cms-import-animaroll-wp

紀州犬を知ろう!しつけの方法3つ|飼いやすさの目安を紹介

紀州犬とは

紀州犬は中型犬に属し、骨格ががっちりとしてウエストがしまった凛とした美しい容姿の日本犬です。紀州犬はメスの方がオスより少し小柄です。

下表の大きさを目安にしてください。体高は足元から肩までの高さです。

子犬は、生後約3か月で体重7 kg、体高15cm 位になります。
オスメス
体高52㎝(49㎝~55㎝)49㎝(46㎝~52㎝)
体重17~23kg15~18kg

紀州犬の歴史

紀州犬は紀伊半島3県の和歌山・三重・奈良にまたがる山岳地帯で飼育されてきました。日本狼が最後まで生き延びた地域としても有名な、紀伊半島にもともと生息していました。

那智犬、日高犬、熊野犬など、地域によって異なる名前で呼ばれていましたが、日本犬保存会に「紀州犬」として登録された際に、1犬種にまとめることになりました。

1934年には、秋田犬、甲斐犬に次いで「国の天然記念物」として指定され、何種類かの毛色が存在した紀州犬の毛色を白に統一するように方向性が定められました。

猪狩りの名犬として活躍してきた紀州犬ですが、現在は猟犬として飼われることが少なく、家庭犬として飼う人がほとんどです。家庭犬用の紀州犬は穏やかな表情をしています。

紀州犬の寿命

紀州犬の平均的な寿命は約14年前後と言われています。2015年に一般社団法人ペットフード協会が調査した犬全体の平均寿命は14.85歳とされています。

これは一般的な犬の平均寿命と変わりませんが、いつもと様子がおかしい、違った行動を取る場合には、速やかに病院を受診するようにしましょう。

早期発見早期治療が鍵となりますので健康管理はしっかりとしてあげましょう。1日1日を大切にして健康的で幸せな日々を長く一緒に過ごしてください。

紀州犬の特徴

紀州犬は中型犬に分類されています。スリムながら筋肉質な体はとてもバランスがよく凛とした美しい容姿の日本犬です。

鼻筋がスッと通った端正な顔立ちと、ピンとした三角形の耳、顔は柔らかく優しい雰囲気です。

被毛はショートコートで、柔らかく密生したアンダーコートと硬い直毛のアウターコートの2重構造からなり、過酷な気象条件から体を保護しています。

色は白、赤、胡麻など多様でしたが、天然記念物に指定された時に白に統一されました。猪との誤射を防ぐためや、白い色が好まれていたからだと言われています。

紀州犬の性格

紀州犬はとても穏やかで忍耐強く、優しく、飼い主には忠誠心が強い犬種です。

とても冷静で勇敢な性格で、家族に危険が迫ると命がけで守ろうとしてくれる、忠実で従順な犬です。

警戒心がとても強い犬なので番犬にも適していますが、家族には人懐っこく、とても甘えん坊です。訓練すれば家族以外の人に対しても友好的な面を引き出すことができます。

飼い始めのうちから、家族以外の人や犬と良い接触を十分させることで、日本犬として研ぎ澄まされた警戒心は減らすことが可能となります。

運動を十分にして、欲求不満など、性格が過敏になることを防ぎましょう。

紀州犬の性格1:忠誠心が強い

紀州犬は、飼い主を中心に強い忠誠心をもち、飼い主の指示をよくききます。また飼い主の様子がいつもと違うと顔をのぞき込んだり、心配そうな顔をすることがあると言われています。

