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ミナミヌマエビの餌の頻度・食べないのか・|昆布

ミナミヌマエビの基礎知識

ミナミヌマエビは淡水で飼育できる小さなエビです。よく似たエビにヤマトヌマエビがいますが、ヤマトヌマエビよりも体が小さいです。日本のきれいな河川で姿を見かける他、ホームセンターの熱帯魚コーナーやペットショップなどで販売されています。

コケを餌にする性質を持つため、水槽のコケとり生体としてです。体が小さいため一度に食べられる量は少量ですが、家庭でも簡単に繁殖させられる点が魅力です。そんなミナミヌマエビを飼育するための基礎知識をご紹介しましょう。

ミナミヌマエビの生態

ミナミヌマエビは日本や中国の淡水域に生息するヌマエビの仲間です。体長は20~40ミリと小さく、寿命は1~2年です。春が来て水温が高くなる頃に生まれたミナミヌマエビの子供は越冬後、二度目の春から夏の時期に産卵をします。自然下では繁殖をした後、すぐに寿命を迎えるミナミヌマエビが多いでしょう。

ミナミヌマエビは5~30度の幅広い水温に耐えます。ただし、夏場に高い水温が続くと弱ってしまうため屋外で飼う場合は日陰を作ることが大事です。

ミナミヌマエビの役割

ミナミヌマエビが元気に生育している場合、ほとんど1日中水草の上や水槽の底にいて底砂についたコケや食べ残した餌などを食べています。そのため、水槽の水が汚れたりコケが繁茂することを防ぐ役割を持っています。

コケや食べ残しが多いと水が汚れたり、美観を損ねたりします。ミナミヌマエビをたくさん入れておくと、水草についた細かいコケなどを食べてくれるので飼育を目的とするだけでなくコケ取り効果を期待して水草水槽に入れる人もいます。

体が小さいのですでに繁茂してしまったコケをすべて取り切ることは難しいですが、コケを予防する役割は期待できるでしょう。

ミナミヌマエビの基本的な飼育方法

ミナミヌマエビは小さな生き物です。水質の急激な変化に弱く、他の生物に捕食されないような飼い方をしましょう。上手に飼えば、特別気を遣わなくても繁殖を狙えます。ミナミヌマエビの基本的な飼育方法を解説しましょう。

水1リットルに対し1~2匹の割合で飼おう

ミナミヌマエビは過密な状態で飼うと酸欠を起こし、動きが鈍くなったり寿命が縮んだりします。夏場の高温を防止するためと酸欠防止のために、飼育中はエアレーションをすることがです。小さいので水槽にたくさん入れたくなりますが、できれば水1リットルに対して1~2匹の割合で飼育しましょう。

少ない数で飼育した方が水が急激に汚れることを防ぎ、安定して飼育できます。メダカやアカヒレなどの小さな魚と混泳させられますが、混泳魚が多い場合は少ない数を飼育した方が無難です。水槽内のバランスを見て飼育する数を決めましょう。

繁殖させたい場合は単独で飼育しよう

ミナミヌマエビは小型魚と混泳させられますが、稚エビのうちは餌にされてしまいます。小型魚は自分の口に入る大きさであれば何でも餌にしようとする習性があります。そのため、同居魚がいる状態では十分な数を繁殖させることが難しいです。

水草がたくさん生い茂る水槽や、石などを使って隠れ家を増やせば餌にされてしまう稚エビの割合を減らせますが、繁殖させたいなら他の魚と混泳させない方がいいでしょう。

ミナミヌマエビの餌やりの頻度

ミナミヌマエビは自然の環境下では水中の微生物、魚や貝の死骸、水底に落ちた他の魚の食べ残し、石についたコケ、やわらかい水草などを餌にしています。

ペットショップへ行くと、エビやザリガニ専用の餌が売られていることがあります。ヌマエビ用の餌を購入してもいいですが、基本的に魚の餌であれば何でも口にすることが特徴です。ミナミヌマエビを飼育する際の餌やりの頻度はどれくらいが適切なのでしょうか。

ミナミヌマエビを導入してすぐは餌をやらない

ミナミヌマエビへの餌やりの頻度は、ミナミヌマエビの状態に左右されます。ミナミヌマエビを購入してすぐや水替えを行なった直後は餌やりを控えます。新しい環境に慣れるまでは餌は与えずにそっとしておきましょう。

ミナミヌマエビがせわしなく水槽内を行ったり来たりしていたり、反対にじっとして動かない場合はストレスを感じています。そんなときは餌を与えても食べようとしません。餌やりのタイミングを知るにはミナミヌマエビの様子をよく観察することが大事です。

