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ミジンコの寿命はどれくらい?餌に向く種類や繁殖方法について解説

「ミジンコを観賞魚の餌としてあげたいけど、どう飼育すればいいんだろう?」
「餌に向いているミジンコってどんな種類?」
「ミジンコの生態について詳しく知りたいな。」
など、観賞魚を飼っている人にとってはミジンコは身近であって知らないことも多いのではないでしょうか?

本記事では、ミジンコの種類やミジンコの採取方法、また採取したミジンコの飼育・繁殖方法まで幅広く紹介していきます。

この記事を読むことで、ミジンコを採取したけど知識がなくて飼育できなかった人や、繁殖させたいけどその方法が分からない方でも、飼育方法を知ることができるでしょう。

ミジンコについての知識を深めたい方や、実際にミジンコを飼育してみたい方は是非この記事をチェックしてみてください。

ミジンコはどんな生き物?



ミジンコは節足動物に含まれ、甲殻類に分類されます。肉眼でも見ることができますが、顕微鏡で見てみると目や触覚、心臓なども観察できます。場合によっては卵を蓄えている姿も見られるでしょう。

ちなみにミジンコは和名で名前の由来は微塵です。その由来の通りミジンコは体長約1.5〜3.5mmと、とても小さな生物です。こんなに小さいミジンコですが、実は遺伝子の数が人よりも多く、人間が約2万3000個に対し、ミジンコは約3万1000個もあります。

ミジンコの寿命



ミジンコの寿命は、環境にも影響されますが平均で約1ヶ月ほどです。オオミジンコの寿命は約4週間、一般的なミジンコで約3週間程、餌によく使われるタマミジンコは約20日程です。野生下にいるミジンコは他の生物に捕食されたりもするので、その寿命はもっと短いでしょう。

ミジンコはこの短い寿命の中で、成長し生殖活動を行います。ミジンコの寿命が短いにもかかわらずなぜ昔から絶滅していないかは、この成長スピードのおかげともいえます。

【種類別】ミジンコの特徴



ミジンコは動物性プランクトンです。細かい分類でいうとケンミジンコとカイミジンコはミジンコのカテゴリーに入りませんが、ここではミジンコと名前がつくものをミジンコとして紹介していきます。

ミジンコはそれぞれ泳ぎ方や体の形が違うので、慣れてくると見分けられるようになってくるでしょう。ミジンコの特徴を種類別に紹介していきます。

ミジンコ

ミジンコ科ミジンコ属に分類され、学名はDaphnia pulex、英語でいうとwater fleaで日本語だと水のノミになります。小学生の時、理科の授業でも見たことがあるのではないでしょうか。いわゆるミジンコといわれて想像する種類のミジンコです。

ミジンコの中でも大型の方で、体長は約2〜3mm程になります。泳ぎ方は第二触覚と呼ばれる腕のようなものを振って、バタフライするように泳ぐのです。大きな複眼と口元には小さな点のように見える単眼を有しています。

オオミジンコ

オオミジンコはその名の通りサイズが大きく、体長約5mm程まで成長する種類のミジンコです。他のミジンコよりもサイズが大きいため、肉眼でも内臓に分布している各臓器を観察できることがあります。

オオミジンコの体長はメスの方が大きく、オスはメスよりも赤みが強くなっています。

観賞魚を飼われている方には、稚魚やメダカ・金魚など小さな魚の餌として利用されることも多いです。

タマミジンコ

タマミジンコの体長は約0.7mm程です。サイズが小さいので分かりづらいですが、卵形をしており、二股の肛刺を有します。

他のミジンコに比べると、殻が柔らかく、消化がしやすいので、観賞魚の稚魚の餌として与えるのはおすすめです。

タマミジンコのメスはオスの頭より丸くなっており、オスは三角形に近い形をしています。また、第一触覚はオスの方が長くメスは棒状で目立ちます。

ケンミジンコ

ケンミジンコは正確にいうとミジンコのグループではなく、カイアシ類という種類に入ってきます。生息地は、淡水にもみられますが、海ではプランクトンとして重要な役割を担っています。大きさは約0.5mm〜1.0mm程です。

泳ぎ方はまるで犬かきをしているように、細い体のお腹に小さな足がたくさんついています。ぴょんぴょん跳ねるというよりは、ぴょーんといった感じで真っ直ぐ泳がずに、回るように泳いでいくのが特徴です。すばしっこいので、観賞魚の餌としては向きません。

ちなみに猫は条虫という寄生虫に感染する場合がありますが、これは条虫の卵をケンミジンコが食べ、そのケンミジンコを両生類が食べ、その両生類を猫が食べることによって感染します。

カイミジンコ

カイミジンコは貝殻のような殻に包まれていて、2枚貝のように丸みがあり可愛らしい姿をしています。体長は約1.0〜2.0mmで中型の分類に入り、特徴的な形なので比較的分かりやすいです。

お腹の隙間から脚のようなものを出し、田んぼや小川などの水の底をすいすいと泳ぎます。

カイミジンコの殻は硬く、消化に悪いので、稚魚が食べると消化不良を起こしてしまう可能性があります。与える際は気をつけてください。

餌に向いているミジンコの種類



ミジンコにはたくさん種類がいますが、その中でもおすすめなのはタマミジンコです。タマミジンコは小型で殻は柔らかく、小型の観賞魚や稚魚にとって消化しやすいからです。

また、ミジンコが観賞魚の餌に向いているポイントとして、ミジンコは生き餌なので、食べ残してしまっても水質が悪化しづらい点が挙げられます。水槽の透明度が下がる理由として植物性プランクトンの増加があげられますが、ミジンコはこれらを食べてくれますので水質を保つためにもおすすめです。

