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うなぎは飼育できるのか?特徴・種類・必要なものなどについて紹介

日本でとても馴染み深い魚である、うなぎの飼育に興味を持っていませんか。うなぎは細長いフォルムが可愛らしく、見ていても癒されますよね。

本記事ではうなぎの生態や特徴から、飼育に必要なものや方法まで紹介していきます。

うなぎはあまりペットショップなどに売られていない魚ですので、育てるのが難しいと思われるかもしれませんが、基本的には初心者の方でも育てやすい魚です。

飼育の際に注意すべき点なども紹介していますので、本記事を読み終わったときにはうなぎの飼育に関する知識はしっかり得られます。

本記事を参考にしてうなぎの飼育に挑戦してみてください。うなぎは色々と種類もあるので、好きなうなぎを見つけてみてくださいね。

うなぎの特徴とは?

まずはうなぎの特徴について見ていきます。

うなぎは、うなぎ目うなぎ科うなぎ属に属しており、日本でも馴染み深い魚です。しかし、その生態は長らく不明であり、近年になって明らかにされてきた部分が多いのです。

以下よりうなぎの生態や寿命、繁殖について見ていきますので、飼育したいと考えている方は押さえておきましょう。

うなぎの生態

うなぎは降河回遊魚と呼ばれる魚です。

海で産卵し、海で回遊しながら稚魚となり、成長とともに川や湖などに戻ってきます。産卵場所はうなぎの種類によって違い、ニホンウナギのようにフィリピン近海まで行って産卵する種や、河口に近い海域で産卵する種もあります。

ただ、どのうなぎも海で生まれ回遊し、成長して川に戻るという部分は共通しています。

生まれたばかりのうなぎはレプトケフェルスと呼ばれ、成長するとシラスウナギという名前になります。シラスウナギはこれから川を登ろうとしているうなぎで、養殖の場合はこのシラスウナギを淡水で育てます。

また、うなぎの行動は主に夜に活発になります。昼間はほぼ動きはありません。夜になってから小魚などを食べるために動き出します。成長してからは肉食で、様々な餌を食べるようになります。

種類としてはニホンウナギが馴染み深いですが、他にもヨーロッパウナギやアメリカウナギがあります。日本にはニホンウナギとオオウナギが生息しています。

うなぎの寿命

うなぎの寿命はかなり幅がありますが、平均すると20年ほどと考えられています。

うなぎの寿命に関してはあまり定かではなく、およそ5年~80年ほど生きると言われています。最高齢のうなぎは155歳という記録もあると言われています。

ですが、飼育する場合は運動不足で肥満に陥りやすく、5年ほどで死ぬことが多いです。もとは長く生きる魚ですので、環境によってはそれ以上生きることも十分に考えられます。

うなぎの繁殖

うなぎの繁殖に関してははっきりとしたことはよく分かっていません。少なくとも、水槽内での飼育で繁殖したという例はないでしょう。

現在出荷されて日本に出回っているうなぎのほとんどは養殖のうなぎです。稚魚の状態のシラスウナギを捕獲して育てるという方法です。

シラスウナギを人工的に育てることが出来れば良いのですが、そもそも性成熟までが人工飼育では難しく、生まれたばかりの仔魚をシラスウナギにまで成長させることは大変な手間がかかることなのです。

現在は完全養殖が成功したうなぎもあるのですが、安定的な供給のためにはまだまだ研究が必要な段階にあります。ニホンウナギは絶滅危惧種に指定されているほどなので、それほどうなぎを人工的に1から育てることは難しいことなのだと覚えておいてください。

うなぎの種類


ここからはうなぎの種類について紹介していきます。

うなぎは世界で19種類から23種類ほど、食用のものはその中で4種類ほどです。

うなぎだけでも多くの種類がありますので、飼育するときの参考にしてみてください。

オオウナギ

日本に分布する1種にオオウナギがいます。

オオウナギはその名の通り大きい体長が特徴で、成長すると2mほどまでになります。体重も20kgほどまで増えます。

九州よりも南下した地点で獲れることが多いですが、数でいえばそこまで多く獲れるわけではなく、地域によっては天然記念物に指定されていることもあります。

体にはニホンウナギと違い、まだら模様があることが特徴です。ゴマウナギとも呼ばれているのはこのまだら模様があるからです。成長するとニホンウナギとの区別が難しくなります。

胴回りが太いので、美味しそうに見えますが、味はニホンウナギよりも劣ります。身が固く旨味が少ないため、食用として流通することはありません。

二ホンウナギ

ニホンウナギは日本で獲ることが出来る、大型のうなぎです。

日本各地の川や海に生息し、産卵場所は2000kmほども離れた西マリアナ海嶺付近であると近年の研究で明らかになりました。

体長は1.3mほどまで成長することもあり、うなぎの中では大きい方になります。しかし、太さは外国産に比べて細いことが特徴です。

見た目の特徴として、細長く円筒形で、目が小さくて腹ビレが無いことが挙げられます。背は暗褐色で、背ビレは尾まで繋がっています。お腹は淡い黄白色をしており、餌などによっては青みがかった色になることもあります。

