スタンダード・プードルってどんな犬種？特徴や性格・販売価格は？

すらりと伸びた長い脚で、優雅なたたずまいが魅力的なスタンダード・プードルです。大型犬ではありますが、他の大きい犬種の犬より、あまり怖さを感じない人も多いでしょう。

原産国はフランスですが、似た形質を持つ犬は、東西ヨーロッパ全土に存在していたと考えられています。

現在のような姿に落ち着いたのは、16世紀ごろといわれています。人間の生活や仕事を手伝う「使役犬」として、労働やカモなどの水鳥の狩のパートナーとして、主に水辺で活動してきました。

スタンダード・プードルは17世紀に入ると、高い身体能力だけではなく、見た目の愛らしさにも注目が集ます。

サーカスなどの興行で芸を披露したり、一部の高貴な人のあいだでペットとして飼われるなど、幅広い活躍を見せるようになります。

時代が進むにつれて、一般でも犬を飼うことも多くなり、扱いやすさの求めに応じて、小型化の改良が進められていきました。

現在、国際基準で認められているプードルの大きさは、スタンダード・ミディアム・ミニチュア・トイの4種類です。

スタンダード・プードルは水辺での狩猟の相棒ということから、とても泳ぎが得意です。

レトリーバー（回収）犬種としては、ラブラドールやゴールデンなどのレトリーバー種が有名ですが、実はスタンダード・プードルもその一種です。

飼い主には従順で、しつけや訓練がとてもしやすい犬種だともいえます。「プードル」というのはドイツ語で「水音を立てる」などの意味があり、その習性を表した名前と言えるでしょう。

プードルといえばスタンダードだけでなくその他のサイズでも、スラっとした脚にくるくるの被毛を思い浮かべる人が多いでしょう。

数ある犬種の中でも、特にユニークな外見であるともいえます。ひと昔前であれば、スタンダード・プードルはその独特のトリミングが定番でしたが、現在ではさまざまなカットを楽しむ飼い主も増えてきました。

犬のサイズの目安である体長と体高はそれぞれ、肩端から坐骨までと地面から背骨までの長さをいいます。

スタンダード・プードルの身体的特徴の一つに、体長と体高がほぼ同じ長さの正方形をしていることです。ドッグショーなどでも、この規定を満たす必要があります。

そのためほかの犬種よりも、四肢が長くて大変背が高くスラリとしたエレガントな体型と言えるでしょう。

プードルといえばサイズにかかわらず、その独特な被毛がまず特徴にあげられます。くるくるの巻き毛は大きな体でも愛らしく見えることでしょう。

また、四肢の一部を刈り込んだ、スタンダード・プードル特有のカット方法も特徴的です。このスタイルは、水辺の猟犬として冷たい水の中に入るため、内臓を守る目的で胴体部分は毛を残し、泳ぐのに邪魔な四肢の毛を刈ったもので、実用のためでした。

スタンダード・プードルは猟犬として人間とともに、カモなどの狩を担ってきた犬種です。体力もあり、訓練にもよく従い飼い主の指示にも忠実です。

獲物を横取りして食べてしまっては、猟犬として役に立ちません。犬の本能を訓練によって抑え込むことができます。その賢い性質が買われて、使役犬に多く重用されてきた歴史があります。

スタンダード・プードルなど、使役犬として活躍する犬種は、より賢い性質を持っています。
性格が神経質であるより、おおらかな犬種は、人のいうことを聞きやすいので、その点でも賢いといえるでしょう。

犬はもともと群れで暮らしていて、リーダーに従う習性がありました。しかし、犬に飼い主がリーダーとして認めてもらうことが前提であり、必要です。

愛犬を、より賢い犬にするには、飼う側もしつけをしっかり行う必要があります。

賢い犬というのは、飼い主の指示に忠実で覚えが良いという特徴があります。そしてもう一つ状況の判断ができる、ということもあげられるでしょう。

悪知恵と言うと聞こえは悪いですが、どうすれば飼い主が喜ぶか、またご褒美におやつをもらえるか、過去の経験から判断して、自分に有利な行動をとることがあります。

気をひくためのいたずらなども、自分に注意を向けるにはどうしたらいいか、と考えて行動しているといえます。

大柄ですが、とても穏やかで優しいのがスタンダード・プードルです。ほかの犬や人間に対しても、比較的穏やかに接することができます。

運動能力が高いですが、乱暴な振る舞いなどが少なく、家族に対しても愛情と信頼に厚いところがあります。

ミニチュア・プードルやトイ・プードルなどの小型サイズに比べると、多少大胆な行動をとる傾向が見られます。

スタンダード・プードルは遊ぶことが大好きな犬種です。もともと狩の手伝いをしていたのも、そういった遊び好きの園長から訓練が行われたと考えられます。

特にゲーム感覚なものが好きなことが多く、バーや坂道といった、障害物などのアジリティー競技などに向いています。

賢いので理解力も高く、一緒に遊べるので一体感を共有できる、競技性のあるスポーツなどに挑戦してみるのも良いでしょう。

スタンダード・プードルは大型犬に分類されますが、見た目もエレガントで、あまり威圧的な雰囲気を感じさせない犬種です。

そのうえ、陽気な性格なので、お散歩中でもドッグランでもほかの犬を威嚇したり、怖がらせたりすることは少ないでしょう。多頭飼いにも向いている犬種です。

また、家庭内でも小さなお子さんとも一緒に暮らせるほど、フレンドリーな性格です。しかし、それもきちんとしたしつけがあってこそなので、幼いうちにしっかりとしつけましょう。

活発で身体能力が高いという特徴を持つスタンダード・プードルは、その運動量も多く必要だといえるでしょう。

水辺の猟犬として改良されているので、水遊びも大好きです。夏場の暑い季節は、プールや川遊びなどに連れていってあげると喜ぶでしょう。

散歩は朝晩それぞれ1時間程度と、少し多めです。運動不足でストレスが溜まると、無駄吠えやいたずらなどの問題行動が増えてしまうので注意しましょう。

大きい犬種は、購入価格も高いのではないかと心配になるでしょう。スタンダード・プードルの平均価格は、20万円から30万円です。

ドッグショーなどで入賞をしたり、とくに血統の良い犬の子が欲しいとなると、価格も高くなります。ペットショップによっても価格設定は違います。のある毛色などは価格が高く設定されていることもあります。

また、購入価格も気になりますが、大型犬なので月にかかるエサ代やお手入れの費用もよく考えてから飼いましょう。

性格が穏やかでフレンドリーだからといって、しつけをしなくてもいいという訳ではありません。賢い犬とはいえ犬と人間の関係ですから、しつけも簡単にできるとはいえません。

しつけの際にも、曖昧な態度をとらずに、だめなことはきっぱりと「ダメ」という指示を出します。

しつけをすることは、決していじめたり虐待をしていることにはなりません。大型犬ですから、野放図に育てた結果、他人にケガをさせてしまっては、犬も飼い主も不幸になってしまいます。

可愛がることと甘やかすことは別、と心がけてスタンダード・プードルとの楽しい生活を始めてみましょう。