人懐っこく、とても甘えん坊な一面もあります。

一度信頼関係を築くことができれば、一代一生の忠誠心を誓う犬だと言われています。

飼い主以外の、近寄ってくる相手には敵意を表す犬もいますので、事故やトラブルを未然に防ぐためにも、飼い主は強い責任感をもち、しっかりと育ててください。

紀州犬の性格2:賢い

紀州犬はとても頭の良い賢い犬種で、記憶力や理解力が高く、訓練においても高い学習能力を発揮します。

飼育が難しいと言われることもありますが、子犬の頃からきちんとしつけをしてあげ、飼い主との主従関係と信頼を築いてください。

家族以外の人や他の犬とのコミュニケーションをとり、十分に運動させ、たくさん手をかけてて育てることで良きパートナーとなってくれます。

紀州犬は人が大好きです。しつけもしやすく、飼い主さんの気持ちをよく読みとる犬です。

体調の悪い飼い主を心配したり、家族を喜ばせようとしたり、優しい姿をたくさん見せてくれます。無駄吠えも少なく、訓練が十分にできた紀州犬はとても優秀です。

紀州犬の性格3:攻撃性が高い

紀州犬は現在でも実猟に使われる体力のある犬ですので、運動不足はストレスになり攻撃性が増したりするので、散歩は1日1時間以上2回は行いましょう。

高い学習能力がある犬なので、しつけをする際にもしっかりと信頼関係を築き主従関係を明白にすることが大切です。

信頼関係がないと相手に従わない面があるためトレーニングは家族全員で行いましょう。家族以外の人に対しては強い警戒心を示すので注意しましょう。

自治体によっては紀州犬は危険犬種に指定されているため、飼育方法を指定されることがあるので飼う前に必ず確認しておくことが必要になります。

しっかりとしつけができていれば、飼い主を困らせることはありません。

紀州犬の性格4:頑固

紀州犬は、秋田犬や柴犬と同じく日本犬であり、真面目で忠誠心が強く凛としていて、それが魅力的ではあるのですが、そのまっすぐな忠誠心が頑固であるとも言われています。

紀州犬に限らず日本人の性格に似ています。

飼い主が一貫した態度でリーダーシップを発揮しなければ紀州犬からの信頼を得ることはできず、しつけもままなりません。

ただ厳しいだけのしつけを行うのではなく、犬の心身の健康に留意し、犬が心地よく過ごすことができるよう犬の身体や寝床を清潔に保つことや、安全な環境を整えてあげましょう。

紀州犬は飼いやすい?

紀州犬を飼うには、経験と思いやりが必要です。

犬を何度も飼ったことがあって犬の扱いに慣れている方で、しっかりとしたしつけができ、最後までしっかり面倒を見れる方がです。

本来は穏やかで忠誠心の強い紀州犬ですが、しつけがしっかりとできていないと、元々の猟犬の性質から事故やトラブルを起こす可能性が高くなってしまいます。

自治体によっては、特定危険犬種に特定しているところもあるので、初心者向きとは言えません。その分、信頼関係が築けたときには、かけがえのないパートナーになれます。

紀州犬は運動が大好きなので、1日2回できれば1回1時間以上のお散歩ができる、時間の余裕にある方にも向いています。

紀州犬は珍しい犬種です。日本犬でありながら飼育数は年々減ってきており、天然記念物ですが、絶滅が心配されている犬種でもあります。

紀州犬という犬種を育てるという自覚をもって大事に飼える方にです。
難易度
社会性(協調性)がある★★★☆☆
健康管理がしやすい★★★★☆
噛み癖がある★★★☆☆
初心者向き★★☆☆☆

社会性

紀州犬は飼い主や家族と信頼関係が築けたとしても、それ以外の人に対しては強く警戒心を抱く子もいます。他の動物に対しても、攻撃的になる可能性もあります。

小さい頃から家族以外の人や他の犬に慣れさせることや、生活音や雷などの音の刺激に慣れさせることが重要です。

社会性を育み、コミュニケーションをとり、多くの経験を積むことで、飼いやすい愛犬に育ちます。

健康管理

紀州犬は、もともとは猟犬だったので運動が必要な犬です。1日2回毎日のお散歩時間を確保しましょう。

運動量が足りなければ、ストレスを溜め込んでしまい、脱走やかみつきなどの事故やトラブルの原因にもなりますから、散歩の時間をしっかり確保してあげてください。

紀州犬は被毛が密にあるので、夏は湿気がこもり易くなり皮膚をかゆがる子が多くいます。

特に抵抗力の落ちた老犬はなかなか回復に時間がかかるので、普段の食事に気を付けることで予防することができます。

食事は自然食品を選ぶようにしたり、添加物の表示に気を付けて愛犬の健康管理をしてあげましょう。

一緒に長く暮らしていくために、日頃の定期検診を欠かさずに受けるようにしましょう。

噛み癖

まだ子犬のうちならば、甘噛みを始めたら、噛んではいけないもの(ソファー、スリッパ、靴など)や、人を噛んだらいけないということを、しつけの中でしっかり教えてあげます。

