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カニの飼育方法を解説|ペットにおすすめの種類や注意点も紹介

「カニはどうやって飼育すればいいの?」
「飼育におすすめのカニの種類が知りたい」
「カニを飼育するために必要な道具には何があるの?」
このように、カニの飼育を考えている人には様々な疑問や悩みがあるのではないでしょうか。

この記事では、カニの飼育方法をはじめ、カニの生態やペットにおすすめの種類、飼育上の注意点、揃えておきたい飼育アイテムなどを紹介していきます。

この記事を読むことで、カニの飼育に関する知識を得ることができます。その知識を活用しながらカニの飼育に取り組むことで、カニの飼育が初めての人でも上手にカニのお世話ができるようになるでしょう。

カニの飼育を考えている人は、ぜひこの記事をチェックしてください。

カニの生態と特徴

カニといえば、食用の海産物のことを想像する人も多いでしょう。しかし、ペットとして飼育することができるカニもいます。そして、そんなカニたちは面白い生態や特徴をもっているのです。

カニの飼育方法を知る前に、カニの生態と特徴について見ていきましょう。カニについての知識を深め、ぜひ飼育に活かしてください。

カニの生態

カニは甲殻類で、体全体が固い甲羅に覆われていることが特徴です。また、2つのハサミももっており、このハサミと甲羅で自分の身を守っています。

カニの生息している場所は様々です。世界中に分布しており、川などの淡水で暮らす種類もいれば、海で生活している種類も見られるでしょう。中には淡水と海水のどちらでも暮らせるというカニもいます。

淡水と海水のどちらでもカニを見かけることはありますが、カニは基本的に水がなければ生きていけません。

カニの呼吸法は?

カニはエラ呼吸をしています。どこに生息しているカニであっても、エラを使って水に含まれている酸素を吸収しているのです。

しかし、カニが陸地を歩いている姿を見たことがある人もいるでしょう。陸地にいる時でも、カニはエラ呼吸をしています。体の中に水分を蓄えておき、その水分を体の外に出しながら呼吸をしているのです。

カニが泡を吹く姿を見たことがある人も多いでしょうが、泡を出すのは呼吸をしているためです。体内の水分を繰り返し出しているうちに分泌物と混ざり、粘性のある泡の状態になります。

カニの性格は?

カニは臆病な性格であることが多いです。周りの動きに敏感で、何かが近づいてくると物陰や巣穴に隠れてしまいます。そのため、カニが隠れられる場所を用意し、怯えることがないような飼育環境をつくってあげると良いでしょう。

また、穏やかな性格でもあります。ハサミをもっていますが、あまり好戦的なことはありません。カニが安心して暮らせる環境を用意してあげれば、ゆったりと暮らすカニの様子が見られるでしょう。

ペットにおすすめのカニの種類【海水カニ】

カニには多くの種類が存在しています。その中から、ペットとして飼育のしやすいカニの種類を紹介していきましょう。

まずは海水で暮らす種類を紹介します。日本の海に生息している種類もいますから、海に行く機会があれば探してみてください。

スナガニ

スナガニは台湾や東南アジア、日本などの海岸に生息しています。日本では神奈川県以南の太平洋側の海岸でよく見られるでしょう。甲幅が2~3cmほどの小型のカニで、ペットとしての人気が高く流通量も多いため、ペットショップなどで購入することが可能です。

名前の通り、スナガニは砂の中に潜って生活しています。そのため、飼育をする際には飼育環境に砂を用意してあげましょう。海岸の砂のようにきめの細かいものを選ぶようにします。

イソクズガニ

イソクズガニは台湾、東南アジア、日本では房総半島より南の海岸に生息しているカニです。甲幅は3~4cmほどで、岩礁帯で生活しています。

特徴は擬態をすることです。磯にある海藻の切れ端などのクズを体につけて擬態することから、イソクズガニと名づけられました。そのため、飼育環境には海藻を用意してあげると良いでしょう。

