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ヤマトヌマエビの飼育に適正な水温とは?水質や混泳など対策すべきことも紹介

「ヤマトヌマエビを飼育するにはどのようなものが必要なの?」
「ヤマトヌマエビは飼育に向いているの?」
「ヤマトヌマエビはどのような病気にかかる可能性があるの?」
このようにヤマトヌマエビを飼育する際に発生する悩みによって、躊躇している方はいらっしゃいませんか?

本記事ではヤマトヌマエビの種類から飼育に必要なもの、飼育方法などを紹介します。

この記事を読むことで、ヤマトヌマエビを飼育するイメージを考え、飼育する際は、どのようなことに注意をすることで、1日でも長く一緒に過ごすことができるのかが分かります。

ヤマトヌマエビの飼育を考えている方は、ぜひ本記事をチェックし、ヤマトヌマエビの育て方の参考にして下さい。

ヤマトヌマエビの飼育は難しい?

ヤマトヌマエビの飼育は比較的簡単です。簡単な理由はいくつかありますが、餌やりの必要がないことは大きいでしょう。

もちろん水温などの環境を整えることは必要ですが、そこさえクリアできればアクアリウム内で元気な姿を見せてくれます。実際に飼育する際の注意点を見ていきましょう。

ヤマトヌマエビの生態

ヤマトヌマエビが生活しやすい環境を構築するためには、彼らの生態を知ることが一番の近道です。ここからは、ヤマトヌマエビの生態や特徴などを紹介していきます。

ここをチェックして、生き物たちが元気に過ごせる美しいアクアリウムを構築しましょう。

体の大きさなどの特徴について

ヤマトヌマエビは十脚目ヌマエビ科に属するエビです。成体はオス35mm、メス45mm以上まで成長することが知られています。

名前に「ヤマト」とついていますが、日本のみならずインド洋沿岸やマダガスカルなどにも分布しています。日本では、北海道などの雪が降る地域以外の太平洋と日本海沿岸のほか、孤島の河川にも生息しているようです。

成体は川で捕獲されるため淡水性の生き物と思われがちですが、年間に渡り川にいるわけではなく幼体は海で成長し、成長してから川に帰ってくる生き物です。海に流されて生息域を広げていると言われています。

寿命について

ヤマトヌマエビの寿命は自然下と飼育下で違ってきます。一般的には3~5年と言われていますが、飼育下ではさらに長く生きてくれるでしょう。

飼育下では、適した環境を作ってあげることが重要です。特に水温を適した温度に保つことで長い期間楽しむことができます。

遊泳層について

アクアリウムに新しい生き物を導入する際に気を付けなくてはならないのは「遊泳層」です。これは普段その生き物はどれくらいの深さで生活しているか、というのが基準となります。

ヤマトヌマエビの遊泳層は低層です。基本的には水槽内に敷いた砂利や設置した流木などで歩く姿を見せてくれます。

脱皮について

ヤマトヌマエビは、月に一回脱皮をすると言われています。全身が白濁してきたと感じたら脱皮の合図ですので「その瞬間を見たい」という方は定期的にアクアリウム内をよく観察してください。

脱皮殻の処理ですが、基本的にはそのまま放置してしまって大丈夫です。理由としては、放置しておくだけでヤマトヌマエビが勝手に食べてしまうからです。あまり水質悪化の心配はしないでも大丈夫でしょう。

ミナミヌマエビとの違いについて

ミナミヌマエビは、ヤマトヌマエビと似た姿をした淡水のエビです。どちらもタンクメイトとして人気の種類であり、どちらを飼育しようか悩んだ方もいるのではないでしょうか。

しかし、彼らにはいくつか大きな違いがあります。その最たるものは大きさです。ヤマトヌマエビは45mm以上まで成長しますが、ミナミヌマエビは大きくても20mm程度までしか成長しません。ほかにも、繁殖の難易度などにもそれぞれの特徴があります。

ヤマトヌマエビの飼育に適正な水温とは?

