断耳とは?
ドーベルマンの耳は自然にしていると垂れ耳だと知っていますか?実は、耳の一部を切断する断耳(だんじ)という方法で、耳を立たせているんです。
今回は、断耳する理由、方法、さらには断耳に対しての世界の国々の反応を解説します。
今回は、断耳する理由、方法、さらには断耳に対しての世界の国々の反応を解説します。
断耳の歴史
断耳がされるようになった歴史は古く、17世紀ごろから断耳は行われていました。ただし、すべての犬が断耳をされていたわけではなく、一部の犬に対して断耳が行われていました。
主に、牧羊犬や、狩猟犬といった使役犬(人間のために利用される犬)に対して断耳がされてきました。
当時と今とでは、私たちと犬との関わり方にも大きな変化があるように、断耳する理由も大きく変わってきています。
主に、牧羊犬や、狩猟犬といった使役犬(人間のために利用される犬)に対して断耳がされてきました。
当時と今とでは、私たちと犬との関わり方にも大きな変化があるように、断耳する理由も大きく変わってきています。
断耳は必要なのか?
「耳を切るなんて、どうしてそんなかわいそうなことをする必要があるの?」と考える人も多いのではないでしょうか。
ここからは、どうして耳の一部を切り取る断耳が行われてきたのかについて、その理由をご紹介していきます。
ここからは、どうして耳の一部を切り取る断耳が行われてきたのかについて、その理由をご紹介していきます。
外敵からの攻撃を守る
昔、断耳をしていた大きな理由として、外敵による攻撃から守る必要があったということがあります。
断耳は、牧羊犬や狩猟犬、さらには闘犬などに行われていました。なぜなら、オオカミや熊などの外敵と戦った時や犬同士が闘った時に、耳を噛みちぎられて大ケガをするのを未然に防ぐためです。
ケガをする前に耳を切断して、攻撃を受けた時に耳を噛みちぎられるリスクを減らすために断耳が行われていました。
断耳は、牧羊犬や狩猟犬、さらには闘犬などに行われていました。なぜなら、オオカミや熊などの外敵と戦った時や犬同士が闘った時に、耳を噛みちぎられて大ケガをするのを未然に防ぐためです。
ケガをする前に耳を切断して、攻撃を受けた時に耳を噛みちぎられるリスクを減らすために断耳が行われていました。
外見上の理由
では、現在はオオカミや熊などの外敵から身を守る必要がほとんどなくなったのに、なぜ今でも断耳をしているのでしょうか?
その理由は、昔からの牧羊犬や狩猟犬などの断耳をしている姿が、その犬種のイメージとして定着してしまい、犬種の理想とされる犬種標準(スタンダード)として断耳が推奨されているためです。
そのため、断耳をしていないと、「その犬種のイメージに合わない」「正しいスタイルではない」と判断されていまします。
犬種標準(スタンダード)に合わせるため、つまり、今は外見上の理由から断耳が行われています。
その理由は、昔からの牧羊犬や狩猟犬などの断耳をしている姿が、その犬種のイメージとして定着してしまい、犬種の理想とされる犬種標準(スタンダード)として断耳が推奨されているためです。
そのため、断耳をしていないと、「その犬種のイメージに合わない」「正しいスタイルではない」と判断されていまします。
犬種標準(スタンダード)に合わせるため、つまり、今は外見上の理由から断耳が行われています。
断耳の方法
断耳を行うことは、犬に対して大きな負担を与えることです。そのため、正しい方法で断耳をしなかったばかりに、耳の形が崩れたり健康に悪影響が出てしまうこともあります。
ここからは、きちんした断耳の方法を確認しておきましょう。
ここからは、きちんした断耳の方法を確認しておきましょう。
断耳の方法
- 断耳をする時期
- 獣医さんにお願いする
- 成長した犬は手術が必要
断耳の方法1:断耳をする時期
断耳をするのには時期がとても重要になります。子犬の頃、7~12週齢のころに行われるのが一般的と言われています。
断耳を成功させ、綺麗に耳が立つには、軟骨の成長が大きく関わってきます。
軟骨が成長してしまう前の時期に耳の一部を切り取り、副え木を当てて形を整えることで、軟骨が固定して、綺麗な立ち耳が完成します。
断耳を成功させ、綺麗に耳が立つには、軟骨の成長が大きく関わってきます。
軟骨が成長してしまう前の時期に耳の一部を切り取り、副え木を当てて形を整えることで、軟骨が固定して、綺麗な立ち耳が完成します。
断耳の方法2:獣医さんにお願いする
耳の一部を切り取りますから、出血はもちろんありますし、素人では非常に危険です。そのため、断耳を行うには、獣医さんにお願いして断耳をしてもらう必要があります。
抜糸をした後も、傷口のしっかりとしたメンテナンスを行うことが大切です。
また、断耳の処置は、美容形成の部類になるので、すべての獣医さんができるものではありません。信頼できる獣医師さんにお願いすることが大事です。
抜糸をした後も、傷口のしっかりとしたメンテナンスを行うことが大切です。
また、断耳の処置は、美容形成の部類になるので、すべての獣医さんができるものではありません。信頼できる獣医師さんにお願いすることが大事です。
断耳の方法3:成長した犬は手術が必要
断耳をするには、軟骨の成長具合がとても重要になります。そのため、成長した犬が断耳をする場合は、より難しい手術となります。
また、成長することで知覚も敏感になっているので、傷の痛みも子犬の時期に比べて大きくなりますから、より慎重に断耳をするかどうかを判断する必要があります。
獣医さんとよく相談をして「切らない」という選択をすることも大切です。
また、成長することで知覚も敏感になっているので、傷の痛みも子犬の時期に比べて大きくなりますから、より慎重に断耳をするかどうかを判断する必要があります。
獣医さんとよく相談をして「切らない」という選択をすることも大切です。
現在断耳が規定されている犬種
断耳が、犬種標準(スタンダード)とされていたり、今でも断耳する犬種にはどのようなものがあるのでしょうか?