イソクズガニは水槽を綺麗にする役割も果たしてくれます。海水魚などを一緒に飼育することもおすすめです。

キンチャクガニ

キンチャクガニは甲幅1.5cmほどの小さなカニです。インド洋、西太平洋などのサンゴ礁に生息しています。日本では伊豆大島以南の海で見ることが可能です。

キンチャクガニは、ハサミにイソギンチャクをつけているのが特徴です。威嚇をする際には、ハサミについているイソギンチャクを振りかざします。

ハサミにイソギンチャクがついていることと、体の幾何学模様が美しいことから、観賞するのが楽しいカニです。

エメラルドグリーンクラブ

エメラルドグリーンクラブは、体が美しいエメラルドグリーンの色をしています。色には多少の個体差がありますが、どんな色であっても観賞におすすめのカニです。

生息しているのはカリブ海で、日本では野生で見かけることはありません。入手するためにはペットショップなどを利用しましょう。

甲幅は3cmほどの小型のカニです。植物食性が強く、水槽内に生えた苔などを食べてくれます。

カラッパ

カラッパは、カラッパ科に属するカニの総称です。ソデカラッパ、メガネカラッパ、トラフカラッパなどの種類がいます。種類によって生息地は異なりますが、ソデカラッパなどは日本の海でも見ることが可能です。

カラッパの特徴はドーム型の丸い甲羅です。ハサミも特徴的で、左右で形が異なっています。甲幅は種類によって違いがありますが、5~15cmほどの中型のカニです。

ペットにおすすめのカニの種類【淡水カニ】

続いて、淡水カニの中でペットにおすすめの種類を紹介していきます。日本でよく見られる人気の種類や、個性豊かでおもしろい種類を紹介しますから、ぜひ自分のお気に入りの淡水カニを見つけてください。

サワガニ

サワガニは日本の固有種で、青森県以南の淡水域に生息しています。甲幅は2.5cmほどと小型です。体色は生息域によって異なり、赤黒い体をした個体や青みがかった体をした個体などがいます。ハサミの大きさが左右で違うため、見比べてみると面白いでしょう。

サワガニは手軽に入手しやすい種類です。水のきれいな小川や沢に行けば捕まえることができるでしょう。ペットショップでも安価で購入できることが多いです。

アカテガニ

アカテガニは東アジアに生息しており、日本では秋田県以南から九州までの広い地域で見ることができます。甲幅は4cmほどで、その名の通り赤い色をしたハサミをもつことが特徴です。

アカテガニは水場から離れた場所でも生活することができます。湿地さえあれば、長時間水に入ることを必要としません。普段は陸地で生活し、産卵の時期になると海岸に移動します。赤ちゃんは海の中で育ちますが淡水のカニであるため、飼育の際は真水を用意しましょう。

ハマベンケイガニ

ハマベンケイガニはインドネシアや沖縄の海岸に生息しています。生息地は海岸ですが淡水でも海水でも生活できるため、飼育環境に用意するのは真水で問題ありません。

甲幅は3cmほどと小型です。特徴的なのは体色で、つやつやとした赤色をしています。その体色から、レッドアップルクラブと呼ばれることも多いです。中には背面が黒色で、ハサミが鮮やかな赤色をしている個体もいます。

ドワーフクラブ

ドワーフクラブとは、ゲオセサルマ属のカニのことを指しています。ドワーフという言葉はこの種類のカニがとても小さいことから名づけられており、種類によっては甲幅が1cmほどしかありません。

ドワーフクラブの生息域は東南アジアの熱帯地域になります。陸上で主に生活し、水に入ることは少ないです。

カラーリングが個性的なこともドワーフクラブの特徴です。紫色をしたヴァンパイアクラブや、鮮やかな赤いハサミをもつレッドデビルクラブは人気が高く、見ているだけでも面白いでしょう。

モクズガニ

モクズガニは食用としても流通している種類です。日本をはじめとするアジアやロシアに生息しています。汽水域や淡水域で生活していますが、産卵を行うのは海岸です。

モクズガニの特徴は、フワフワとした毛が生えた大きなハサミです。甲幅は5~8cmほどですが、全長は15~20cmほどと大型のカニになります。大きなハサミは力が強く、挟まれると大きな怪我につながってしまう可能性があるため、飼育の際は注意しましょう。

