cms-import-animaroll-wp

スネールの卵はどうやって除去する?タニシとの違いや種類についても紹介

「水槽にスネールの卵を見つけたけれど、駆除したほうがいい?」
「スネールって、なんの貝?」
「スネールはタニシとはどう違う?」
熱帯魚やメダカを長年育てていても、毎回スネールには頭を悩ませている人も多いのではないでしょうか。初心者なら、スネール自体を知らない人もいると思います。

スネールが貝だということは知っていても、他の貝との違いや水槽にどんなメリットやデメリットがあるか知る人は少ないです。

本記事ではスネールの卵や成体について、発生する原因と対策、駆除方法について、詳しくお教えします。

これを読めばスネールの実態が分かり、すぐにでも対処できるようになります。脅威の繁殖力ですので、記事を読んだあとは早急に対策をして、美しい水槽を保てるようにしてください。

スネールってなに?



スネールとは、観賞魚水槽などで見られる数種類の巻き貝を総称する呼び名です。生命力が強く、飼い主が迎えたわけでもないのに、気がついたらいることが多いので、アクアリウムの中でも厄介者扱いされることがほとんどです

スネールの種類

スネールとは、体長2センチ程の小さな貝のことを指します。これから紹介するのが主な3種です。

どれも繁殖力が強いので、気がつくと水槽がスネールまみれになることもあります。一度増えてしまうと、手が付けられなくなるところが嫌われる理由の一つになっているのです。

サカマキガイ

サカマキガイとは、多くの巻き貝と殻が逆に巻いていることからその名が付いています。多くが右巻きなのに対し、サカマキガイは左巻きです。

小さくて透明の殻をしているので、一見可愛らしいのですが、どんどん増えてしまうので厄介者とされています。

水槽のコケを食べてくれるメリットもあるのですが、景観が崩れる点ではサカマキガイが増えるのも同じくらいのデメリットになってしまうのです。

カワコザラガイ

カワコザラガイは、河川や用水路などに生息している貝です。

サイズは3ミリ程度と小さいので、水草を食害されるほどではありませんが、やはり短期間に繁殖してしまいます。飼っていてもメリットがなく、増えれば駆除も厄介なので、嫌われています。

モノアラガイ

モノアラガイは大きさが3センチ程度で、田んぼや淡水の池などに生息しています。

以前はどこにでも多く生息していましたが、現在は環境が激変したため、地域によっては珍しい生物となりました。

大きさがサカマキガイと似ていますが、殻は右巻きです。多い時は一度に100個以上の卵を産卵し、2週間程度で孵化するので、あっという間に増えてしまいます。

スネールとタニシはどう違うの?

スネールをタニシと間違えている人が多いようですが、違う生き物です。スネールは卵を産むのに対し、タニシは稚貝の状態で産まれます。タニシは成長すると5センチほどにもなるので、見た目も大きいです。

日本在来のタニシの繁殖力は、それほど強くありません。

餌の食べ残しを掃除したり、コケを除去したりしてくれるので、水質を良くする目的で飼う人も多くいます。

スネールはいない方がいい?

スネールは悪い生き物ではありません。メダカや熱帯魚の水槽で、スネールが魚や卵を食べることはなく、危害を加えたりすることもありません。

でもそれは、数が少ない場合の話です。繁殖して数が増えると、水質の悪化に繋がったり、景観を損ねたりします。

また先ほど記載しましたが、数が少なければ水草が荒れることはありませんが、数が多ければ食べる量も増えるので、早めの対策が必要です。1匹見つかるとあっという間に繁殖し、その後の駆除も難しくなるので、結果的にいない方が良いとされています。

