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ダンゴウオの飼育方法や特徴は?生態や寿命と併せて注意点についても紹介

「ダンゴウオってどんな魚?」
「ダンゴウオの飼育方法や注意点を知りたい」
このように、見た目が可愛らしいダンゴウオについて、沢山の疑問や不安があるのではないでしょうか。

この記事では、ダンゴウオの生態や寿命、知っておきたい特徴に加えて、飼育に欠かせない器具や飼育方法について紹介しています。

本記事を読むことで、あまり知られていないダンゴウオの入手方法や餌の種類、飼育に最適な水温や水換えの頻度と方法などが把握できます。ダンゴウオの飼育に一歩踏み出せない方の疑問を解消できるため、スムーズに飼育に向けた準備をすることができるでしょう。

ダンゴウオを飼っている方や興味を持っている方は、是非チェックしてみて下さい。

ダンゴウオとは?

ダンゴウオとは、その名の通り団子のような丸いフォルムをしているカサゴの仲間です。体長は4cmほどの小型の海水魚であり、仔魚だと3~5mmほどしかありません。

近年、ほかの海水魚とは異なる魅力を持つことから、自ら採集して飼育する人が増えており、密かなブームとなっています。

はじめにダンゴウオの生態や特徴、寿命を紹介します。

ダンゴウオの生態

ダンゴウオは高い水温を苦手としているため、冬から春の間に日本各地で見られます。

主な生息地は浅瀬から水深20mほどの暗めの場所であり、夜行性であることから陰になる岩場やコンクリートの隙間などを好みます。また、海草や底砂などを滑るような泳ぎ方が特徴的です。

その外見とは裏腹に、ヨコエビやワレカラといった1cm以下の甲殻類を好物としている肉食でもあります。

ダンゴウオの特徴

ダンゴウオの特徴は、独特の泳ぎ方を可能にする身体の構造にあります。

ダンゴウオの身体には小さな突起があり、背びれが2つ、胸びれが1つあります。この胸びれが吸盤になっているため、急流でも難なく生息できる要因になっています。

カラーバリエーションが豊富で、赤、青、黄色といった原色に加えて、ピンクや緑、紫などの体色を持ったダンゴウオが確認されています。さらに、仔魚には頭部に白い輪っかがあるのが特徴です。

ダンゴウオの寿命

ダンゴウオの寿命は、平均で1~2年ほどと比較的短いとされています。寿命の短さの要因として、身体の小ささが挙げられます。

不適切な飼育方法により寿命が縮まってしまう場合もあるため、水温や与える餌などの飼育環境に左右されやすいと個体と言えます。

ダンゴウオの種類

ダンゴウオは、スズキ目のダンゴウオ科に分類される海水魚です。

種類は10種ほどが確認されており、個体によって体長や見た目が異なります。代表的な例として、フウセンウオやホテイウオ、ナメダンゴやコンペイトウ、ランプサッカーといった個性的なネーミングを持つ魚が存在しています。

なお、日本国内でダンゴウオというと、指先に乗っかるサイズの種類が一般的でしょう。

ダンゴウオの飼育に必要なもの

ダンゴウオは、ほかの魚と比べて飼育が難しいと言われています。

淡水魚は水道水のカルキを抜くだけで使うことができますが、ダンゴウオのような海水魚は海水に近い水質を用意しなければなりません。飼育するためのコストや手間がかかるため、海水魚を飼育する難易度は高めと言えるでしょう。

ここでは、ダンゴウオに飼育に必要なものを紹介します。
  • 水槽
  • ろ過装置
  • 冷却装置
  • 温度計
  • 底砂
  • 隠れ家
  • 海水の素

水槽

ダンゴウオを飼育する際は、30cm~50cmほどの水槽を用意してあげるといいでしょう。

ダンゴウオは胸びれに吸盤があることから、あらゆる場所にくっつく習性を持っています。あまりにも小さすぎる水槽では窮屈に感じてしまうため、やや大きめの水槽が適していると言えます。

逆に大きすぎても、水質や水温の維持に必要なコストや水換えの手間が増えます。飼育数によって水槽のサイズを検討しましょう。

ろ過装置

ダンゴウオだけ飼育したい場合には、上部ろ過槽と外部ろ過槽を併せて使用するといいでしょう。

魚を飼育するケースにおいては、外部ろ過槽のみを使用することが一般的です。しかし、外部ろ過槽だけでは、酸欠状態になりやすかったり出力が出にくかったりというリスクがあります。

上部ろ過槽に外部ろ過槽を補うことでクーラーや殺菌灯の接続も容易になり、ダンゴウオが過ごしやすい環境に貢献してくれるでしょう。

冷却装置

ダンゴウオは低水温域で生息する海水魚であるため、冷却装置は欠かせません。

水温の上昇はダンゴウオの健康に大きく影響するため、冷却装置にはただ冷やすだけでなく、季節を問わずに安定した水温を維持する機能が求められます。また、コストパフォーマンスが優れているものやサポートが充実している機器を選ぶといいでしょう。

温度計

水槽内の水温を表示する温度計は、見やすくて測定が早いものがいいでしょう。

低水温を好むダンゴウオは、わずかな水温上昇にも敏感です。そのため、水換え直後や暑くなりやすい夏場において素早く水温を測れるタイプが重要になります。

水温系には水銀式とデジタル式の2種類ありますが、わかりやすさと測定が早いデジタル式が人気となっています。

底砂

底砂は、熱帯魚水槽では必ずしも必要ではありませんが、海水魚の飼育には必需品です。

底砂の主な役割は、バクテリアを繁殖させる場所を提供したり、砂にもぐる個体の安息の地になったりします。また、底砂には粗目のタイプか細目のタイプがあり、個体によって選ぶことが重要になります。

