甲斐犬とは?
甲斐犬とは1929年(昭和4年)に発見された、山梨県原産の日本犬の一種です。通常、日本犬は「柴犬(しばいぬ)」や「北海道犬(ほっかいどうけん)」のように「○○犬(いぬ)」と命名されます。
しかし甲斐犬を「かいいぬ」と命名してしまうと「飼い犬」と混同してしまうことから、特別に「甲斐犬(かいけん)」と命名されました。
しかし甲斐犬を「かいいぬ」と命名してしまうと「飼い犬」と混同してしまうことから、特別に「甲斐犬(かいけん)」と命名されました。
甲斐犬の特徴
甲斐犬は虎毛で、きれいな三角形をした立耳が特徴的な姿をしています。毛色は、黒虎毛・赤虎毛・中虎毛に分かれており、美しく勇猛な虎毛にちなんで別名「虎毛犬(とらげいぬ)」とも呼ばれます。
甲斐犬の体高は、オスが47から53cm、メスが42から48cmほどで、中型犬に分類されます。元々が南アルプスの険しい山岳地帯で猟犬として使われていたことから、中型犬のわりに力も強く俊敏です。
甲斐犬の体高は、オスが47から53cm、メスが42から48cmほどで、中型犬に分類されます。元々が南アルプスの険しい山岳地帯で猟犬として使われていたことから、中型犬のわりに力も強く俊敏です。
甲斐犬の寿命
甲斐犬の平均寿命は、12歳から16歳といわれています。柴犬の平均寿命が12歳から15歳、秋田犬が10歳から15歳なので、日本犬の中では長生きする犬種ではないでしょうか。
ちなみに甲斐犬の最長寿記録は、1938年(昭和13年)1月生まれのメスの甲斐犬クロ号で、28歳7ヶ月です。人間の寿命に換算すると、120歳をゆうに超えるかなりの高齢です。
ちなみに甲斐犬の最長寿記録は、1938年(昭和13年)1月生まれのメスの甲斐犬クロ号で、28歳7ヶ月です。人間の寿命に換算すると、120歳をゆうに超えるかなりの高齢です。
甲斐犬の歴史
甲斐犬は1929年(昭和4年)に、甲府に赴任した安達太助によって発見され、1934年(昭和9年)に天然記念物に指定されました。
発見されてから90年と比較的歴史の新しい犬種です。
古くは1560年(永禄3年)に武田家家臣であった穴山信君が、自分の家臣が所有する猟犬3匹の保護を命じています。この3匹の猟犬が甲斐犬だった可能性が高いとされています。
発見されてから90年と比較的歴史の新しい犬種です。
古くは1560年(永禄3年)に武田家家臣であった穴山信君が、自分の家臣が所有する猟犬3匹の保護を命じています。この3匹の猟犬が甲斐犬だった可能性が高いとされています。
甲斐犬の性格
日本でも飼育数があまり多くない甲斐犬と触れ合う機会はそれほどありませんが、甲斐犬とはどんな性格なのか気になりませんか。
日本犬は飼い主に忠実な性格の犬種が多いですが、甲斐犬も同じなのでしょうか。甲斐犬の性格を4つ挙げてみましたので詳しく見ていきましょう。
日本犬は飼い主に忠実な性格の犬種が多いですが、甲斐犬も同じなのでしょうか。甲斐犬の性格を4つ挙げてみましたので詳しく見ていきましょう。
甲斐犬の性格1:気性が強い
甲斐犬は猟犬ですが、グループでの狩猟には向かないといわれるほど気性が荒い犬種です。その気性の荒い性格から、家庭での飼育には向かない犬種といわれてきました。
甲斐犬の愛好家からすれば、この荒々しい性格こそが甲斐犬の魅力なので、気性の荒さは決してマイナスポイントではありません。
甲斐犬の気性の強い性格は、個性として受け入れてあげましょう。
甲斐犬の愛好家からすれば、この荒々しい性格こそが甲斐犬の魅力なので、気性の荒さは決してマイナスポイントではありません。
甲斐犬の気性の強い性格は、個性として受け入れてあげましょう。
甲斐犬の性格2:状況に敏感
甲斐犬は、険しい山岳地帯で猟犬として育てられてきた犬種です。そのため、危険を察知する能力が高く、その場の状況をいち早く判断することに優れています。
状況に敏感な性格は、不審者などにもすぐに気づくことができるので、番犬としては最適な犬種といえます。
猟犬としての歴史が、状況に敏感な甲斐犬の性格を作ったといっても過言ではありません。
状況に敏感な性格は、不審者などにもすぐに気づくことができるので、番犬としては最適な犬種といえます。
猟犬としての歴史が、状況に敏感な甲斐犬の性格を作ったといっても過言ではありません。
甲斐犬の性格3:警戒心が強い
甲斐犬は、非常に警戒心が強い性格をしています。飼い主以外にはあまり懐かず、知らない人に対しては警戒心をあらわにしますが、決して凶暴なわけではありません。
