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ミナミヌマエビの水槽の立ち上げに必要な物は?方法や注意点を紹介

「ミナミヌマエビってどうやって飼うの?」
「ミナミヌマエビってどのくらい生きるの?」
「飼育にはどんなものが必要?」
このような疑問をお持ちの方はいらっしゃいませんか。

この記事ではミナミヌマエビの基本的な生態や飼育に必要なものを紹介しています。
実際に水槽を立ち上げる際の手順やポイントも解説しているので、飼育が初めての方でもこの記事を読めば落ち着いて飼育環境を作ることができます。

ミナミヌマエビが小さな体で一生懸命コケを食べる姿やかわいらしい仕草は見ていて飽きません。
また簡単に繁殖させることができるので水槽をよく見たら稚エビがいた、ということも飼育していたらあるかもしれません。

小さな生き物なので事前にしっかりと環境を整えて万全の状態で迎えてあげましょう。
この記事を是非ミナミヌマエビ飼育の参考にしてみてください。

ミナミヌマエビの生態とは?


飼育に必要なものを紹介する前に、まずはミナミヌマエビについて知っておきましょう。
これから飼育する生き物の特徴や元々どんな場所に住んでいたかなどを知っておくことは大切です。

ミナミヌマエビは日本に生息しているエビの一種です。
雑食なのでアクアリウムでは水槽内のごみやコケを食べてくれる掃除屋さんとしてよく飼育されています。

水槽内では地味であまり目立たないイメージのミナミヌマエビですが、観察し甲斐のある面白い生き物です。
それではミナミヌマエビの生態について詳しく説明していきます。

特徴

ミナミヌマエビは、十脚目ヌマエビ科に分類されるエビの一種です。
体長はオスが約2cm、メスが少し大きく約3cmになります。
オスとメスの判別は難しいですが、成熟したメスは体色が濃い傾向があります。

体色は半透明なイメージが強いかもしれませんが、様々な柄やカラーバリエーションの個体がいます。黒や緑、オレンジっぽいものやストライプなどがいるので、思わず別の種類のエビかと思ってしまうほどです。

食性は雑食で、生物の死骸やコケなどなんでも食べます。
脚で餌をちぎって口に運ぶ姿はとてもかわいらしいです。

生息域

日本の河川や湖、沼に住んでいます。姿がよく似たヤマトヌマエビは生まれてすぐは海水の混ざった汽水域で過ごしますが、ミナミヌマエビは一生を淡水域で過ごします。
特に流れが緩く水草が多く生えている場所を好みます。

日本でも特に寒い北海道や東北辺りではほとんど見かけられませんが、水面が凍るほどの寒さでも生きることができます。また夏場も風通しのよい日陰であれば水温30℃程度でも耐えることができる丈夫なエビです。

寿命

寿命は短く約1~2年です。
特にメスは数回の産卵を終えると亡くなってしまいます。

ただミナミヌマエビは繁殖力が強く水槽の中でも簡単に増えていきます。
1度に38~130個ほどの卵を産卵すると言われているため、水槽内からミナミヌマエビの姿が消えるということはなかなかありません。

ミナミヌマエビの水槽立ち上げに必要なもの

ミナミヌマエビは日本の淡水域に生息する雑食性のエビであることがわかりました。
短命であるからこそいい環境で大事に飼ってあげたいですよね。

ここからはミナミヌマエビの水槽を立ち上げる際に必要なものを紹介していきます。
飼育には特別扱いが難しいものはありませんのでご安心ください。

ミナミヌマエビはメダカや小型熱帯魚などと混泳させたり、水草や流木などでレイアウトを組んだ水槽で飼育されることが多いです。
その場合は初めから少し大きめの水槽を選ぶといいでしょう。

ここでは一般的に使いやすいおすすめの商品を紹介しています。
飼育用品選びの参考にしてみてください。
  • 水槽
  • 濾過フィルター
  • エアレーション
  • 床材(砂利)
  • 水換えホース
  • カルキ抜き
  • バクテリア
  • 水草
  • 水温計
  • クーラーとヒーター

水槽

ここではオールガラスの60cm水槽を紹介します。
フレームがないので観察しやすく、水槽自体も美しく見えます。

60cmの水槽と聞くと、ミナミヌマエビは小さな生き物だしそこまで大きな水槽でなくても飼えるのではと思う方が多いかもしれません。

ミナミヌマエビは水質の変化に敏感な生き物です。小さな水槽だと入る水の量が少なく水が汚れるスピードが速いため管理がかえって難しくなります。特に初心者の方はゆとりを持ったサイズを購入することをおすすめします。

