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サーロスウルフホンドとは?性格や飼う際の注意点6つをご紹介!

サーロスウルフホンドとは

オランダ原産のサーロスウルフホンド(Saarloos Wolfhound)は、犬と狼の血を引くウルフドッグの一種です。名称は「サーロス=サールロースorサーロース」「ホンド=ハウンド」「houndではなくdog」になることもありますが、いずれの呼び方でも問題ありません。

被毛は短毛でウルフカラー・クリーム・ホワイトなどの色があり、四肢構造は頑丈で毛質も相まって狼を思わせる容貌をしています。体高の標準サイズは雄の場合65~75cm・雌の場合60~70cm、平均寿命は10歳~12歳です。

サーロスウルフホンドの略歴

犬と狼を掛け合わせることについては、賛否両論あります。では、どうしてサーロスウルフホンドが作出されるに至ったのか?公式犬種に至るまでの経緯は?などを見ていきましょう。

レンデルト・サルース氏によって作出されたウルフドッグ

サーロスウルフホンドは、リンデルト・サルース(Leendert Saarloos)氏によって作出されました。作出者の名称は「レンデルト=リンデルト」「サルース=サーロスorサールロース」になることもありますが、犬名と同じく発音の問題なので基本的にはいずれでも問題ありません。

サルース氏は自然とジャーマンシェパードドッグを愛していましたが、このシェパードが人間性を帯びてきたと感じたことをキッカケに、より良いワーキングドッグ(仕事のために特別訓練された犬)の作出を志しました。そして、作出が始まったのは1920年代からです。

狼とジャーマン・シェパードの交配により誕生した

人間性を薄くするため、伝統的なロシアタイプのジャーマンシェパード(雄)とシベリア系列を起源とするヨーロッパタイプの雌狼を1932年に交配しました。狼血統が4分の1になる基礎個体群を繁殖し、その後は厳しい選別を伴う実験繁殖が行われます。

結果、新犬種のヨーロピアンウルフドッグに進化しました。ヨーロピアンウルフドッグの中から
選ばれた個体は盲導犬として良い働きをみせたため、当初は目が不自由な方をサポートするワーキングドッグに適する犬種とされました。

狼の血を4分の1受け継いでいる

狼血統が4分の1になる基礎個体群を繁殖した結果の犬種であるため、サーロスウルフホンドには狼の血が4分の1受け継がれているということになります。しかし、個体群が増加したことで祖先犬(最初に交配したシェパード)の能力が薄くなり始めました。

ワーキングドッグに適さない個体が増え、最終的にはワーキングドッグに不向きな犬種と認識されるようになります。

それでも犬の本質に近いという点から1975年に犬種として公認され、作出者に敬意を示す意味で「サーロス(サールロース・サーロース)」を取り入れた犬名となりました。

サーロスウルフホンドの性格2つ

サーロスウルフホンドの性格は、狼に近いと言われています獰猛なイメージがあるかもしれませんが、狼は賢い動物なのでやたらに攻撃的になることはありませんし、習性的に身近な存在には思いが深い一面もあります。

サーロスウルフホンドの性格1:忠実で愛情深い

サーロスウルフホンドは、飼い主には忠実で愛情深いタイプだと言われています。誇り高くて自主性を持ちますが、リーダー(飼い主)と認められたならかなり信頼できる犬種になります。

逆にリーダーとして認められなければ、サーロスウルフホンドは愛情どころか興味関心すら向けてくれないこともあります。飼い主以外にも家族がいる場合には、仲間の認識をされないと家庭犬として接することが難しくなるため、性格と関係の形成において関わり方は重要になります。

サーロスウルフホンドの性格2:内向的で警戒心が強い

サーロスウルフホンドは飼い主に忠実で愛情深い分、外部の動物には強い意志を起因とする攻撃的な一面を見せることがあります。仲間でない人間に対しても基本的には控えめで興味を持たず、触れられることも好ましく思いません。

知らない状況を苦手とする保守性もあり、たくさんの動物や人間と接することには向かない犬種です。こういった内向的で保守的な性格は典型的な狼気質であるため、ほとんどのサーロスウルフホンドが色濃く持っている性格だと言われています。

サーロスウルフホンドに関連する特徴3つ

サーロスウルフホンドには、飼う前に知っておきたい特徴があります。一般的に多くのサーロスウルフホンドが持つとされる基本的な特徴を、以下に3つご紹介していきます。

サーロスウルフホンドに関連する特徴1:新しい環境に馴染みにくく人見知りが激しい

サーロスウルフホンドは保守的な性格なので、新しい環境や存在には馴染みにくいと言われています。内向的なことも相まって環境変化によって生じるストレスも大きいため、変わり映えのない環境が好ましいです。

その点から、一般的にあまり環境変化のない室内飼育向きの犬種だと言われます。屋外は季節によって気候・音・景色などに変化が見られるため、温度調節ができる・日常音はいつもと大体同じ・景色もそんなに変わらない室内で飼うことに向いています。

サーロスウルフホンドに関連する特徴2:群れへの執着がある

サーロスウルフホンドは狼気質が色濃いため、群れで暮らす習性が強く残っています。そのため、飼い主や家族(仲間)と長時間離れる状況はとても不安であり、大きなストレスになると言われています。