ヤマトヌマエビを飼育する上で、注意するべき点は水温です。ここさえ適切に管理することができれば、彼らは元気に育っていってくれることでしょう。

夏場と冬場に分けて、適切な水温と管理方法を紹介します。本種の飼育を楽しむ上で特に重要なことなので、よく確認して下さい。

飼育に適した水質について

アクアリウム内で元気に生活してもらうには、彼らに適した水質を設定してあげることが重要です。

ヤマトヌマエビは、中性から弱アルカリ性の水をよく好みます。水合わせをする際には特に注意してあげましょう。

また、適温は20度~30度程度となっています。急激な水温の変化には特に弱い生き物なので、その点には気を付けてください。

ここからは、水の入れ替え頻度や水温の管理について紹介していきます。

水の入れ替え頻度について

混泳させている魚種にもよりますが、1週間に1~2回程度は水を交換してあげてください。ヤマトヌマエビは大きく成長するため、その分排泄物の量も多くなり、これが水質に大きく影響してしまいます。

毎日行う必要はありません。しかし、これを怠ったり適当に済ませたりしてしまうと、混泳させている魚にも影響が出る恐れがあります。交換の際は徹底的に行いましょう。

目に見える大きなごみが浮いている場合には手で取り除いてあげてください。

夏の水温管理について

上で説明した通り、ヤマトヌマエビ飼育の際、20度~30度程度が適温となっています。かなり広い範囲の水温に適応できるので、夏場は水温を上げる必要がありません。

しかし、猛暑などにより水温が30℃を超えてしまう場合には注意が必要です。これ以上になってしまうと、ヤマトヌマエビが耐えられない可能性が出てきてしまいます。

対策として、一時的に保冷剤などで水温をゆっくり下げてあげるか、クーラーの導入も検討してみて下さい。

冬の水温管理について

冬場の水温管理ですが、夏場に比べて慎重に行わなくてはなりません。

ヤマトヌマエビは5℃程度の水温になら耐えてくれますが、決して適切な環境とは言えなくなってしまいます。ヒーターなどで適切な温度に整えることが、長くヤマトヌマエビを楽しむうえでは重要です。

ヤマトヌマエビの生態として、春から夏の終わりにかけて産卵します。その時が一番元気に動く時期でもあるので、その点を意識しながら飼育してください。

ヤマトヌマエビの飼育に必要なもの

ヤマトヌマエビを飼育するにあたり、必要な設備やアイテムなどがあります。水質の変化に弱い生き物ですので、特に気を付けなければならないものも多く、それらでしっかりと環境を安定させてあげることが重要です。

飼育前に必ず必要なものを確認しましょう。
  • 水草
  • 水槽
  • フィルター
  • ヒーター
  • クーラー
  • 流木
  • 底砂
  • 照明
  • 水質調整剤

水草

雑食性であり、植物質のものも好んで食べるヤマトヌマエビにとって、水草は非常に重要です。そのため、柔らかく、食べやすい水草を好む傾向にあります。

特におすすめなのは「ロタラ系」や「カボンバ」と言われるもので、これに属する水草は丈夫で長持ちします。「カボンバ」は背丈が高い水草であるため、ヤマトヌマエビの隠れ家にもなってくれるでしょう。

注意点としては、必ず農薬などの薬品が散布されていないものを選んでください。水草に薬品が付着していると、ヤマトヌマエビが水質の変化によって弱ってしまう可能性があります。

また、植え付けはしっかりと行いましょう。植え付けが甘いと、ヤマトヌマエビが水草を抜くこともあるようです。

水槽

ヤマトヌマエビはジャンプ力が高く、ある程度の段差なら登って水槽を脱出してしまいます。そのため、できるだけ蓋つきの水槽を使うようにしてください。

水槽のサイズは飼育頭数にもよりますが、できるだけ大きいものを選びましょう。これは水槽のサイズが大きいほど、水温の変化が緩やかになるためです。10匹前後ならば45cm以上の水槽が目安と言われています。

飼育スペースに余裕があるならば、混泳させている生き物によって少し余裕をもって選んでください。

フィルター

アクアリウム内の水質を安定させるためには、ろ過フィルターを導入することが一番手軽な方法です。ヤマトヌマエビは特に水質の変化に敏感であるため、ろ過機能の高い上部フィルターが適しているでしょう。

上部フィルターは、常にアクアリウム内のごみを取り除いてくれるため、水の入れ替え頻度を抑えてくれるという効果があります。最大限の効力を発揮してもらうため、ろ材は定期的に交換してください。

