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肺魚の種類と飼育方法って?|必要なアイテムや混泳についても解説

肺魚はとてもユニークな魚です。その事実もあり、飼育を考えている方も多いのではないでしょうか。しかし、ユニークであるからこそ飼育方法がわからない点も多いと思います。

この記事では、肺魚の特徴をはじめ、飼育方法などについて解説しています。

観賞魚は一般的に混泳させる傾向があります。肺魚も観賞魚ですが、残念ながら、混泳には向いていません。その理由についてもお伝えします。

本記事を読むことで肺魚を飼育する上で準備しなければいけないアイテムや注意点を知ることができます。また、現生する肺魚は6種類いますが、それぞれの特徴を知ることができます。

肺魚はどのような特徴を持っていて、種類によってどのような違いがあるのかを知ることは肺魚と一緒に過ごす時間を長くすることにつながります。どの肺魚がご自身に合っているのかを見極め、できるだけ長い時間を一緒に過ごすための準備をしていきましょう。

肺魚とは?

肺魚を飼育するにあたり、肺魚がどのような生物であるかを知っておく必要があります。飼育環境というのは人工環境であり、その環境が肺魚に合わなければ悲惨な結末を迎えることになります。

また、ペットとは家族であり、大切に育てるべき存在です。そのため、肺魚はどのような自然環境で暮らしているのかを知り、快適な環境を作り上げていきましょう。

肺魚の生態

肺魚は南アメリカやアフリカ、オーストラリアの河川に生息する淡水魚です

甲殻類や水棲昆虫を主に食べる肉食系の魚です。また、乾季になると「夏眠」という行動を起こします。「夏眠」とは水が少なくなる頃に土に潜り、乾季を乗り越えることを指します。中には、自分で粘膜を形成しカプセルのようなものを作る肺魚もいます。

肺魚の特徴

肺魚は肺呼吸し、鼻はありますが、胃はありません。

全長は100cm前後まで成長し、ウナギのように細長い体型を持ちます。しかし、これは成魚の場合であり、幼魚の場合はオタマジャクシのような体型を持ちます。孵化した時は鰓呼吸し、成魚になったときから肺呼吸ができるようになります。

肺魚の寿命

肺魚はとても元気な魚であり、10年から20年は生きると言われています。また、最大寿命は100年以上と言われています。

肺魚が元気と言われる所以はもう1つあります。それは元気すぎて水槽から飛び出してしまうことがあるためです。頑丈な魚ですが、水槽から飛び出したことによって死んでしまうこともあるため注意してください。

肺魚の繫殖方法

肺魚の繁殖はかなり難しいと言われており、その理由は2つあります。

1つは、肺魚の習性として、卵を産むために60cmほどの穴を掘るためです。場所を作るだけでも大変です。

もう1つは肺魚の雌雄を見分けることが難しいためです。また、この理由から派生することですが、雌雄の見分けが難しいため最低5匹以上を混泳させなければなりません。

肺魚の種類

肺魚は約4億年前から存在し、およそ280種類も存在していたことが確認されています。しかし、現存する肺魚は6種類のみとなっています。

現存する肺魚はオーストラリアハイギョ、ミナミアメリカハイギョ、アフリカハイギョの3つにわけることができます。種類によっても飼育する上で気をつけなければならない点があるため、肺魚を迎え入れる前に確認しておきましょう。

ネオケラトドゥス・フォルステリ

とても原始的な種類であり、体長も180cmほどになるため大型肺魚になっています。また、寿命が100年であるとも言われているため、かなり長い期間育てることを考えておきましょう。

なお、絶滅しないよう輸入に規制がかかっていたこともありましたが、2002年からは日本へ輸入できるようになっています。

プロトプテルス・エチオピクス・エチオピクス

生息地はアフリカのナイル川流域であり、20~30年ほど生きる肺魚です。さらに、肺魚の中でも大型で、最大2mほどにもなるため、飼育場所として十分な広さを確保してください。

体色や体型は、個体によって大きく異なります。購入する際には名前だけで決めないようにしましょう。

プロトプテルス・エチオピクス・コンギクス

プロトプテルス・エチオピクス・エチオピクスの亜種です。生息場所はアフリカのコンゴ川です。

プロトプテルス・エチオピクス・コンギクスはプロトプテルス・エチオピクス・エチオピクスとは異なり、体長が1mほどのため飼育環境としてはあまり大きなスペースを取りません。