スネールが増える理由とは

スネールは小さく透明なものもいるので、成体も卵も全てを見つけ出すことは困難です。泡と見間違えることもよくあります。

ショップなどで購入した水草に、卵や小さいスネールが付いていることに気づかず、水槽に入れてしまって大量発生に繋がることがほとんどです。

スネールは1〜2日おきに数百近い卵を産むので、見つけたら出来るだけすぐに駆除しましょう。

スネールの卵が発生したら

スネールの卵を発見したら、その時点で取り除いていけば、大量発生に繋がる前に予防することができます。

数が多くなければ慌てることはありませんが、早く対策するに越したことはありません。

スネールの侵入経路



スネールの侵入経路は主に2つあります。1つは先ほども述べた通り、購入した水草に卵や成体がついている場合です。

もう1つは、メダカなどの魚のヒレに、スネールの稚貝がついている場合です。

水草についている場合、全てを見つけることはとても難しいですが、魚のヒレは水槽に入れる前に気をつけて観察していれば防ぐことが可能です。

卵の孵化日数はどれくらいか

スネールの卵は、産卵後2週間程度で孵化します。水温が低い場合、孵化までの日数はもう少しかかります。

稚貝から産卵できるようになるまでの期間は、2ヶ月程でしょう。これからも分かるように、非常に早いスピードで増殖してしまうのです。

スネールの卵を除去する方法



スネールの卵は、数が多くなければ簡単に除去できますが、数が増えてしまうとそうもいきません。また常に見張っていなければならないのも、とても大変です。

除去する方法は大きく分けて3つあります。ぜひ試してみてください。
  • 手作業で除去する
  • 乾燥させる
  • 食べてくれる生体を導入する
  • 薬で除去する

手作業で除去する

卵の数が少ない場合、手作業で除去する方法が効果的です。

道具はスクレイパーというヘラ状の器具を使います。これでガラス面についた卵を削ぎ取っていくのです。

せっかく取れた卵が底に落ちてしまうと、見つけづらくなってしまうので、削いだ卵を受けられるように網をセットしてから作業するようにしてください。

乾燥させる

卵を探し出して一つひとつ除去していく方法は、先が見えないので気が遠くなりますね。

水槽を一度リセットして、全ての機材を乾燥させてしまう方法は、スネールをいっぺんに根絶させるのに適した作業です。

スネールの卵はゼリー状の物質で覆われているので、多少の乾燥には耐えてしまいます。機材をしっかりと乾燥させることが重要です。

おすすめは、魚や水草などの生物以外のものを、60度位の熱湯に5分間つけてから、1日以上天日干しをする方法です。全滅に近い状態まで除去することができます。

食べてくれる生体を導入する

スネール除去を一人で行おうと思うと、時間も労力もかかるので、水槽内で退治してくれる生体におまかせする方法もあります。

例えば、コケ取りとして知られているオトシンクルスは、スネールの卵もコケと一緒に食べてくれます。水槽内の卵を全滅させてくれるわけではありませんが、このような生体を一緒に飼育していれば、時間はかかりますが確実にスネールの数は減っていきますよ。

薬で除去する

薬剤を使ってスネールを駆除する方法もあります。

スネールバスターは粉状の薬剤で、水槽に入れても熱帯魚やエビ、水草への害はありません。スネールなどの貝類には効果的面で、水草を水槽に入れる前に、これで薬浴するのもおすすめです。

スネイルカットも効果の高い薬剤ですが、水草によっては影響が出ることがあります。水草が入っている水槽の場合はおすすめできませんが、そうでない場合は薬剤を投入して10日程度でスネールが減っていきます。

気をつけていただきたいのは、スネールの死骸をそのまま放置しておくことです。死骸は有害物質を発生させるので、見つけ次第取り除くようにしてください。

スネールを駆除する方法

次に、卵ではなく稚貝や成体になってしまったスネールの駆除方法についてお教えします。

卵自体を除去してしまえば、増えることはありません。しかし卵はとても小さいので、根絶するのは難しいのが実状です。

どんなに今スネールを除去できたとしても、水草を追加したり、新たに魚を投入したりしたときにスネールが入ってしまうことも考えられます。

スネールの成体除去の方法もあわせて知っておくと、今後のアクアリウム生活にも役に立ちますよ。
  • 繁殖しにくい環境を作る
  • 生き物の力を借りる
  • 道具を使って除去する

繁殖しにくい環境を作る

ここからはスネール自体を増やさない対策をお教えします。

スネールが嫌がる環境を作ることで、繁殖を防ぎます。この環境を維持できれば、スネールも自ずと減るので、少し時間はかかりますが、確実に効果が見られます。

コケの発生を防ぐ

スネールはコケを食べて成長します。そのコケがなければ繁殖も成長も抑えられるので、掃除を念入りに行いましょう。

コケが水槽についていると、景観が失われるデメリットもあるので、美しさを保つ上でも掃除は必須です。

水槽の大掃除を行う

先ほども紹介しましたが、水槽をリセットする方法もスネールが増えない環境にするためにできる対策です。でも、リセットとなると時間と費用がかかります。

大掃除なら、今使用している水草や流木などのレイアウトを一新する必要はありません。レイアウト用品を洗剤で洗ってから天日干しをします。この時も完全に乾燥させることが大切ですので、1日以上は紫外線に当てるようにしましょう。水草は薬浴します。

水槽のリセットではないので、全てを一新させなくて良く、水槽内の定着したバクテリアを死滅させずに済むという点でメリットがあります。ただ、掃除の際に水の中にスネールの卵が混ざることもあるので、一緒に水換えも行いましょう。