水槽内に生体やコケが多いとき

水槽内にミナミヌマエビの他に混泳魚がいる場合、混泳魚に与える餌の食べ残しを食べているためミナミヌマエビのために餌を与える必要はありません。また、餌が足りなさそうに見えてもミナミヌマエビは魚の糞からも栄養を摂取することが可能です。

ウィローモスなどのコケ類に属する水草がある場合は、それらも餌にしています。ミナミヌマエビは体が小さいため、目に見えない微細なコケを餌にすることもあります。餌が足りなくて調子を崩すよりも、餌となる養分が豊富過ぎて水質が悪化しミナミヌマエビに悪影響を与えることが多いため注意しましょう。

ミナミヌマエビは餌を食べない?

ミナミヌマエビは栄養が豊富な水の中では特別な餌を必要としません。とくに自然に近い環境で飼育している場合は、餌を与える必要はないといえます。ミナミヌマエビが餌を食べないというよりは、条件次第で餌を与える必要がないという点をおさえておきましょう。

水槽の環境次第では餌がいらない

ミナミヌマエビを単体で飼育する場合で、水草もコケも一切生えていない水槽の場合は餌を与えることが必要です。ミナミヌマエビに餌が必要かどうかは水槽内の環境に左右されます。プランクトンが豊富な水で飼育をするなら、水中のプランクトンを栄養にできるので餌はいりませんが、ろ過した水道水を飼育水にしている場合は様子を見て魚用の餌を少量与えましょう。

タンクメイトがいる場合

ミナミヌマエビ単独ではなく、貝類やメダカなどと一緒に飼育されることも多いです。他のタンクメイトに餌を与えている場合は、餌の食べ残しを食べるので餌はいりません。混泳魚に対する餌が足りないと、ミナミヌマエビが餌にされてしまうことがあるため混泳魚に十分に餌を与えるようにするか、ミナミヌマエビの隠れ家を用意しましょう。

ミナミヌマエビが餌を食べない理由

ミナミヌマエビを単体で飼育しているにもかかわらず餌を食べなかったり、水槽内に生えたコケをつまんで食べている様子が見られない場合は、どのような理由が考えられるでしょうか。

水質が合っていないと餌を食べない

餌を食べないだけでなく、ちらほらと死んでしまう個体が見られる場合は水質の悪化を疑いましょう。ミナミヌマエビは丈夫でさまざまな環境に適応する能力が高いですが、極端に汚れた水や清潔過ぎる水の中では生きていけません。

水質が悪化する原因に多いパターンが、頻繁に水替えを行なっている場合です。環境に適応する能力が高いミナミヌマエビでも、頻繁に水槽内の環境が変わるとストレスを感じて餌を食べなくなります。最悪の場合、死んでしまうこともあるため頻繁に水替えをしなければならない環境での飼育は避けましょう。

つかまる場所がなく安心できない

ミナミヌマエビは水草や流木などにつかまって生活しています。水流が強い場所でつかむものが何もない状態だとストレスを感じてしまうため注意しましょう。できれば大磯や砂利などの底砂を2cm以上は入れることがです。また、水草、石、流木なども入っているとつかまれる場所が増えるだけでなく、隠れ家にもなるので安心できます。

隠れ場所がない

ミナミヌマエビは強い個体や他の魚に追いかけ回されることもあります。そんなとき隠れられる場所がある方が安心です。植木鉢で隠れ家を作ったり、陶器や素焼きでできたエビ専用のシェルターを入れたりしてもいいでしょう。

タンクメイトとの相性が悪い

ミナミヌマエビの体は小さいです。そのため、体格差があり過ぎる魚と混泳させるとトラブルが起きることがあります。グッピーやテトラの仲間はミナミヌマエビを追いかけ回して食べようとすることがあるため、体格差に気を配りましょう。ミナミヌマエビを一口で食べてしまえるようなサイズの魚は混泳できません。

食べないときは餌をあげない方がいい?