しかし、体色は個体によって異なるため、飼育前によく確認しておきましょう。

プロトプテルス・アンフィビウス

アフリカに生息する肺魚です。プロトプテルス・アンフィビウスの大きな特徴は小さな体長で活発に泳ぐ点です。

現存する肺魚の中でもとても小さな肺魚であり、50cmほどにしか成長しません。また、皮膚が弱いため、水質が悪化するとすぐに体調を崩します。飼育上の課題は水質管理と言っていいでしょう。

プロトプテルス・アネクテンス・アネクテンス

あまり大きな肺魚ではなく、60cmほどの個体であり、アフリカに生息しています。

最大でも90cmほどにしか成長しないため、飼育環境としてのスペースはさほど広くしなくて問題ありません。

しかし、体色や模様が個体差のみならず、成長過程でも異なるため、飼育の楽しみの幅は広いと言えるでしょう。

プロトプテルス・ドロイ

茶褐色と細長い身体が特徴である、アフリカに生息する肺魚です。

体長は80cmほどまで成長し、肺魚の中では大型とは言えません。また、ゆっくりと成長するため90cm水槽で十分飼育することができます。

食が細い個体のため、食事風景を見ることは少なくなります。そのため、肺魚の食事シーンを楽しみにしている方にはあまりおすすめできません。

レピドシレン・パラドクサ

成長していく過程で模様が、ある程度決まった色に変化していく肺魚です。

南アメリカに生息する肺魚であり、1m程度の大きさに成長します。他の肺魚と比べて、ヒレが短いという特徴を持っています。

幼魚の頃は体色が黒く、黄色い斑点を持っています。成長していく過程で体色が灰色や茶褐色に変化していきます。

肺魚の飼育に必要なアイテム

肺魚を飼育する上で特別なアイテムは必要ありませんが、肺魚の習性などを考えると購入する際に注意しておくべきポイントがあります。

肺魚の特徴を鑑み、購入するアイテムの注意点を確認しておきましょう。なお、前述したように、肺魚は種類によって大きさが随分異なります。どの種類を飼育しようと考えているのかを想像しながら確認することをおすすめします。
  • 水槽
  • 水槽の蓋
  • ろ過フィルター
  • ライト
  • 底砂

水槽

肺魚には1mを超えるような大型魚もいます。そのため、水槽は120cm以上のものが推奨されています。水槽でなくとも、大型の衣装ケースでも飼育可能です。

肺魚は水槽に突進する場合があるので、ガラス製の水槽だと破損する可能性があります。そのため、アクリル製の水槽が好ましいです。

水槽の蓋

肺魚を飼育する水槽の上には蓋が必須です。

前述したように、肺魚は生命力が強く、水槽から飛び出してしまうことがあります。そのまま肺魚が悲惨な運命をたどってしまうことがあるため水槽の蓋が必須です。

なお、肺魚が呼吸できるように飼育容器の上5cm程度は空けておき、蓋の上には重石を載せておきましょう。

ろ過フィルター

肺魚飼育にとって非常に重要なのが水質管理です。この水質管理に欠かせないアイテムとしてろ過フィルターがあり、中でもオーバーフロー式のろ過フィルターがおすすめです。

ろ過フィルターにもいくつかの種類がありますが、オーバーフロー式はメイン水槽とは別にサブ水槽を設け、サブ水槽を丸ごとろ過に使う方式です。

ライト

肺魚のバイオリズムや水草の生育を健康な状態にするためにライトが必要です。

ライトは水槽のサイズによっても異なるため、肺魚のサイズや水槽のサイズに注意して購入しましょう。

また、照射時間が長すぎると肺魚のバイオリズムが狂ってしまったり、水草にコケが生えてしまい光合成がうまくいかなかったりする原因になります。そのためタイマー付きのライトの購入をおすすめします。

底砂

基本的に、肺魚の飼育環境としては底砂を薄く敷いた方がよいとされています。中には、底砂をしかないベアタンクがよいとされる種類もいるため、購入前にショップ側に確認するとよいでしょう。

肺魚が餌と一緒に底砂を食べてしまう恐れがあるため、ある程度の大きさで角がない底砂がおすすめです。また、底面ろ過を実施する場合は5cm以上の底砂が必要となります。

肺魚の飼育方法

肺魚を飼育するにあたり、どこで肺魚を購入するのかを知っておく必要があります。また、飼育する以上は餌がどうしても必要になり、餌の購入場所も確認しておくべきでしょう。

肺魚に限らない話ですが、前述したアイテムと餌を与えているだけでは十分な飼育とは言えません。飼育上の注意点を理解し、肺魚が長生きできるようにしましょう。

肺魚はどこで手に入る?

