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闘犬の概要と犬種の特徴|世界での現在の状況と歴史についても解説

「闘犬って何?」
「どんな犬が闘犬をするの?」
「闘犬は今も行われているの?」
犬が好きな人や愛犬家の方の中で、このような疑問をお持ちの方はいらっしゃいませんか。

この記事では闘犬の歴史や闘犬に用いられる犬種などをまとめています。
闘犬は古代ローマ時代に誕生し、その当時の人々の娯楽の1つでした。
犬好きな人からしたら、犬を戦わせるなんてひどすぎると感じてしまいますよね。

この記事を読むことで闘犬がなぜ生まれたのか、その歴史や闘犬の現在を知ることができます。
また闘犬に用いられる犬種が意外にもたくさんいることに驚くでしょう。

日本ではあまり馴染みのない文化ですが、他の国では今も行われているのでしょうか。
興味のある方は、ぜひこの記事に目を通してみてください。

闘犬とは

闘犬は犬と犬を戦わせるブラッドスポーツの一種です。
ブラッドスポーツとは、犬などの動物同士を戦わせて人間がそれを見て楽しむスポーツや余興のことで、信じられないでしょうが当時の人々にとってはごく普通の慣習でした。
海外の文化だと思われがちですが、実は日本にも闘犬は存在します。

「犬くい」や「犬合わせ」と呼ばれることもあります。
闘犬では犬同士を戦わせて楽しむものもありましたが、中にはどちらかが死ぬまで戦わせるデスマッチをするゲームもあったそうです。

闘犬の歴史は古代ローマまで遡る

闘犬は中世ローマ時代に生まれた文化です。当時は人同士や人と動物を戦わせることが盛んに行われており、この競技から闘犬が生まれました。

特に18~19世紀が全盛期で、この時期には闘犬とライオンや熊など、大きくて獰猛な動物を戦わせることもあったそうです。

また、若くて経験が少ない闘犬に自信をつけさせるために、弱い犬を噛ませる文化もありました。
余興というにはあまりにも残酷すぎますよね。

その残忍さから、20世紀に入ると闘犬文化は法律による規制を受けることになりました。
現在は闘犬の開催を禁止している地域もあります。

現在では闘犬を禁じている国や地域も多い

現在闘犬を禁止している国や地域はたくさんあります。
例えばアメリカでは闘犬が重犯罪に指定され、一部の州では闘犬を開催した人だけでなく観戦した人も重犯罪とするきまりがあります。

また、オーストラリア全域でも闘犬は禁止されており、闘犬に用いられることが多い犬種を飼育する場合には厳しいルールが課されるそうです。

特に気になるのは日本での闘犬事情でしょう。日本では高知県や秋田県で盛んに行われていましたが、現在も高知県では闘犬が行われており、東京都や神奈川県など一部の自治体で禁止されているのみです。

闘犬の犬種と特徴

闘犬にはどんな犬種が用いられていたのでしょうか。
体が大きく皮膚がダルダルしていてよく伸びる犬種が多かったようです。
また小柄なテリア系の犬も闘犬として活躍していました。

現在ペットとして愛されている犬種もたくさんいます。
どんな犬がいるのかまとめてみました。

ピットブル

闘犬を目的に品種改良で生まれた犬種です。
中型犬で体高は低く肩幅が広いのが特徴で、かなり力は強いです。
小さな目が可愛らしく、よく見ると優しい顔をしています。

ヨーロッパではピットブルは危険な犬種として飼育を規制している地域が多いです。
個体にもよりますが、飼い主がしっかりとしつけをすればピットブルは忠実に応えてくれるでしょう。

現在はたくさんのファンがピットブルをペットとして飼育していますが、いまだに闘犬で凶暴な犬というイメージを持つ人が多く偏見を持たれやすいです。

土佐闘犬

かつて四国の土佐藩で、藩士の士気を上げるために闘犬が盛んに行われていました。その当時は日本原産の土佐犬が闘犬に用いられていましたが、より強い闘犬を生み出すために海外の闘犬と交配させてできた犬種が土佐闘犬です。

