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琉金の平均寿命は何年ぐらい?飼育方法や混泳などについても紹介

「琉金を飼ってみたいけれど、何年ぐらい生きるの?」
「金魚鉢で飼えるの?」
「他の金魚と一緒に飼っても大丈夫?」
華やかな琉金は人気の高い金魚です。

しかし、琉金を飼いたくても、どうしたらよいのかわからなくて困っていませんか。

飼い始めても、正しい方法を知らないと琉金を長生きさせることができません。

この記事では、琉金の寿命や長生きさせるコツ、飼育方法について解説しています。他の金魚の寿命や琉金の種類、混泳できる金魚についても紹介しています。

この記事を読めば、琉金にとって快適で長生きしやすい飼育環境を整えることができるでしょう。

これから琉金を飼おうと思っている人や、飼っている琉金がすぐ体調不良になってしまう人は、ぜひチェックしてください。

琉金の寿命は何年なのか


琉金は丸い体形と美しく長いヒレが特徴の観賞用の金魚です。メジャーな品種なので、見たことがある人も多いでしょう。

飼育しやすいことから初心者にも人気がある品種ですが、何年ぐらい生きるのでしょうか。琉金の寿命について見ていきましょう。

琉金の平均寿命

琉金の寿命は、平均して5年前後です。丸みの強い体形から転覆病にかかりやすいため、琉金は他の金魚と比べて比較すると短命な傾向があります。

転覆病の主な原因は消化不良です。ふっくらとした体が特徴の琉金は、大食漢で食べきれないほどの餌を欲しがります。食べたがるからと餌を与えすぎてしまうと消化不良を起こして長生きできません。

上手に育てるとどのくらい生きられる?

平均して寿命の短い琉金ですが、育て方によっては10年以上も長生きできます。

琉金を長生きさせるコツは、餌を与えすぎないことと、水質を管理してストレスのない環境を作ってあげることです。金魚は音や光にも敏感なので、水槽を置く場所にも気をつかってあげましょう。

快適に泳げる環境を作ってあげれば、琉金も元気に長生きしてくれます。

琉金以外の金魚の寿命

金魚には琉金以外にも多くの品種があります。品種によって形やヒレに独特の特徴があり、寿命の長さもさまざまです。

ここからは、琉金以外の金魚の特徴と、それぞれの品種の寿命について紹介していきます。

コメットの寿命

コメットは和金と琉金をベースにしてアメリカで品種改良された金魚です。和金に似た体形と琉金を思わせる長いヒレを持っています。

金魚の中でも丈夫な種類で、寿命は平均して5~10年です。値段が安く長生きするので、初心者でも飼育しやすいでしょう。

和金の寿命

和金はフナに似た形の金魚で、金魚すくいでよく見かけます。金魚はフナを品種改良して作られていますが、全ての金魚の始まりといわれている種類が和金です。

金魚すくいの金魚は長生きできないというイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。短い印象が強い和金の寿命ですが、実は平均して5~10年と金魚の中では長い方です。餌の量や水質に気を付けて飼育環境を整えてあげれば長生きしてくれます。

らんちゅうの寿命

らんちゅうは、ずんぐりした丸い体形と頭の肉瘤が特徴的な金魚です。体の大きさに対してヒレが小さく、背ビレもありません。

らんちゅうのベースは和金ですが、品種改良を繰り返して現在の姿になりました。観賞用として人気があり、品評会も行われています。

らんちゅうの寿命は平均して5~10年です。品評会用のらんちゅうは、餌を多く与えて体を急激に大きくしているため、内臓への負担が大きく短命になってしまいます。また、金魚の中でも特徴的な姿へと品種改良されてきた歴史から、個体が弱くなっていると考えられている種類です。

ピンポンパールの寿命

ピンポンパールは中国で琉金を品種改良した金魚です。大きな黒目と丸い体形というかわいらしい姿から、とても人気があります。

ピンポンパールという名前は、ピンポン玉のようなフォルムとパールを半分に切って並べたようなウロコから名付けられました。

ピンポンパールの寿命は平均して4~5年と短命です。琉金と同じく、体が丸いため転覆病にかかりやすいというリスクがあります。また、ウロコは一度剥がれたら再生しないため、傷にも弱い種類です。