噛んでも良いものといけないものをきちんと教え、噛んで良いもの(訓練用のおもちゃ、歯磨きガムなど)を与えてストレスが溜まらないようにしてあげましょう。

また、おもちゃやガムなどを与えたら喉につまらないように目の届く範囲であげてください。

紀州犬のしつけ方法3つ

紀州犬は、とても頭の良い犬種で理解力がありますので、子犬の時からきちんとしつけをしてあげ、他の犬とのコミュニケーションを積極的にとると優秀な家庭犬になってくれます。

しつけをする際にも、しっかりと信頼関係を築き主従関係を明白にすることが大切です。

しっかりとしつけをすることでその後の飼いやすさは大きく変わるので、紀州犬を飼う時の最も重要なポイントになります。

警戒心が強くなる前の子犬のうちに、なるべくたくさんの人や物と触れ合って家族以外の人や動物に会って社会性を身につけることが大切です。

最初のうちはキャリーケースに入れて、家族以外の人や他の犬を見せてあげたり、外の音や匂いに慣れさせてあげることも大切です。
紀州犬のしつけ方法
  1. 馴致
  2. 距離感をはかり信頼関係を築く
  3. 狩猟本能を抑える

紀州犬のしつけ方法1:馴致

色々な人に関わらせる

仔犬の頃から飼うことができる場合は、小さい時から家族以外のたくさん人や他の犬に慣れさせることが重要です。

コミュニケーションをとり、より多くの経験を積み、社会化を向上させる最適な方法です。前提としては、飼い主の指示を聞けるようにしつけておく必要があります。

主従関係を教え、信頼関係を築くことを第一に考えてしつけてあげてください。

飼い主だけでなく他の人の指示も聞けるようにこまめにしつけのトレーニングを行いましょう。

こうすることで家族以外の人にも服従心を持つようになり、良きパートナーとなってくれます。

紀州犬のしつけ方法2:距離感をはかり信頼関係を築く

飼い主がリーダーシップを発揮する

犬は元来集団で生活していました。集団にはリーダーが存在して、絶対的存在であり、仲間はリーダーについていくことで安心を得ていました。

リーダーが存在する事により、秩序が守られリラックスして生活していました。

飼い主がリーダーシップをとる訓練とは、「褒め言葉」と「叱り言葉」を使い分け、「正しいこと」と「間違ったこと」を教え、飼い主がリーダーだと覚えさせる訓練です。

小さい時から教えることで、犬は飼い主をリーダーと認め、安心して生活します。リーダーの言う事は絶対ですから、その後のしつけもスムーズになります。

健康状態を気遣ってあげる

紀州犬の散歩は、朝夕など1日2回以上、トータルで2時間以上が目標です。運動の好きな犬なので、たくさん運動させてあげましょう。

暑い時期は、コンクリートやアスファルトの温度が下がってからにしてあげてください。
 
十分な散歩ができなければ、ストレスを溜め込み、脱走したり、物を噛んだり、事故やトラブルの原因になってしまいます。

いつまでも元気で一緒に暮らせるように、日頃の定期検診を欠かさずに受けるようにしてください。

紀州犬のしつけ方法3:狩猟本能を抑える

コンタクトトレーニングを取り入れる

飼い主に注目させるアイコンタクトは全てのしつけの基礎と言われています。コンタクトトレーニングをすることによって、人と共存するための社会性を身につけていきます。

毎日の繰り返しが大切なので、いろいろな場面でアイコンタクトをとりましょう。

アイコンタクトの最終目標は、名前を呼んだらいつでも飼い主の目に注目するようにしつけるのことですが、時には犬を危険から守るためにも必要となる大切なしつけの1つです。

