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【オス・メス別】メダカの寿命・症状・最長|産卵/屋内・外

メダカの基本データ

メダカは日本人にとってなじみ深い魚です。飼育が簡単なため、淡水魚飼育の入門魚としても知られます。こどもの頃に学校で飼育した経験がある人も多いことでしょう。

そんなメダカの寿命を知るには、メダカの基本的な生態について知ることが重要です。日本に生息しているメダカの生態についてご紹介しましょう。

メダカの種類

メダカは日本に生息するミナミメダカやキタノメダカの総称です。ミナミメダカは口が小さく背中が平たい特徴を持っています。尾びれは直線的で丸みがありません。一方、キタノメダカは体に黒色網目模様があることが特徴です。ミナミメダカとキタノメダカを見分けるには、網目模様の有無をチェックするといいでしょう。

残念ながら自然下で暮らしている日本のメダカは絶滅の危機に瀕しています。メダカによく似た外来種のカダヤシに生息地を奪われつつあり、純粋なメダカは数を減らしています。メダカが住める清浄な河川が減っていることも原因の一端です。

生息地

メダカは日本の本州から沖縄の淡水および汽水域に広く分布しています。また、日本以外にも台湾や中国などに生息しています。

ミナミメダカは本州の太平洋側、中国地方、四国、九州などを主な生息地としており、キタノメダカは本州の日本海側、東北地方などを生息域としています。どちらのメダカも平野部の水田や小川などに群れで生活しており、プランクトンや小さな昆虫などの動物性のエサを好んで食べます。

メダカの特徴と体長

メダカは名前のとおり目が大きく出ていることが特徴です。メダカの体長は3.5~4cm前後です。大きなものになると、5cm近くまで育つ場合もあります。メダカは品種改良によってさまざまな種類が生み出されています。改良されたメダカたちは、白、黒、明るいオレンジ、銀色などさまざまな身体の色をしています。

産卵後のメダカの寿命

自然下で暮らしているメダカの生活は過酷です。人間の飼育下にあるときとは違い、他の魚や鳥などの動物に食べられてしまったり、エサとなる動物性たんぱく質が足りなくなったりして寿命が短くなります。

自然下で生きるメダカは稚魚の時代に大部分が食べられてしまい、大人になってからも過酷な環境で暮らすため寿命が短くなると考えられます。自然下では産卵した後、すぐに死んでしまうことが多いです。産卵や交尾には体力が必要です。そのため、産卵を終えて弱った状態から回復できず死んでしまうことがあります。

野生のメダカは1~2年が平均寿命だと考えられます。一方、人間に飼育されているメダカは上手に飼われれば3~4年は生きられます。

メダカの寿命症状

メダカの寿命は人間に比べれば短いです。体調わずか3~4cmしかないメダカの寿命は、長くても3~4年程度です。寿命がやって来るとさまざまな症状があらわれはじめます。前触れなく突然死んでしまうメダカもいますが、よく観察しているとメダカが寿命を迎えようとしている前兆を知ることが可能です。そんなメダカの寿命前の状態について解説します。

痩せる

エサを与えても食べなくなり、痩せてきたら寿命が迫っている合図です。自然の環境下でも人間の飼育下でも、寿命が近いメダカは自然に痩せてきます。他の若いメダカたちとのエサ争奪戦に負けやすくなってしまうためです。人間や他の動物と同じで、食事量が減って痩せてくると活発に動き回ることが少なくなりじっとしていることが多くなります。

また、メダカは寿命が近づいている以外にも冬が来て気温が下がると食欲が低下します。水温が5度を下回ると冬眠に入るため、屋外で飼育している場合は水温に注意しましょう。寿命が近いメダカは越冬できないことが多いです。

水底近くでじっとしている

活発に動き回っていたメダカが、水底近くでじっとしているようになると寿命が間近に迫っている合図です。若くて元気なメダカは水面近くで活発に泳ぎ回ってエサを探します。しかし、年老いたメダカは若いメダカに追いやられるようになり、競争の輪の中に入っていけなくなります。

メダカがじっとしている場合、加齢の他にも病気が疑われます。もし、若いメダカが水底でじっとしている機会が多いという場合は病気を疑いましょう。水質が安定しない状態だと灰色カビ病やエロモナス症にかかることがあります。うろこに血がにじんでいたり、ヒレが白っぽくカビているような状態になった場合、病気の可能性が高いです。

老齢のメダカが病気になると回復せずに死んでしまう確率が高く、そのまま寿命を迎えることになるため水槽の環境には気を配りましょう。

奇形のメダカは寿命が短い

メダカ愛好家の中で有名なメダカにダルマメダカがいます。一般的なメダカに比べて胴体が短く、寸詰まりな身体をしていることが特徴です。ダルマメダカは人為的に作り出された奇形のメダカです。メダカを飼育する水温を高く維持し、産卵させふ化させたメダカは背骨が曲がっていたり、背骨の長さが足りなかったりして奇形になります。

ダルマメダカは奇形のメダカからきれいなダルマ型に生まれたメダカだけを選別して交配させ、新しい種類として確立させました。曲がった背骨が内臓のはたらきに影響を与えるのか、奇形のメダカは寿命が短い傾向にあります。

