「カワムツを育てる水槽はどのくらいの大きさがいい?」
「人工の餌でカワムツは育てられるの?」
「ほかの魚と一緒に水槽へ入れても問題ない?」
このようにカワムツの飼い方がよくわからず、飼育するのをためらっている方はいらっしゃいませんか。
この記事ではカワムツに関する基礎知識、入手の仕方、水槽を立ち上げる際のポイント、必要な管理について解説しています。カワムツと組み合わせて飼育できる相性のよい魚のチェックも可能です。
記事を読むことによってカワムツに適した水槽を構築でき、上手に管理しながら健やかに育てられるでしょう。
カワムツの飼育にチャレンジしたいときや、捕まえたカワムツの育て方を知りたいときに、ぜひ参考にしてください。
「人工の餌でカワムツは育てられるの?」
「ほかの魚と一緒に水槽へ入れても問題ない?」
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カワムツの飼育にチャレンジしたいときや、捕まえたカワムツの育て方を知りたいときに、ぜひ参考にしてください。
カワムツとは?
カワムツ pic.twitter.com/e9OUQdkU1q
— 月光 (@NXFCkc) May 16, 2022
カワムツはコイ目コイ科の淡水魚です。動きの速さからほかの魚と一緒にハヤと呼ばれることがあるほか、地域によってモト、ムツ、アカハエなど違った名前で呼ばれることもあります。
かつて同種とされカワムツA型と呼ばれていたヌマムツとは、吻や目の大きさ、尾ひれ、側線鱗数などの違いから区別されました。
まずは、カワムツがどのような魚なのか理解できるよう詳しく紹介していきます。
カワムツに見られる生態
カワムツは自然が多く残る川の中流から上流、湖沼で見られる魚です。川岸の木から落ちる昆虫や水中にいる昆虫を食べることから、葉の垂れ下がった木や流水の少ない淵の水面付近で群れをなす姿が多く見られます。
昆虫や小魚以外に水草、藻類なども食べますが、食性はやや動物食性に片寄っていると言えるでしょう。縄張り意識が強く、餌をとる場所を巡って争うこともあります。
昆虫や小魚以外に水草、藻類なども食べますが、食性はやや動物食性に片寄っていると言えるでしょう。縄張り意識が強く、餌をとる場所を巡って争うこともあります。
カワムツならではの特徴と性格
同じような場所に生息している姿の似たオイカワは、多少流れのある場所にも住めますが、カワムツは岩が点在している流れの緩やかなところを好みます。警戒心が強く、人の気配を察知するとすぐに物陰へ潜んでしまう臆病な魚です。
こうした怖がりな面を持つカワムツですが、縄張り争いや繁殖期のメスの取り合いは激しく、体を使って相手を攻撃し、この時期に頭や尻ビレに現れる追星も戦いの道具として使います。
こうした怖がりな面を持つカワムツですが、縄張り争いや繁殖期のメスの取り合いは激しく、体を使って相手を攻撃し、この時期に頭や尻ビレに現れる追星も戦いの道具として使います。
カワムツの平均寿命
カワムツの平均寿命は、自然界で生きているものと飼育されているもので違います。川に住むカワムツの平均寿命は3~4年ほどと言われていますが、水槽に入れて飼育した場合は寿命が長く6~7年ほど生きられるでしょう。
比較的丈夫な魚ではありますが飼育下では、カワムツに適した環境、水温、水質や水中の酸素量を保ち、適度に餌を与える必要があります。飼育方法を間違えると寿命は短くなってしまうでしょう。
比較的丈夫な魚ではありますが飼育下では、カワムツに適した環境、水温、水質や水中の酸素量を保ち、適度に餌を与える必要があります。飼育方法を間違えると寿命は短くなってしまうでしょう。
カワムツの繁殖時期
繁殖時期は長めで5月から8月下旬頃までです。この時期のオスは身体の色が婚姻色に変わるため、普段よりもメスとの見分けがつきやすくなります。頭部からお腹全体に赤みを帯び、背びれや腹びれのふちが明るい色になり、追星が現れるのが特徴です。
産卵行動は日中にオスとメスが一対になって行われ、浅くて波がたたない流れの緩い場所の砂礫の中に卵を産みつけます。
産卵行動は日中にオスとメスが一対になって行われ、浅くて波がたたない流れの緩い場所の砂礫の中に卵を産みつけます。
カワムツの生息域
生息域は日本や中国、朝鮮半島、ベトナムの一部、台湾です。日本ではもともと東海地方の一部及び能登半島よりも西側で生息していましたが、関東や東北にも広がっていることから国内外来種となっています。
日本国内で生息域が広がったのは、アユの放流時に混ざってしまったのが原因であるとされていました。しかし、観賞魚として流通していることも関係しているのではないかと考えられています。
日本国内で生息域が広がったのは、アユの放流時に混ざってしまったのが原因であるとされていました。しかし、観賞魚として流通していることも関係しているのではないかと考えられています。
カワムツは最大どれくらいになる?
