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ダイオウイカの寿命は?謎に包まれた生態を知るための豆知識を紹介

「ダイオウイカの寿命はどれくらいなの?」
「ダイオウイカって天敵がいるの?」
「ダイオウイカって食べられるの?」
こんな疑問を持つ方や、ダイオウイカと聞いても、たまにニュースになる巨大イカとしか認識していない人も多いのではないでしょうか?

本記事は世界で一番大きな無脊椎動物である、ダイオウイカにスポットを当てて、その生態や寿命や逸話を紹介していきます。

この記事を、謎に満ちたダイオウイカの生態や深海に興味を持つきっかけの一つにして下さい。未知の世界に対する知的好奇心は、日常に良い刺激を与えてくれることでしょう。

謎が多いと言われているダイオウイカの生態や、逸話について知りたい方は、ぜひこの記事をチェックしてみて下さい。

ダイオウイカの生態

ダイオウイカは光の届かない深い海の底に住む深海生物です。その生態については長らく謎とされていました。

基本的には海岸に流れ着いた死体からの情報に頼る研究でしたので、生態についての研究はまだまだ発展途上の状態です。まれに生きているままの状態のときもありますが、すぐ亡くなってしまうそうです。

そんな中、2004年に日本で生きているダイオウイカの撮影に成功しました。生きているダイオウイカの撮影は世界でも大変めずらしいと言われています。

また、2013年には小笠原諸島父島の深海で撮影された姿が、日本のテレビで公開され、世界中で話題となりました。

ダイオウイカの詳しい生態の研究は、今まさに現在進行形で進みつつあります。

ダイオウイカの基礎情報

学名:Architeuthis(ダイオウイカ属)
英語名:Giant Squid
漢字:ダイオウイカ:大王烏賊

ダイオウイカは深海の漆黒に生息している、世界最大級の無脊椎動物です。その形はスルメイカを巨大化させたような風貌をしています。

また特徴的なのは体内に非常に多くのアンモニアを有している点です。海中で浮力を得るために水よりも軽いアンモニアを体内に含ませているためで、これにより重い身体を水中で自在に動かすことが出来ているようです。

また餌を取る際に使う触手は、生息域によって違いがあります。長さや太さなどに違いが多く見られるのです。

現在18種類程が確認されていますが、興味深いことにDNA鑑定の結果、異種ではなく同種が環境に応じて変化したものと発表されています。

ダイオウイカの生息地

ダイオウイカは水温6度から10度程の温暖な深海に生息していると考えられています。

日本の小笠原諸島を始め、ハワイ島付近やアメリカやヨーロッパ近郊の大西洋などが主な生息地と考えられています。近年は深海の環境の変化により、それ以外の場所での生息も確認されているのです。

ダイオウイカの寿命が短いこともあり、目撃情報も足りず、深海の中の生息環境が確実にここだと証明できる研究はまだまだ進んでいません。

ダイオウイカの大きさ

ダイオウイカは体長約10メートル、体重200キロという巨大なイカです。

その中でも今までに世界で発見された最大のものは、体長約18メートル、体重は1トンにも及びます。

ただダイオウイカはまだ発見され始めたばかりで、研究もまだまだこれからという状態なので、もしかしたらこれより大きなものがいる可能性もあります。

実際、1882年にカナダで確認されたダイオウイカは27メートルあったと言われていますが、これは不確定な部分が大きく、公式な記録としてはカウントされていません。

ダイオウイカの目の大きさ

ダイオウイカは深海にすむ生物なので、漆黒の世界を見るとても大きな目を持っています。その大きさは目玉一つ約30センチあります。

例えるならサッカーボールやバレーボール並みの大きさがあるのです。目玉だけでもそれだけ大きいのですから、身体がどれくらい大きいのか想像できますね。

しかもこの大きな目は、暗闇の中のわずかな光を集めることが出来る非常に優れた目をしており、深海での活動を容易にする大きな役割を担っています。

ダイオウイカの脳の形

ダイオウイカの脳の形は丸い穴が開いている形をしています。例えるならドーナツのような形状をしているのです。

ドーナツ状の非常にめずらしい脳の形をもっているのにはきちんとした理由があり、ダイオウイカは胴体と口の間に頭があるため、食道が頭を通るためこの形状をしているのです。