出目金の寿命

出目金は琉金から派生した金魚で、名前のとおり体から大きく飛び出した目が特徴です。琉金に似た丸いフォルムに、長い尾ビレを持っています。

出目金の寿命は、平均して5~6年です。飛び出た目が弱点になってしまい、ぶつけた傷が悪化して短命になるケースが多くあります。水槽内の他の魚につつかれてしまうこともあるので、混泳させるときには種類を選びましょう。

ギネス記録に載っている金魚の寿命

世界で最長の寿命を持った金魚としてギネス記録に登録されているのは、イギリスのTishという金魚です。特別な金魚ではなく1956年に見本市の屋台で購入され、その後1999年まで43年間も長生きしました。

一般的な金魚は平均して寿命が5~10年ほどなので、比較すると4倍以上も長生きしています。人間の年齢に換算すると350才という大記録です。

琉金を長生きさせるコツ


琉金の体調不良は、気を付けるポイントをわかっていれば防ぎやすくなります。敏感な金魚ですが、きちんと注意して飼育してあげればその分長生きにつながるでしょう。

琉金の寿命を延ばして長生きさせるためのコツを説明します。

毎日観察する

琉金を長生きさせるには、ちょっとした変化でも気付いてあげることが大切です。そのためにも、毎日の様子を観察しましょう。

毎日見ることで、わずかな変化にも気が付きやすくなります。普段と違う動きをしているときは、体に傷が付いていたり体調不良になったりしているサインかもしれません。

早目に発見できれば治せる可能性も高くなって、長生きにつながります。

お祭りの金魚で注意すること

金魚すくいですくってきたばかりの金魚は、ストレスや酸素不足、餌不足で弱った状態です。長生きさせるためには、整った環境でゆっくり休ませてあげましょう。

金魚が新しい環境に落ち着くまで1~2日ほどかかるので、その間はのぞき込んだりせずに視線のストレスから解放させます。体力が落ちていて消化できないので、すぐに餌を与えずに2~3日経ってから様子を見て1~3粒ほどの少量ずつ与えていきます。

塩水浴を有効活用する

塩水浴とは、0.5%の塩水で金魚を飼育することで金魚の体調を整える方法です。淡水魚である金魚ですが、一時的に塩水に入れてあげることで体調不良の改善につながります。

金魚の体は約0.9%の塩分濃度になっているため、普段は体内の水分を排出して浸透圧を調整しながら泳いでいます。塩水浴によって浸透圧調整の負担を減らすことで回復力が上がるのです。

ただし、塩水浴の期間が長すぎると逆に体調不良になりやすくなってしまういます。1~2週間を目安に淡水に戻してあげましょう。

環境の変化に注意する

金魚は環境の変化に敏感です。水質や水温、光などを適切に調整しないと、ストレスを感じてしまいます。長生きさせるために、安定した快適な環境を整えましょう。

水質を綺麗に保つためには、定期的に水替えやろ過装置が必要です。また、一定の水温を維持するために、ヒーターも用意しておくとよいでしょう。直射日光の当たる場所や、エアコンの影響を受けやすい場所に水槽を置いてはいけません。

熱帯魚と比べて簡単に飼えるイメージが強い金魚ですが、安定した環境で飼育するにはきちんとした設備が必要です。手をかけた分、長生きにつながります。

餌の与えすぎに注意する

先ほど琉金の寿命について説明したように、琉金に餌を与えすぎると消化不良を起こしやすくなってしまいます。消化不良は転覆病を始めとするさまざまな不調の原因です。また、食べきれなかった餌が水中に残ることで水質も悪化します。

金魚は満腹中枢が鈍いため、餌をあげたばかりでもすぐに欲しがります。要求されるたびにあげるのではなく、量と回数、あげる間隔をあらかじめ決めておきましょう。実は、餌が少ない方が健康で長生きしてくれます。

過密飼育にならないよう注意する

水槽にたくさんの琉金が泳いでいる姿は華やかですが、過密飼育にならないように注意しましょう。自由に泳げるスペースが少なく他の魚にぶつかるようだと、ストレスが溜まってしまいます。