日本で食べられているのは主にこのニホンウナギですが、先述したように乱獲によって絶滅危惧種に指定されており、養殖に関する研究が進められています。

インドピンクウナギ

名前の通り、ピンク色の体が特徴の魚です。

インド原産のうなぎで、体のピンク色は成長してもそのまま残ります。体長も30cmほどと、日本のうなぎと比べてとても小さいです。

よく砂に潜っているため、飼育しているときはなかなか泳ぐ姿が見られません。餌を与えているときに砂から顔を出す程度ですが、ひょっこり出てくる姿がとても愛らしいです。

アミメウナギ

アミメウナギはポリプテルス科に属している古代魚の一種です。

体色は緑褐色で、飼育下では40cmほどまで育ちます。胸ビレの付け根に黒いスポットがあり、アルビノ個体も存在しています。体が丈夫なので育てやすい部類だと言えます。寿命も10年以上ほどと、水槽内の環境次第ではかなり長生きしてくれます。

しかし、入荷頻度はそこまで高くないので、アミメウナギを飼育したいと思った場合はすぐに行動に移すと良いでしょう。

デンキウナギ

デンキウナギは体から発電することが特徴の魚です。

成長すると2.5mほどまで成長するため、大型のうなぎと言えます。非常に強力な電気を生み出せるため、上級者向けの魚になります。

デンキウナギは電気を使って他の魚を感電させて捕食することが特徴ですので、他種と混泳させることは出来ません。また、人が感電しても手がしばらく制御出来ないほどの電気を発するので、扱い方には非常に注意が必要です。

うなぎの飼育に必要なもの

ここからはうなぎの飼育に必要なものを紹介していきます。

うなぎは体長が大きいものが多いため、必要な設備も大きめのものになります。デンキウナギなどの特殊な体質のものでなければ、丈夫な体で育てやすいので、設備が揃えば初心者が挑戦しても大丈夫です。
  • 水槽
  • 水槽のフタ
  • 上部フィルター
  • 水温計
  • 水槽用のクーラー
  • 流木
  • 砂や砂利

飼育に必要なもの①水槽

水槽は最初から大きめのものを選びましょう。

うなぎは成長が早く、どんどん大きくなっていきます。また、運動量も多いのでたくさん動き回れる大きい水槽が適しています。運動量が少なくなってしまうと肥満に繋がり、寿命が縮んでしまいますので気を付けましょう。

1mくらいには成長すると思っていてください。そのため、最低でも90cm、余裕をもって120cmの水槽でも良いでしょう。

飼育に必要なもの②水槽のフタ

水槽のフタもうなぎの飼育には欠かせません。

うなぎは小さな隙間を狙ってよく脱走します。しっかり閉められるフタを必ず用意してください。買った状態のものでぴったりはまらなければ、自分で加工してぴったりになるように調整してください。

飼育に必要なもの③上部フィルター

うなぎはフンの量が多いため、上部フィルターが必要です。

フンによって水が汚れやすいため、ろ過のために上部フィルターを入れましょう。うなぎを複数飼いたい場合は他にもエアーポンプがあるとなお良いです。

他にも外部フィルターがありますが、水槽のレイアウトを用いない場合は上部フィルターで十分です。掃除も簡単なので、初心者の方のおすすめです。

飼育に必要なもの④水温計

うなぎに適した温度を保てるように水温計を用意しておきましょう。

うなぎは丈夫な魚ですので、神経質になる必要はありませんが、適温は20℃から25℃だと言われています。なるべく23℃から25℃を保てるようにしてください。

飼育に必要なもの⑤水槽用のクーラー

また、水温が低すぎても高すぎても良くないため、水槽用のクーラーを用意しましょう。

水温に神経質になる必要はないのですが、15℃を下回ると動かなくなったり、28℃を超えると弱ってしまったりします。念のため水槽用のクーラーを用いた方が良い環境を保つことが出来ます。

飼育に必要なもの⑥流木

うなぎは隠れ家を必要とする魚ですので、流木があると良いです。

流木は水槽に合った大きさのものを選んでください。また、軽すぎるものは浮いてきてしまいますので、重さも重視しましょう。ものによっては虫に食われているものもあります。そういったものは避けましょう。

レイアウトを重視するなら、立体感も見てましょう。細い枝が複数ついているものや太い木のものもあります。好みの流木を探してみましょう。

飼育に必要なもの⑦砂や砂利

うなぎの生息場所は水底なので、砂や砂利を敷き詰めておくと良いです。

砂の大きさはそこまで考えなくても大丈夫です。うなぎが落ち着きますので敷いてあげてください。

90cm水槽で砂を入れるときは1cmほどの厚みになるよう敷いてください。

うなぎの飼育に水槽用の照明が必要ない理由

うなぎは夜行性ですので、飼育に水槽用の照明は必要ありません。

昼間は動かず、夜になってから餌の捕食のために動き出します。むしろ明るい環境が苦手ですので、そのためにも隠れ家が多い方が良いのです。照明はつけないようにしましょう。

