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バトラクスキャットの飼育方法|餌の与え方から白点病まで詳しく紹介

「バトラクスキャットを飼ってみたいけど何から揃えればいいかわからない。」
「餌の食いつきが悪いけど考えられる原因は?」
「そもそもバトラクスキャットってどんな魚なの?」
など、熱帯魚が好きな方はいろいろと知りたい方もいるのではないでしょうか。特に、バトラクスキャットを飼っている、または飼うことに興味がある方は、より詳しい情報も知りたいかと思います。

本記事では、バトラクスキャットについて、その知られざる生態から飼育の際に準備するものや環境整備、弱ってしまった時の対処方法まで幅広く紹介していきます。

この記事を読むことで、バトラクスキャットの知識を深められ、より長く快適に飼育を楽しめられるようになるでしょう。

バトラクスキャットをこれから飼い始めたいという方は、是非この記事をチェックしてみてください。

バトラクスキャットってどんな生き物?



バトラクスキャットは淡水魚でナマズ目アウケニプテルス科に分類され、英名はAsterophysus batrachus(アステロフィスス・バトラクス)です。大きさはナマズの仲間の割には小型で、観賞魚として人気があります。

色は黒っぽくふっくらとしてかわいい容姿ですが、大きな口でなんでも食べます。動画サイトなどでは、鯉を丸呑みする姿も見ることができます。

日本に輸入されたばかりの頃は希少で飼育方法など不明な点が多かったようですが、生体数も増え、初心者でも飼育のポイントを守れば、飼育の難易度はそれほど高くないでしょう。

生息地

生息地は、南米ブラジル北部を流れるアマゾン川水系のネグロ川です。雨季には広い範囲で森の水没が起きるので、水流の遅い流域となっています。

水の底でゆったりお腹をこするような泳ぎ方で、他の魚をまるごと飲み込む食事方法は圧巻です。野生のバトラクスキャットは夜行性で、夜に眠っている獲物を探し捕食します。

大きさ

バトラクスキャットの成長は遅いですが、最終的には30cmぐらいまで成長する魚です。一般的なナマズは50〜60cm程度まで成長することが多く飼育設備を整えることが大変ですが、バトラクスキャットはそこまで大きな水槽を用意する必要もなく、小型で飼育しやすいでしょう。

ペットショップなどでよく流通しているのは中型個体で体長約8〜12cmぐらいですが、秋頃になると小型の約5〜7cm程のサイズも見られるでしょう。

寿命

バトラクスキャットは10〜15年程度生きるとされています。バトラクスキャットに限りませんが、熱帯魚は餌の好き嫌いや与える量、適正な水温の管理、水質の調整など、飼育環境によって大きく寿命が変わってきます。

輸入された当初は生体について明らかになっていないことが多く、長く育てるのが難しかったようですが、今では取り扱いのある熱帯魚店も増えたことにより飼育方法が確立されてきたので、飼育設備を整えてあげれば長く飼うことも可能でしょう。

特徴

バトラクスキャットは一般的なナマズと同じように感覚器官として発達した口髭を有し、大きくて平たい頭部でふっくらしたお腹をしています。

口が非常に大きく、裂けたような形になっているのが特徴です。口が大きいので、他の熱帯魚と比べ比較的大きな生餌も食べることが可能です。

また、獲物を丸のみした後のお腹は風船のように大きく膨らみます。人になつきやすい魚なので、慣れてくると近寄ってくるでしょう。

バトラクスキャットの購入について



バトラクスキャットはペットショップや熱帯魚店、または通販などでも購入することが可能です。大きさや販売店によって値段は変わりますが、3,000〜10,000円程で売られています。

ネットオークションなどでも出品されていますが、ネット通販で買われる場合は取り扱い数が多い店舗がおすすめです。また大型店舗でも購入でき、品揃えも豊富で、なにより全体的に料金が安めです。

秋頃になると小型のバトラクスキャットが入荷されるので、小さな個体から育てたい場合はこの時期を検討してみてはいかがでしょうか。

あまり小さすぎる稚魚は導入時にダメージを受けやすくすぐに弱ってしまうことがあるので、慣れていない方は少し大きめで元気な個体を選ぶといいでしょう。

バトラクスキャットの飼育に必要なものと選び方



バトラクスキャットを飼う際に必要なものを紹介していきます。これらは実店舗でも買えますし、楽天やAmazonなどのオンラインショップでも揃えることが可能なので、是非参考にしてみてください。
  • 水槽と蓋
  • カルキ抜き剤
  • ろ過フィルター
  • 隠れ家
  • ライト
  • クーラー
  • ヒーター
  • 底砂

水槽と蓋

バトラクスキャットは大きくなると約20〜30cmまで成長するので、水槽は45〜60cm以上のものをおすすめします。

ただ、45cm水槽だと濾過が不足し水替えが大変になるなど、バトラクスキャットを飼育するにはいい環境とは言えないので、水槽を買う場合は60cm水槽を用意しておく方がいいでしょう。