甲斐犬は賢いので、飼い主が友好的に接している相手に対しては、敵意を向けることはありません。また、飼い主に危害を加えないことが分かれば警戒を解いてくれます。
甲斐犬は賢いので、飼い主が友好的に接している相手に対しては、敵意を向けることはありません。また、飼い主に危害を加えないことが分かれば警戒を解いてくれます。
甲斐犬の性格4:一人の主人に生涯仕える
甲斐犬は、一生を一人の飼い主に忠誠を尽くす忠義の厚い性格をしています。
一人の飼い主に生涯仕えることから「一代一主の犬」ともいわれます。他の人には心を開きませんが、一度この人と決めた飼い主には甘えた顔も見せる可愛い性格です。
一人の主人に忠誠を尽くすので、譲渡などをしても次の飼い主と上手く関係が作れない場合が多いです。飼育をする際は、最後まで面倒を見る覚悟が必要です。
一人の飼い主に生涯仕えることから「一代一主の犬」ともいわれます。他の人には心を開きませんが、一度この人と決めた飼い主には甘えた顔も見せる可愛い性格です。
一人の主人に忠誠を尽くすので、譲渡などをしても次の飼い主と上手く関係が作れない場合が多いです。飼育をする際は、最後まで面倒を見る覚悟が必要です。
甲斐犬の飼い方
甲斐犬は日本犬の中でも、柴犬や秋田犬ほど飼育数が多くありません。猟犬としての性質が強く、家庭での飼育には向いていないといわれている甲斐犬ですが、実際はどうなのでしょうか。
甲斐犬を飼育する際にはどんなことに注意したら良いのかなど、甲斐犬の飼い方について詳しくご説明します。
甲斐犬を飼育する際にはどんなことに注意したら良いのかなど、甲斐犬の飼い方について詳しくご説明します。
甲斐犬の飼うために必要なことは?
- 1日1時間以上の散歩
- 運動場や庭のフェンスは2m以上
- 定期的に思いっきり走らせてあげる
- ドッグランに連れて行くなら子犬の頃から
- 飼い主としての尊敬を得る
- あまり過度に甘やかさない
- ブラッシングやシャンプーは定期的に行う
甲斐犬の飼い方1:十分に運動させる
甲斐犬は猟犬として育てられた犬種なので、飛び跳ねたり走ったり運動することが大好きです。最低でも1日に1時間以上の散歩が必要です。
運動量が少ないと、ストレスがたまり病気になったり無駄吠えしたりすることもあります。1日1回は散歩に連れ出すなどして、十分に運動させてあげましょう。
運動させてあげられるかは、甲斐犬を飼う上でとても大事です。もし、忙しくて時間が取れないなら、残念ですが甲斐犬を飼うのは諦めましょう。
運動量が少ないと、ストレスがたまり病気になったり無駄吠えしたりすることもあります。1日1回は散歩に連れ出すなどして、十分に運動させてあげましょう。
運動させてあげられるかは、甲斐犬を飼う上でとても大事です。もし、忙しくて時間が取れないなら、残念ですが甲斐犬を飼うのは諦めましょう。
甲斐犬の飼い方2:岩場を登れる脚力を持つのでフェンスは高くする
甲斐犬は山梨県の険しい山岳地帯が原産の犬です。そのため、岩場も軽々登れるくらいの脚力を持っています。
運動場や庭で遊ばせる場合、フェンスが低いと飛び越えてしまうこともあるので、2m以上のフェンスを設置しましょう。
運動場や庭から逃げ出してしまうと、他の人に迷惑をかけることもありますし、なにより事故などの危険が伴います。思いっきり遊ばせられるように、高いフェンスを用意すると安心です。
運動場や庭で遊ばせる場合、フェンスが低いと飛び越えてしまうこともあるので、2m以上のフェンスを設置しましょう。
運動場や庭から逃げ出してしまうと、他の人に迷惑をかけることもありますし、なにより事故などの危険が伴います。思いっきり遊ばせられるように、高いフェンスを用意すると安心です。
甲斐犬の飼い方3:定期的に走らせてあげる
1日に1時間以上の散歩が必要な甲斐犬ですが、散歩のほかにも定期的に走らせてあげると喜びます。
元々は山岳地帯を自由に走り回っていた犬種なので、じっとしているのが苦手です。ゆっくり歩くだけの散歩では物足りなさを感じます。
できれば、運動場を作ったり庭をフェンスで囲うなどして、自由に走り回れるスペースを確保してあげるのが望ましい飼い方といえるでしょう。
元々は山岳地帯を自由に走り回っていた犬種なので、じっとしているのが苦手です。ゆっくり歩くだけの散歩では物足りなさを感じます。
できれば、運動場を作ったり庭をフェンスで囲うなどして、自由に走り回れるスペースを確保してあげるのが望ましい飼い方といえるでしょう。