他にも過密飼育には、餌の取り合いや酸素不足、排泄物による水質の汚染とデメリットが多いです。琉金を飼うときは、水槽内に余裕のある数での飼育を意識しておきましょう。

琉金の生態と特徴について


金魚は品種によって体色や大きさ、ヒレの形に特徴があります。同じ金魚という生き物でも、和金と琉金は全く異なった性質です。ここからは、琉金の生態と特徴について説明します。

基本の体色について

琉金の体色には種類がありますが、基本は素赤と呼ばれる赤色か、更紗と呼ばれる紅白です。

素赤は琉金に限らず、金魚に多く見られる体色です。体が単色の赤で、ヒレや尾の先は白くなっています。金魚すくいの金魚の色というとイメージしやすいのではないでしょうか。

更紗は赤と白がまだらで入った体色です。琉金は赤の割合が多い赤勝ち更紗が好まれます。鑑賞用に向いている華やかな色です。

体の大きさについて

琉金は成長すると平均して10cm前後の大きさに育ちます。育つにつれて長くなるよりも丸みが強くなっていくため、金魚の中では小さい方です。

餌を多く食べさせることで琉金は大きくなり、上手に餌を与えれば20cmほどまで大きくなります。しかし、大きくなるほど体調を悪化させるリスクが高まるため、金魚の中でも大きく育てるのが難しい品種です。

名前のルーツは?

琉金の琉という字は、琉球から取られています。これは、江戸時代に日本に入ってきたルートに関係するものです。

琉金のルーツは、当時の中国で突然変異した和金を品種として固定した金魚です。中国から日本にやってくるときに琉球王国を経由して薩摩へと持ち込まれ、琉球の琉を取って琉金と名付けられました。

ヒレと色彩について

琉金は観賞用として品種改良が繰り返され、さまざまなヒレの形と色、模様が生まれています。それぞれの組み合わせを楽しめるのが琉金の魅力です。

産地や生産者によってヒレの形や色が異なり、観賞価値の高い琉金ほど人気があり高額で取引されています。特に模様の入り方は個体によって異なるので、自分好みの琉金を探してみてはいかがでしょうか。

琉金の繁殖について

琉金の繁殖適齢期は、オスは2~4才、メスなら3~5才です。水の温度が20℃以上になると繁殖行動を開始して、4~5月初旬ごろに産卵します。産卵用に水草や産卵ネットを水槽に入れておきましょう。

産み付けられた卵を放置すると親魚が食べてしまう場合があるので、卵を見つけたら別の容器に移動します。水温を20~25℃に保って、水中にポンプで十分に酸素を送り込んであげると1週間ほどで孵化します。

孵化した稚魚は、ブラインシュリンプをスポイトで与えるかグリーンウォーターで育てましょう。水質の悪化に注意しながら育てれば、2ヶ月ほどで金魚らしい姿になり自分で餌を食べ始めます。

琉金の種類

品種改良が繰り返されてきた琉金は、さまざまな種類が生まれています。ノーマルな琉金も美しいですが、色やヒレの形が改良された琉金は、また一味違う華やかさです。

琉金の種類とそれぞれの特徴を紹介します。

素赤

赤い体にヒレの先が白くなっている、スタンダードなカラーの琉金です。この赤色はウロコの色で、年齢を重ねた琉金ほど白っぽくなっていきます。

素赤の価値を決めるポイントは、色の濃さと尾ビレの長さ、それに体の丸みと大きさです。琉金の中でも安価に手に入る品種ですが、濃い赤色で知られる飯田琉金はブランド琉金として高値で取引されています。

黒琉金

黒琉金は琉金の中では珍しい品種で、ホームセンターなど一般的なお店では見かけることがありません。

黒と銀色が混ざった薄墨のような色が多く、お腹の周りは金色のような薄い色です。年齢を重ねると体の色も薄くなっていき、茶色へと変化していきます。

稀に出目金のように真っ黒な個体もいますが、とても貴重なため高額で取引されています。

白琉金

白琉金は名前のとおり体が白い琉金です。全身が真っ白な個体は珍しく、白い体色をベースとしつつ頭など体の一部に赤色が残っています。

体の色素が抜けたアルビノと混同されがちですが、アルビノの目が赤いのに対して白琉金の目は黒です。アルビノと比較すると白琉金の方が丈夫ですが、一般的な琉金よりも弱い傾向にあるため飼育が難しい品種です。