うなぎの飼育方法


ここからはうなぎの具体的な飼育方法について紹介していきます。

うなぎは特殊な体質のものでなければ初心者でも十分に飼育しやすい魚です。体も丈夫で、環境を整えれば長く生きてくれます。

以下の飼育方法を参考に、ぜひ飼育に挑戦してみてください。

うなぎの入手方法

うなぎはペットショップなどにはあまり売られていないため、ネット通販で手に入れるのがおすすめです。

稚魚の状態のうなぎと成体のうなぎが販売されていますが、稚魚は飼育が難しいため、成体のものを買うことをおすすめします。

自然のものを自分で手に入れたい方は、釣りに行ってみてください。自然で育っているものはどんな病原菌を持っているかが分からないため、別の水槽で1週間ほど様子を見てください。

川から持ち帰るときに気を付けなければならないのはサイズです。都道府県によって持ち帰れるサイズが定められているでしょう。

うなぎの餌

うなぎは雑食なので、生餌から徐々に人工餌にならしていきましょう。

体が小さいうなぎから飼い始めた場合は、まずメダカや冷凍赤虫などの生餌をあげましょう。個体によって好みが別れますので、様々な餌を用意しておきましょう。

他の餌ですとザリガニやスジエビなどがおすすめです。金魚やアサリも食べますので、念のため用意してみてください。

成長し、大人になってきたときに人工餌にシフトしていきましょう。いつもの餌に人工餌を紛れ込ませることで食べてくれるようになります。

また、うなぎは夜行性の生き物なので、餌は夜に与えるようにしてください。餌をあげるときは、窒息死しないように餌の大きさを調整してください。

飼育に適している水温

うなぎは水温の変化には強いですが、適した温度はおよそ20℃から25℃です。

水槽用のクーラーの部分でも紹介しましたが、15℃を下回ったり28℃を上回ったりするとうなぎにも影響が出ますので、そのボーダーラインは覚えておいてください。

水槽の水換えの頻度

うなぎを飼育するときは、週に1回の頻度で水替えしてください。また、こまめな水槽の掃除も必要でしょう。

うなぎは丈夫ですので、水質変化には強いです。ですが、様子を見なさすぎるといつの間にか死んでしまっていることもあるので、週に1度、3分の1の水を目安に替えてください。

また、水替えのときにガラスのコケ掃除や、フィルターのスポンジの掃除も同時に行うと水槽内を清潔に保てます。

掃除のときには水替えのためのバケツと、砂のごみを掃除するためのホースも用意しておくとばっちりです。

うなぎが餌を食べないとき


うなぎがなかなか餌を食べないときは、しばらく様子を見ましょう。

うなぎは雑食ですが、餌の選り好みもしますので、与えた餌を素直に食べてくれないこともあります。絶食には強いので、餌を色々与えてみて様子を見ましょう。1か月ほど食べなくても大丈夫ですので、あまり神経質にならないでください。

餌を全く食べずに2週間ほど経ってしまった場合は、飼育が難しいため逃がしてあげてください。

うなぎは混泳しても問題ない?

うなぎの飼育をしていくと、他の魚も水槽に入れたいと思う人もいるでしょう。

ウナギは肉食性のため、基本的に混泳はおすすめできません。もし混泳する際は、ウナギの口に入らないサイズで、なおかつ遊泳ゾーンの異なる魚が望ましいでしょう。

混泳する場合の注意点

混泳させる場合の注意点として、生息域が被らないようにすることが挙げられます。

ナマズなど、川底に生息する魚との混泳は向きません。うなぎの泳ぐ範囲が狭くなってしまい、運動不足で肥満の原因になってしまいます。

うなぎ同士の混泳でも大丈夫ですが、サイズの違いで共食いに発展することもありますので、サイズは揃えるようにしましょう。

小さな魚の混泳はNG

うなぎは雑食で肉食なので、うなぎよりも小さい魚との混泳は避けましょう。

うなぎよりも小さい魚はそのまま食べられてしまう可能性があります。サイズをうなぎと揃えるか、生息域が違う魚を混泳させるようにしましょう。

カワムツなどの川魚は混泳に向いています。カワムツは丈夫なため、初心者の方でも飼育しやすい魚です。

うなぎの飼育方法を知って環境を整えよう


うなぎを飼育するためには、環境を整えることが大事です。

水槽やフィルターなど、準備するものは多いので初期費用はかさんでしまうかもしれません。ですが、うなぎ自体は初心者の方でも育てやすいので、あまり構えずに飼育に踏み切ってみてください。

混泳に関しても大きさなどに配慮すれば可能ですので、注意すべき点だけ見ながら挑戦してみましょう。ぜひ本記事を参考にしてくださいね。
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