甲斐犬の飼い方4:ほかの犬との相性が良くないためドッグランには注意
気性や警戒心が強い甲斐犬は、他の犬との相性が良くないため、なかなか他の犬となじめない場合があります。ドッグランに連れて行く際には、他の犬とトラブルを起こさないように注意が必要です。
子犬の頃から他の犬と触れさせたりすることで、だいぶ警戒心を抱かない性格になります。
ドッグランに連れて行かなければ遊ばせる環境がない場合は、子犬の頃にドッグランデビューを済ませておくと良いでしょう。
子犬の頃から他の犬と触れさせたりすることで、だいぶ警戒心を抱かない性格になります。
ドッグランに連れて行かなければ遊ばせる環境がない場合は、子犬の頃にドッグランデビューを済ませておくと良いでしょう。
甲斐犬の飼い方5:生活にけじめをつけ尊敬される飼い主になる
甲斐犬は周りの状況を良く観察する性格です。
散歩やエサの時間がいつもバラバラだったり、その日の気分で遊んだり遊ばなかったりと適当な飼い方をしていると、飼い主としての尊敬や信頼を得られません。
飼い主としての尊敬を得るには、生活にけじめをつけることが大切です。できる限り同じ時間に散歩やエサを行うなど、生活にけじめを付けましょう。
また、いけないことをしたときにはすぐにその場で叱るなど、メリハリのあるしつけも尊敬されるコツです。
散歩やエサの時間がいつもバラバラだったり、その日の気分で遊んだり遊ばなかったりと適当な飼い方をしていると、飼い主としての尊敬や信頼を得られません。
飼い主としての尊敬を得るには、生活にけじめをつけることが大切です。できる限り同じ時間に散歩やエサを行うなど、生活にけじめを付けましょう。
また、いけないことをしたときにはすぐにその場で叱るなど、メリハリのあるしつけも尊敬されるコツです。
甲斐犬の飼い方6:必要以上に甘やかさない
甲斐犬は忠誠心が強い一方で、権力意識も高いという一性格を持っています。
あまり甘やかしすぎてしまうと、飼い主より自分のほうが立場が上だと認識してしまい、飼い主の言うことを聞かなくなってしまうことがあります。
そうなってしまうと、本来の野性味も加わり自由奔放で手が付けられない「ダメ犬」になってしまいます。
必要以上に甘やかしたりせず、誰が飼い主なのか毅然とした態度で接するようにしてください。叱るときと褒めるときの区別をしっかりつけることが大切です。
あまり甘やかしすぎてしまうと、飼い主より自分のほうが立場が上だと認識してしまい、飼い主の言うことを聞かなくなってしまうことがあります。
そうなってしまうと、本来の野性味も加わり自由奔放で手が付けられない「ダメ犬」になってしまいます。
必要以上に甘やかしたりせず、誰が飼い主なのか毅然とした態度で接するようにしてください。叱るときと褒めるときの区別をしっかりつけることが大切です。
甲斐犬の飼い方7:短毛のため手入れは楽
甲斐犬の被毛は、ダブルコートの短毛なので、トリミングなどの必要はなく手入れが楽です。
甲斐犬は屋外で飼育されることが多いですが、定期的なブラッシングとシャンプーは行ってあげてください。
また、日本犬は比較的皮膚の病気にかかりやすいという特徴があるので、注意が必要です。
頻繁に身体をかくような仕草をしていたり、皮膚が赤くなっている場合には専門の病院で診てもらいましょう。
甲斐犬は屋外で飼育されることが多いですが、定期的なブラッシングとシャンプーは行ってあげてください。
また、日本犬は比較的皮膚の病気にかかりやすいという特徴があるので、注意が必要です。
頻繁に身体をかくような仕草をしていたり、皮膚が赤くなっている場合には専門の病院で診てもらいましょう。
飼い主に忠実な甲斐犬について知ろう
野性味のある外見と気性の強い性格と聞くと、飼うのをためらってしまう人も多いのではないでしょうか。
しかし、甲斐犬は一度、主人と認めた相手には全身を使って甘えてくるなど可愛い性格も持ち合わせています。
一生を一人の主人に尽くす甲斐犬は、飼い主に忠実な日本犬の中でもとりわけ忠誠心の高い犬です。初心者向きの犬種ではありませんが、信頼関係を築いてしまえば一生のパートナーになってくれます。
しかし、甲斐犬は一度、主人と認めた相手には全身を使って甘えてくるなど可愛い性格も持ち合わせています。
一生を一人の主人に尽くす甲斐犬は、飼い主に忠実な日本犬の中でもとりわけ忠誠心の高い犬です。初心者向きの犬種ではありませんが、信頼関係を築いてしまえば一生のパートナーになってくれます。