カニの飼育に必要なアイテム

カニを飼育するためには、必要なアイテムを揃えておくことが求められます。必要なアイテムは淡水と海水や、細かいカニの種類によっても異なりますから、自分が飼育するカニに合わせてアイテムを揃えていきましょう。

ここでは、多くのカニに必要なアイテムを紹介します。ぜひ参考にして、アイテムを揃えていってください。
  • 水槽と蓋
  • ろ過装置
  • 底砂
  • 隠れ家
  • 海水の素(海水カニの場合)

水槽と蓋

水槽のサイズは、カニの大きさや種類によって変わってきます。淡水カニの場合は、小型であれば30cmほどの水槽、中型~大型であれば60cmほどの水槽を用意しましょう。海水カニの場合は水換えの手間を省くために、60cmほどの大型の水槽を使用することをおすすめします。

カニは脱走してしまう可能性があります。そのため、どんな水槽であっても蓋を設置するようにしましょう。

ろ過装置

カニを飼育していると、水槽の水が汚れやすくなります。そのため、水槽にはろ過装置を設置することがおすすめです。

ろ過装置を設置することで、水換えの頻度を少なくすることができます。水を多めに入れて飼育している種類や、海水で飼育している種類などの場合は特にフィルターの設置をおすすめします。大型の水槽には、パワーのあるろ過装置を設置すると良いでしょう。

底砂

カニの飼育におすすめの底砂の種類には、砂利、大磯砂、サンゴ砂などがあります。これらの種類の中から、飼育するカニの種類の生態に合わせて決めましょう。水の汚れを防ぐために、ろ過作用のある底砂を敷くこともおすすめです。

カニには水中で生活する種類、水辺で生活する種類、ほとんど陸上で生活する種類がいます。水辺や陸上で暮らすカニの場合は、底砂をしっかりと敷いて陸場をつくってあげましょう。

隠れ家

カニは臆病な性格であるため、隠れ家を設置してあげましょう。隠れられる場所があると、カニも安心して生活することができます。

隠れ家におすすめなのは石や岩、流木などです。また、海水カニであれば、ライブロックというサンゴからできた岩を置くのも良いでしょう。ライブロックには水質改善の効果があるため、水換えの頻度を少なくしてくれます。

これらの隠れ家は購入することもできますし、外で採取した岩や流木を利用することもできます。

海水の素(海水カニの場合)

海水カニを飼育する場合には、海水を用意することが求められます。天然の海水を用意することができればそれでかまいませんが、難しい場合は海水の素を使って人工海水をつくりましょう。

海水の素はカルキ抜きをした水道水と混ぜて使用します。海水と同じ濃度にするため、pHは7.8~8.4の間に保つように注意しましょう。

カニの飼育方法

カニの飼育方法は、カニの種類によって適切な方法が異なります。そのため、ここでは大きく淡水カニと海水カニに分けて飼育方法を紹介していきます。これらの方法を参考にしながら、飼育している種類に合わせた方法でお世話をしてあげてください。

カニの飼育に適した水温

淡水カニに適した水温は、15~28℃です。飼育している種類の生息域に合わせて調節してあげましょう。夏の暑さに弱い場合が多いため、暑い時には冷却器具を使用して温度が上がりすぎないようにします。

海水カニの場合は15~20℃に調節します。暖かい海に生息するカニは20℃以上が適温のこともあるため、事前に確認しておきましょう。水温を下げないために、ヒーターを設置することをおすすめします。

カニの飼育に適した水質

淡水カニには真水を用意します。水道水をそのまま使用するとカニにとって良くない影響を及ぼす可能性があるため、カルキ抜きを行いましょう。カルキ抜き剤を使用したり、汲み置いた水道水を日当たりの良い屋外で半日ほど放置したりすることでカルキ抜きは完了します。

海水カニには海水が必要です。天然の海水を汲んできたり、海水の素を使って人工海水をつくったりして海水を用意しましょう。

陸生カニと半陸生カニのレイアウト

陸生カニを飼育する場合は、テラリウムと呼ばれる陸地をメインにしたレイアウトをつくってあげましょう。ただし、水が全くない状態だと生きていけないため、水入れを用意したり容器内を湿らせたりしてください。

