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シュモクザメの危険性はどのくらい?事故を防ぐ方法についても紹介

「シュモクザメってどんなサメ?」
「人を襲う危険性はあるの?」
「シュモクザメ以外にも危険なサメは日本にいるの?」
サーフィンやダイビングをする人は、その名を聞いたことがあるでしょう。しかし、どんなサメかピンとくる人は少ないのではないでしょうか。

海水浴を楽しむ程度で海に出かける人にも知ってもらいたいのが、このシュモクザメです。日本近海にも生息しているので、出会ってしまう可能性もゼロではありません。

本記事では、シュモクザメの生態と、危険性について紹介しています。この記事を読めば、シュモクザメが実際はどのような性格なのか、また出会わないための対処法を知ることができます。シュモクザメ以外の危険なサメについても掲載しているので、参考にしてみてください。

シュモクザメは危険なサメ?

シュモクザメは、メジロザメ目シュモクザメ科に属しており、別名ハンマーヘッドシャークと呼ばれています。頭部は平たいT字型で、左右のせり出した部分に目がある特徴的な形をしています。

体長は大きいもので4メートル程にもなりますが、海水浴場などで目撃されているサイズは、小型とされる1.5メートル程のサイズがほとんどです。

この程度のサイズは、人を襲うことはほとんどないと言われていますが、2メートル以上の大型のサイズは人を襲うこともあるので、危険性がないとは言い切れません。

シュモクザメの種類や生態を知って、どの程度の危険性かを理解していきましょう。

日本近海に生息するシュモクザメの種類



シュモクザメとは、シュモクザメ科の総称です。世界では9種類が確認されていますが、日本近海で見られるのは、主に3種類と言われています。

種類によって頭部の湾曲部分や体の色が違いますが、大きさもほとんど同じなので、実際に泳いでいるところを見分けるのは、至難の業です。

アカシュモクザメの生態

アカシュモクザメは、体長2メートル程で、日本近海で最も多く見られます。頭部は波型にゴツゴツしており、中央部分はくぼんでいます。肌と肉の色味が赤いことから、アカシュモクと呼ばれていますが、外観でわかるほど赤いわけではありません。

浅い沿岸にも生息しているので、海水浴場の大人が立てるほどの浅瀬にいることもあるようです。数百を超える、大きな群れで泳ぐこともあります。

人を襲う例はほとんどなく、危険性は低いと考えられています。

ヒラシュモクザメの生態

ヒラシュモクザメは、大きいものは6メートルにもなる大型のサメです。頭部はほとんど湾曲が見られず、真っ直ぐに近い形をしています。

外洋性のシュモクザメで、人間と接触することはあまりありませんが、肉食性の大型種なので、人間を襲う危険性は高くなります。

ですが絶滅危惧種で個体数が少ないため、人への危害は確認されていません。

シロシュモクザメの生態

シロシュモクザメは、大きいもので5メートル程になります。頭部はアカシュモクザメに比べて、緩やかに湾曲しており、中央部分にくぼみはありません。このサメは名前通り、色が白く見えるのでシロシュモクと呼ばれています。

外洋性で、ダイビング以外で人間と接触することはほとんどありません。でも大型種であり、人を襲う危険性は十分に考えられます。

シュモクザメについての豆知識

意外かもしれませんが、シュモクザメは種類が多く、形に違いはありますが、どの種もほとんど同じような特徴を持っています。ここからはシュモクザメについて、もう少し詳しく説明します。繁殖時期や捕食しているものなど、生態を詳しく知ると、事故の予防にもなるでしょう。

また、シュモクザメ自体は悪い生き物ではありません。これまでの人間との関わり方を知れば、頭ごなしに嫌う対象でないこともわかるでしょう。

シュモクザメの名前の由来

魚は、似ているものが名前の由来になることが多いですが、シュモクザメも例外ではありません。

鐘を打ち鳴らすときに使う木槌を撞木(しゅもく)といい、頭部がこれに似ていることから、日本では撞木鮫(シュモクザメ)と呼ばれるようになりました。

英名のハンマーヘッドシャークも、ハンマー型の頭という意味なので、考えることは世界共通です。あまりにも特徴的な形をした頭なので、無理もありませんね。

シュモクザメの繁殖

サメは種類によって、お腹の中で卵をかえして産み落とすタイプと、卵のまま産み落とすタイプに分かれます。

シュモクザメは、卵をお腹でかえして、一度に30尾近い赤ちゃんを産みます。

シュモクザメの詳しい繁殖方法はまだはっきり解明されていませんが、単性生殖で出産したシュモクザメがいることも確認されています。

もともと、サメのメスは6ヶ月間オスの精子を体内で保存できることがわかっていました。でも、それとも該当しない、3年間オスと接触せずに出産したシュモクザメが確認されているのです。

