犬の鳴き声から分かる犬の気持ち・意味と鳴き声の対策方法

犬の鳴き声は、人の声と同じです。気持ちを伝えたり、感情表現をしたり、自分だけの楽しい感じが不意に出ちゃっていたりなど、いろいろな理由で鳴き声を使います。

人は声色や口調で感情が分かりますが、犬の言語は人の言語とは違うため、何となく分かる声色があっても「これは何を伝えたいんだろう」という鳴き声もあるでしょう。それでは、各犬の鳴き声とその気持ちについてご紹介します。

「クゥクゥ」と高い音で鳴き続ける、この鳴き声には「寂しい」気持ちが込められています。本能的に言えば「仲間を求めている」ことの表現であり、信頼できる人が見えなくなった時や視界が遮られるような空間に入れられた時などは高いキーで鳴き続けます。遠吠えのように声を発する場合は「アゥーン」といった高音の声が感じが長く続きます。

また「不快」を示す時も、鳴き声が高音で長く続きます。嫌な存在や音に対しての注意喚起であったり危険を知らせる時も、長く続く高音キーの鳴き声です。このような場合は「キャンキャン」といった感じで、何かに対して攻撃的な姿勢をとっているような、飼い主さんに何かを伝えたがっているような様子が見られます。

高めのキーで歯切れよく「ワン！」や「ワン！ワン！」と言う強い鳴き声には、社交的な「挨拶」の意味合いがあります。よく会う人や犬に対して「ワン！」と吠えるのは、相手を親しい相手または慣れた相手として認めている証拠です。この鳴き声をよくする犬は、有効的な性格を持っているとも言えます。

他の犬に対して楽しげに「ワン！」と言った場合は、遊びたがっています。この時には遊びたいことを表すために動きまわったり、楽しい表情をしていることでしょう。人が家に帰宅した際にもこのような鳴き声をする時がありますが、誰かの帰宅時に「ワン！」と言うのは「お帰り」の意味があります。

犬の感情が分かりやすい鳴き声です。低いうなり声を出しながら牙を見せている時は「攻撃の意思」を見せているため、その鳴き声を出させた相手のことを「拒絶」して「威嚇」を示している状態です。要するに「嫌い」ということで、犬の性格によっては「信用できない相手」だから警戒心をむき出しにしている場合もあります。

犬がマズル（鼻）にシワを寄せて牙を見せることは威嚇の他にも理由が考えられる場合もありますが、威嚇目的でこのような表情および鳴き声をする時には、シワが寄ってからうなり声を出し始めます。威嚇を示している相手に近付くと危険なので、威嚇している様子が見られた時にはその対象に近付けないようにしましょう。

威嚇を示すうなり声よりもキーは高めですが、人間からすると怒って見えるため勘違いされやすい鳴き声です。実は、この鳴き声は怒っているのではなくて「楽しい気持ち」を表しているとされます。「何だか楽しいな」「面白いな」という気持ちを表現しているので、遊んでいる時によく用いる鳴き声です。楽しさの表れなので、怯えずに遊びましょう。

「寂しい」を表す鳴き声と似ていることもありますが、この鳴き声を発する時は「苦痛」を訴えています。苦痛を訴えるこの鳴き声を用いる時の、犬の表情をよく確認してください。どこか不安そうな表情をしていたら、それは心身的などこかに苦痛がある証拠です。また、鳴き声が乱れたり・音量にバラつきがある場合も苦痛の表れです。

「キュンキュン」といった鳴き声は「甘えたい」気持ちを表しており、基本的には子犬に多い鳴き声です。しかしながら家庭犬としての性質が見事に開花されている犬の場合は、大人になってからも子どもに戻るかのように「キュンキュン」という声を出して甘えてきます。「一緒に居たいよ」「甘えたいよ」と言っているので、甘やかし過ぎは問題ですが構ってあげましょう。

何だか幸せそうな表情で溜息が出た時は、満たされている表れです。食事が終わった後によく見られます。寝転んだ姿勢で目を見開きながら溜息が出た場合は、何かにがっかりした様子です。「あーあ」と言いながらふてくされた感じになる人間と同じ様子で、犬なりに期待外れなことがあったのでしょう。

「文面上で説明されてもよく分からない」という時には、犬の鳴き声を読み取って何を伝えているのか教えてくれるアプリを活用してみましょう。いずれのアプリも完全正確に読み取れる保証はありませんが、愛犬の鳴き声に試してみるのも面白いでしょう。

バウリンガルはもともと犬語翻訳機として発売されたもので、そのアプリ版です。有料アプリですが、犬の鳴き声を読み取って翻訳をし、twitterで呟くことができます。対応している犬種は50種類で、犬の性別によって口調が変わります。全ての気持ちを読み取れるわけではありませんが、犬と楽しむアイテムとして取り入れてみるのも良いでしょう。

