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タナゴの特徴と飼育方法|お世話に必要なものや混泳の相性が良い魚も紹介

「日本産の淡水魚にはどんな種類がいるの?」
「海外産の熱帯魚も素敵だけど、どうせなら日本産の魚を飼育してみたい!」
初めて魚の飼育を始めようと思ったとき、このような悩みに直面することはありませんか?

見た目が華やかで、自然界の美しさを手軽に味わうことができるのが魚飼育の魅力です。しかし、何も知らない人が飼育を始めようと考えたとき、お気に入りの種類の探し方がわからずに迷ってしまう場面は多々あります。

本記事では、日本産淡水魚の中でも人気が高いタナゴの特徴と飼育方法やお世話に必要なもの、混泳の相性が良い魚などを紹介しています。これらの知識を蓄えておけば、お気に入りの種類を見つけられるきっかけとなるでしょう。

タナゴがどんな魚なのか、本記事を通して早速チェックしてみましょう。

タナゴの生態・特徴

タナゴは全長6〜10cmほどのコイ科の淡水魚で、昔から日本各地で見受けられる種類です。

釣りを趣味にしている人であれば、一度は釣った経験がある人もいるでしょう。しかし、現在では都市開発の影響で生息できる場所が減り続けていることもあり、一部の種類によっては絶滅危惧種に指定されています。

そんなタナゴですが、見た目の色合いがとても美しいこともあり、観賞用として人気が高い一面もあります。実際にタナゴを飼育するためには、まずはタナゴについて詳しく知っておく必要があるでしょう。

それでは早速、タナゴの生態や特徴に関して詳しく見ていきましょう。

タナゴの寿命

野生のタナゴの寿命は、長く生きても2年前後と比較的短命な種類です。

しっかりとした環境下で飼育すれば4〜5年程度は生きられるため、飼育する際は日頃のメンテナンスは怠らないようにする必要があります。つまり、適切な知識さえ持っていれば、短命のタナゴを長生きさせることも可能ということです。

飼育を始める前に適切な知識を身につけておき、1日でも長くタナゴが生きられる環境を作ってあげるようにしましょう。

タナゴの繁殖方法

一般的にタナゴは、飼育下での繁殖が難しい種類といわれています。その理由は、タナゴの繁殖方法にあります。

タナゴの繁殖には二枚貝を使用するため、繁殖をしたい場合は二枚貝も同時に飼育する必要があります。この二枚貝は水温の上昇に弱いのが難点です。また、餌が少ないと餓死してしまう可能性が高くなります。貝が死んでしまえば、水槽内の水質も悪化してしまうため、他の貝や魚にも影響が出てしまいます。

もしタナゴを飼育する上で繁殖も同時に行いたい場合は、繁殖用の水槽を作り、親魚と稚魚を分けられる水槽も別に用意する必要があります。また、オスとメスが1匹ずつの環境になるようにすることで、繁殖が成功する確率が格段に上がるでしょう。

タナゴの種類



一言にタナゴといっても、これらすべてが同じ種類というわけではありません。

実際に、日本に生息しているタナゴだけでも細かく分類されたものは数多く現存しています。それぞれが違う魅力を持っているタナゴだからこそ、多くの種類の中からいきなりお気に入りの個体を見つけるのは難しいでしょう。

そこで、ここでは飼育できるタナゴの中でも代表的な種類を紹介します。タナゴの飼育を始めてみたい場合、まずはこれらの特徴について知っておくと良いでしょう。

代表的な種類に対する知識を持ち合わせることによって、他の種類との違いを見定めるのも簡単になります。そして、好みの種類を見つけられるようにもなるでしょう。

早速、タナゴの代表的な種類を見ていきましょう。

ヤリタナゴ

ヤリタナゴは、北海道や九州南部を除くほとんどの地域に分布している種類です。分布域も広いことから、その地域によって形態の差異が現れることが多いのも特徴です。

主に平和部の河川や浅い湖、池沼などのような、比較的流れがある水域に生息しています。そのため、水の流れが完全に止まっている止水域ではほとんど見受けられません。

ヤリタナゴの側線は完全で、体色は白銀色、背中は青褐色のような色をしています。繁殖期になると雄はエラ蓋や胸ビレあたりが淡紅色に変わります。メスにはこのような色の変化が現れない代わりに、淡いオレンジ色の産卵管が伸びてきます。

また、タナゴ類の中でも比較的大型な種類でもあり、大きいものだと全長10cmを超えるものも出てくることがあります。

タイリクバラタナゴ

一般的に流通している個体が多いものは、タイリクバラタナゴです。タイリクバラタナゴは、元々アジア大陸東部や台湾島に生息していました。過去に日本に持ち込まれたことを皮切りに、今では日本各地でも見受けられるようになりました。