濾過フィルター

こちらは水槽のフチに引っかけて使う外掛けフィルターになります。
初心者の方でも簡単に設置することができ、メンテナンスしやすいのでおすすめです。

濾過フィルターの役割は水槽内の生き物のフンや餌の食べ残しが原因で発生する有害物質を吸い取って分解し、水をきれいにすることです。

金魚やメダカは丈夫なのでいわゆる「ぶくぶく」だけでも飼うことはできますが、ミナミヌマエビはそれだけでは維持できないので必ず濾過フィルターを設置してあげましょう。

エアレーション

水槽内の酸素が足りなければミナミヌマエビが酸欠状態になってしまったり、水を濾過してくれるバクテリアが死んでしまい水槽環境が激変してしまう原因になります。

水槽のサイズや生体の数にもよりますが、エアレーションを設置しないことは百害あって一利なしです。
ミナミヌマエビが長生きできるよう是非設置してあげましょう。

紹介している商品は空気を送るためのポンプです。ポンプにエアチューブを繋ぎその先に空気が出るエアストーンなどを付けて使います。

底材(砂利)

ソイルはアクアリウム用に栄養のある土を固めたものです。
初心者の方には少々扱いづらい面もありますが、ミナミヌマエビの飼育にはぴったりの底砂なので挑戦してみてください。

ソイルを入れることでエビが好む水質になるだけでなく、水をきれいにするバクテリアの住処にもなります。
また水草の育成にも向いているので、美しい水景を作る場合にもソイルを使うといいです。

以下で紹介しているソイルは水が濁りにくく汚れの吸着力も優れており、ソイルを使うのが初めての方でも使いやすい商品です。

水換えホース

水槽は水を入れるとかなりの重さになるので、水替えのたびに運ぶことは難しいです。
こちらの商品はポンプを手で数回押すだけで排水することができ、底砂の中のフンや食べ残しも一緒に吸い出すことができるとても便利な商品です。

ミナミヌマエビは基本的に底砂の上で過ごしているため、底砂のメンテナンスを怠っていると汚れが溜まりそこで過ごすエビが弱ってしまうかかもしれません。
水換えホースを使うことで水槽内のレイアウトを崩さず簡単に底砂掃除ができます。

カルキ抜き

こちらは古くからアクアリウム用品を幅広く取り扱っている「テトラ」というメーカーが販売しているカルキ抜きです。

カルキ抜きには液体状のものと固形状のものがあります。液体タイプのものは量を測りやすくすぐに溶けるのがメリットです。また固形タイプのものは安価で1粒だけでも大量の水のカルキ抜きができます。

水道水に含まれるカルキは人間には無害でも、ミナミヌマエビなど全ての水棲生物にとって有害なものです。カルキ抜きは水槽の立ち上げ時だけでなく、水換えのたびに必ず行いましょう。

バクテリア

バクテリアは水槽内の有害物質を分解してくれる細菌のことで、バクテリアがどれだけうまく活動しているかによって水槽内の環境がだいぶ変わってきます。

バクテリアは時間をかけてゆっくりと水槽内に棲みつくので、立ち上げたばかりの水槽はまだ不安定な状態です。バクテリア剤を添加することでバクテリアが早く水槽内に定着することを手助けしてくれます。

バクテリア剤は水槽の立ち上げ時に使うことが多いですが、立ち上げた後水質維持のため水換えの時に入れることもあります。

水草

水草の役割は水槽の見た目をよくするだけではありません。
ミナミヌマエビたちの隠れ家になるのはもちろん、水草に生えたコケが餌になります。


ペットショップに行くとさまざまな水草が販売されています。購入する際には必ず無農薬の水草を選びましょう。農薬は魚には無害でも、小さなミナミヌマエビは敏感なので残留している量によっては大きなダメージを受けてしまいます。

ミナミヌマエビに向いている水草はウィローモス、マツモ、アナカリスなどの柔らかく隠れやすいものがおすすめです。

水温計

水温を把握しておくことはミナミヌマエビをはじめ水棲生物を飼育する上で重要です。
水温計は現在デジタルのものが販売されており、アナログタイプの水温計に比べて水温が一目で見やすいのでおすすめです。

ミナミヌマエビは急激な水温の変化に弱い生き物です。
適温である20~26℃の範囲で飼育してあげましょう。
もしヒーターが故障した際水温計を設置していれば早く対処することができます。

クーラーとヒーター

ミナミヌマエビは水温が5~26℃の間であれば飼育することができますが、15℃以下になると動きが鈍くなってしまい、反対に水温が30℃と高すぎると命の危険があります。

特にミナミヌマエビは暑さに弱いです。真夏のエアコンがついていない部屋だと危険な水温になりエビたちが死んでしまうことも十分あり得ます。

水槽用クーラーは飼育水の温度が上がりすぎないよう自動で調節してくれるので大変便利です。
ただ少々高価なのがデメリットです。
小さな水槽だと水槽用ファンを使うのもおすすめです。

水槽の立ち上げ方


飼育に必要なものを紹介しました。それでは水槽の立ち上げ方を説明していきます。
次のような手順で立ち上げます。

・水槽をセットする
・底砂を敷く
・水草などレイアウトに使うものをセットする
・水槽に水を注ぎカルキ抜き、バクテリア剤を入れる
・濾過フィルターやヒーターなどの機材をセットする

これらの作業が終われば濾過フィルターを回したまま約5日間置き水を安定させます。その後生体を水槽に入れます。
水槽の立ち上げ時やその後気を付けるべきポイントをおさえておきましょう。