このアプリは犬の鳴き声を認識して翻訳するのではなく、いろいろな犬の鳴き声とその感情を学ぶことができます。Vol.2と名前にあるように、前作の改良版とされています。改良したことで、子どもでも使いやすいようになったそうです。犬好きな子どもさんや、もちろん大人でも、犬の鳴き声について気軽に学んでみたい時にです。

飼い犬の鳴き声トラブルは少なくありませんが、苦情があった時には飼い主側は何かしらの対処を行わないといけません。行わないといけない理由としては、法律上ペットの飼い主はそのペットが他者に迷惑をかけないように努める義務があるからです。

「人が喋ることと犬が鳴くことは同じ」という主張はご最もですが、人間の生活環境下で飼育する時にはその言い分だけではとおりません。

では、どのように対処を行いましょうか。まずは、その犬がいつどうして鳴くのかを明確にしましょう。その原因を取り除くだけでも、近隣への迷惑は軽減されます。どうしても鳴き声が治まらない場合は、ドックトレーナーによるしつけを受けることをします。

しつけは犬の年齢に関係なく行えますので、専門資格を持ったトレーナーさんに鳴く癖の改善を依頼してみると良いでしょう。

一番はじめに行うことは、鳴き声を葉あ発する原因となるものを取り除くことです。それができないのであれば、しつけを行っていきます。まず、やってはいけないことからお伝えしますが、犬が吠えた時に「コラ」や「ダメ」と言って叱ることは頻繁にしない方が良いです。よほどの大声であれば犬が驚くので効果はありますが、ただ言うだけでは意味がありません。

しかしながら人が大声を出したら犬の鳴き声の迷惑と同じことになってしまうため、声で叱る以外の方法を試します。犬が吠えたら、何かで一瞬の音を出します。その音は破裂音のように驚く音質のものが好ましく、たとえば金属製（カギや缶など）を床などの硬いところに落とす、丸めた新聞紙で机などを叩く方法を行います。

いけないことをした時にそのような驚く音を出すことで、犬の注意が吠える対象から逸れます。これを繰り返すことで、いつしか何もしなくても吠えることがなくなります。

去勢が最も効果的な対策ですが「手術を受けさせたくない」「健康上の理由で負担はかけられない」「飼い主側の経済的理由」など、いろいろな要因で去勢を避けている飼い主さんも少なくありません。では、他の方法で発情期の時の鳴き声を抑えましょう。

発情期の時は興奮しやすい状態にあり、とにかく落ち着きなく動きまわる様子も確認できます。また、攻撃的になるタイプもいます。このような状態にある時は、エネルギーの発散をすることで落ち着きの無さおよび鳴き声の回数を抑えることができます。散歩の回数を増やしたり、遊ぶ時間を長くしたりなどで発散を行うと、鳴き声を抑える効果が現れます。

犬の鳴き声がいつもと違う、または犬種が同じ他の犬と比べても明らかにおかしいと思った時には、病気の可能性も視野に含めて原因を突き止めましょう。

かすれている声・乾いた声・いつもはそんなに鳴かないのに頻繁に鳴いている・何もないのにどことなく辛そうな声を出しているなど、いつもと違う声の時は何か起きている可能性があります。

いつもと違って大人しく、ちょっと動かしただけでも悲痛な声を上げる時は「骨折」または「脱臼」している可能性があります。底が安定したものを用いて、安静に動物病院まで連れて行きましょう。

咳をしており、吐く症状も見られる場合は「慢性気管支炎」や「気管虚脱」が疑われます。目ヤニも見られる場合は「ジステンバー」の可能性が疑われるため、いつもと違う様子が見られたら早めに病院で診てもらいましょう。毎日様子を観察していないと違いに気付けないため、愛犬とのコミュニケーションを大事にしてください。

犬と人は、気持ちを伝え合うための言語に違いがあります。そのため、犬が考えていることを人が正確に読み取ることはできません。しかしながら、犬のアイコンタクトの仕方は人と同じです。楽しい時には目をキラキラさせ、悲しい時には目に憂いが帯び、怒っている時には大変攻撃的です。目だけでなく、表情としても人間と似た部分があります。

目の色や表情と同じように、声色および喋り方（鳴き方）も人間の表現と似ている部分があります。怒っている犬が発する声、楽しそうな犬が発する声、甘えている犬が発する声を聞いてみてください。人は怒った時、声が低くなるそうです。人は楽しい時、声も楽しそうです。人は悲しい時、眉に力が入って悲しみを示す表情が作られます。いずれも、犬も同じです。

犬は古くから人間と共に生活をし、人と感情面でのコミュニケーションを図ってきました。そのこともあってか、犬は動物の中でも感情表現が豊かな生き物です。それだからこそ、人間と共に暮らすことができ、人間にこれほどまでの癒しを与えてくれるのでしょう。

大切な飼い犬・愛犬・伴侶犬など呼び方はいろいろですが、様子をよく見て伝えたいことを察してあげると絆を育めます。