更紗琉金

更紗琉金は、素赤と並んでスタンダードなカラーの琉金です。透明なウロコの上に赤と白の両方が入っています。メリハリのある紅白カラーが目出度いと、観賞用として人気の品種です。

更紗琉金のブランド琉金として、濃い赤色の飯田琉金とラクダのコブのように背中が盛り上がったキャメルバックという体形を持つ平賀琉金が有名です。

桜琉金

桜琉金も更紗琉金と同じく赤と白のカラーを持った琉金です。更紗琉金の色がウロコに入っているのに対して、桜琉金は体自体に赤と白の色が入っています。

桜琉金は透明なウロコと普通のウロコが混ざっています。モザイク透明ウロコと呼ばれるウロコです。このウロコ越しに色が見えるため、更紗琉金よりも淡い色に見えます。

ショートテール琉金

ショートテール琉金は、琉金の丸い体形はそのままに尾ビレだけを短くした品種です。体の丸さがより際立つことと、ちょこちょこ泳ぐかわいらしい動きで人気があります。

元々は、尾ビレの長さが規格外だとして市場に出る前にハネられていた琉金です。徐々に魅力が広まって流通されるようになりました。

ブロードテール琉金

ブロードテール琉金は、まるでスカートのように大きく広がるゴージャスな尾ビレを持った琉金です。他の琉金と比べて尾ビレの切れ込みが浅く、成長するにつれて幅広く育っていきます。

高値で取引される高級な品種ですが、美しく見ごたえのある姿から人気の高い品種です。

豆琉金

ノーマルな琉金をあえて小さく育てた品種が豆琉金です。小さな水槽で育てると大きくなりにくいという金魚の性質を生かして、小型に育てています。

小さな水槽で飼育できるので、大きな水槽を設置するスペースがないという人でも飼いやすい品種です。ただし、通常サイズの琉金と同じくストレスに弱いので、余裕を持って泳げるスペース作りと水質管理に気を付けましょう。

キャリコ琉金

キャリコ琉金は、くすんだ紺色のような浅葱色のベースに赤と黒が混ざった3色のまだら柄が特徴です。体自体に色が付いていて、桜琉金と同じくモザイク透明ウロコを持っています。大人しい性格で買いやすく、華やかさを楽しめる琉金です。

キャリコ琉金は、琉金に三色出目金を掛け合わせた品種です。明治時代にアメリカ人の依頼により日本で作出されました。キャリコという独特の名前は、英語でまだらという意味のcalicoに由来しています。

もみじ琉金

もみじ琉金は、埼玉県の吉岡養魚場がオリジナルで品種改良した琉金です。紅葉のような深い深紅の体色と、その上にかかる網目透明鱗というウロコが特徴となっています。

網目透明鱗は1枚の中に光る部分と光らない部分が混在していて、連続すると編み目のように見えるウロコです。

だるま琉金

だるま琉金は、琉金の特徴である丸い体形をさらに丸くなるように改良した品種です。胴体が短く、頭から背ビレにかけての立派な盛り上がりがだるまに似ていることから、だるま琉金と呼ばれています。

尾ビレも短く改良されていて、体の大きさに対してちょこんとした尾ビレがかわいらしいと人気です。

ショートテール琉金と同じ品種として扱われることが多くありますが、体形や産地で区別する場合もあります。

琉金の飼育に必要なもの

琉金を飼育するときは、特別な設備は必要ありません。金魚や熱帯魚を扱っている店舗で購入できる、一般的な水槽セットで大丈夫です。とはいえ、最低限必要なものはあります。

琉金を飼育するときに必ず用意しておきたいものと理由を説明します。
  • 水槽
  • 水槽の蓋
  • 水温計
  • 蛍光灯
  • フィルター

水槽

丸い体形が特徴の琉金は、横から鑑賞した方がより形を楽しめます。透明度の高い熱帯魚用の水槽がおすすめです。琉金の平均サイズは約10cmなので、それほど大きな水槽は必要ありません。1匹なら30cmの水槽で十分でしょう。

目安として、45cmなら3匹、60cmなら5匹ほどの飼育に向いています。大きいサイズに育てたいなら、水槽も大きくした方が育ちやすいです。1匹でも45cmの水槽を準備しましょう。