肺魚は熱帯魚専門店やネット通販で購入できます。毎年、春ごろに肺魚は輸入されています。

国内で養殖しているところはありませんので、海外で養殖されている個体か海外の野生個体のどちらかを購入することになります。

養殖かどうかによっても価格が異なります。

肺魚の餌は?

前述のとおり、肺魚は主に昆虫食です。そのため、コオロギや肉食魚用の人工飼料がおすすめです。コオロギのほかにもムキエビや鳥のささみなども食べます。

鯉と同様、肺魚には胃がないため、鯉用の餌を与えても問題ありません。また、餌が同系統のため鯉と肺魚は混泳に適していると言えます。

肺魚の飼育に適した水温

肺魚は低水温に強い魚です。しかし、水温が20度以下になると元気がなくなってしまうため、およそ25度から30度が適温とされています。

冬は水温が下がってしまうためヒーターを入れて、水温の管理をする必要になります。また、水槽内がすぐに汚れてしまうため、週に1回、1/3ほどの水を入れ替えるようにしてください。

水位は低めにする

水位が高すぎると肺魚は溺死します。これは、肺魚が肺呼吸しかできないためです。よって、肺魚を飼育する環境は水位を低めにして空気を取り込みやすくする必要があります。

空気を取り込むためのスペースとしては、肺魚が水面に口を出せるだけの広さがあれば十分です。そのため、5cm~6cmほどのスペースを水槽内に設けてください。

肺魚の飼育で気を付けるべき点とは?

ここまでは肺魚の特徴や生態、その点を踏まえた肺魚が元気に過ごせるための注意点をお伝えしてきました。

肺魚を飼育するためには、飼育環境へ注意を払うだけでなく、飼い主の行動にも注意しなければならないことがあります。肺魚のみならず、生物は本来、野生の存在です。思わぬケガをしないために注意点を確認しておきましょう。

噛まれないようする

肺魚は泳ぎが得意ではなく、ゆったりと活動する種類が多いため油断しがちですが、非常にあごの力が強い魚です。貝であれば殻ごと食べるほどの力を持っています。

1m程度の肺魚であれば、人間の指を噛みちぎることができるため、安易に水槽の中へ手を入れないようにしてください。

飛び出しに注意する

肺魚はあごの力だけではなく、物を押しのける力もとても強い魚です。さらに小さな隙間でも通り抜けられる器用さがあるため、水槽からの飛び出し事故が多い魚です。

そのため、水槽の上には隙間が無いようしっかりと蓋を置き、その上には重石を置いて脱走防止の処置が必要です。

大きく成長させるコツとは?

肺魚を大きく育てるためには、長い時間がかかります。

肺魚は頑丈な魚のため、病気にかかることはあまりありませんが、病気になることもあるので注意してください。

病気にかかった場合、薬浴をさせたいところですが古代魚である肺魚は薬に弱いため、自然治癒が好ましいです。また、病気の原因は水質悪化によるものが多いため、水質管理を徹底することで肺魚を大きく育てることにつながります。

肺魚は混泳できる?

魚を飼育する際に混泳をさせることがあり、その理由はいくつかありますが、肺魚と一緒に混泳させるためには注意しなければならないことがあります。

混泳させることでうまく共存できる場合もありますが、逆に共存できず水槽内の魚が死滅してしまうこともあります。

他の魚との混泳

肺魚は肉食魚です。そのため、混泳させる魚は肺魚の餌になることが無い前提となります。前述したように、鯉と肺魚は同系統の餌を食べますが、肺魚は鯉を攻撃し、食べてしまうこともあります。

また、水質改善のため金魚やメダカ、石巻貝を入れることで肺魚が長生きできるようになります。

肺魚同士や近縁種との混泳

肺魚の近縁種として古代魚のアロワナがいます。アロワナも肉食であり、縄張り意識が高い魚です。

肺魚は近縁種であっても攻撃してしまうため、単独飼育が基本とされています。相手が温厚な近縁種であっても、肺魚自体が攻撃してしまうため混泳には向きません。

肺魚の特徴を理解して飼育しよう

肺魚は肺呼吸をする魚であり、時折、水面に口を出して呼吸しなければいけないユニークな魚です。また、頑丈であり長命な魚です。

しかし、水温や水質の変化に弱い魚であるため注意しなければいけないことが多い魚でもあります。

水質管理を徹底し、肺魚をできるだけ長く可愛がってあげましょう。
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