シュモクザメの生態の研究は、現在も続けられています。

シュモクザメの食べ物

野生のシュモクザメの餌は、中型から大型の魚類です。歯も小さめながら鋭いので、しっかり肉食魚の口をしています。

水族館などの飼育下では、ぶつ切りにしたサバやブリ、イカを与えることが多いです。

アカシュモクザメはエイも捕食します。シュモクザメの頭部が他のサメに比べてロレンチーニ器官が非常に発達していて、海底付近のエイを探し出すことができるのです。エイは尾に毒針を持っていますが、アカシュモクザメには通用しません。

食材としてのシュモクザメ

高級フカヒレとして、シュモクザメも捕獲されてきましたが、現在は乱獲により個体数が減ってしまい、絶滅危惧種として扱われています。

今はワシントン条約で、シュモクザメ3種類は乱獲の規制対象に加えられています。

シュモクザメの性格

シュモクザメの性格は、基本的には臆病で大人しいと言われています。小型の時は数十から数百の群れで行動をしていますが、狩りをしたりするために群れているわけではないようです。なぜ群れを作るのか、今はまだわかっていません。

シュモクザメの群れを狙ってダイビングをすることがありますが、そこで襲われることはまずありません。でも全く危険性がないわけではないので、接近したり、追いかけたりするのは控えましょう。

2メートルを超える大型は、自分より小さい獲物を襲う習性があるので危険です。この場合も近づくのはやめましょう。

シュモクザメの危険性

シュモクザメは、積極的に人間を襲うことはないと言われています。これは今までのシュモクザメによる被害の報告が少ないことからもわかります。

だからといって油断して良いわけではありません。大きな群れで生活しているので、出会った時の迫力は危機迫るものがあります。水深1.5メートル程度の浅瀬を泳いでいることもありますし、知らずにシュモクザメを刺激していて、襲われることも考えられるでしょう。

また自分より小さな獲物を狙うので、人間より大きな個体は、さらに危険性が高くなります。

日本に生息するサメの種類と危険性

日本近海には、シュモクザメの他に大型の肉食ザメがたくさんいます。

中でもホホジロザメやイタチザメ、オオメジロザメは人を襲うことでも有名です。ホホジロザメは北海道から沖縄までの海域で、イタチザメやオオメジロザメは、比較的暖かい海での目撃例が多いです。

この3種はシュモクザメと違い、積極的に人を襲ってくるので危険性はさらに上がります。

近年は温暖化による海水温の上昇で、これらのサメが日本の全海域で見られるようになりました。また、数も非常に増えています。

サメとの事故を防ぐ方法

サメは昔から海に住んでおり、人間に危害を加えようと待ち構えているわけではありません。人間がサメの住む海に行って出会ってしまうだけなので、私たちができる限り未然に危険性を回避しましょう。

ここからは私たちができる、事故に遭わないための方法をご紹介します。

サメの目撃情報がある場所に行かない

基本中の基本ですが、サメの目撃情報があった海で、海水浴やサーフィンをするのはやめましょう。サメが寝ぐらにしている巣があると考えられ、出会う危険性もアップします。

サメが出没しやすい時間に海に入らない

サメは、早朝や夕方にお腹を空かせていることが多いので、この時間帯に海に入るのは危険です。

また、海水浴をする場合は複数で行うようにします。一人でいる方が、サメに襲われる危険性が高くなります。

サメに気づかれやすい色に気を付ける

サメは目があまり良くないので、獲物をはっきり判別できません。

光を反射するような白いものや、ギラギラとした派手なものを見ると、獲物と間違えて寄ってくるので、襲われる危険性が高くなります。

金属類、目立つ色のウェットスーツ、肌の極端な露出は避けるのが無難です。

サメに気づかれやすい臭いに気を付ける

サメは数キロ先の匂いにも大変敏感です。怪我などで流血した時は特に気をつけましょう。血の匂いには、1キロ先でも気づきます。

また当然ながら魚の血の匂いに反応します。近くで釣りをしている場所や、モリを使って魚を獲る場合も、餌と間違えて近づいてくる危険性があるので気をつけましょう。

サーフボードを使用する際には餌と間違われないように気を付ける

サーフボードに乗り、手を横へ出して漕ぐ姿が、アザラシと間違えられるという話をよく耳にします。サーフィン中にサメに襲われる事件が多発するのは、このためです。

白や色がはっきりわかるサーフボードを使用しない、サーフボードの上でバタバタしないこともサメに襲われる危険性を下げる重要な役割をしてくれます。

日本にも生息しているシュモクザメの危険性を理解しよう

人を襲うサメとして扱われているわけではありませんが、シュモクザメも大きく鋭い歯を持っており、危険性が高いことがわかっていただけたと思います。

面白い見た目で、水族館でも人気者です。実際に遭遇した場合に近づいて見たい気持ちは十分に理解できますが、やはり野生の生き物なので、何をするか分かりません。

人間がサメの領域に足を踏み入れていることを自覚して、海を楽しむようにしましょう。
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