土佐闘犬は体の大きさにかなりばらつきがありますが、強靭な体で当時は好戦的な性格をしていました。
しかし、基本的には穏やかな性格で、飼い主にとても忠実な犬です。

現在、飼育するには地域によって届け出が必要になります。
ペットとして迎えたらすぐにしつけを始め、首輪やリードは頑丈なものを使用しなければなりません。

秋田犬

かつて秋田県大館地方で猟犬として存在していた大舘犬が、江戸時代になり闘犬として使われるようになりました。大舘犬は中型犬で大きな犬に負けてしまうため、体を大きくするために土佐犬や海外の闘犬と交配して生まれた犬種が秋田犬です。

闘犬とは思えない穏やかな表情とモフモフの見た目は、多くのファンに愛されています。
秋田犬が一気に有名になったのは、「忠犬ハチ公」の話がラジオで放送されたのがきっかけです。

飼い主への忠誠心が厚く、懐くといいパートナーになります。
ただ神経質な部分もあるので飼育するにはしっかりとしたしつけが必要です。

ドゴアルヘンティーノ

聞き慣れない名前の犬ですが数少ない南米原産の犬種です。
もともと闘犬を作るためにたくさんの闘犬を交配して生まれた犬種ですが、闘犬よりも猟犬に向いている性格をしていることがわかり猟犬として使われるようになりました。

大きな体をしていますが、人間に対してもフレンドリーで、人懐こい性格をしています。
しかし、誤ったしつけをすれば攻撃的な面が出てしまうことがあるので、かなり気を引き締めて飼育しなければなりません。

アメリカンスタッフォードシャーテリア

闘犬が盛んに行われていた時代に、より強い闘犬を作るために生み出された犬種です。
当時は強い闘争心があり闘犬で活躍しましたが、現在のアメリカンスタッフォードシャーテリアは大人しく飼い主に従順な性格をしています。

中型犬で体は大きいですが、足が長いので機敏に動くことができます。
また、アゴが発達しているので噛む力はとても強いです。

体を動かすことが好きなので毎日の運動は欠かせません。
なお、飼育する場合には、闘犬の血が入っていることを忘れずにしつけをする必要があります。

チベタンマスティフ

チベタンマスティフの歴史は長く、チベットの遊牧民の番犬として暮らしていました。
野生動物から人間を守る役割を担っていたので、闘争心が強く闘犬にも使われていたようです。

超大型犬で熊のような見た目をしています。
現在のチベタンマスティフは、温和で忠誠心がある穏やかな性格をしています。

ふさふさの毛が生えているので日々のブラッシングは欠かせません。
また、超大型犬なので、あまり太らせないようコントロールする必要があります。
もともとは凶暴さを持っていた犬であることを理解した上で飼育しなくてはなりません。

ナポリタンマスティフ

イタリア原産の犬種で闘犬に使われていました。
現在は警察犬やドッグショーで活躍しているようです。

体はかなり大きく皮膚はたるんでいます。これは、戦う際に相手に噛みつかれても、皮膚が伸びてダメージを受けにくくするために改良されてできた特徴です。

特に、成犬の顔は全犬種の中で最も恐ろしい顔と言われています。闘犬として怖そうな見た目にさせるために、改良によってこのような顔になりました。しかし性格は穏やかで飼い主に忠実なので、飼育すれば良いパートナーとなります。

ボルドーマスティフ

フランス原産のマスティフの一種です。フレンチマスティフとも呼ばれます。
14世紀頃に誕生して、闘犬としてジャガーや熊、人間と戦わされました。
また、警察犬や猟犬としても活躍したようです。

現在は一般家庭でも飼育できるよう凶暴な性格をなくす改良が進められ、多くの愛犬家に飼われています。
美しい毛色をしているのでショードッグなどで活躍しています。

アゴの力が強く皮膚はたるんでいて、体はとても頑丈です。
飼い主に忠実で穏やかな性格をしています。

ブルドッグ

イギリスで生まれた犬種なのでイングリッシュブルドッグが正式名称です。
13世紀頃、当時の人々の娯楽は犬が牛に噛みつくのを見て楽しむことでした。その時に使われていたのがブルドッグです。