弱酸性の水槽

スネールは弱アルカリ性の硬水を好みます。水質を弱酸性の軟水に変えることで、スネールにとってミネラル分が不足し、殻を新たに形成しづらくするので、繁殖力を下げる効果があります。

ただし、水質を弱酸性の軟水に変えることで、飼育している他の魚にとっても良くない水質になってしまう可能性があることも、頭に入れておきましょう。

はっきり、水質を変えても影響がないことがわかった上で行うには効果的ですが、難易度の高い対策と言えますので、気をつけてください。

生き物の力を借りる

スネールの駆除でも簡単な方法は、駆除してくれる生体の力を借りるという方法です。

忙しくて時間も手間もかけられないという人にはおすすめですので、具体的に撃退してくれる生き物を紹介します。

キラースネール

キラースネールは、マレーシアなどに生息する巻貝です。体長は3センチほどで、茶色と黄色のストライプ模様をしています。

名前の通りスネールを捕食して生きるので、スネールが大量に繁殖してしまったときに入れると、非常に強い味方となってくれます。また、稚貝や小さな貝しか食べないので、エビなどを一緒に飼育している人にもおすすめです。

キラースネールは、自分と同じ大きさや、それより大きいものは食べませんが、しっかり効果が実感できるでしょう。

オトシンクルス

卵除去の際に少し紹介しましたが、オトシンクルスは、ドジョウの仲間で主に南米に生息しています。口が吸盤のようになっていて、ガラス面についたコケなどを食べてくれます。

オトシンクルスは本来藻食なのですが、ガラス面についているスネールの卵も一緒に食べてくれます。スネールの卵だけを捕食し、孵化した後のスネールは食べません。でもスネールの餌になるコケを食べるので、スネールの数を増やさずにすむ点で、スネール成体に対してもおすすめです。

アベニーパファー

アベニーパファーはインド原産の淡水フグの仲間です。貝を好んで食べるので、スネール駆除に役立ってくれます。

気をつけたいのは、エビを混泳している場合です。アベニーパファーはエビも好んで食べてしまうので、気をつけてください。一緒に入れる場合は、エビが逃げられる場所をたくさん確保してあげてからにしましょう。

チェリーバルブ

チェリーバルブはコイ科の熱帯魚で、大きさは4センチ程度です。真っ赤な色が特徴的で、熱帯魚ショップでもかなり目立ちます。性格は温和なので、同じくおとなしい魚との混泳にも向いています。

こちらもスネーク駆除に向いていますが、エビも大好物なので、エビを飼育している人には注意が必要です。一緒に飼育する場合には、エビの隠れ家を作ってあげてください。

クラウンローチ

クラウンローチは東南アジアに生息している、ドジョウの仲間です。黄色に黒のストライプが美しい熱帯魚です。自然界では30センチ程にもなる魚ですが、水槽が大きくなければ、成長も10センチ程度で止まることが多いです。

スネールの貝殻は残りますが、中を出して綺麗に食べてくれます。エビも、口に入る大きさでなければ食べることはないと言われています。

比較的おとなしい上に、貝をよく食べてくれるので、スネール駆除としても人気が高い魚です。

トーマシー

トーマシーはギニア原産のシクリッドの仲間です。捕食量の多さから、スネーク駆除効果が高い魚ですが、気性が荒いところが難点です。

大食漢なので、スネールがいなくなると、自分より小さな魚やエビを追い回したりする習性があります。

他の魚やエビと混泳させる場合は、十分注意してください。

道具を使って除去する

市販されている捕獲器を使って、スネールを駆除するという方法もあります。

捕獲器に餌を入れて水槽に沈めてしばらく置くと、捕獲器にスネールが入るという仕組みになっています。手間はなく簡単な方法ですが、大量に発生してしまったスネールに対しては、効果は薄いので、他の駆除方法と併用するのがおすすめです。

スネールの卵を除去して綺麗な水槽を保とう

熱帯魚を飼っている人なら、誰もが綺麗な水槽を保ちたいと願っています。透明度が高い水槽だからこそ、スネールが増えると目立ってしまいますね。

スネール自体に害はないことは分かりましたが、放っておくと一気に増えてしまい、せっかくの景観が台無しです。

熱帯魚の体調管理に、観察は欠かせません。同時に水槽もよく観察し、スネールを見つけ次第除去するようにすれば、大量発生は防げます。まずは手作業から始めて、どうしてもスネールの数が増えて手間が多い場合は、生体や薬の力を借りると良いでしょう。

大切な水槽を守るため、日々のお世話を欠かさずに行ってくださいね。
モバイルバージョンを終了