cms-import-animaroll-wp

海の宝石ウミウシ!飼育はむずかしい?特徴と飼う時のコツを紹介

ウミウシの飼育は難しい?

海水域に生息するウミウシの飼育は水生生物の中でも難しい部類です。

海水域に生息する生物としては海水魚が代表例ですが、小型の巻貝の仲間であるウミウシも基本的には同様の飼育方法です。しかし生態の解明が進んでいない種類も多く、飼育するには様々な問題をクリアする必要があります。

ウミウシの特徴

ウミウシは世界中の浅い海の海底に生息する、後鰓(こうさい)類に分類される巻貝の仲間です。

日本周辺の海域にも広く分布しているため採集は容易ですが、その飼育は難しい部類の水生生物です。しかしその鮮やかな配色から、観賞のために飼育を試みる人も多いです。

ウミウシの特徴1:名前の由来

ウミウシという名前は、代表種である裸鰓(らさい)類の多くが牛のような一対の触覚を持つことが由来です。

ウミウシの多くはこの裸鰓類に属しますが、それ以外でも名前に「ウミウシ」の名前を冠する種類は多く、名前に「ウミウシ」と付いていなくてもウミウシの仲間として扱われる種類もいます。

また小笠原諸島では現地での呼び名として、触覚を猫の耳に見立てて「ウミネコ」とも呼びます。

ウミウシの特徴2:生息している地域

ウミウシは主に浅い海の海底に生息しており、世界中に分布しています。

日本近海でもそれぞれの地域で様々な種類のウミウシが生息しており、主に南方に生息しているイメージですが、北海道などにもウミウシは生息しています。

ウミウシの中でも最も有名なアオウミウシの主な生息地は本州や九州ですが、それ以外の北海道などでも発見例はあります。

ウミウシの特徴3:不思議な生態

ウミウシの生態ですが、ウミウシ全般に共通するものは解明されていることも多いですが、それぞれの種類においては未だ解明されていないものも多く存在します。

ウミウシに共通する生態としては、雌雄同体でありながら受精は異個体間で交尾するという独特の繁殖方法を取ることが挙げられます。

また餌から毒性を獲得することで有毒となる種類が多く、派手な配色は一種の警戒色として機能している種類が多いです。

反対に熱帯のサンゴ礁などに生息する種類は隠蔽食として機能させている種類も存在します。

ウミウシの特徴4:ウミウシの値段

ウミウシの値段ですが、安いものでは1000円から、国外産かつ希少な種類では数万円になる種類と幅広いものとなっています。

ウミウシの中でもポピュラーなアオウミウシなどは一匹1000~2000円程度で流通していますが、国内での流通が少ないものですと、一匹数万円になることもままあります。

場合によっては個人で採集することで実質0円で済ませることも可能ですが、飼育の困難さからも事前に人に慣れさせられている販売個体を購入することをお勧めします。

ウミウシを飼うときに最低限必要なもの

ウミウシは海水域に生息する生物のため、用意する水槽は海水水槽でなくてはなりません。

海水水槽の管理は淡水水槽と比較して格段に難しく、ウミウシに限らず海生生物の飼育の困難にする一番の要因と言えます。

水槽の用意の段階からその難易度は高いと言わざるを得ないでしょう。

水槽

海生生物の飼育用として用意する水槽は飼育個体の大きさにもよりますが、水質管理の面から大きめのものを購入する必要があります。

海水水槽では海水の塩分濃度を一定に保つため、常に水を循環させる必要があります。

海水水槽は循環装置やLEDライトなどがセットで付随している専用の物が販売されているため、値段はそれなりにしますが惜しみなく購入することをお勧めします。

ウミウシの飼育を困難にする最大の要因が給餌です。ウミウシは未だに生態が解明されていない種類が多く、種類ごとに食べる餌も異なるため非常に餌選びが難しいです。

ウミウシ自体は販売店で購入することが可能ですが、餌に関しては取り扱っていないところも多いです。

そのため自力で採取することが求められますが、生態が解明されていない種類では餌の選出は非常に困難です。

例外としてウミウシの仲間として扱われるアメフラシなどは比較的生息域の海藻を採取することも容易のため、最初はアメフラシの仲間を飼育するのも手です。

海水

ウミウシの飼育には当然ながら海水が必要不可欠です。

最もウミウシに負担を掛けないという点では自然界の海水をそのまま利用することが望ましいですが、水槽や水質の管理が非常に困難かつ雑菌の繁殖など問題点が多いため、初心者にはできません。