ミジンコが捕獲できる場所と捕獲方法

ミジンコは池や田んぼなど水の流れが少ないところに生息しています。日中は泥の中などにいて姿が見えない可能性もありますが、1日の中で、日の出や日の入りの時間になると上の方にあがってきますのでその時間を狙いましょう。

捕獲方法はシンプルで、水面に出てきているミジンコを非常に細かい網で掬うか、ペットボトルやコップなど隙間のない容器で水ごと掬いあげます。

捕獲する際の注意点として、田んぼは管理している方がいると思いますので、入る際には必ず許可をとるようにしましょう。

ミジンコの飼育に必要なアイテム

ミジンコは簡単に飼うことができ、観賞魚の餌などにもなりますので飼育するのもおすすめです。以下にミジンコを飼育する際に必要なアイテムとポイントを紹介しますので参考にしてみてください。

飼育容器

ミジンコの飼育容器ですが、基本はどのような容器でも構いません。バケツでもペットボトルでも、水が漏れなければ問題ありません。

本格的に飼育されたい方はトロ舟のような、底が浅くて幅が広い水量の入る容器を使用されている方もいます。100均などでも揃えられる取り扱いが簡単なプラスチックの水槽は、餌もあげやすくておすすめです。

アイテムを一つ一つ揃えるのが面倒な方は、セットになっている商品もありますので探してみてください。

エアレーション

ミジンコが住んでいる環境の水温は約10〜30度となっています。夏場は水温上昇により酸素不足になってしまいます。ミジンコは酸素不足になると赤くなりますので、赤くなったミジンコを発見した場合は直射日光を避けエアレーションを使うといいでしょう。

エアレーションを使う場合は、ミジンコにとってあまり水流を強くしすぎるのはよくないので、大きめの容器に移すか、弱めのエアレーションを用意しましょう。

ヒーター

観賞魚の餌でもよく飼育されるタマミジンコの代謝が活発になるのは、約26〜28度です。

低水温でも死滅してしまうことはないですが、10度以下になってしまうと冬場を越せる卵以外の親ミジンコは死滅してしまう個体もでてきます。冬場や気温が低い室内で飼う場合は、温度管理ができるヒーターを使用するのをおすすめします。

ミジンコの飼育の仕方

ミジンコの飼育は、基本的に餌と水温に気をつけていれば簡単に飼育することができます。

前述したように入手方法も比較的簡単な方なので、ミジンコが手に入った際は是非飼育方法について参考にしてみてください。

他の観賞魚同様、水道水のカルキ抜きは必要です。最低でも1日、くもりの日は2〜3日は屋外に置いておきましょう。

餌の種類と与え方

ミジンコは動物性プランクトンですが、自然環境下では植物性プランクトンのクロレラやミドリムシなどを餌としています。

自宅で育てるときは、青水(グリーンウォーター)が安価でおすすめです。グリーンウォーターは植物性プランクトンである浮遊性の珪藻などが繁殖している状態で、水の色は少し緑がかったようになります。グリーンウォーターを使う場合は、そのまま使わず細かいネットなどで濾してから使いましょう。

グリーンウォーターは直射日光に当てて育てますので、容器など劣化してひび割れしないように耐久性の高いものを使うといいでしょう。ドライイーストやエビオスなども餌として使えますが、水質の管理が難しく初心者にはおすすめできません。

最適な水温

ミジンコを飼育する際に適した水温は約20〜28度程です。ミジンコを飼育する際、採取した水と飼育環境用の水の温度が約10度以上違うなど極端に開きがある場合は、水温の違いによるショックでミジンコが死滅してしまいます。必ず水温は合わせるようにしましょう。

ちなみにミジンコは水流が安定していて、約20度以上の暖かい水温では単為生殖(クローン)を繰り返して繁殖します。逆に外の気温が下がり、水温が約18度よりも低い状態になってくると、クローンの中からオスのミジンコが発生し卵を作ります。

ミジンコを繁殖するには?

ミジンコは二つの繁殖方法を持っています。自分のクローンを次々と増やしていく単為生殖という方法と、オスがメスの個体と生殖活動を行い、休眠卵(耐久卵)を作る方法です。

どちらの繁殖になるかは、飼育環境で決まります。前述した水温が繁殖方法の違いに大きな影響を与えます。自宅でミジンコの繁殖をしたいのであれば、水温を暖かくしておけば単為生殖で次々と増えていくでしょう。

しかし、単為生殖にはできる回数に限りがあります。単為生殖ができない寿命を終えたミジンコが増えると、ある日急に全滅したということになりかねません。何年も長い期間繁殖させたい場合は、休眠卵を作る方法を混ぜることも検討しましょう。

ミジンコの休眠卵は適切な環境に置いておけば1年程保管できます。卵は冷凍保存ではなく、冷蔵で保管してください。

他の魚との混泳について

ミジンコは観賞魚の餌として用いられますので、他の魚と混泳すると食べられてしまいます。魚が食べる量よりもミジンコの数が多ければミジンコはへりませんので、完全にいなくなりません。

また、飼育している魚によりアルカリ性寄りを好む魚、酸性寄りを好む魚がいると思いますがミジンコの飼育環境は目安としてPH7前後がおすすめですので、そのあたりも注意していきましょう。

ミジンコを飼育してみよう!

ミジンコは田んぼの中や池、小川など人間の生活環境の中で見つけやすい生物です。また、安価で栄養が豊富なため観賞魚の餌にも適しています。

飼育に必要なアイテムも少ないため、気軽に飼育をはじめられるので、この機会に是非ミジンコを飼育してみてはいかがでしょうか。
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