半陸生のカニには、アクアリウムとテラリウムを合わせたアクアテラリウムと呼ばれるレイアウトを用意してあげます。カニの種類に合わせて、陸地を多めにつくったり水を多めに入れたりと調整してあげましょう。

海生カニのレイアウト

海生カニはアクアリウムで飼育します。アクアリウムは完全水生のカニのためのレイアウトで、陸地を用意することはありません。

砂利などの底砂を敷いて、岩や流木といった隠れ家を入れてあげましょう。水の量も十分に入れます。海水魚などと混泳させることも可能です。

カニのエサのおすすめとポイント

カニに与えられるエサの種類は沢山あります。その中から、カニの種類や好みに合わせたエサを選んで与えましょう。

カニに与えるエサのおすすめと、与える際のポイントを紹介しますから、カニにエサを与える時の参考にしてください。

カニは雑食性でなんでも食べる

カニは雑食性で、基本的になんでも食べます。そのため初心者の人でもエサやりに苦労することは少なく、つい量をあげてしまいがちですが、エサのあげすぎには注意してください。カニの大きさや種類によって必要量は異なりますが、基本的に1~2日に1回を目安にあげましょう。

与えるエサは、ザリガニやエビ用の人工飼料、小魚やエビ、海藻類、野菜や果物など様々です。おすすめは人工飼料をメインで与え、その他に動物性と植物性のエサをバランス良く与える方法になります。カニの種類と好みを考慮してそれぞれ工夫してあげてください。

エサは偏らないようにしよう

与えるエサの種類は偏らないように注意しましょう。カニはなんでも食べますが、同じエサばかり与えていると次第に食べなくなってしまいます。

人工飼料、小魚などの動物性のエサ、水草などの植物性のエサをそれぞれ調節しながら与えるようにしましょう。栄養バランスにも気をつけるようにしてください。

水槽の臭いを軽減するための水換え頻度

カニを飼育していると水が汚れ、次第に臭いが出てきます。特に水量の少ない状態では水が汚れやすく、臭いも出てきやすいです。

臭いを防ぐためには、定期的に水換えをして水質をきれいに保つことが求められます。水換えの頻度は水の量や水槽の大きさによって異なりますが、水量の少ないカニの場合は2日に1回ほどのペースで水換えをしましょう。

水換えの負担を減らすためには、フィルターを設置して水質を保つことがポイントです。また、エサの与えすぎも水質の悪化につながります。食べ残しがある場合はすぐに取り除きましょう。

カニを飼育する際の注意点

カニを元気で長生きさせるために、飼育していくうえで注意してほしいことがあります。以下の注意点に気をつけながら、カニの飼育に取り組んでください。

脱走しないように注意

カニは脱走が得意です。力がそれなりに強いため、蓋を閉めていてもこじ開けて出てしまう可能性があります。脱走をしたまま長時間経つと水が接種できずに窒息してしまうため、大変危険です。

蓋を閉めていても脱走してしまう場合は、水槽のレイアウトを考え直しましょう。できるだけシンプルなつくりにすることがおすすめです。小型のカニであれば、飼育する容器を水槽全体に蓋がされるプラスチックのケースに変更しても良いでしょう。

複数飼いは共食いのリスクがある

広い飼育スペースがあれば、複数飼いをすることも不可能ではありません。海水カニであれば、海水魚と混泳させることも可能です。

ただし、カニ同士を同じ水槽で複数飼いする場合は、共食いのリスクが出てきてしまいます。カニは十分にエサを食べていても共食いをするため、基本的に複数飼いには向いていません。複数匹を飼育したい場合は水槽を別にして、単独飼育をすることがおすすめです。

カニの特徴を理解して飼育しよう

カニには淡水で暮らす種類と海水で暮らす種類がおり、さらに種類ごとに異なる生態や特徴をもっています。それぞれが個性豊かで、どの種類のカニもとても魅力的です。

そんなカニを飼育するためには、飼育するカニの特徴に合わせた飼育方法を実践することが大切になります。カニの飼育を考えている人は、数多くのカニの中からお気に入りのカニを探し、特徴を理解してから飼育に取り組んでみてください。
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