ヒーター

水質だけでなく、アクアリウム内の水温も無視できない問題となっています。特に冬場は、水温が急激に下がってしまう可能性があるので注意が必要です。

ヤマトヌマエビの場合は、水温が5度を下回ってしまうと活動を止めてしまうので、適正レベルになるまで上げるようにしてください。

クーラー

夏場でもある程度の水温管理が必要です。温暖な気候に適応しているためか、高い水温に対してはある程度の耐性はありますが、30度より上がらないよう気を付けましょう。水温を安定させるには、アクアリウム用のクーラーを導入してみて下さい。

ヤマトヌマエビが高水温に弱い理由として、バクテリアの活性化による酸素の不足も原因であるとされています。それが心配な方は、エアレーションの導入もおすすめです。

流木

流木は、アクアリウム内の光景に変化をもたらしてくれるだけでなく、そこに住む生き物たちの隠れ家として機能してくれます。特に、複数の種類を混泳させている場合はできるだけ入れてあげましょう。

流木をアクアリウム内に入れる際の注意点ですが、できるだけアク抜きを行ってください。アク抜きをしない場合、水槽内の生き物に害はありませんが、アクアリウム内が茶色く濁ってしまうことがあります。

現在はアク抜き済みのものが売られているので、手間をかけたくない場合はそちらを購入してください。

底砂

ヤマトヌマエビは基本的に川底で過ごす生き物です。そのため、アクアリウムに敷く底砂は重要でしょう。しっかり敷いてあげると、足場ができて踏ん張りがきくため生き生きと動き回ってくれます。

市場には、底砂として砂利と「ソイル」というものが流通していますが、ヤマトヌマエビを飼育するならば「ソイル」ではなく砂利を使用してください。ソイルには様々な栄養素が含まれており、それが溶出すると水質が弱酸性に傾く可能性があるからです。

砂利の大きさも多種多様ですが、そちらに関しては好みで選んで問題ありません。理想のアクアリウムに近づけましょう。

照明

ヤマトヌマエビの飼育自体に特別光が必要というわけではありません。しかし、エサとなる水草の生育のために、高いルーメン数の照明器具を導入しましょう。

とはいえ、あまり強力な光を発生させるものは必要ないので、気軽に選んでも問題ありません。

照明器具にも様々な種類がありますが、水草の生育を考えると赤色光と青色光を発生させられるものがおすすめです。また、8,000Kほどの光量があれば水草の生育が促進されるので、選ぶ際は参考にしてみて下さい。

水質調整剤

水質の調整はアクアリウムにとって特に重要な問題です。理想的な水質は弱アルカリ性から中性であるため、あまり酸性に寄るようなことはないようにしてください。徐々に弱っていってしまう可能性があります。

バクテリア剤やph調整剤などの種類がありますが、最初に使うなら塩素中和剤が手軽でしょう。これを使うことにより、水道水を飼育に適した水質に変えてくれます。特に固形のものは使用が簡単なため、初心者にも使いやすいでしょう。

ヤマトヌマエビの飼い方

ヤマトヌマエビはタンクメイトとして導入できますが、飼育に際して注意が必要な点がいくつかあります。特に繁殖させようと考えている場合には、特別な設備が必要なのでよく確認して下さい。

ヤマトヌマエビの餌について

ヤマトヌマエビは雑食性なので、様々なものを食べます。アクアリウム内では水草やコケを食べるため、あまり餌やりの必要はありません。逆に餌をあげ過ぎてしまうと、水質悪化の原因になる可能性があるため控えましょう。

水草がなく何かを食べているか不安な時は、魚用の餌を少しだけ撒いてください。別の生き物を混泳させている場合は、その生き物と一緒に餌を食べているでしょう。

ヤマトヌマエビと混泳できる生き物について

ヤマトヌマエビは比較的おとなしい性格であるため、他の生き物を食べる心配はありません。大型で肉食の種類ではない限り、たいていどの熱帯魚などとも混泳は可能でしょう。

小型でかつ遊泳層が被らない種類は中でもおすすめです。ネオンテトラやゼブラダニオといった種類は、特に派手でアクアリウムに彩りをもたらしてくれます。普段は上層を泳いでいるため、お互いのストレスになりにくく相性は抜群です。