その後、牛いじめは禁止され一時は数が激減しましたが、イギリス国内のブリーダーたちの手で守られ、現代のブルドッグの姿が誕生しました。

独特の体格で頭が大きく、皮膚はたるんでいます。
恐い顔をしていますが何にでも興味を持ち、おっとりして人に慣れやすい性格です。
現在は世界中で多くの人が飼育しています。

ブルテリア

イギリス原産の犬種です。
ブルドッグと同じように、牛いじめや熊いじめが盛んだった時代に生まれました。

闘犬では体の大きな相手に挑む勇敢な姿が観客から評価されていたそうです。
闘犬が禁止になった後は、家庭用の番犬にするための改良が施されました。

独特な卵型の頭と小さな目を持つ特徴的な顔をしています。
現在は人が大好きで人懐こい性格をしていますが、少々興奮しやすい面があるようです。
また、一度噛みつくとなかなか離さないこともあるので、しつけをしっかりしなければなりません。

ベドリントンテリア

イギリスで生まれた犬種で、もともとカワウソやイタチなどを狩る猟犬でした。
小さな体ですが強い狩猟本能があり、当時の人々の役に立っていました。

このような性格から闘犬として使われている時期もあり、強い闘争心から死ぬまで戦ったこともあるそうです。闘犬が禁止になったあとはペットとして多くの人に愛され、ドッグショーでも活躍しています。

ベドリントンテリアの特徴は頭頂部の毛で、もこもことしてまるで子羊のようです。
現在はおっとりとした性格をしており、ペットに向いた犬種と言えます。

アイリッシュウルフハウンド

アイルランドが原産の犬種で、その歴史はなんと紀元前14~15世紀まで遡ることになります。
オオカミ狩りが上手だったためこの名前がつけられたそうです。
闘犬として活躍した時期もあり、ライオンやトラとも戦わされました。

オオカミが駆除されたあとは役目がなくなり絶滅寸前になったこともありましたが、愛好家たちによって保護され個多数をまた増やしていきました。

世界一背が高い犬種と言われており、なんと100㎝を超える超大型な個体もいます。
足が長いので、走りはとても速いです。

イタリアンコルソドッグ

イタリア原産の犬種で、獰猛な性格をしていることから、ギリシャ神話に登場する「ケルベロス」という地獄の番犬のモデルになったとも言われています。

番犬や狩りに向いた性格をしているので当時は人々が頼りにしている存在でした。
また、闘犬としても活躍していましたが、その後絶滅の危機に瀕してしまいました。
愛好家たちの手で保護され、現在は子どもがいる家庭でも飼育が可能とも言われています。

大型犬で体は大きく、大人でも制御できないほどの強い力を持っています。
家族以外の人に対しては警戒心が強く、攻撃的になってしまうこともあるそうです。

シャーペイ

しわくちゃな顔が特徴的なシャーペイは紀元前200年には存在していたと言われているほど、長い歴史を持った中国原産の犬種です。

現在のシャーペイは体重20㎏程の中型犬ですが、当時は体が大きく闘犬や番犬として活躍していました。
しかし、中国で犬の飼育が禁じられたときに多くが処分されてしまいました。
その後生き残った個体がアメリカに渡ってそこで繁殖が進められたそうです。

性格は落ち着いており、少々頑固ですがしっかりとしつけすれば飼い主を信頼してくれます。
数は少ないですが、日本で飼育している人もいます。

闘犬の歴史と犬種の特徴や禁じられる場合の理由などを理解しよう

闘犬は戦いのために生み出された犬種ばかりですがそれは過去の話で、実際にはどの犬種も穏やかで飼い主に忠実だということがわかりました。

死ぬまで犬を戦わせる文化は当たり前のように衰退し、現在多くの国や地域で闘犬は禁止され、制限のない地域でもその内容はかなり取り締まりがされています。

闘犬に使われた犬種は現在ペットとして多くの人々に愛されています。闘犬に出会えば独特な雰囲気や大きな体から恐ろしい犬というイメージを持ってしまうでしょうが、すぐにそう判断するのはやめましょう。

もしも闘犬種を飼育する場合には、飼い主のしつけ次第によっては他の人に重大な危害を加えてしまうことがあることを十分理解した上で迎えましょう。
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