タイリクバラタナゴの体は側扁していて、体高が高くなっています。基本的な体色は銀色で、綺麗な虹色の光沢が見受けられます。

体長は成体になってもおよそ5〜10cm程度にしかならない小型魚で、販売時は性別の区別も難しいような個体が大量に販売されています。

入手の容易さを考えたとき、まずはタイリクバラタナゴから飼育を始めてみるのも良いでしょう。

イチモンジタナゴ

イチモンジタナゴは、岡山県や兵庫県などのような、西日本のごく一部に生息している種類です。

イチモンジタナゴの体は側扁していて、体高が低くスマートな印象を受けるのが特徴です。繁殖期になると、雄の場合は腹部が淡いピンク色になり、背中にかけて明るい緑色に変化します。

体長は成体でも6〜8cmにしかならない小型魚で、雌の場合はこれよりも1cm程度小さくなります。

飼育科で育てたれた個体であれば比較的穏やかな性格をしていることが多いため、複数の混泳も比較的簡単なことも魅力です。

タナゴの飼育に必要なもの



タナゴの飼育を飼育するとなると、飼育に必要なものを買い揃える必要があるでしょう。しかし、初めて飼育をする人には、数多くある飼育用品の中でどれがタナゴ飼育に向いているのかはわからないでしょう。

そこで、タナゴ飼育に最低限必要となるである下記のものをピックアップしてみます。

もちろん、これらのものをただ買い揃えるだけではいけません。これらの飼育用品を使用して、タナゴが本来生息していた場所に近い環境を再現してあげる必要があります。

それらを理解しておけば、おのずとタナゴが持つ自然な美しさも楽しめるようになるでしょう。

それでは、これらの用品を使った上でどのようなことに気をつけておけば良いのか、詳しく見ていきましょう。
  • 水槽
  • 床材
  • フィルター・エアレーション
  • 隠れ家・流木・石

水槽

タナゴは遊泳力が高い魚のため、ある程度大きめの水槽を用意してあげる必要があります。

初めて飼育する場合であれば、容量約35Lの45cmサイズの水槽がおすすめです。飼育スペースに余裕がある場合は、容量約65Lの60cmサイズの水槽でも良いでしょう。

もしスペースに余裕がある場合は、これよりも大きめのサイズの水槽でも問題はありません。しかし、水槽の中もこまめにメンテナンスしてあげる必要があります。そのため、これ以上大きめの水槽だと初心者にとっては重労働になってしまいます。

ある程度の大きさと、お手入れしやすさを考慮した場合、45〜60cm程度の水槽から飼育を始めてみるのが良いでしょう。

床材

タナゴは淡水魚であるため、床材選びも重要なポイントです。

初心者の場合、まずは大磯砂を飼育環境に敷いてみるのが良いでしょう。安価なものが多く、汚れても洗うだけで綺麗になるため、長い期間同じ床材の使用ができるようになっています。

また、粒のサイズも好きなものを選べるため、好みのレイアウトも簡単に作成できます。見た目の清涼感もあるので、和風の雰囲気が好みの人にはうってつけの床材でしょう。

また、床材は何も敷かなくても飼育は可能です。しかし、単純に飼育環境の見栄えが悪くなるデメリットがあります。また、個体によっては、自然界とは異なる環境下で育てられたことによって綺麗な体色にならないこともあるでしょう。

そのため、初めての飼育であれば、こだわりを持って床材を敷くのがおすすめです。

フィルター・エアレーション

フィルターは水を浄化するための役割を果たしているため、タナゴを飼育する際には必要不可欠です。

フィルターを購入するときは、上部式のものを選ぶようにしましょう。上部式のものは比較的安価でありながら、メンテナンスも簡単な利点もあるため、初心者にも扱いやすいメリットがあります。

もし予算に余裕がある場合は、エアレーションもあわせて導入するもの良いでしょう。エアレーションとは、ポンプを通じて水中に酸素を送り込む装置のことです

タナゴの飼育数が増えればそれだけ必要になる酸素も増えることになります。エアレーションがあれば、酸素不足に陥る心配もありません。水槽の大きさや飼育数に応じてエアレーションを導入してみましょう。

隠れ家・流木・石

タナゴの隠れ家になるような流木や石は必須というほどではありません。

ただ、タナゴのような淡水魚を飼育する上で、水槽のレイアウトをこだわることも楽しみ方の一つです。そのため、水槽の中が華やかになるようなポイントを作ることを意識してみるのも良いでしょう。

これらは一般的に市販されている水草などでも問題ありません。こだわりたい場合などは、河原などに落ちている自然が作り出した大きめの石や流木を拾ってきて、水槽の中に設置するのも良いでしょう。

