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タニシは初心者でも飼育しやすいって本当?タニシの飼育方法3つ

タニシとはどんな生物なのか?

タニシは、メダカと一緒の水槽で飼える生物として有名です。しかし、似ている貝が多く、混同して飼育してしまう方が多いのが困り者です。

実際に飼育したことがある方や見たことがある方は、判別の難しさに頭を悩ませた経験があるのではないでしょうか。

では、タニシとはどのような生き物なのでしょうか?ここでは、特徴やオス・メスの見分け方、繁殖方法についてご紹介します。

タニシの特徴

タニシとは、1cmから8cm程度の大きさの巻貝のことです。日本全国どこにでもいる生物のため、皆さんもどこかで見かけたことがあるのではないでしょうか。

タニシは、よく田んぼで観察できるイメージがありますが、淡水や泥川を好んで生息しています。

また、右巻きの殻や2本の触角が特徴で、一般的に水中のプランクトンや有機物を食べてくれる効果が知られています。

オスとメスの見分け方

オスとメスの大きな違いは触角にあります。オスは触角が丸みを帯びているのに対し、メスは両方の触角がまっすぐに伸びています。この見分け方なら、少し観察すれば容易に判断できるでしょう。

また、タニシは卵をメスの体内で育ててから子供を産む胎卵生です。そのため、稚貝を産む方がメス、という考え方もできます。

タニシの寿命

タニシの種類によって多少前後しますが、平均的な寿命は5年程度です。これは他の貝類と比較しても長生きな方で、生命力の高さが特徴です。

運動量が少なく少量の食べ物でも生活していけるコスパの良さが原因だと言われています。

タニシの繁殖方法

胎卵生のタニシを数多く繁殖させるためには、飼育する条件を考える必要があります。まずは、水温を適温である25度から30度程度に保つこと、オスとメスを同時に飼育することに注意して管理します。

また、稚貝の隠れ場所になる水草を用意し、タニシを食べてしまうような大型熱帯魚とは一緒に飼育しないようにしましょう。

タニシには種類があるのか?

ここまでは、タニシがどのような生き物かご説明しました。

では、みなさんは、タニシの中にも種類があることをご存知でしょうか?種類を意識したことがなく、混同している方も多いのではないでしょうか。

ここでは、意外と知らないタニシの種類についてご紹介します。特に、飼育を検討している方は特徴やメリットを抑えて、自身の目的に合った種類を探しておきましょう。

タニシの種類1:オオタニシ

オオタニシは、タニシの中では5cmから6cm程度と少し大柄です。そのため、過去には、食用として親しまれていたこともあります。

また、高い水温が苦手で、温度の目安は一般的に25度から28度とされています。飼育する際は水温に注意しながら育てる必要があるでしょう。

さらに、野生では、乾燥しにくい池沼、綺麗な水を好んで生息しています。

タニシの種類2:ヒメタニシ

次に、ヒメタニシについてご紹介します。野生では水質の悪いところに生息していることもあり、コケ取りに優れていることで知られています。

また、少しオオタニシやマルタニシに似ており、冬期や野外などいろいろな水温にも対応できます。中には、通常のヒメタニシよりも小さいマメヒメタニシという種類もいます。

タニシの種類3:ナガタニシ

続いて、ナガタニシについてご紹介します。こちらの種類は、長い殻が特徴的なので、誰でも簡単に見分けることができます。オオタニシほどではありませんが、こちらも大型な部類のタニシです。

また、水質の悪化に敏感で、現在は琵琶湖にしか分布していません。一般的に販売されているヒメタニシに比べ入手は難しいですが、水槽での飼育が可能です。

タニシの種類4:マルタニシ

最後に、準絶滅危惧種に指定されているマルタニシをご紹介します。一般的には殻の模様が特徴的で、判別が可能とされています。

また、ヒメタニシと比べると高い水温が苦手で、オオタニシに比べると少し小さいのが特徴です。

アクアリウム用にホームセンターなどで販売されているケースもあるので、飼育した経験のある方も多い種類ではないでしょうか。

タニシを飼育するメリット4つ

ここまで、タニシの種類についてご説明しました。タニシには大きく4つの種類があり、それぞれ違った特徴を持っていることが分かりました。

では、タニシを飼育することによって水槽にはどのような影響があるのでしょうか?ここでは、タニシを飼育するメリットを4つご紹介します。
タニシを飼育するメリット
  1. 水槽を掃除する手間を省ける
  2. タニシの餌は手間がいらない
  3. 簡単に飼育できる
  4. 水質浄化

タニシを飼育するメリット1:水槽を掃除する手間を省ける

魚などを飼育していると、水槽の中にコケが付着してしまい困ってしまった経験はないでしょうか?これを人間の手で掃除するのは骨が折れますが、コケを食べるタニシを一緒に飼育することで解決する可能性があります。

しかし、タニシの種類やコケの種類によっては食べない物もあるので、注意が必要です。中でも好き嫌いなく食べるヒメタニシは、飼育には向いていると言えるでしょう。

タニシを飼育するメリット2:タニシの餌は手間がいらない

次に、タニシを飼育するメリットとして挙げられるのが、餌についてです。タニシは雑食で、前述したコケはもちろん、魚や微生物などの死骸、他の生物が食べ残した餌などいろんなものを食べる生き物です。