ダルマメダカのような奇形のメダカは一般的なメダカよりも体が弱いことが多く、病気にかかりやすいため水質の管理には一層気を配りましょう。

屋内・屋外のメダカの寿命

メダカは特別な器具がなくても飼育できる魚です。広口の容器とカルキを抜いた水さえあれば飼育可能です。水温にデリケートな魚とは違い、屋外でも飼育できます。

メダカを屋内で飼育している場合と屋外で飼育している場合では寿命が違ってきます。屋内と屋外で異なる点や、寿命への関連性について解説します。

屋外の水槽

メダカは日本の河川や水田に住んでいる魚です。そのため、家庭でも簡単に飼育できます。

温かい場所に生息する熱帯魚を飼育するにはヒーターが必要ですが、メダカを飼育する際はヒーターは必要ありません。真冬の屋外でも北風がはげしく吹き付ける場所でなければ飼育することができます。ただし、凍結した状態では生きていけないため寒冷地の場合は屋外で飼育することは難しいです。

また、屋外で飼育する際は野良猫やカラスなどに食べられないように工夫することが大事です。他の生物に捕食されてしまう環境では寿命は短くなってしまいます。場合によっては金網などでフタをして防御しましょう。

屋外の池やビオトープ

屋外の池やビオトープでメダカを飼育する際、自然に近い環境での飼育となります。ビオトープは土の中にいる微生物や水草が水質を安定させる役割を持ちます。また、メダカ以外の貝やエビなどの水中生物と共存していくことになるため、メダカ単体で飼うときとは環境が異なります。

寿命が迫ってきたメダカは、池の中の他の生物に捕食されやすくなります。また、屋外の水槽で飼う場合と同じく他の動物に捕食されてしまうこともあります。しかし、池の中にいる豊富なプランクトンをエサとして食べることができるため、栄養を蓄えやすい面もあります。池の中の生物と微生物のバランスがよければ、長い寿命を生きられます。

屋内の水槽

メダカを屋内の水槽で飼っている人は多いことでしょう。メダカの体長は小さいため、屋内でも簡単に飼育できます。魚飼育用の水槽を用意しなくても大きめのバケツがあれば飼育は可能ですが、魚飼育用の設備があった方が寿命は長くなります。

水質を安定させるための装置があった方が、水質の管理が簡単です。屋内の水槽で上手に飼育できれば、年間を通して一定した水温と水質で飼育できるため寿命を長くしやすいといえます。屋内の水槽であれば野生生物に捕食される心配もありません。しかし、水替えを上手に行なわないと水質の変化によるダメージを与えてしまうため、メダカの寿命に影響します。

メダカの寿命を延ばす飼育方法

メダカは適切な飼い方をすれば3~4年生きられます。狭い水槽内でオスメスをたくさん入れ、頻繁に繁殖させると寿命が短くなりがちです。また、多くの種類の魚を混泳させると魚に与えるストレスが大きくなり寿命が縮む原因になる場合もあるため、寿命を長く飼育したいなら単独飼育を行ないましょう。

繁殖させるとき以外はオスメスを分けて管理し、水質、水温、水槽の置き場所などに注意して飼育しましょう。メダカの寿命を延ばす飼育方法を解説します。

水質に気を配ろう

メダカを飼育する際に水質は重要です。具体的には、水のph(ペーハー)バランスに注意して飼育します。phとは、水の中に溶けている水素イオン濃度をあらわす指数のことです。phの値が7だと中性、7以下なら酸性、7以上ならアルカリ性の水ということになります。メダカだけでなく他の魚を飼育する際にもphは重要です。

メダカが暮らしている環境の水のphは5~9程度です。井戸水や湧き水を使用している場合を除き、日本の水道水のphは5.8~8.6付近であることが多いです。

そのため、そのままでもメダカの飼育に適しているといえますが、水道水の中にはカルキや塩素など生物にとって刺激になる物質が溶けているので、汲み置きをしたり中和剤を使ったりして環境を整える必要があります。

グリーンウォーターで育てる方法も

グリーンウォーターとは、植物性プランクトンが繁殖した水のことで見た目が濃いグリーンをしていることが特徴です。青水という名前で呼ばれることもあります。メダカが好みエサが豊富に繁殖している状態なので、健康的に育ちやすいことが魅力です。

しかし、グリーンウォーターはヤゴのような水生生物にとっても居心地のいい環境であるため、メダカの天敵が発生しやすいといえます。

また、緑色ににごった状態の水はメダカの様子がよく見えないため、病気やトラブルなどを見逃しやすい点にも注意しましょう。メダカが不調に陥っていても姿が見えないので初期対応が遅れ、全滅につながることもあります。メダカの飼育に慣れてからグリーンウォーターで飼育することをします。

水温で産卵の有無が決まる

メダカの寿命を延ばすには産卵を管理することも重要なポイントのひとつです。産卵させ続けたメダカは弱り、寿命が早まります。自然の環境下で飼育する場合は水温が高い時期にだけ繁殖をしますが、屋内で飼育しているメダカは水質が安定していて水温が高ければ繁殖を繰り返します。

