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あまり知られていないクーバースとは?クーバースの性格や特徴

クーバースとはどういう犬?

クーバース(Kuvasz)は、ハンガリー生まれの大型犬です。名前はトルコ語で「武装した警備兵」を意味し、とても勇敢な犬種であることで知られています。

また、その大きさから俗に言う超大型犬に分類されることもあります。日本では広く知られていない犬種ですが、側にいる存在として魅力ある特徴をたくさん持っています。

クーバースの歴史

12世紀頃ハンガリーへ移住したトルコの羊飼いたちが持ち込んだアクバシュを基に作出され、15世紀王侯貴族のみ飼育可能だった時代が過ぎると庶民の牧畜犬として広まります。機械化が進むにつれ牧畜犬の仕事が減ったため、性格改善を図った末に家庭犬として飼育されるようになりました。

17世紀頃少数が輸出されましたが2度の世界大戦により頭数激減、さらに反マジャールの手でマジャール人由来のクーバースは多数射殺され絶滅寸前まで減少、しかしFCI(国際畜犬連盟)やハンガリーの愛護団体により暴動が鎮圧されて絶滅は免れます。その後ハンガリーで個体数を回復させることに成功し、1963年FCIに公認されました。

クーバースの性格

クーバースは日本であまり知られていない犬種なので性格についてもイメージがしにくい方が多いとされますが、容貌からして顔が少しゴールデンレトリバーに似ているため温和な印象があるかもしれません。確かに愛情深さを持つ犬種ですが、それだけではなく頼れる気質も持ち合わせています。

クーバースの性格1:頭がよく献身的で勇敢

クーバースは活発かつ勇敢で、向こう見ずになれるほど恐れ知らずな防衛本能が強い犬種です。加えて頭も良く、献身的に自己犠牲を払えるほど果敢な性質を持っています。

賢い上に勇敢で献身的な性質から、ガードドッグ(何かや誰かを護る犬)として活躍した時代もありました。もともとハンガリーにしかいなかったクーバースが他の国に輸出されるようになった理由は、ガードドッグとして働きが素晴らしかったからだと言われています。

クーバースの性格2:忠実で愛情深い

クーバースは飼い主に忠実で、信頼する飼い主が大事にしているものを命がけで守ろうとします。飼い主に家族がいるのであれば率先して護衛や防衛の役割につき、子供にも優しいので様子をよく見て自然と護ろうとしてくれます。

もちろん飼い主に何かあった時にも自らすすんで外敵に攻撃を仕掛けますし、自身と家族のテリトリーに侵入した者へは警戒心をピリピリさせます。飼い主と飼い主が大切にするものには愛情深く献身的に護ろうとするため、信頼のおける犬種だと言われています。

クーバースの性格3:繊細で傷つきやすい

クーバースは勇敢である反面、繊細で傷つきやすいメンタルを持っています。外部の人には警戒心以外で然程興味を示しませんが、飼い主や家族に粗雑・横暴な扱いを受けると忠実で愛情深いゆえにひどく傷ついてしまいます。

自分に向けられる愛情や気遣いに敏感で、それらを受けた時には大切に受け取り、くれた相手に信頼を寄せる犬種です。愛され大切にされることで自信がついて勇敢な防衛本能を働かせることができる犬種ですので、適切で温かなコミュニケーションは常に欠かせません。

クーバースの性格4:友好的で好奇心が旺盛

クーバースは警戒心が強い反面とても友好的で、好奇心旺盛が強い犬種だと言われています。つまり、外敵と思われた時には警戒心と攻撃性を向けられますが、基本的には好奇心旺盛にフレンドリーな振る舞いをしてくれるということです。

そのため、家庭犬として迎え入れる時にも馴染みやすい犬種です。ただし好奇心は放置すると節度のない行動に繋がるため、繊細なメンタルに気遣いをしながら適切に必要なしつけを行うようにしてください。

クーバースの特徴とは?

体高体重被毛毛色
オス:66~76cm/メス:66~70cmオス:37~62kg/メス:37~50kg硬めでややウェーブがかったダブルコートホワイト
オスとメスで体高は然程変わりませんが、体重は場合により10kg以上の差が出ます。被毛は少しうねりのあるダブルコートですが、狼の牙に対抗できるよう硬さがあります。

被毛は全体を護る鎧のように顔・耳・脚前部以外の全てを覆っており、毛色は誤射を避けるため夜間でも区別しやすいホワイトが基調となっています。これら特徴から、当初の仕事内容に合わせた掛け合わせで作出されたことが分かります。

クーバースの体格

クーバースの体格は均整の取れたガッシリ系で、筋肉は引き締まっています。それでも関節はスッキリしているため、頼れる力強さと優雅な品を感じさせる風貌です。

横から見るとほぼスクエア型あるいはスクエアに近い長方形で、腰回りが発達して太くなっています。尾と頭部が長めで耳は垂れ型、目はアーモンド型で瞳は暗色です。

クーバースの寿命

クーバースの平均寿命は10~12年ほど、大型犬としては平均的な数値です。先天的な問題がなく、心身的な健康状態と管理が良好であればもっと長生きする可能性はあります。

犬全体で見た時の平均寿命は12歳〜15歳で、以前は10歳〜12歳前後であったことから人間同様に寿命が伸びていると言われています。一般的にはいずれの犬種も15歳〜16歳くらいが限度になることが多いのですが、生きる年がいくつであろうと愛情と責任を持って最後まで大切にしましょう。

クーバースの飼い方とは?