餌を捕食する時も、勢いよく食べすぎると食道が脳を圧迫してしまう可能性があります。そのため「からすとんび」と呼ばれる鋭い口で獲物を粉砕して食べる必要があるようです。

ダイオウイカの寿命

ダイオウイカの寿命は一般的には5年と言われています。ただし、研究者によっては2~3年の寿命と言う専門家もいます。

どちらにせよ、この大きなダイオウイカの寿命が短いのは世界でも共通した認識のようです。しかし、これから先の研究で、寿命が長いダイオウイカも見つかる可能性はあります。

ダイオウイカは1ミリ程の小さな卵から生まれているのに、5年程しかない寿命の中で、10メートル以上にまで成長するのです。

この急激な成長がもしかしたら寿命が短いことにも、関わりがあるのかも知れません。まだまだ研究途中なので、これからの研究に期待しましょう。

ダイオウイカに天敵はいるの?

ダイオウイカも自然の摂理に入る動物なので、当然天敵はいます。その天敵の名前はマッコウクジラです。

マッコウクジラの胃の中からダイオウイカを食べた痕跡が見つかったり、実際にダイオウイカを捕食する映像もあることから真実であると言われています。

マッコウクジラ側も無事ではなく、頭に吸盤の跡や、戦いの際に負ったとされる傷が見られたりします。

マッコウクジラは頭部の四角い部分に「脳油」と呼ばれる脂が多く入っているのです。そのおかげで約3000メートル水中を潜れるので、ダイオウイカと遭遇し、戦闘することが十分に可能なのです。

謎の怪物「クラーケン」はダイオウイカ?

「クラーケン」とはいわゆる伝説の生物です。元々はノルウェーに伝わっている海の怪物のことで、船が沈む原因の一つとされてきました。

人や文献によっては「クラーケン」は軟体動物で、イカであったり、タコであったりと様々な仮説が立てられてきましたが、近年の動物学者によると、それが実在のダイオウイカのことを指しているならば、説明がつくと言われています。

ダイオウイカは発見されているのは最大で約18メートルですが、20メートルを超えるものがいるだろうと推定されています。

このことから、決して違うとも言えないし、そうだとも断定は未だにされてはいませんが、深海生物へのロマンや興味がつきない逸話です。

ダイオウイカが発見されると大地震が起こる?

近年、ダイオウイカが浜辺に打ち上げられたり、水揚げされたというニュースをよく聞きます。その事が、地震がくる予兆なのではと言われているのには理由があります。

日本には小笠原諸島近海に生息していると言われているダイオウイカですが、発見が相次いだのは日本海側なのです。当時は西ノ島の噴火や、伊豆諸島の大地震などが発生していました。

ダイオウイカは温暖な深海に生息しているのですが、それが水中になんらかの異変、水中での地震や噴火などの環境変化によって水温が変化し、生息域の変化や地上付近に現れるのではとも考えられています。

ただ、はっきりとした証拠や文献はなく、あくまでそうささやかれているという仮説です。

ダイオウイカは食用に向いているのか?

結論から言いますと食べることは可能です。

ただ食べられるというだけです。前述した通り、ダイオウイカはアンモニアを体内に有し、浮力を得ています。そこからも想像できるように、とにかくアンモニア臭く、とてもイカのお刺身などの生食を出来る味ではないそうです。

比較的なんとか口に出来るのはダイオウイカのスルメなのですが、あの大きさなので、加工工程の塩抜きや乾燥がとにかく時間がかかり、とてもではないが、また食べたい、作りたいものではないようです。

ダイオウイカの生態や寿命を知ろう

ダイオウイカは、暖かい深海に生息し、暗い海の底でも周りを見ることが出来る大きな目を持つ、世界最大級の無脊椎動物です。

食事をする時は、二本の長い腕を使って獲物を捕捉し、残りの腕で獲物を抑えながら、尖った口で獲物を削るように食べます。小魚や小型のイカなどのほかにクジラを襲っていたという報告例もあります。

寿命は最長5年と言われていますが、飼育例がないことから推測の域を出ていません。また寿命は短いと2~3年とも言われています。

ダイオウイカは生態も寿命もまだまだ研究が始まったばかりです。これから先、実は寿命が長いダイオウイカを発見できる可能性もあるのではないでしょうか。
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