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サカサナマズとは?飼育に必要なものや飼育方法・混泳できる相手についても紹介

「サカサナマズってどんな魚?」
「飼育に必要な環境は?飼育方法は簡単?」
「他の魚と一緒に飼っても大丈夫?」
サカサナマズは名前の通り、逆さになって泳ぐ特徴のある熱帯魚です。珍しいタイプの熱帯魚ですが、体は丈夫で飼育は意外に簡単だと言われています。

ここでは、サカサナマズの基本的な知識と飼育に必要なエサや道具、環境設定などについて説明します。

記事を読むことによってサカサナマズの不思議な生態に触れながら、より良い飼育環境への知識を深めましょう。

サカサナマズとは?



サカサナマズ(学名:Synodontis nigriventris)はナマズ目サカサナマズ科に属する熱帯魚で、アフリカのコンゴ川流域に生息しています。

ナマズ目に属する魚の総称であるシノドンティスの中でも、その特徴的な泳ぎ方で有名なのがサカサナマズです。腹部を水面に向け逆さになって泳ぎ、食事も逆さのままとることができます。

寿命

サカサナマズの平均寿命は3年~5年と言われています。

捕食が苦手であるため、しっかりと餌を食べることができているかを確認し、痩せないように注意しましょう。

他のナマズと比べると薬品への耐性は強く丈夫な方ですが、水槽への導入や水替えといった水質の変化によって病気になる可能性があります。適切な環境作りを知っておくことで、よりストレスのかからない飼育ができるかもしれません。

体長

サカサナマズの体長は約5cmで、大きくても7~10cm程です。小型であるため比較的飼育がしやすい熱帯魚だと言われています。

また、おとなしく温和なサカサナマズの性格も飼育がしやすいと言われる理由の一つです。

種類

サカサナマズの種類には、共通して腹部を水面に向けて背泳するビルマサカサナマズやゼブラサカサナマズなどが存在しています。

ビルマサカサナマズはヒレの先まで黒く、同種間でも争うほどの気性の荒い性格です。そのため、混泳させると喧嘩する恐れがあります。

一方、ゼブラサカサナマズは白と黒の美しい縞模様が特徴で、夜行性で臆病な種だと言われています。

このようにサカサナマズにも性格の違いがあるため、飼育する際には注意しましょう。

サカサナマズが逆さに泳ぐ理由

サカサナマズは腹面を水面に向け、いわゆる逆さになった特徴的な泳ぎ方をします。なんとも不思議な泳ぎ方であり、なぜこのような姿勢で泳ぐのかいくつか説がありますが、はっきりとした理由は未だ解明されていません。

しかし、サカサナマズの体の色は、その特徴的な泳ぎ方に適応しているといわれています。

通常、魚の体は上空から見た時に見つけにくくするため、腹部が白っぽく背部が黒っぽくなっていることが多いのですが、サカサナマズはその反対で腹部が黒っぽく背部が白っぽくなっているからです。

この他と異なる体の色により、サカサナマズも敵から見つかりにくい状況を作ることができているのかもしれません。

また、研究によりサカサナマズは重力、光の照射方向、光の明るさの変化に影響されないことがわかっています。

出典:宇宙空間における動物の行動と発生
参照:https://www.jstage.jst.go.jp/article/kagakutoseibutsu1962/37/6/37_6_404/_pdf/-char/ja

サカサナマズの飼育に必要なもの

サカサナマズを飼い始める前に、必要な道具や整えておくべき環境を知っておきましょう。

同じ熱帯魚であってもその種類において必要なものはそれぞれ異なります。

ここではサカサナマズの生態や特徴とともに、必要な道具、適切な環境をお伝えしますので、今後飼育される際には参考にされてみてはいかがでしょうか。
  • エサ
  • 水槽
  • ろ過フィルター
  • ヒーター

エサ

サカサナマズは生エサに限らず人工エサにも慣れやすいのが特徴で、ナマズ用の肉食性の強いエサも好みます。

浮上性のエサであれば腹部を水面に向けた逆さの姿勢のままエサを食べますが、飼育下では水底に落ちた沈下性のエサを逆さにならずに食べる姿も見ることができるかもしれません。

水槽

サカサナマズは熱帯魚の中でも小型であり、おとなしい性格のため、単独の飼育では40cm程の小さめの水槽でも飼育は可能です。

しかし、サカサナマズは臆病な性格で群れを好む傾向にあるため、単独の飼育ではなく3~5匹程で飼育してあげましょう。

混泳や群泳させる場合は60~90cm程の少し大きめの水槽を検討してみてください。

ろ過フィルター

水槽で魚を飼育する上で必要になるのが、水槽内の環境や水質を維持するろ過フィルターです。

ろ過フィルターにも上部フィルターや外部フィルターなどの種類があります。サカサナマズは食事量が多いため、物理ろ過機能に優れているフィルターがおすすめです。また、泳ぐのが得意ではないので、水流が強くないものが好ましいです。

上部フィルターは物理ろ過機能の高さに加え、メンテナンスが楽で取り扱いが簡単であることがメリットとして挙げられます。一方、モーター音や落水音などが出やすいといったデメリットもあります。

外部フィルターは、メリットとして水槽の外に設置するタイプで静音性が高く水流の向きや強さが調整できますが、値段が高いことやメンテナンスに手間がかかることがデメリットです。