砂に潜らないダンゴウオであれば、水槽環境を保ちやすい粗目の底砂を選ぶといいでしょう。

隠れ家

ダンゴウオの飼育に欠かせない隠れ家を用意してあげましょう。

ダンゴウオは、胸びれの吸盤を上手に使って泳いだりくっついたりします。隠れ家となる岩やライブロックなどは、表面が滑らかなタイプを入れてあげると生活しやすくなります。

適度な岩によるレイアウトは、ダンゴウオが喜ぶだけでなく、部屋のインテイリアとしても引き立つため美しく仕上げてみましょう。

海水の素

ダンゴウオは水道水だけでは生きていけないため、海水の素を使って海水魚が住める水質を作る必要があります。

規格水槽の大きさに適した水量の計算方法は、幅×奥行き×高さ(全てcm)÷1,000で求めることができます。たとえば45cm水槽の場合、幅45cm×奥行き24cm×高さ30cm÷1,000=32.4(約30L)となるため、30Lの水量に適した海水の素を入れてあげるといいでしょう。

ダンゴウオの飼育方法

ダンゴウオの飼育は、飼育環境に十分な配慮が求められるため、安易に飼うことはできません。とくに水温を低く維持することから、初期費用がかさみやすい個体と言えるでしょう。

ここでは、難しいとされるダンゴウオの飼育方法について解説していきます。

ダンゴウオの入手場所

ダンゴウオを入手する方法は2つあります。

1つはペットショップから購入する方法です。ダンゴウオの相場は1万円前後となっており、店頭だけでなくインターネット通販でも購入することができます。

もう1つは自身で採集する方法があります。水温が低くなる12~3月の間、日本近海において海藻に隠れていることが多いため、陰になっている部分を重点的に探すと見つかる可能性があるでしょう。

主な餌は生き餌

その可愛らしい見た目からはイメージしにくいですが、ダンゴウオは肉食性の魚です。

主に軟体動物や甲殻類を好んで食べることから、飼育する際には生き餌を食べさせてあげましょう。生き餌はゴカイや小エビ、カニなどが適していますが、それらのみを与えると値段が高くなるため、市販のダンゴウオの餌を併用することでコストを抑えられます。

1日のうち朝と夜の2回に分けて与えるといいでしょう。

適温は15~20度

ダンゴウオを飼育する上で、水温を維持することはとても重要です。

低水温で生息するダンゴウオは20度を上回ると命にかかわり、寿命に大きく影響します。これは人間でも同じで、それぞれの生物に備わっている適温外の環境では生きていくことは難しいでしょう。

夏場は水温が上がりやすいため、水槽用クーラーをはじめとした冷却装置によって低水温を保ちましょう。

水換えの頻度と方法

海水水槽の水換えの頻度は、飼育している生体や数、水槽環境によって変わってきますが、2週間に1回、水槽の3分の1ほどの量を換えることが一般的とされています。

水換えの方法は、あらかじめ人工海水を作っておき、抜いた水と同量の人工海水を少しづつ入れていきます。海水を一気に入れると、個体によって急激な水質の変化に対応できず健康を害するリスクがあるため、必ず少しづつ入れましょう。

餌の与えすぎに気を付ける

ダンゴウオは身体が小さいため、生き餌を多く与えすぎると食べきれません。

甲殻類などを好んで食べますが、1回の食事は至って少量です。与える量が多くなってしまうと、食べきれない分が水中に残ってしまい水質の悪化に繋がってしまいます。

ダンゴウオは水質に影響されやすい個体であるため、1度に与える餌の量は食べきれるぐらいが望ましいでしょう。

長期飼育する場合はオスメスを分ける

ダンゴウオを長期飼育したい場合は、オスとメスを分けて飼うといいでしょう。

ダンゴウオの特徴の1つに、繁殖後に命を落としてしまうことがあります。繁殖目的で飼育する場合を除き、じっくりと長く愛でたいときは、性別ごとに水槽を用意してあげると寿命まで生きやすいでしょう。

餌を食べないときの対処法

ダンゴウオは生き餌を好むため、市販で売られているダンゴウオの餌を食べない傾向にあります。

普段から市販の餌を与えている場合には、そのときだけ生き餌を使うようにするといいでしょう。生き餌は市販の餌に比べてコストがかかることから、生き餌と市販の餌を混ぜることで餌代の節約に繋がります。

また、生き餌から人工餌にシフトしたい場合も同様に、混ぜた餌を与えることで徐々に食べてくれるようになるでしょう。

ダンゴウオは混泳しても大丈夫?


ダンゴウオは、混泳させずに1種類だけで飼うといいでしょう。

海水魚はさまざまな種類が存在していますが、ダンゴウオのように低水温で生活している個体は多くありません。また、ダンゴウオは泳ぐことが苦手であるため、ほかの魚と混泳した場合に餌を奪われることがあります。

多頭飼いする場合には、ダンゴウオを複数入れてあげるとトラブルが少なく長生きしてくれるでしょう。

見た目も可愛いダンゴウオを飼育してみよう


見た目が可愛らしいダンゴウオですが、飼育する難易度は決して低くありません。

ダンゴウオに適した水槽環境や生き餌を用意してあげ、水換えは細心の注意を払って行う必要があります。そのため、コストや手間が多くかかってしまうこともあるでしょう。

きちんとダンゴウオと向き合う準備を整えて、愛らしいダンゴウオの飼育に挑戦してみましょう。
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