カワムツはオスとメスとで身体の大きさが違います。オスはメスよりも体が大きく、成魚になると15cmほどになり、個体によっては20cmを超え30cmほどになるものもいると言います。メスは大きいものでも15cmほどにしか成長しません。
大きく成長するまでには3年くらいかかるとされています。稚魚から育てる場合には、大きくなる可能性があることを理解しておきましょう。
大きく成長するまでには3年くらいかかるとされています。稚魚から育てる場合には、大きくなる可能性があることを理解しておきましょう。
カワムツの飼育に必要なアイテム
カワムツを飼育するときは生育に必要な環境、条件を整えます。魚の住みやすさと同時によりよい状態で鑑賞できるよう考えましょう。
ここからは飼育に欠かせないアイテムを見ていきます。川魚であることを意識して必要な物を選んであげましょう。
ここからは飼育に欠かせないアイテムを見ていきます。川魚であることを意識して必要な物を選んであげましょう。
- 上部フィルター
- 水槽
- ライト
上部フィルター
水のきれいな場所に生息するカワムツを飼育するには、ろ過装置を使用し水質を安定させることが大切です。ろ過装置は数種類ありますが、ろ過機能が高くメンテナンスしやすい上部フィルターが適しているでしょう。
上部フィルターには水中のゴミを取り除き、不要な物質を取り除く機能を助けるウールマットが使われています。定期的なウールマットの交換により水の状態が一定に保たれるため、水換えの回数を少なくできるでしょう。
上部フィルターには水中のゴミを取り除き、不要な物質を取り除く機能を助けるウールマットが使われています。定期的なウールマットの交換により水の状態が一定に保たれるため、水換えの回数を少なくできるでしょう。
水槽
カワムツの飼育には飛び跳ねを防げる蓋付きの水槽を使います。水槽を用意するときは飼育するカワムツの大きさや数に見合ったものを選ぶのがポイントです。飼育に必要なほかのアイテムがセットになったものも販売されています。
小さいうちは60cm水槽で十分ですが、成魚になると狭すぎてしまいます。置くスペースに余裕がある場合は、成長を見越して90cmや120cmの水槽を購入すると買い替えずにすむでしょう。
小さいうちは60cm水槽で十分ですが、成魚になると狭すぎてしまいます。置くスペースに余裕がある場合は、成長を見越して90cmや120cmの水槽を購入すると買い替えずにすむでしょう。
ライト
飼育時にはライトを有効に使いましょう。自然光では光量が足りず水槽内が暗く見えることがありますが、ライトを使うと水の中で泳ぐ魚の姿がくっきり見え、健康状態の観察にも役立ちます。
また、ライトがあると自然の中で過ごしているように昼と夜の時間を作ることが可能です。日照時間が少ないときに日中だけライトを使用し足りない分を補うと、カワムツの体のリズムを整えられます。使い過ぎによるカビの発生には注意しましょう。
また、ライトがあると自然の中で過ごしているように昼と夜の時間を作ることが可能です。日照時間が少ないときに日中だけライトを使用し足りない分を補うと、カワムツの体のリズムを整えられます。使い過ぎによるカビの発生には注意しましょう。
カワムツの飼育方法
カワムツを飼育していく場合、すみかになる水槽内のレイアウト、水質、餌やりなど気をつけなければいけない点があります。正しいやり方を守っていけば、すくすくと成長し産卵も期待できるでしょう。
飼育前にカワムツの入手方法や飼育のポイントを確認しておきましょう。
飼育前にカワムツの入手方法や飼育のポイントを確認しておきましょう。
カワムツを入手する
