしているのです。舌を出して見せることで攻撃の意図がないことを伝え、自分と相手を落ち着かせようとしているといわれています。

犬が自分自身や相手を落ち着かせようとする行動はカーミングシグナルと呼ばれ、鼻をなめる以外にもいくつかの代表的な行動があります。カーミングシグナルについては記事の後半で詳しくご紹介します。

犬が自分の鼻をなめる理由4:食べ物を食べたいと思っている

ごはんの準備をしてもらっている間や、飼い主の食事中などにも鼻をなめることがあります。これはお腹がすいたり、飼い主が食べている美味しそうなものを自分も食べたい!と思っているサインです。

食事中にこちらをじっと見つめながらペロペロと鼻をなめる姿についご飯をあげたくなってしまいますが、人間用の味付けのものを犬に食べさせることはくれぐれも避けましょう。

犬が自分の鼻をなめる理由5:鼻が乾いている

犬の鼻は基本的には湿っています。これは、目を保護するために分泌されている涙が鼻へ流れ込んだり、体温調節をするために鼻から粘液が分泌されているからです。

しかし、眠っている時には目を保護する必要がないので涙は出ません。気温も適切であれば体温調節の必要もありません。すると眠っているうちに鼻が乾いてきてしまいます。

目が覚めた時、乾いてしまっている鼻を早く湿らせるために鼻をなめるのです。

犬が飼い主の鼻をなめる理由

犬が自分の鼻をなめるのは嗅覚が重要だから、という結論でした。では、飼い主の鼻をなめるのはなぜなのでしょうか?それはやはり、飼い主が大好きだからというのが理由のようです。

では具体的にどういったときに飼い主の鼻をなめるのでしょうか。以下のような理由が考えられます。
犬が飼い主の鼻をなめる理由
  • 甘えたい
  • 味が好き
  • 信頼している
  • 食事の催促

犬が飼い主の鼻をなめる理由1:甘えたい

子犬は母犬に甘えたいとき、母犬の口元をなめてアピールをします。飼い主を母犬のように慕って、口元をなめて甘えているのです。犬は鼻をなめているのではなく口元をなめているつもりですが、舌が長いので鼻まで一緒になめてしまうようです。

母親のように慕っての行動といわれると、鼻なめも悪くない気がしますね。

犬が飼い主の鼻をなめる理由2:味が好き

犬が飼い主の鼻をなめるのは、鼻自体というより鼻の粘膜をなめているのでは、という説があります。粘膜から分泌されている体液を味わっているのだとか。

ちょっとびっくりしてしまうような理由ですが、大好きな飼い主だから分泌液の味も大好きといったところでしょうか。複雑ですが、これも飼い主を大好きという気持ちの表れなのです。

犬が飼い主の鼻をなめる理由3:信頼している

犬の祖先であるオオカミは子ども時代、乳離れをしてから肉を食べられるようになるまでの間は親から離乳食をもらって食べます。離乳食とは、親がいったん食べてある程度消化したものを吐き戻したもので、野生の動物には同じ習性をもつものが多くいます。

子犬が母犬の口元をなめるのはこの吐き戻しを催促するしぐさの名残からきているといわれています。まだ食べられるものが限られる自分に安全な食物を提供してくれる、信頼できる相手にする行動と考えることができます。

犬が飼い主の鼻をなめる理由4:食事の催促

オオカミの子どもは離乳食を催促する際、親のオオカミの口元をなめて「ちょうだい」というアピールをします。

人間にペットとして買われるようになった現在でもお腹がすくと飼い主の口元や鼻をなめるという行動をとっているようです。

犬のカーミングシグナル

カーミングシグナルはCalming(落ち着かせる)と Signal(信号)を合わせた言葉です。犬が本能的に持っている非音声のコミュニケーション方法です。カーミングシグナルを相手に見せることによって自分の気持ちを伝え、犬同士などでの不要な争いを避けようとするのです。

犬のカーミングシグナル1:あくび

犬があくびをするときは、自分の興奮した気持ちを落ち着かせようとしているか、相手の興奮を鎮めようとしています。

あくびは本来、疲れた時や眠い時にする、リラックスした行動です。それを緊張している時にすることによって、自分は興奮していないということを自分に言い聞かせたり、相手にアピールしたりしているのです。

興奮だけでなく、ストレスを感じている時にもあくびをします。飼い主に怒られている時のあくびは反省していないわけではなく、「もう落ち着いて、怒らないで」と訴えかけているのです。

犬のカーミングシグナル2:目をあわせない

犬同士が見つめあうのはケンカの合図とよく言われます。犬同士にとって相手に視線を合わせるのは敵意があることの表現なのです。逆に、その視線をそらすということは「自分はケンカをするつもりはないですよ」という意思表示です。

初めて会った犬がじっと見つめてきたら、こちらに敵意がないか探っています。目をそらして、あなたとケンカするつもりはないよ、と示して安心させてあげましょう。

ペットが慣れ親しんでいる飼い主を見つめるのは甘えているだけなので安心してください。

犬のカーミングシグナル3:座る

座るのもカーミングシグナルのひとつです。犬が攻撃的な気持ちでいるとき、姿勢は前傾になり尻尾を立てます。座る姿勢とは真逆ですね。

攻撃的ではない体勢をとることで、自分を落ち着かせよう、または相手を落ち着かせようとしています。伏せるのも同じ心理状態です。「まあちょっとお互い落ち着こうよ」といった感じです。

犬が緊張する要因がなさそうな場面で座るときは、単純に疲れていたり歩くのが面倒だったりすることもあります。

犬のカーミングシグナル4:地面のにおいを嗅ぐ

犬は初めての場所や慣れない場所では頻繁に地面のにおいを嗅ぎます。見知らぬ場所がなんとなく不安なのは人間も犬も同じです。人間は慣れない場所に行くとキョロキョロと周りを見渡してしまいますが、犬にとってはにおいを嗅ぐのがそれと同じです。

においを嗅ぐのはマナーが悪いとしてしつけで禁止することもあるようですが、人間でいえば目隠しを強要されるようなものです。気持ちが落ち着くまでにおいを嗅がせてあげましょう。

犬が鼻をなめる理由から気持ちを理解してあげよう

犬が鼻をなめる理由をご紹介しました。

犬にとっての鼻は人間にとっての目と同じ、非常に重要な器官です。自分の鼻をなめる行為は、ほとんどの場合その重要な器官のメンテナンスが目的です。飼い主の鼻をなめるのは愛情表現によるものです。

鼻をなめる理由やカーミングシグナルについて知ると、犬の気持ちがより理解できるようになりますね。愛犬ときちんとコミュニケーションをとるためにも、ぜひ心に留めておいてください。
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