したがって海水水槽に用いる海水は人工のものを使用するのが一番です。

人工海水は専用のキットを購入することで作成できますが、定期的に塩分濃度の調整が必要であり、また飼育する個体に適した水質にすることも困難です。

人工海水作成には何よりも根気が重要です。

ウミウシの飼い方

何度も念押ししていますが、ウミウシは飼育が非常に難しい生物です。

水槽の準備も大変ですが、実際に飼育を始めてからも混泳や給餌の問題があるため、ウミウシの飼育は非常に根気が必要です。
ウミウシの飼う時の必須事項
  • 水槽
  • 混泳について
  • 餌の種類

ウミウシの飼い方1:水槽

ウミウシは海生生物のため、飼育のためには海水水槽を用意しなければなりません。

海水水槽の立ち上げ方は後程詳しく説明しますが、通常の淡水水槽と比較しても非常に準備や管理が難しいです。

海水水槽は専門の販売店できちんとしたものを購入することで立ち上げ方の説明や管理方法についても詳しく聞くことができるため、初心者はなるべく専門の販売店で購入することを強くお勧めします。

ウミウシの飼い方2:混泳について

ウミウシと他の生物(小型の魚類など)を混泳させる際にはお互いの食性などを正確に把握する必要があります。

海水水槽は大型のものになることが多く、そこにウミウシ一匹だけをぽつんと入れて飼育しても味気ないものになってしまいます。そのため小型の魚類などとの混泳を行うのもよいでしょう。

しかし、あくまで混泳はそれぞれの種類が餌や縄張りの問題が起きないものを選ぶ必要があります。

場合によってはウミウシが混泳させている生物に捕食されることもあるため、事前にそれぞれの生態についてしっかりと確認しましょう。

ウミウシの飼い方3:餌の種類

実際にウミウシの飼育する段階になって一番の問題となるのが餌の選出です。ウミウシは未だ食性を含めて生態が解明されていない種類が多く、給餌が困難な種類も多いです。

日本で最も広く分布しているアオウミウシでさえも、海綿動物を餌にすることまでは分かってますが、通常販売されていることがない上、個体によって特定の種類しか食べないため自力で餌の採取と選出を行わなければなりません。

ただしアメフラシ類は見分けやすい藻類を餌にするため、野生下のものを捕獲した場所の藻類から選出できるため、比較的楽な部類になります。

海水水槽の立ち上げ方

ウミウシを始めとした海生生物の飼育のためにはまず海水水槽を用意しなければなりません。

海水水槽の立ち上げは淡水のものと比べものにならないほど大変なため、順序だてて立ち上げ方を説明していきます。
海水水槽の立ち上げ方
  • 水槽の準備
  • 海水のセット
  • 水温調節

海水水槽の立ち上げ方1:水槽の準備

海水水槽は専門の販売店で購入することを初心者には強くお勧めします。

海生生物を専門に取り扱うペットショップなどでは海水水槽も取り扱っており、様々な付属品もセットで購入することができます。

飼育するウミウシのサイズにもよりますが、混泳も考えるならば最低でも90cmほどのサイズにするとよいでしょう。

またウミウシの奇麗な模様を楽しむためにも、LEDライトが最初からセットになっているものなどをします。

海水水槽の立ち上げ方2:海水のセット

海水は人工海水の元から作成したものを使用しましょう。自然のものを使用するのは手間がかかる上に雑菌の繁殖などの問題が起こりやすいため、よほどこだわらない限りは推奨しません。