ヤマトヌマエビの値段と入手方法について

ヤマトヌマエビは、ペットショップやオンラインショップなどで簡単に入手できます。値段は1匹100円程度なので、大きく元気な個体を選んでください。

関東以西と日本海側であるならば、5月から7月ごろに河川で捕獲できる可能性もあります。汽水域に到達できる場所が条件ですので、生息環境に注目して探してみましょう。

ヤマトヌマエビの繁殖について

生活サイクルの中で淡水、海水、汽水域の環境をめぐる本種の繁殖は、かなり難しいものとなっています。環境整備だけでなく、子供がプランクトン並みに小さいことや、的確なタイミングで世話をしなくてはならないことも難易度を上げている要因のようです。

ミナミヌマエビのように放っておいても簡単に増えるような種類ではありませんが、5年以上生きてくれるのでいなくなる心配はありません。一匹一匹を大切に飼育してあげてください。

ヤマトヌマエビを飼育するときの注意点

ヤマトヌマエビの飼育は、環境を整えてしまえばさほど難しいものではありません。適切な設備を導入し、水草や流木などで住みやすい場所を作ってあげればしっかりと育ってくれるでしょう。

適切に育てていく上での注意点をまとめていきます。美しい姿を長く楽しむため、細部まで気を付けて飼育していきましょう。
  • 水合わせはしっかりとする
  • 水草の農薬に注意する
  • 水質の変化に注意する
  • 飛び出し対策をする
  • 混泳では捕食されない相手を選ぶ

水合わせはしっかりとする

水質の変化に敏感な生き物であるヤマトヌマエビは、飼育を始める際の水合わせが何より大切です。これを怠った場合、数日で衰弱してしまう可能性が高いと言われています。逆に言えば、水合わせをするだけで、勝手にコケなどを掃除してくれるようになるでしょう。

水温やphの数値をしっかりと測定し、慣らしていってあげることが特に重要です。この作業だけは慎重に行ってください。

水草の農薬に注意する

アクアリウム内に植える水草も、導入の際には注意しましょう。買ったものの中には、農薬がまだ付着した状態のものもあります。ヤマトヌマエビは水草を食べることが多いので、この微小な量の濃度変化でも悪影響を及ぼすかもしれません。

農薬不使用の水草は、店舗やオンラインショップでしっかりと明記されています。ショップでは、エビが泳いでいる水槽のものを購入するのが確実でしょう。商品をよく確認し、生き物たちが健康に動き回る美しいアクアリウムを目指してください。

水質の変化に注意する

ヤマトヌマエビは餌などに手間がかからない分、水質には気を付けてあげなければなりません。

特に、夏場や冬場などの極端に気温が上下する季節には注意しましょう。直射日光に当たらない場所に水槽を置くなどして、できるだけ急激な変化を起こさないようにしてください。

また、これらの問題はヒーターやクーラーの設置で一気に解決します。定期的なメンテナンスをするだけで、アクアリウム内の環境を一定に保ってくれるでしょう。

飛び出し対策をする

基本的に砂利面を歩くように過ごしているヤマトヌマエビですが、登攀力が高いため脱走することがあるのです。水草や設備のポンプなどを足掛かりにして飛び出してしまった、という例も度々見られます。

蓋つきの水槽で飼育すればこの飛び出し事故を防げます。また、背丈の高い水槽を使うのもよいでしょう。本種はもちろん地上では長く生きることができないため、未然に防ぐための備えは完璧にしておいてください。

混泳では捕食されない相手を選ぶ

タンクメイトとして多大な人気を誇るヤマトヌマエビは、様々な種類の生き物と混泳させることが可能です。しかし、大型の肉食魚類などとは混泳させないようにしてください。

大型になる種類ではありますが、肉食でかつ大きくなるものからは捕食されてしまうかもしれません。混泳させる際は必ずヤマトヌマエビと同じ大きさか、それより小さいものを選んでください。

本種は雑食性ですが、獲物を狩って食べることはないので、小さい種類に関しての心配はありません。小型の熱帯魚などがいるアクアリウムには安心して導入できるでしょう。

ヤマトヌマエビを飼育するときは水温や水質に注意しよう

ここまで、ヤマトヌマエビの飼育方法をお伝えしてきました。必要な設備や混泳させてもよい生き物などの情報は参考になりましたでしょうか。

本種飼育する上で特に重要なことは、水温や水質を安定させ続けることでしょう。これができれば、長い間タンクメイトとして大活躍してくれます。

ヤマトヌマエビは餌やりの必要もあまりなく、アクアリウム内をきれいにしてくれるありがたい生き物です。熱帯魚の中に新しい彩りが欲しい方はぜひお迎えしてあげてください。
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