カワムツの入手方法は自分で捕まえるか購入するかのどちらかです。川釣りでは初心者にも適した簡単な仕掛けのウキ釣り、毛ばり釣り、ルアー釣りで狙います。捕獲禁止区域もあるため注意して釣りましょう。
購入する場合はアクアリウムショップで買えますが、取り扱い店舗は限られています。足を運ぶ前に販売しているか確かめておくとよいでしょう。ネットの通販サイトで探すと取り扱いの有無のほか在庫状況や値段もわかります。
購入する場合はアクアリウムショップで買えますが、取り扱い店舗は限られています。足を運ぶ前に販売しているか確かめておくとよいでしょう。ネットの通販サイトで探すと取り扱いの有無のほか在庫状況や値段もわかります。
人口飼料に慣れさせる
捕まえたカワムツは新しい環境に慣れておらず、自然の中で食べていた餌と違う人工飼料をすぐには食べないことがあります。まずは周囲のうるさい音でカワムツを怯えさせていないか環境面をチェックしてみましょう。どうしても食べないときは生き餌に変えてみてください。
人の手から餌をもらうのに慣れたら生き餌と人工飼料の両方を与え、徐々に切り替えていきます。人工飼料に慣れるまで時間はかかりますが、根気よく続けましょう。
人の手から餌をもらうのに慣れたら生き餌と人工飼料の両方を与え、徐々に切り替えていきます。人工飼料に慣れるまで時間はかかりますが、根気よく続けましょう。
水温管理を行う
カワムツの飼育では水温を適正に保つことが大切です。飼育に適した水温は15~25℃ほどとされているのできちんと管理しましょう。15℃より低めの温度になっても多少は耐えられますが暑さには弱く、30℃を超えると耐えられず衰弱してしまうおそれがあります。
日当たりのよい部屋、屋根や壁の熱さが伝わりやすい部屋などへ水槽を設置する際は、夏場の温度管理に十分注意しましょう。
日当たりのよい部屋、屋根や壁の熱さが伝わりやすい部屋などへ水槽を設置する際は、夏場の温度管理に十分注意しましょう。
水草ではなく流木と石を使ってレイアウトする
水槽内のレイアウトに水草を使うと、お腹を空かせたカワムツに食べられ美しく演出できなくなる可能性があります。水槽でカワムツの住んでいた渓流の雰囲気を作り出したいときは、アク抜きした流木や石を利用するといいでしょう。
流木のアク抜き方法は煮沸、アク抜き剤の使用などいくつかありますが、組み合わせるとより効果的だと言われています。残ったアクで水が変色してしまわないよう、丁寧に取り除いてから使いましょう。
流木のアク抜き方法は煮沸、アク抜き剤の使用などいくつかありますが、組み合わせるとより効果的だと言われています。残ったアクで水が変色してしまわないよう、丁寧に取り除いてから使いましょう。
1週間に1度水換えする
もともと水のきれいな場所に住むカワムツにとって、水槽内の水質の悪化は致命的です。汚れた水のまま飼育を続けると体調を崩してしまいます。水換えの頻度は1週間に1度でかまいませんが、水質が悪化しやすい暑い時期は3日ほど経ったら換えましょう。
一度に水槽の水全部を換えず、2/3ほど残して少しずつ頻度を上げると水換えが楽になります。交換する前の水温と交換後の水温をほぼ同じにするのが魚に負担をかけないコツです。
一度に水槽の水全部を換えず、2/3ほど残して少しずつ頻度を上げると水換えが楽になります。交換する前の水温と交換後の水温をほぼ同じにするのが魚に負担をかけないコツです。
水槽内に水流をつくる
川魚であるカワムツの飼育では、川の流れを再現してあげることも大事です。カワムツが住んでいるのは緩やかな流れがある場所ですので強い流れは必要ありません。水槽用のディフューザーなどを利用してカワムツが好む水流を作りましょう。