まずは掃除して天日干しした水槽にろ過装置などの付属品を取り付け、そこに作成した人工海水を注ぎ入れます。

その後付属品類を起動させて海水を循環させることで充分な酸素を取り込みます。

最初の循環は1~2ヶ月程行い続け、バクテリアが発生しろ過装置に付着したことが確認できれば海水のセットは完了です。

海水水槽の立ち上げ方3:水温調節

海水のセットを終えたら、水槽内に飼育するウミウシを入れます。

この時いきなりウミウシを水槽内に放すのではなく、捕獲・購入時に入っている海水で満たした袋ごとウミウシを水槽に入れます。

袋にウミウシを入れたまま1時間ほどかけて水温調節します。水温は大体20~25℃程を目安にして調節します。

水温調節ができたら、袋の中の水と水槽の水を複数回に分けて少しずつ入れ替えていきます。1回交換を行ったら30分ほど間をあけましょう。

全ての水を入れ替えたらウミウシを袋から水槽へと出してセット完了です。

とても難しいウミウシの餌の与え方と量

ウミウシの給餌は非常に困難です。ウミウシの多くは肉食であり、適した餌を選出するのに何種類もの餌を用意して根気よく食べるものを見つけ出す必要があります。

また、見つけ出したとしてもそれを定期的に提供できる環境を作らなければいけません。

藻類を餌をするアメフラシの場合はこの辺りの手間がだいぶ楽になります。

ウミウシの飼育に便利!グッズ3選

ウミウシの飼育には様々な道具が必要となります。ウミウシの飼育には飼育環境の維持が何よりも大事です。

ここでは必須ともいえる人工海水を始めとして、様々なグッズを紹介していきます。

ウミウシの飼育に便利!グッズ1:人工海水

まず何よりもするのは人工海水です。ウミウシに限らず、海生生物を飼育する際には素直に人工海水を使用しましょう。

人工海水の作り方は商品ごとに多少異なる点があるでしょうが、基本的にはカルキ抜きした水道水に人工海水の元を適量加えて溶かすといった手順で手軽に行えます。

自然の海水を使用するとどうしても不純物が多くなってしまい、雑菌の繁殖の元となってしまうため却ってウミウシに悪影響を及ぼしかねません。

ウミウシの飼育に便利!グッズ2:比重計

先ほどした人工海水ですが、その作成に必要なのが比重計です。比重計は海水中の塩分濃度を測定することができます。

海水水槽の海水は稼働させ続けていると水分が蒸発していき、塩分濃度がだんだんと上昇していきます。そのため定期的に比重計で塩分濃度の測定を行い、一定の塩分濃度に保つ必要があります。

塩分濃度の上昇が確認出来たら、元の塩分濃度になるまでカルキ抜きした淡水を追加しましょう。

海水水槽での水替えは一度稼働してしまえば淡水の継ぎ足しのみで行えるため、その点では淡水水槽よりも楽と言えます。

ウミウシの飼育に便利!グッズ3:ヒーター

ウミウシの飼育に適した水温は20~25℃ほどであり、水温を保つためにはヒーターを使いましょう。

ここでいうヒーターとは単純に温度を上げるものではなく、水温を一定に調節してくれるサーモスタットとしての機能を持つものを指します。

ウミウシの多くは温帯や熱帯に生息するため、水温もそれぞれに適したものに保つ必要があります。冬場の水温低下も問題ですが、夏場の水温上昇はもってのほかです。

別に冷却装置を用意するよりは両方の機能を備えたサーモスタット付きヒーターを最初から使用しましょう。

ウミウシが買える場所と値段

肝心のウミウシの入手方法ですが、購入するならば海水魚専門のペットショップやネット販売という手段になります。

自身で捕獲に向かうのもよいですが、多くの人は捕獲に取れる時間もないでしょうし、専門店ならば飼育に関する知識を直接聞くことも可能です。

ペットショップ

ペットショップに赴いて購入する場合はある程度大規模な海水魚専門コーナーがある店舗や海水魚専門店ならばウミウシも取り扱っているでしょう。

ウミウシの飼育はプロでも難しいものであり、販売できるほど安定した状態で確保できるペットショップは少々限られてきます。そのため自分で探す場合はかなりの情報を集める必要があります。

ウミウシなどの安定した飼育が難しいペットの場合、販売店のSNSなどで入荷情報を発信していることが多いため、あらかじめフォローなどしておくと入荷後すぐに向かうことできます。

インターネット

最も手軽にウミウシを入手するのならインターネットでの通信販売を利用しましょう。インターネットで「ウミウシ 販売」と検索すれば幾つかのネット通販サイトが引っかかります。

ネット通販の場合は望みのウミウシを比較的見つけやすいという利点がありますが、ネット通販サイトで販売されているウミウシは野生下のものを捕獲したことが多いです。

捕獲個体の購入時には捕獲場所などがきちんと確認できるものを選びましょう。捕獲場所によって水温調整や給餌の目安を付けることができます。

ウミウシの特徴と飼い方をおさえて飼育に挑戦してみよう!

ウミウシの飼育は非常に難しく、水族館などの飼育のプロでも安定した飼育は難しいため継続した展示を行っている所も少ないのが現状です。

しかしその美しさから飼育したいと考える人が多いのもまた事実です。ウミウシの飼育に必要なのは何よりも根気と経験なので、覚悟を持って飼育に臨みましょう。
ペットフォレスト宇都宮インターパーク店
モバイルバージョンを終了