水槽の蓋

水槽の蓋には魚の飛び出し防止という役割がありますが、琉金は泳ぎが苦手なために飛び出す心配がありません。しかし、琉金を飼育する水槽にも蓋はあった方が便利です。

蓋をしておけば、ホコリなどの異物が水面から入りません。エアレーションによる水槽周りへの水撥ねも防いでくれます。

また、蓋をすることで水槽の水の蒸発を防げることも大きなメリットです。特にヒーターを使う冬場は、想像以上に水槽の水が蒸発しやすくなっています。保温の効果もあるので、冬は蓋をしっかりと閉めておきましょう。

水温計

忘れられがちですが、琉金の飼育には水温計が必須です。琉金に限らず金魚は水温の変化に敏感なため、水温が低すぎると活動できなくなってしまいます。また、1日の間に水温が上下しすぎるのも体調不良を起こす原因です。

水温計を設置したら、忘れずに毎日チェックしましょう。測り方が複雑だと面倒になってしまうので、見やすいデジタル表示の水温計がおすすめです。また、水温計は水換えの度に外さなければいけません。取り付けと取り外しが簡単な水温計を選びましょう。

蛍光灯

水槽に蛍光灯があると、水槽の中が見やすくなります。琉金がより美しく見えるだけでなく、体色を観察しやすくなって体調不良に早めに気付くことができるでしょう。

また、蛍光灯には琉金の体内時計を整えるという重要な役割もあります。昼間の活動的な時間は点灯し、夜間は消して暗くすることで人間と同じように体調が整いやすくなるのです。

蛍光灯を長く点灯しておくと、琉金に体内時計が狂うだけでなく水槽に苔や藻が発生しやすくなります。8時間を目安に消すようにしましょう。

フィルター

琉金を飼育しやすい30cmや45cmの水槽におすすめなのが、投げ込み式フィルターか外掛け式フィルターです。60cm以上の大型水槽になると、ろ過能力の高い上部フィルターが適しています。

投げ込み式フィルターは、水中に沈めてポンプの水流で水をろ過するフィルターです。簡単に設置できて安価なので使い勝手がよい反面、水槽に直接入れることから見た目を気にする場合は向いていません。

外掛け式フィルターは、水槽の縁に引っ掛けて設置するフィルターです。ろ過のときに水流が発生するため、琉金の飼育に使うなら水流の弱い商品を選びましょう。

琉金の飼育について


琉金を飼育する前に、琉金に適した環境も知っておきましょう。琉金は環境変化に敏感なので、水温や混泳させる金魚にも気を使わなければいけません。

琉金の飼育について、飼う前に知っておきたいことを紹介します。

飼育に適している水温

琉金が快適に活動できる水温は、18~28℃です。琉金を含めた金魚は冬の寒さに強く1℃の水温でも越冬できますが、10℃以下の水温になると動かなくなってしまいます。

また、水温が低いと消化機能も低下するので、20℃以上の水温を目安にするとよいでしょう。水温が20℃以上あると、しっかりと餌を食べて消化してくれます。冬も元気な姿を鑑賞するためには、ヒーターが必要です。

ヒーターを使う場合は、年間を通じて同じ水温に設定するのではなく、季節に合わせて水温に差を付けましょう。活動しやすい水温の範囲内でメリハリを付けることで、琉金が長生きしてくれます。

餌について

大食漢の琉金は餌の好き嫌いが少なく、与えた餌を嫌がらずに食べてくれます。特別な餌を用意しなくても市販の餌で大丈夫です。

餌には水に浮くタイプと沈むタイプがあります。泳ぎが苦手な琉金は浮いている餌をキャッチしにくいので、沈むタイプの餌を用意するとよいでしょう。沈んだ餌をゆっくりと落ち着いて食べることができます。

琉金は食べ過ぎで消化不良を起こしやすいので、餌の量は少な目にしましょう。特に水温が低いと消化能力も低下します。琉金は食べきれない量を要求するので、欲しがるだけ与えずに量と回数の調整が大切です。

かかりやすい病気は?