勢いがありすぎると快適に過ごすどころかストレスを与えてしまう可能性があります。外部式フィルターを利用し水流を作り出すときも強さに注意しましょう。
勢いがありすぎると快適に過ごすどころかストレスを与えてしまう可能性があります。外部式フィルターを利用し水流を作り出すときも強さに注意しましょう。
夏場はエアレーションを十分に行う
魚はエラ呼吸により水中の酸素を取り入れているため、不足すると水面で口をパクパクさせる鼻上げで酸素を取り込もうとします。水の中に溶け込む酸素量が減る夏場は酸欠状態にならないようにエアレーションを十分に行い、水中の酸素濃度を上げましょう。
エアレーションで水を循環させると水質も安定しやすくなります。大型の水槽でたくさんのカワムツを育てている場合も、酸欠防止にエアレーションを活用しましょう。
エアレーションで水を循環させると水質も安定しやすくなります。大型の水槽でたくさんのカワムツを育てている場合も、酸欠防止にエアレーションを活用しましょう。
カワムツを混泳させるときの注意点
カワムツはほかの淡水魚と同じ水槽で飼育できますが、中にはカワムツと相性がよくない魚もいます。さほど攻撃的な魚ではありませんが、組み合わせ方を間違えると予期せぬ事態が起こることがあるでしょう。
混泳させる魚選びで気をつけたい点をしっかりチェックし、さまざまな種類が元気いっぱい泳ぎ回る水槽を目指しましょう。
混泳させる魚選びで気をつけたい点をしっかりチェックし、さまざまな種類が元気いっぱい泳ぎ回る水槽を目指しましょう。
小型熱帯魚と混泳させない
色の美しい小型熱帯魚を水槽に入れると水槽内が華やぎますが、カワムツとの混泳は避けてください。
水の中を動き回るカワムツは餌を食べるスピードが小型熱帯魚よりも早く、与えた餌をほとんど食べてしまいます。あまり餌を食べられなかった小型熱帯魚は、次第に弱ってしまうのです。
餌が行きわたるよう量を増やすと、水質に影響します。カワムツと同等のスピードで餌を食べられる魚でないと混泳は難しいでしょう。
水の中を動き回るカワムツは餌を食べるスピードが小型熱帯魚よりも早く、与えた餌をほとんど食べてしまいます。あまり餌を食べられなかった小型熱帯魚は、次第に弱ってしまうのです。
餌が行きわたるよう量を増やすと、水質に影響します。カワムツと同等のスピードで餌を食べられる魚でないと混泳は難しいでしょう。
カワムツと似たサイズの川魚を選ぶ
混泳させる魚はカワムツと似たサイズの川魚を選ぶのがおすすめです。生態で解説したようにカワムツは雑食で小魚を餌として食べます。小さな魚やエビ類が同じ水槽内に入れると、カワムツの餌になり、いつの間にか水槽内から消えてしまう場合があるでしょう。
ウグイ、オイカワ、カネヒラ、フナなど組み合わせやすい川魚は数種類います。婚姻色への変化を考えて選んでみるのもいいでしょう。
ウグイ、オイカワ、カネヒラ、フナなど組み合わせやすい川魚は数種類います。婚姻色への変化を考えて選んでみるのもいいでしょう。
カワムツを飼育するためのポイントや注意点を押さえよう
カワムツの飼育はそれほど難易度が高くありません。必要な道具を準備して水槽内を自然の中にいるときに似た住みやすい状態にし、適切に管理すれば順調に育つでしょう。つがいになったとき適した床材を使用していると、産卵し稚魚の誕生も期待できます。
健全に育てる上で、紹介した管理に関するポイントや注意点はとても大切です。細かい部分まで気を配りながらカワムツの飼育を楽しみましょう。
健全に育てる上で、紹介した管理に関するポイントや注意点はとても大切です。細かい部分まで気を配りながらカワムツの飼育を楽しみましょう。