ミナミヌマエビが餌を食べないときに餌をあげると、水質が悪化する一方なので餌やりを中断しましょう。水槽内の環境に慣れてきて、水槽内の底砂や水草の上をちょこまかと移動するようになれば回復してきたと考えていいでしょう。ミナミヌマエビを飼い始めた直後は、ついあれこれと構ってしまいがちですが、しばらくそっとしておくことが大事です。

ミナミヌマエビの餌

健康なミナミヌマエビは色々なものを口に運びます。小さな足で餌をつかみ口に運んでいる様子はかわいらしく癒されます。家庭でミナミヌマエビを飼育する際にな餌の種類についてご紹介しましょう。

メダカの餌のおこぼれ

自然のミナミヌマエビとメダカはほぼ同じ環境で暮らしています。そのため、タンクメイトにぴったりです。ヒーターが必要なく水質にうるさくない点も、飼いやすいポイントです。メダカに与えている餌をミナミヌマエビも一緒に食べるため、ミナミヌマエビ用の餌を用意する必要はありません。

ミナミヌマエビが食べやすいように沈殿性の餌を選んで与える人もいますが、時間がたつと食べきれなかった分は自然に底の方へ沈んでいくためフレーク状の餌を与えても構いません。

コリドラス用のタブレット

コリドラスやプレコといった水底を這うように泳ぐタイプの熱帯魚用に、沈下性の餌が市販されています。ミナミヌマエビ単体で飼育する場合は、コリドラス用の餌をちぎって与えるといいでしょう。コリドラス用の餌はタブレット状をしており、口が下に向かってついている魚が食べやすいように底に沈むことが特徴です。

与える量は様子を見ながら、数分で食べきれる量を与えるようにしましょう。与えすぎると水が汚れる原因になります。

昆布

みそ汁や煮物などの出汁として使用した後の昆布を、しばらく水で煮てやわらかくします。その後、水で洗って1.5~3cmくらいの大きさにカットしましょう。ミナミヌマエビは昆布のやわらかい部分から食べていきます。

特別に昆布を用意してまで与える必要はありませんが、与えれば食べます。あまりたくさん入れすぎると水が汚れるので、少量を与えましょう。

野菜

ミナミヌマエビは動物性の餌を好んで食べますが、水草を食べることからもわかるように野菜類も与えられれば食べます。皮をむいたきゅうりや小松菜のような葉物野菜を食べることがありますが、どんな野菜を与える場合でも農薬を使用していないものを選んで与えることがポイントです。

野菜を与えても食べない個体もいるため、あえて野菜をあげるくらいなら魚用の餌を与えた方がいいでしょう。野菜を入れてみても食べる気配がない場合は、水が汚れないうちに取り出すことが重要です。

コケ

ミナミヌマエビは水槽内の石や水草に付着した茶色いコケをはがして食べてくれます。コケが多い水槽では餌を与える必要はありません。コケをたくさん食べて欲しい場合は、ミナミヌマエビよりも体が大きいヤマトヌマエビを入れることがです。

コケを食べる生体はミナミヌマエビやヤマトヌマエビ以外にも、オトシンクルスやアルジイーターなどがいます。また、貝類もよくコケを食べます。コケを食べて欲しいからといってコケとり生体を入れすぎると糞や尿の量が増えて水質が悪化し、かえってコケを増やしてしまうことになりかねないため、生物の入れすぎに注意しましょう。

水草

ミナミヌマエビはウィローモスや葉が柔らかいロタラなどの水草を食べることがあります。混泳魚のおこぼれが少ない場合や水草を好んで食べる個体が多い場合は育てている水草が食害にあってしまうことがあるため、水槽内をよく観察しましょう。

水草が食べられてしまうことが嫌な場合は、アヌビアスやミクロソリウムなどの葉が固い水草を入れることがです。

ミナミヌマエビは種類によって好む餌が違うの?

ミナミヌマエビの仲間に、カラフルな体色をしたイエローシュリンプやレッドチェリーシュリンプなどがいます。いずれも、同じヌマエビから作り出されたエビです。そのため食べるものや飼育方法に違いはなく、同じ水槽内で飼育することもできます。

違う色をしたエビ同士が交雑すると、さまざまな体色のエビが生まれてきます。新しい色のエビを作り出す楽しみがある一方で、メスが突然死してしまったり本来の色を保てなかったりすることがあるので、安定して飼育したいのであれば別々に飼育することがです。

ミナミヌマエビは餌にうるさくないエビ

ミナミヌマエビは他の魚と一緒に飼育するときは餌のおこぼれを食べます。また、水槽内のコケを食べてくれることもあり、特別な餌を用意する必要がないため手軽に育てられます。一方で、体が小さいため他の魚の捕食対象にならないように気を配ることが必要です。

ミナミヌマエビ単体で飼育する場合、コリドラス用のタブレットなどを与えると餌不足になることがありません。餌を与えすぎると水質が悪化するため、食べている様子を観察して与える量を決めましょう。
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