クーバースは超大型犬ということもあり、それなりに飼育には知識と経験が必要になります。大型犬を飼ったことがある人向けで初心者に適した犬種ではありませんが、飼いたいと思っている方のために飼い方ポイントをご紹介していきます。
クーバースの飼い方とは?
  1. 運動ができるスペースを確保
  2. 盗み食いのしつけが必要
  3. 信頼関係を築く
  4. 被毛のお手入れ

クーバースの飼い方1:運動ができるスペースを確保

クーバースは超大型犬である上に活発性が強いため、運動量が豊富です。1日あたり必要な運動量は散歩60分以上、それに加えて自宅などで自由に遊ばせることが必要になります。

そのため、家にもクーバースが遊び回れるくらいのスペースがあることが理想です。また、暑さに弱く屋外に長時間いることに慣れていないために室内飼育の必要があるため、クーバースに危険や負担がないくらい広いスペースが確保できる家が向いています。

クーバースの飼い方2:盗み食いのしつけが必要

クーバースは室内飼育を要する犬種ですが、超大型犬ということもあって机や棚などの上に乗っている物にも口が簡単に届いてしまうことがよくあります。つまり、気を付けないと盗み食いされる可能性が大いに高いということです。

犬と人では食べて良いもの・ダメなものが異なるため、不慮の事故を避けるためにも盗み食い防止を図り、人の食べ物を与える行為はやめましょう。また、力が強いので散歩の際に引っ張らないようにするしつけや、無駄吠え・噛み癖・飛びつきのしつけも徹底した方が良いと言われています。

クーバースの飼い方3:信頼関係を築く

クーバースはもともと賢いのでしつけに関しては飲み込みが速く、比較的にしつけやすい犬種です。しかし飼い主にだけ忠実性を見せる性格から、信頼関係が築けていないと言うことを聞いてくれません。

信頼関係を築くためには、世話やコミュニケーションを含めた適切な関わり方が必要です。繊細な性格をしているので高圧的に叱ったり横暴に害を与えるようなことをすると信頼関係に支障が出ますので、基本として褒めて伸ばす方法を取り入れましょう。

クーバースの飼い方4:被毛のお手入れ

クーバースの被毛は2日〜3日に1回ブラッシングする程度で問題ありませんが、換毛期には多量の抜け毛が発生するので子犬期からブラッシングに慣れさせておくと手入れが楽です。シャンプーは大変ですが手早く済ませる必要があるため、慣れている複数人で対応した方が良いでしょう。

クーバースは硬めのダブルコートがほぼ全身を覆っているため、暑さに弱い傾向があります。基本的に高温多湿な日本の気候は合っていないので管理が重要であり、夏場は散歩時間を調整するなどの工夫も取り入れてください。

クーバースにかかる飼育費用

食費ゲージ代ケア代
大体2~4万円約3~10万円基本道具の総計4500~7000円程
クーバースは超大型犬ですので、かかる費用は通常の感覚では足りません。小型犬や中型犬とはもちろん違いますが、活発な性格も考えると大型犬よりも費用・手間・スペースが必要になるため、飼いたい方は特に事前に確認しておきましょう。

クーバースの価格

クーバースの入手経路は基本的に海外輸入になるため、それなりの費用と時間を要します。輸出・輸入などにはそれぞれお金がかかるため、子犬本体価格に手続きや手数料代なども含めると総額50万円以上は必要になります。

子犬本体だけであれば、海外では20万円程度で販売されていることが多いそうです。日本には現在クーバースのブリーダーがいないので入手方法は輸入の他ないとすると、犬を購入するにあたり最低でも50万円以上必要になると考えましょう。

クーバースの食費

選ぶドッグフードによって大きな差が生まれるため、人により「大型犬の食費はこれくらいかかるよ!」という目安が異なります。調べてみたところによれば、餌とおやつを合わせて月8万円・4万円・2.1万円・4000円ほどかかるとの話があります。

クーバースは大型犬の中でも特に大きくて超大型犬と称されるグループに入ることもある犬種ですので、最低でも月2~4万円は食費としてかかると思っていた方が良いでしょう。大型犬は金銭的・精神的・住居環境的に余裕のある人しか飼えませんので、食費など継続的にかかる費用も視野に入れて検討してください。

クーバースのケージ

クーバースは成犬になると体高66cm以上・体重50kg前後になることが多いため、超大型犬用ゲージを用意した方が無難です。値段は製品によりまちまちですが、相場は3万円〜10万円程度、より安価なものでは1.5万円のトムクレイト6000があります。

トイレを家内に設置する場合はXLサイズのトレーが望ましいのですが、その相場価格は9000円前後となっています。消耗品であるトイレシートの方は、相場価格1250円(18枚入)のスーパーワイドサイズくらいのものでないと対応が難しいとされます。

クーバースのケア

クーバースの被毛ケアは、2日〜3日に1回のブラッシングと定期的なシャンプーだけで問題ありません。ブラッシングにはブラシとコームを使用し、ブラシは2000円〜4000円程度・コームは1000円前後からあります。

シャンプーではシャンプー剤とリンス剤、あるいはリンスインシャンプーを使いますが、いずれも大方1500円〜2000円以上で販売されているものが多いです。洗った後は体が冷えないようにタオルでしっかりと水を拭き取り、ドライヤーの風を皮膚に近付け過ぎないようにあてて乾かしましょう。

あまり知られていないクーバースには魅力がいっぱい

クーバースは日本で広く知られていませんが、力強くも品のある風貌とそれに見合う勇敢かつ忠実で愛情深いながら繊細な性格はとても魅力的に映ります。しかし超大型犬とも言われるほど大きくて力が強いため、飼育にはそれなりの大変さがついてきます。

食費やスペースなども相当に必要となるため、適さない住居環境や生半可な心構えで飼育するべきではない犬種です。見ているだけ・たまに関わるだけの魅力と実際に世話をするのとでは現実が大きく違うため、飼いたいと考えている方は特にクーバースとどのような距離感であるべきかはちゃんと考えましょう。
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