また、フィルターの種類は水槽の周囲環境や観賞のしやすさにも影響するため、検討の際には確認するようにしましょう。

ヒーター

サカサナマズの飼育において、適温は25度前後と言われています。特に低水温に弱いのでヒーターを準備し水温を一定に保つようにしましょう。

熱帯魚用であれば、水温の上限に対し自動で調整してくれるオートヒーターや、自由に温度を変えることができ利便性が良いサーモスタット付きヒーターがあります。

サカサナマズの飼育方法

次に、入手ルートや実際の飼育において注意するべきことを説明します。

比較的飼育が容易とされているサカサナマズですが、適切な飼育方法や注意点を知り、よりストレスなく心地よい環境を整えてあげましょう。

熱帯魚専門店などで入手する

サカサナマズは熱帯魚専門店やネット通販での入手が可能です。一匹あたりの価格は1000円前後で販売されています。

ネット通販のチャームでは魚の詳細や飼育のポイント等も紹介されていますので参考にされてみてはいかがでしょうか。

隠れられるレイアウトにする

水槽内の環境としては、臆病な性格のサカサナマズが隠れられるレイアウトにすることが好ましいです。

夜行性で光りも嫌うので流木や水草などで隠れ家となるような場所を作ってあげましょう。

流木や隠れ家となるアイテムの配置を工夫することで、日中休んでいる姿をゆっくり観察することができるかもしれません。

購入後は水合わせをする

魚を購入し、迎える際には水合わせが必要となります。

水合わせとは、pHや温度の異なる水槽の水をゆっくりと近づける方法です。これにより生体への負荷を和らげることができます。

水質や水温を適応範囲内におさめる

水質はpH6~7、水温は25℃前後で安定させましょう。

比較的、適応範囲が広く、丈夫な魚だと言われていますが、導入や水替え時の急激な水質の変化、温度の低下などにより白点病になってしまう可能性があるので注意が必要です。

また、古く汚れた水は苦手ですので、綺麗な状態を保つよう注意してください。

エラ蓋部分にあるトゲに気をつける

サカサナマズを飼育する上で注意が必要なのが、エラ蓋にある鋭いトゲです。これは素手で触ると怪我をする恐れがあります。

素手では触らないようにし、網などですくう時にもトゲが刺さらないように気をつけましょう。

サカサナマズがかかることがある病気

飼育する上で心配なのが病気の存在ではないでしょうか。

病気の中には重症化するものもありますが、病気の種類や症状を知り早期に発見することで早期の治療に繋がるかもしれません。

ここではサカサナマズが発症することが多い「エロモナス病」と「白点病」の概要、症状、原因などについて説明します。

水質悪化が原因となる「エロモナス病」

エロモナス病とは、常駐菌であるエロモナスが原因となり様々な症状が引き起こされる病気です。

症状別では赤斑病、松かさ病(立鱗病)、穴あき病、ポップアイ、腹水病などがあり、完治が難しいとされています。しかし、初期症状の段階であれば水槽の環境改善や薬浴による完治も可能であるため、早期発見、早期治療が重要となります。

感染の原因は水質の悪化やストレスです。水替えやろ過装置の掃除にて水質を安定させ、混泳している魚によるストレスにも気を配りましょう。

感染力が強い「白点病」

白点病はウオノカイセンチュウという繊毛虫の一種が魚に寄生することで発症する、体が白くなる病気です。

体の表面に白い点のようなものが現れ、重症化すると体全体へと白い点が広がっていき、エラに寄生すると呼吸へ影響する恐れがあります。上記のエロモナス病と同様に早期発見、早期治療が重要です。

サカサナマズが混泳できる相手

サカサナマズはおとなしい性格であり同種・他種問わず混泳は問題なく可能です。

しかし、小型のエビといった甲殻類や小さな魚の場合はエサと認識して食べてしまうことがあります。そのため、混泳させる場合はサカサナマズと同じぐらいのサイズの魚を選択しましょう。

また、サカサナマズの中には前述したビルマサカサナマズのように凶暴な性格の種類もいるので注意が必要です。

サカサナマズを繁殖させるには?

国内でサカサナマズの繁殖例はありますが意図的に繁殖させるのは難しいと言われています。繁殖を狙うのであれば自然界での繁殖や、飼育下での偶然の繁殖例を元に環境を整えてみましょう。

まず、親魚をしっかりとした成魚に育て上げるため、冷凍エサや生きエサなど食いつきのいいものを使い、栄養を与えます。

水槽内には隠れ家を多く作り、産卵場所になる砂を準備し、5匹以上の群れを入れます。現地での繁殖期である雨季の環境に近づけるため、水替えの機会を増やしたり、水足しを行ったりと、水質と水温、水量の変化を作るようにしましょう。

不思議な魅力があるサカサナマズを飼育してみよう

名前の通り逆さになって泳ぐサカサナマズは、穏やかで愛らしい熱帯魚です。その特徴的な泳ぎ方の理由は未だ解明されておらず謎に包まれた魚ですが、その姿は見る人に癒やしを与えてくれるでしょう。

今回紹介した内容を参考に、サカサナマズの飼育を楽しんでみてはいかがでしょうか。
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