メダカが産卵を始める水温は大体18~20度くらいです。屋内の水槽で管理する場合、暖房器具の影響を受けにくい場所に設置します。水温が上がり過ぎると奇形が生まれたりメダカが弱ったりして寿命が早まるため、水温は高くても28度以下になるように注意しましょう。

新鮮なエサを与えよう

メダカ用に市販されているエサの種類は豊富です。エサは寿命を決定づける重要な役割を持っているといえます。メダカのエサは、フィッシュミール、エビミール、小麦粉、とうもろこし粉などで構成されていることが多いです。また、メダカの体色を美しく発色させるための色揚げ成分が入っていることもあります。

エサのタイプは顆粒やフレーク状のものなどがあり、冷凍や乾燥のアカムシやイトミミズなどもよく食べます。メダカ用として市販されているものならどんなエサをあげても構いませんが、注意したいのはエサの鮮度です。封を切ってしばらくたつとエサの風味が落ちてエサ食いが悪くなったり、エサが傷んで病気の原因になることがあるので注意しましょう。

1リットルの水に1匹を目安に飼う

メダカの体は小さいため、ひとつの水槽についたくさん入れてしまいがちです。飼育に慣れてきて水質の管理が簡単にできるようになったら多めの数を飼育してもトラブルが起きにくいですが、水替えのタイミングがつかめないうちは1リットルの水に1匹の割合を目安にメダカを飼育しましょう。

たとえば、37リットルの水が入る45cm水槽なら37匹が目安です。たくさんのメダカを入れすぎると酸欠気味になったり、水が汚れるペースが早くなります。頻繁に水替えをするとメダカにストレスを与ええてしまい寿命が縮む原因になるため注意しましょう。

日当たりにも注意

屋内で飼育している場合も屋外で飼育している場合も、日中の日当たりに注意しましょう。真夏に直射日光がガンガン差し込む環境では水温が上昇し過ぎてメダカの寿命が短くなります。メダカは幅広い水温に適応することができる強靭さを持った魚ですが、極端に高い水温では生きていけません。

直射日光が当たる窓辺やベランダでの飼育は避け、水温計で水温を管理しましょう。夏場は水槽の設置場所を移動したり、スダレやヨシズなどを使って日陰を作って水温を管理する方法がです。

メダカの最長寿命

正式な記録として残されているわけではありませんが、メダカ愛好家やブリーダーの人の中には同じメダカを5~6年飼育した記録を持つ人もいます。一般家庭での寿命は、上手に飼育した場合で3~4年です。

自然の環境下では1~2年の寿命であることが多いです。ペットショップで入手したメダカの場合、搬送や展示中に弱ってしまうこともあるため購入したお店の環境に寿命が左右されてしまうことがあります。

メダカの寿命のギネス記録はある?

メダカの寿命に関するギネス記録は見つかりませんでした。ちなみに、金魚の最長寿命記録は43年です。金魚よりもはるかに体が小さいメダカは、長く生きても5~6年が限界だと考えられます。大事に育てたメダカを繁殖させ、長期間の飼育を楽しんではいかがでしょうか。

オスメス別メダカの寿命

メダカはオスメスごとに寿命の違いがあるのでしょうか。メダカのメスは産卵すると受精しようとするオスに追いかけられます。オスが体をぶつけてくるストレスに耐えかねて、産卵を続けたメスは弱って寿命が短くなる傾向にあります。そのため、オスの方がやや寿命が長いと考えられます。

メダカと金魚の寿命の差

金魚はメダカとは比べ物にならないほどの多種多様な種類がいます。金魚はもともとフナが突然変異したことにより誕生しました。金魚発祥の地は中国の浙江省近辺といわれています。今日のようにさまざまな色や姿の金魚が誕生した理由には、特産品として外国へ輸出されていた背景が関係しています。

メダカの体長は3~4.5cm前後です。大きなメダカの中には5cm近いものもいます。一方、金魚は大きなものでは30cmまで成長します。最大で59cmのものもいるというから驚きです。金魚は人工的な改良を加えられ、現在の姿になりました。そのため、メダカのように野生種はいません。

メダカは長くても3~4年しか生きられませんが、家庭で飼育する金魚は10年近く生きることが珍しくありません。ちなみに、ギネス記録として認定されている金魚の最高寿命は43年です。

メダカの寿命を知って飼育を楽しもう

メダカは小さく、はかない生き物です。しかし、はじめて魚を飼育する人でも簡単に繁殖させることができ、魚飼育の喜びを感じられます。日本に生息している魚なので特別な器具は必要なく、年間を通して安定して飼育できることが魅力です。厳しい寒さにも耐え、屋内でも屋外でも飼育できることからのペットとして販売されています。

美しい体色を持つ白めだかや楊貴妃メダカなどは観賞価値も高く、メダカです。たくさん繁殖をさせると1年で死んでしまいますが、大事に飼えば3~4年生きてくれます。水質管理に気を配れば長生きさせることは難しくありません。お気に入りのメダカを手に入れて、メダカ飼育を楽しみましょう。
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