琉金特有の丸い体形が影響してかかりやすいのが、泳いでいるときにバランスが取れなくなって浮いてしまう転覆病です。消化不良が原因で起こります。また、転覆病以外にかかりやすいのが白点病と尾腐れ病です。

白点病は全身が白い点で覆われます。水温の影響を受けやすく、上下が5℃以上あったり、15℃以下の日が続いたりするとかかりやすいです。

尾腐れ病は、水質の悪化が原因でヒレの先端が溶けてしまいます。水中に原因となるカラムナリス菌が発生することで引き起こされるので、定期的に水替えすることで予防できます。

入手場所と値段

鑑賞用として人気のある琉金は、販売している場所が多く手に入れやすい金魚です。専門店だけでなく、金魚を扱っているホームセンターでも購入できます。近くに取り扱っている店がない場合は、インターネット通販でも扱っているので探してみてはいかがでしょうか。

値段の目安は、ノーマルな琉金なら5cm前後のサイズで200~300円、ブランド琉金で500~800円ほどです。ブロードテール琉金のような高級品種は、5,000円以上で取引される場合もあります。

琉金と混泳可能な金魚の種類

のんびりとした性格で泳ぎが苦手な琉金は、同じようなペースでゆっくりと泳ぐ金魚と混泳させましょう。らんちゅうや出目金、オランダ獅子頭などオランダ型と呼ばれる金魚との混泳がおすすめです。

和金のように体の細いフナ型の金魚は、泳ぐのが早いので琉金との混泳には向いていません。泳ぎのペースが合わないだけでなく、餌を先に取られてしまって食べられないという問題が発生します。

また、琉金よりも泳ぎが下手なピンポンパールとの混泳もおすすめできません。逆にピンポンパールが琉金に対してストレスを溜めてしまいます。

琉金を飼育するときの注意点


水槽など必要なものを揃えたら、いよいよ琉金の飼育開始です。購入するときの琉金の選び方や水槽内のレイアウトにも気を付けなければいけないポイントがあります。

琉金を飼育するときの注意点について解説します。

購入するときは個体をよく観察する

琉金を購入するときは、色や柄だけではなく観察しておくべきポイントがあります。まずは泳ぎ方です。元気がなく泳ぎ方がおかしい個体は、弱っている可能性が高いです。頭が下がって尾が上を向いているなら、転覆病の前兆かもしれません。

次に、琉金ならではの特徴がしっかりと現れているか観察しておきましょう。体の丸みと高さ、長く美しいヒレが琉金の特徴です。ヒレが欠けていたり破けたりしている個体は、体調不良の疑いがあります。きちんと観察して元気な琉金を購入しましょう。

水槽内のレイアウトはシンプルなものにする

美しい姿の琉金を飼育するなら、水槽の中も凝りたいと思う人が多いでしょう。しかし、複雑なレイアウトにすると琉金が自由に泳げるスペースが減ってしまい、ストレスを与えてしまいます。

水槽の中を飾るなら、泳ぐときにヒレを引っ掛けないように背の低い水草や流木がおすすめです。金魚は水草がなくても飼育できるので、無理に水草を入れる必要はありません。琉金が快適に泳げるようなレイアウトを心がけましょう。

水流に気を付ける

琉金は強い水流が苦手な金魚です。普通の金魚では問題ない水流でも、泳ぎの苦手な琉金にとっては辛い環境になってしまいます。

水槽を設置したら、エアレーションや外掛け式フィルターによる水流の中で琉金が無理なく泳げているか必ず観察しましょう。流されているようなら、水流を弱くする対策が必要です。

水温が高い時期は問題がなくても、動きが鈍くなる水温の低い時期は体力を消耗している場合もあります。毎日観察して、水流が強すぎるようなら早めに気付いて対策してあげましょう。

寿命を理解して琉金を飼育してみよう


飼育しやすく美しい姿が楽しめる琉金は、平均寿命が5年前後です。しかし、水温や水質などの飼育環境を適切に整えれば、琉金の寿命を延ばすことにつながります。

もう一つ、琉金を飼育するときに大切なのは、細かく様子を観察してあげることです。体調不良に早く気付いてあげることで、回復する可能性が高くなります。

手をかれば、それだけ琉金の寿命を長くすることにつながります。琉金が快適に泳げる環境を整えて、長く一緒に過ごしましょう。
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