断耳する犬種として代表的な犬種の普段見慣れている姿は、実は断耳をした後の姿というのも少なくありません。
断耳する犬種として代表的な犬種の普段見慣れている姿は、実は断耳をした後の姿というのも少なくありません。
断耳する犬種
- ミニチュアシュナウザー
- ボクサー
- グレートデン
- マンチェスターテリア
- ドーベルマンピンシャー
- アメリカンピットブルテリア
断耳に対する国の反応
現在では、外見上の理由が断耳を行う大きな理由となっていますが、世界の国々では、断耳が動物虐待になるとの理由で禁止されている国もあります。
断耳に対する世界の国々の反応、また日本の反応は、どのようなものなのでしょうか?
断耳に対する世界の国々の反応、また日本の反応は、どのようなものなのでしょうか?
国/地域 | 断耳への反応 |
---|---|
ヨーロッパ | 反対(法律で禁止されている国もある) |
アメリカ | 賛成(反対の声が続出) |
カナダ | 賛成(禁止する州もある) |
日本 | 賛成(飼い主、ブリーダー任せ) |
ヨーロッパは断耳禁止国がある
昔は犬を守るために行われてきた断耳ですが、犬に大きな負担をかけることになる断耳については、動物愛護の観点から反対する声も大きくなってきています。
イギリスをはじめ、ドイツなどのヨーロッパの国々では断耳をすることが法律で禁止されています。
断耳が禁止されている国では、医学的な治療のためではない、外見上の理由から断耳をした場合、動物虐待となってしまい罰則が設けられています。
イギリスをはじめ、ドイツなどのヨーロッパの国々では断耳をすることが法律で禁止されています。
断耳が禁止されている国では、医学的な治療のためではない、外見上の理由から断耳をした場合、動物虐待となってしまい罰則が設けられています。
禁止している国
- イギリス
- ドイツ
- オランダ
- デンマーク
- スウェーデン
- ノルウェー
- スイス
- フランス
アメリカは反対者が続出
アメリカでは、犬種標準(スタンダード)として、断耳を行うことが容認されていますが、やはり、動物愛護の観点から、断耳に対して反対する声が大きくなってきています。
しかし、ヨーロッパのように法律で禁止するまでは至っておらず、飼い主の判断に委ねられている状況です。
外見的な理由での断耳を拒否する動物病院もあり、断耳に対する反対は続出しています。
しかし、ヨーロッパのように法律で禁止するまでは至っておらず、飼い主の判断に委ねられている状況です。
外見的な理由での断耳を拒否する動物病院もあり、断耳に対する反対は続出しています。
カナダは禁止する州が出てきている
カナダにおいても、犬種標準(スタンダード)として断耳を行うことが容認されていますが、断耳を禁止する州も出てきています。
大西洋に面している、ニューブランズウィック州、プリンスエドワードアイランド州、ノバ・スコシア州、ニューファンドランド・ラブラドール州で断耳が禁止され、2012年にはマニトバ州でも州の獣医師協会が断耳することを禁止にしました。
その他の州でも、断耳を禁止とすることが検討されています。
大西洋に面している、ニューブランズウィック州、プリンスエドワードアイランド州、ノバ・スコシア州、ニューファンドランド・ラブラドール州で断耳が禁止され、2012年にはマニトバ州でも州の獣医師協会が断耳することを禁止にしました。
その他の州でも、断耳を禁止とすることが検討されています。
日本は容認する姿勢をとっている
日本での断耳はどのような状況かというと、現在の法律では「断耳を禁止する」という条項はなく、飼い主やブリーダーの判断に任されているのが現状です。
しかし、海外での断耳に対する反対の声は日本にも入ってきているため、最近では、断耳してないドーベルマンなどを街で見かける機会も増えてきています。
しかし、海外での断耳に対する反対の声は日本にも入ってきているため、最近では、断耳してないドーベルマンなどを街で見かける機会も増えてきています。
断耳を反対している国が増えている
日本は、断耳に対してまだ容認する傾向ですが、海外の状況を見ると、断耳に対しての反対の意見は大きくなってきています。
アメリカでは、断耳を禁止する法律などはまだありませんが、飼い主や獣医師からも断耳に反対する意見が多く出てきています。
また、ヨーロッパの多くの国々では断耳することが禁止されています。
カナダやオーストラリアなどでも断耳を禁止していて、海外においては断耳を反対する国が増えてきています。
アメリカでは、断耳を禁止する法律などはまだありませんが、飼い主や獣医師からも断耳に反対する意見が多く出てきています。
また、ヨーロッパの多くの国々では断耳することが禁止されています。
カナダやオーストラリアなどでも断耳を禁止していて、海外においては断耳を反対する国が増えてきています。