不安によるストレスは蓄積されると破壊行動・問題行動に繋がるため、飼う際は「群れへの執着心が強い」といった習性を理解した環境と行動を考える必要があります。

忠実で愛情深い反面自主性が強いため、適切な関わり方をしないと関係性を築きにくくなります。

サーロスウルフホンドに関連する特徴3:日本では販売されていない

サーロスウルフホンドは日本で販売されておらず、一般的には入手困難な領域です。入手方法は海外ブリーダーから輸入する他ありませんが、そもそも遠い国に出荷していないので輸入すら難しいと言われています。

ヨーロッパに点在するサーロスウルフホンドクラブがある国では約10~15万円、輸入が必要な国では20~40万円で販売されています。日本でサーロスウルフホンドを迎え入れるのは極めて困難と言えるため、現実的には国内で入手可能な他のウルフドッグを飼育している方が多いです。

サーロスウルフホンドを飼う際の主な注意点6つ

サーロスウルフホンドは一般的な家庭犬とは違う特徴を持っているため、飼う際におさえておきたい注意点があります。特徴を理解してそれに合わせた飼育をする必要があるため、ちゃんと確認しておきましょう。

サーロスウルフホンドを飼う際の主な注意点1:誰にでも飼える犬種ではない

サーロスウルフホンドは保守的かつ内向的で臆病な上に癖が強くて自主性も高いため、大変しつけにくい犬種だと言われています。更に、大型犬ということもあって飼育環境や食べ物の費用にもそれなりのお金が必要になります。

そのため、最低限の条件として「大型犬の飼育に慣れている」「金銭的余裕がある」「家が狭くない」「最後まで愛情と責任持って関われる」といったことが挙がります。どれか1つでも当てはまらない場合は、サーロスウルフホンドを飼うに適していません。

サーロスウルフホンドを飼う際の主な注意点2:早い時期から子犬の社会化訓練を徹底

サーロスウルフホンドは内向的で保守的な傾向が強いため、社会性は子犬期にしか身に付けられない犬種です。生後3週~16週目までの間に多くの人・犬・動物と触れ合わせ、それを徹底的に行う必要があります。

社会性以外のしつけも早期の段階から行う必要があり、その際にはサーロスウルフホンドとの間で生じる立場のランクで飼い主が上位にならないといけません。

甘やかしは不要ですが、暴力暴言があると二度と関係性が築けなくなる可能性があるため、習性・基本性格・個体ごとにある特徴を理解して適切なしつけを行いましょう。

サーロスウルフホンドを飼う際の主な注意点3:単独飼いには向いてない

サーロスウルフホンドは群れへの執着心があるため、単独飼いには向いていません。常に一緒にいることができる家族が1人でもいれば違うのかもしれませんが、あまり現実的な話ではないので少なくとも犬2匹以上で飼育することが望ましいと言われています。

ただし、サーロスウルフホンド以外の犬種と多頭飼いする時には、子犬期からの社会性が必要になります。社会性が薄いサーロスウルフホンドは内向的で外部に打ち解けようとしないため、子犬の頃から一緒に生活させることで好ましい関係性を築けるようになるでしょう。

サーロスウルフホンドを飼う際の主な注意点4:ひとりきりで留守番や庭での番には向いてない

サーロスウルフホンドは群れでいることを好むため、ひとりきりで過ごす時間は基本的に必要としていません。そのため、ひとりきりで留守番や番犬をすることには向いていない犬種です。

留守番をさせる時には、近くに仲間と認識されている存在がいた方がサーロスウルフホンドにかかるストレスは大きくなりません。とにかく、ひとりきりにする時間を減らすことを心がけましょう。

サーロスウルフホンドを飼う際の主な注意点5:運動を多く必要とする犬種

サーロスウルフホンドは運動量がかなり多いため、散歩は毎日2回1時間づつを目安に行ってください。ジョギングや引き運動など、ただ歩くだけではない中程度の運動もプラスすると運動量を良い感じに消費させることができます。

できることなら野山で遊ばせたいところですが、ドッグランで思いきり走らせる方法でも十分です。運動量の消費は毎日行う必要があるため、普段過ごすスペース(飼育環境の大きさ)も広い方が良いでしょう。

サーロスウルフホンドを飼う際の主な注意点6:日本で飼うのは現実的ではない

日本にはサーロスウルフホンドが十分に過ごせるだけの住居環境が少ないということもありますが、環境が十分であったとしても入手経路に難点があるため日本で飼うことは現実的ではありません。

サーロスウルフホンドの入手は輸入の他なく、サーロスウルフホンドのクラブがある国から送ってもらう必要があります。

しかし、サーロスウルフホンドは生き物であるため、遠い国には基本的に輸入できません。そういった事情から日本で飼うのは現実的ではないとされますが、どうしても入手したいのであれば負担を減らすための工夫と相応の時間が必要になります。

サーロスウルフホンドの魅力に触れよう!

サーロスウルフホンドは狼の血を4分の1引くウルフドッグであり、世界的にが高いことで知られています。しかし日本では販売経路に難があるため入手が難しくなっていますが、写真・銅が・ドッグショーなどでその魅力に触れることは安易に行えます。

実際に飼うとなった場合は、サーロスウルフホンドが持つ特徴と習性を理解した飼育方法と環境が必要になります。

他の犬種よりも飼うこと自体が難しく、しつけも根気が要りますし、環境的にもストレスがないよう考慮しないと攻撃性が強くなる恐れがあるため、飼いたいのであれば責任と愛情と同じくらい覚悟とゆとりも必要です。
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