水槽にメダカなどの魚を一緒に飼育する際は、別途タニシ用のエサを用意しなくても良いので、手間がかからないのがメリットです。

タニシを飼育するメリット3:簡単に飼育できる

続いてご紹介する飼育のメリットは、簡単に飼育できるという点です。タニシは、先ほど述べた2点のメリットはもちろん、繁殖も容易です。

他の貝や魚に比べ手間をかける要素が少ないので、飼育に時間をかけることができない1人暮らしの生活でも簡単に取り入れることができるでしょう。

タニシを飼育するメリット4:水質浄化

最後に、水質浄化についてご紹介します。タニシは、水が汚れると増える植物プランクトンを食べて除去できるという機能があります。二枚貝なども水を濾過する効果がありますが、コケや微生物の死骸を食べないので、長期的な飼育や繁殖には向かないとされています。

また、タニシの糞は水質に溶け出しにくい性質を持っているため、他の生物に比べ水が汚れにくい効果もあります。

タニシの飼育方法3つ

ここまでは、タニシの特徴や種類、メリットをご紹介しました。ここまで読んで下さったみなさんは、タニシについて少し詳しくなってきた頃ではないでしょうか?

ここからは、実際にタニシを飼育するにはどうすればいいのか、その飼育方法をご紹介します。

タニシの飼育方法1:必要なものを準備する

まずは、タニシの育成に必要な環境を整えます。最低限必要なものは、以下の3点です。1つずつ順に見ていきましょう。
タニシの育成に必要なもの
  • 水槽
  • 水草

必要なもの1:水槽

まず必要なのは、タニシを入れるための水槽です。大きさの指定はありませんが、30cm程度の小さな水槽に水を入れておくだけでも充分に飼育できます。

また、一般的にタニシの場合、新しい飼育環境に馴染ませる水合わせという作業は必要ないとされています。

必要なもの2:砂

次に必要なのは、砂です。タニシは水温が低くなると地面の中に潜る習性があります。タニシの中でもヒメタニシに顕著に見られる行動と言われています。そのため、冬になると潜れるような砂を地面に敷き詰めておくことをお勧めします。

また、タニシは、石や砂、貝殻が豊富にある環境で長生きしやすいといった見解もあります。こういった観点からも、砂は必要と言えるでしょう。

必要なもの3:水草

最後に必要なのは、水草です。理由は餌と関係しています。例えば、あまりに水槽が綺麗になりすぎてしまった場合、タニシは、食べるものが無くなって餓死してしまいます。それを防ぐために活躍してくれるのが、水草です。

また、タニシは水草を人間の目で見て判断できる程食べることはありません。大事に育てていた水草をかじられた経験がある方は、サカマキガイなどの他の種類の貝が原因であった可能性があります。このような類似の生き物には注意しましょう。

タニシの飼育方法2:メダカと一緒に飼育

タニシを飼育する際はメダカを一緒に飼育する方が多いとされています。混泳によるメリットは、水中に残ってしまったメダカが食べ残したエサや出した糞などを分解してくれるので、水槽内の水質を浄化してくれる点です。

また、ネット上ではタニシがメダカを食べてしまうのではないかと心配している声が多数目に入りますが、生きているメダカを襲うようなことはありませんので、ご安心ください。

つまり、メダカと一緒に飼育する場合はメダカの数、タニシの数、水槽の大きさなどいろいろな要素を考慮し、バランスの取れた水槽環境を整えることが重要です。

タニシの飼育方法3:水温は0度から35度

最後に、タニシが生活しやすい水の温度ついてご紹介します。種類によって多少異なりますが、水温は0度から35度まで適応できると言われています。

冬の水温を維持すると砂に潜り続けてしまうので、姿を確認したい方はそれ以上の温度が好ましいでしょう。

タニシを飼育する上での注意点2つ

ここからは、タニシを飼育する上で注意したいポイントをご紹介します。タニシの繁殖を維持するために、事前にチェックしておきましょう。
タニシを飼育する上での注意点
  • 設置する場所に注意する
  • 貝を餌にする種類の魚と一緒にしない

タニシを飼育する上での注意点1:設置する場所に注意する

第一に注意してほしいのが設置場所です。直射日光が当たる場所や急激に気温が変化する場所は、タニシにとって好ましくありません。

もちろん、転倒のリスクがあり生体が安全に生活することができない場所、斜面や凹凸のある場所、水槽の重さが耐えられないような場所には設置してはいけません。

このように、転倒のリスクがある場所や日光が直接当たる場所、気温が急激に変化する場所は避けて設置することをお勧めします。

タニシを飼育する上での注意点2:貝を餌にする種類の魚と一緒にしない

次に注意してほしいのが、貝を餌にする種類の魚と一緒にしないということです。せっかくタニシを水槽に入れても、タニシを食べる魚がいてはひとたまりもありません。

具体的には金魚や鯉が有名ですが、他にも、チェリー・バルブやクラウンローチなども例として挙げられます。

飼育したい魚とタニシの相性が気になったら、ペットショップのスタッフさんに確認して混泳が可能かどうか確かめてから飼育することをお勧めします。

タニシは初心者でも飼育しやすい

ここまで、タニシの特徴や種類、飼育方法についてご紹介しました。注意しておくべきポイントが少ないので、どなたでも簡単に飼育できることが分かりました。一人暮らしや仕事をしながらでも飼うことができるので、ぜひ飼育してみてはいかがでしょうか。
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