水槽の中は日頃眺めることが増えることから、殺風景なものでは途中で飽きてしまう可能性があります。水槽の中に自分だけのこだわりポイントを作成した上で、タナゴの美しさも堪能してみましょう。

タナゴの飼育方法



ここまではタナゴの特徴な魅力などを中心に紹介してきました。

見た目の美しさを理解することも大切ですが、それ以上に重要になるのは飼育方法です。淡水魚の飼育に慣れている人であれば万が一のトラブルにも対応できる場面がほとんどですが、飼育初心者の場合はそうもいきません。

そのため、何も知らずに飼育を始めた結果、万が一のトラブルに対処できずに死なせてしまったという結果になってしまうこともあるでしょう。このような結果にならないためにも、タナゴの飼育を始める前に、飼育に関する正しい知識を身につけておく必要があります。

それでは実際に、タナゴの飼育を始める上で重要になるポイントはどこにあるか、詳しく見ていきましょう。

タナゴの入手方法

飼育用のタナゴを購入する場合、川魚の取り扱いがあるペットショップや専門店で購入するのがおすすめです。

1匹あたり、100〜200円程度で販売されているため、複数匹購入することも簡単です。ただ、春先の暖かくなり始めた時期を中心に販売していることがほとんどのため、冬場に購入するのは難しい点もあります。

川などで釣ってきたものを飼育する方法もありますが、野生のタナゴは自然界特有の雑菌や病原菌を持っている場合もあります。水槽の水に移すまでの手間を考慮した場合、最初のうちは専門店で管理されていたものを購入する方が良いでしょう。

もし近場にタナゴを取り扱っている専門店が存在しない場合、ネット通販で購入が可能です。一度取り扱いのあるショップを探してみるのも良いでしょう。

タナゴの餌

タナゴは主にブランシュリンプやミジンコ、ボウフラや水草などを好んで食べる傾向があります。飼育初心者の場合、これらを管理するのは難しい点もあるため、まずは川魚専用の人工餌料から始めてみましょう。

選び方のポイントは、餌の形状が粒状で、タナゴが一口で食べられる大きさであれば問題ありません。また、植物性の強い野菜フレークメインの餌を好む傾向もありますが、綺麗な婚姻色にしたい場合は、甲殻類やアカムシのフレームの入った餌もバランスよく与えてみましょう。

餌を与える頻度は1日1回、毎朝与えるようにすれば問題ありません。冬場は餌の食いつきが悪くなることがほとんどのため、室内飼いの場合は2日に1回のペースに落としても良いでしょう。

適切な水温と水質

タナゴが快適に過ごせる水温は20度前後ですが、水温の変化に強い一面もあります。そのため、急激な水温変化や、水が完全に凍るような過酷な環境にならない限り、越冬もできる種類です。

ただし、水温がある程度低くなった時点で動きが鈍くなることがあります。観賞用として優雅に泳ぐ姿を楽しみたい場合、ヒーターを設置して水温が下がりすぎないようにした方が良いでしょう。

水質は、pH6〜8程度の弱酸性から弱アルカリ性を維持できれば問題なく飼育できます。ただ、定期的に水替えをする必要はあるため、週に1回ペースなら約3割、2週間に1回ペースなら半分程度を交換するようにしましょう。

タナゴの混泳について



ある程度飼育に慣れてきたとき、他の魚と一緒に泳いでいる姿を見たくなるのが飼育の醍醐味ともいえるでしょう。

そこで、タナゴと他の魚を混泳させる時の注意点などを紹介します。

まず混泳させる時の注意点として、極端に大きさが違う魚を混泳させたり、産卵時期が重なる種類と混泳させると、無益な縄張り争いに発展する可能性があります。このことから、サイズが近いことと、産卵時期が異なることを意識するのが良いでしょう。

これを踏まえた上で混泳相手におすすめの種類は、タロモコやカマツカ、ムギツクやどじょうなどであれば問題なく混泳できることがほとんどです。サイズが小さい種類であれば、金魚やメダカなどでも混泳は可能なので、飼育したいタナゴに応じて混泳相手を探してみましょう。

タナゴの特徴と飼育方法を理解しよう



タナゴは比較的安価な個体が流通していることや、実際に川で釣ったものを飼育することも可能なくらい、手軽に飼育を始められる種類の魚です。繁殖期になれば、タナゴ特有の綺麗な体色に変化することから、観賞用としても楽しめるのが魅力です。

ただ、タナゴは比較的短命な種類でもあるため、飼育する際には正しい知識をつけた上で1日でも長くタナゴが生きられる環境を用意するのが飼育する上での責任でもあります。

飼育方法をしっかり理解しておけば、それだけタナゴも長生きするようになります。その上で、日本を代表する川魚が持つ美しさを存分に堪能してみましょう。
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