お散歩に出かけるとき、オスワリでマテをさせるとき、おやつをあげるときなど、いろいろな場面で、まずはアイコンタクトをとりましょう。

犬はアイコンタクトをとるといいことが起こると思い、飼い主に主導権がある関係がつくれます。

紀州犬のしつけのコツ

紀州犬は物覚えが良く、無駄吠えも少ないですが、狩猟犬としての闘争本能は残っているので、初心者向きとは言えません。

紀州犬の飼い方を正しく理解してから、迎え入れてあげてください。

飼い主のしつけや愛情は、紀州犬を利口で穏やかな家庭犬にするはずです。犬を飼った経験があり、体力に自信があるのなら、正しくしつけて紀州犬との暮らしを楽しんでください。

「飼い主以外にも触れ合う時間を確保する」「運動時間の確保」「フローリングなど滑りやすい床に注意」「定期的な手入れ」日本犬のしつけに失敗すると攻撃的になりがちです。

人や犬に噛みついたという話を聞くこともありますが、犬が悪いのではなく飼い主のしつけに問題があることも多いです。

自分のしつけに自信がなければ、ドッグトレーナーに依頼するという方法もあります。ドッグトレーナーと共にしつけをしましょう。

うまくいかないからといって、決してしつけを投げ出さないことが大切です。

1:仔犬の頃からしつけをする

重要なのが、子犬の頃からの継続したしつけです。子犬の頃の社会化期は決して逃さないようにすることです。

社会化期は生後4~12週齢で一生に一度きりの大切な時期です。社会化期にどのような経験をしたかで性格や物事に対する反応が決まってきます。

2:体罰は与えない

体罰は、犬を怯えさせ、自信をなくします 体罰がなければ人の言うことを聞かなくなります 人を怖がる犬になってしまいます

犬は「体罰」を与えなくても、飼い主との間に信頼関係が築けていれば指示を聞きます。

体罰を与えるのではなく、甘やかすのではなく、どうやって信頼関係を築いていくべきなのか。犬のしつけや方法について考えることはとても重要です。

3:おおげさに褒める

犬は褒められることで自分の行動が正しいとわかり、ルールやマナーを覚えていきます。褒めるしつけは犬も飼い主も幸せで楽しくできます。

褒めるタイミングは偶然でも、うまくできた瞬間です。おすわりができた時でもいいし、おしっこが決まった場所にできた時でも大丈夫です。

まさにその瞬間にタイミングよくほめることで犬に「上手だよ、いい子だね」のメッセージを伝えることができます。

犬は大好きな飼い主に褒められるのが大好きです。できるだけおおげさに褒めてあげてください。犬は嬉しくてその行動が定着し、だんだん上手になっていきます。

犬のしつけは飼い主の努力次第です。犬ができなくてもあきらめず、繰り返し練習し、徐々にレベルアップさせながらほめることが大切です。

失敗してしまったら、できることをさせて褒めて練習を終わりにします。 飼い主も楽しんで気長にしつけに取り組みましょう。

紀州犬の価格

紀州犬は珍しい犬種で、ペットショップでの購入は難しくブリーダーから購入することになります。日本犬保存会や紀州犬保存会などの犬種団体に問い合わせるのもです。

ブリーダーから購入する場合、相場は10~20万円ですが、展覧会などで賞を受賞した紀州犬の子は、高値で取引されることがあります。

その他、混合ワクチン、狂犬病予防接種、健康診断、畜犬登録、マイクロチップ、フィラリア予防、のみだに予防などもあります。

賢く凛々しい紀州犬のしつけ方法を理解して飼おう

紀州犬のいい面を引き出してあげことができるかは、飼い主次第です。犬の飼育に慣れていて経験のある方、紀州犬の性格を読み取り気遣いながらしつけができる方はです。

紀州犬は穏やかで賢い犬ですが、猟犬としての闘争本能は残っています。自治体によっては、特定危険犬種に特定しているところもあり、初心者向きではありません。

紀州犬の子犬はとても可愛いですが、家族全員で本気でしつけができるのか、ストレスを溜めないように十分な運動をさせてあげられるのかなどをよく話し合い、考えてください。

白く美しい毛並みに凛々しい表情は、とても魅力的です。

紀州犬はとても忠実で賢く、大切に飼ってあげると、飼い主のことを一番に考え、従順で頼もしいかげがえのないパートナーになってくれるでしょう。
モバイルバージョンを終了