水はカルキ抜きをする

カルキ抜きは必ず行いましょう。
水道水に含まれる塩素はミナミヌマエビにとって有害です。
市販のカルキ抜き剤を使うか、1日汲み置きする2つの方法があります。

市販のカルキ抜き剤を使えば規定量入れれば速攻でカルキを抜くことができ大変便利です。
汲み置きの場合はバケツに水道水を入れて屋外に置くだけでいいので簡単なのですが、天気や時期によってカルキが抜ける時間が変わるため確実に1日で抜けるという訳ではありません。

必ず水合わせをする

アクアリウム初心者の方はあまり聞き慣れない言葉かもしれません。
水合わせとは、水槽に生き物を入れる際に水槽の水温や水質に慣れさせる作業のことです。

水合わせは次のように行います。
・エビが入った袋を水槽に30分ほど浮かせる
・袋の中に水槽の水を30分かけて少しずつ入れていく
・エビだけをすくって水槽に入れる、袋の水は捨てる

水合わせをせずすぐに水槽に入れてしまえば、急激な環境の変化に耐えきれず徐々に弱っていき体調を崩してしまい最悪の場合は死んでしまいます。
必ず水合わせを行いましょう。

適度な水換えを行う

水槽が立ち上がりミナミヌマエビを入れて終わりではありません。
いい環境を維持させるために定期的に水換えを行いましょう。

理想は1週間に1回水槽の1/3程度の水を換えるのがおすすめです。
水換えのたびに水を全て換えると、水質が変わりエビたちに負担がかかってしまいます。
もちろん水槽サイズやエビの飼育数のバランスによって水換えの頻度は変わります。

濾過フィルターがついていてもそれだけでは水を完璧に綺麗にすることはできません。
水質はミナミヌマエビの健康に直結するので定期的な水換えが大切です。

ミナミヌマエビを迎えるときの注意点

ミナミヌマエビはそれだけで飼育しても面白いですが、さまざまな魚と混泳させて飼う方も多いです。

どんな魚でもミナミヌマエビと一緒に飼えるという訳ではありません。
もともと違う場所に住んでいたもの同士を同じ水槽で飼うため、それぞれが同じ水質や水温で飼えるかどうかが重要です。

また混泳させる魚のサイズをよく考えることも重要なポイントです。
以下で詳しく説明します。

混泳させる場合は種類を確認

ミナミヌマエビは小さいので、同じくらいの大きさの魚を選ばなければ食べられてしまう危険性があります。
また凶暴な性格の魚やエビを好んで食べる魚と混泳させるのも避けましょう。

小型で口が小さい魚であれば安心して混泳させることができます。例えばメダカやネオンテトラ、グッピー、貝類はうまくいきやすいです。

ディスカスやエンゼルフィッシュ、ベタは優雅に泳ぐ美しい魚ですが、凶暴な性格をしており口が小さくてもミナミヌマエビをつついたり齧ってしまうことがあるので混泳には向いていません。

ミナミヌマエビを繁殖させる場合

ミナミヌマエビは水槽内に複数ペアがいれば簡単に繁殖できます。
水温を、年間を通して高水温が維持できていれば1年中繁殖にチャレンジできます。

オスとメスが交尾したあと産卵が始まります。約2~4週間後卵から稚エビが孵化します。
孵化した稚エビはとても小さいため魚と混泳させている場合は水草を入れて隠れられるようにしてあげましょう。

繁殖は簡単にできますがその分水槽内でどんどん増えていくので、増えすぎた場合には水槽を分けるなどで対処しましょう。

ミナミヌマエビは何匹必要?

ミナミヌマエビはオスとメスの判別が難しく、ペットショップで購入する際にも判別してもらえないことが多いです。

またオスとメスが1匹ずついれば必ず繁殖するという訳ではありません。
10~20匹程度買えばオスとメスが混ざりやすくなり繁殖の確率が上がるのでおすすめです。

水温が高い状態を保つ

ミナミヌマエビをうまく繁殖させるコツは水温を高く保つことです。
水温が低すぎたり高すぎても繁殖しません。できれば20℃以上を維持しましょう。

また水温は稚エビの孵化にも関わっており、水温が高めの方が孵化するまでの期間が短くなり早く生まれる傾向があるようです。

自然では春から夏の間に繁殖活動を行いますが、水槽内を年間通して高水温に保たせれば1年中繁殖を楽しむことができます。

ミナミヌマエビの水槽を立ち上げてみよう!

ミナミヌマエビの飼育に必要なものやお世話する中で気を付けるポイントを解説しました。
コケ取りとして水槽内では脇役のような扱われ方をすることが多いですが、ミナミヌマエビを単体で飼っても面白く観察し甲斐のある生き物です。

小さく繊細な生き物なので、ミナミヌマエビが安全に暮らせるよう迎える前に環境を整えておき定期的な水換えで水質を整えてあげましょう。
是非この記事を参考に、ミナミヌマエビの飼育にチャレンジしてみてください。
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