蓋に関しては、普段水の底の方にいることが多いですが、水を換える際などに暴れることがあるので重さがあるガラス製のものをおすすめします。耐久性が心配な方は、アクリル製に重りなどでしっかり固定するのもいいでしょう。

カルキ抜き剤

水道水を使う場合、カルキ(塩素)抜きは必要不可欠です。このカルキを抜く工程はいろいろな方法がありますが、カルキ抜き剤を使うのが一般的でしょう。

カルキ抜き剤には固形・液体がありますが、それぞれ価格や使いやすさなどメリットデメリットがあります。初心者であれば、液体タイプの方がいい水質を作りやすいのでおすすめです。

ろ過フィルター

ろ過フィルターは、水質をきれいに保つために必要なアイテムです。

フンなどは放っておくとアンモニアを発生させます。特に、バトラクスキャットはたくさん食べるのでフンも大量に出ます。アンモニアが混在している水は熱帯魚にとって生活しづらい環境なので、ろ過フィルターを使って水質をきれいにしてあげましょう。

また、ろ過フィルターには水流を作ったり、生物ろ過というバクテリアを増やしたりする効果もあります。上部式や外部式のものは、ろ過機能が高くおすすめです。

ちなみに、ろ過フィルターでも酸素供給はできますが、エアレーションを使うとさらに水中への酸素の供給量が増えるのでおすすめです。

隠れ家

バトラクスキャットは本来河川の底の方で、岩陰などに体をひそめて生活している魚です。隠れ家がないと、ストレスを感じて餌を食べなくなるので注意が必要です。

石組みなどで隠れ家を作ると激しく動いた際に崩れて、バトラクスキャットや水槽を傷つけてしまう恐れがあるので、なるべくシンプルに作ることをおすすめします。おすすめは土管や塩ビ管ですが、選ぶ際は体がしっかり収まるようなサイズのものを購入しましょう。

ライト

バトラクスキャットを飼うためにライトは必ずしも必要なアイテムではありませんが、水槽の風景を美しく見せるためにLEDライトなどを取り付けるといいでしょう。

バトラクスキャットは夜行性なので常時暗くても問題ありませんが、自然界と同じように照明で昼と夜を作り出してあげることでバイオリズムを整えられます。

クーラー

水槽用クーラーは、水温を適温に保つために必要なアイテムです。

バトラクスキャットは23℃〜28℃が適温とされており、30℃以上の高温には耐えられません。また、水温が高くなるとバクテリアが死滅してしまったり、水の中の酸素が不足してしまったりするので、適切な温度管理は飼育環境を守るためにも大切です。

水槽用クーラーには大型水槽にも適しているチラー式タイプ、小型水槽で使えるペルチェ式タイプ、さらに小さな魚向きの冷却ファンタイプがあります。バトラクスキャットは約45〜60cmの水槽で飼育することが多いので、チラー式やペルチェ式タイプがおすすめです。

ヒーター

前述したように、水槽の水温をバトラクスキャットの適温にするためにはヒーターが必要です。

導入直後は特に白点病に注意が必要なので、水温を高めに設定しておくことが大事です。朝晩の温度差や季節によっても水温は変化してしまうので、ヒーターを使って温度管理をしていきましょう。

ヒーターには水の温度を設定できるものや、電源をつけるだけで一定の水温に保てるものがあります。ヒーターはワット数に応じて使用できる水槽サイズが異なります。

60cm水槽だと水量は約65Lなので150W以上必要ですが、故障した時のことも考えてそれより小さい容量のものを2つ用意するのもいいでしょう。

底砂

底砂はお腹をこすってしまったり飲み込んだりする可能性があるので、積極的におすすめするアイテムではありませんが、水槽の景観を良くするために設置したい方もいるでしょう。

バトラクスキャットの水槽には、ガーネットサンドや田砂がおすすめです。田砂は角が鋭利ではなく、粒も1mm程で細かいです。

また、ガーネットサンドや田砂はその中でも比重が重い方に分類されるので、バトラクスキャットの動きや水流によって舞い上がりにくい特性をもっています。

水槽の立ち上げ方



水槽の立ち上げとは、バトラクスキャットを含めた水槽の生物が生きやすい環境に整えてあげることを言います。

先程のバトラクスキャットを飼育するために必要なアイテムを揃えたら、まずは水槽をセッティングしていきます。この際、地震などで倒れてしまわないように安定した場所を確保しましょう。底砂を入れる方は、水を入れる前にレイアウトします。

水を入れる際はカルキ抜き剤を使用します。バクテリア剤を使うと水槽内のバクテリアが増え、水槽の立ち上げを早くすることが可能です。ヒーター、ろ過フィルターなどを起動し、魚を入れる前には2日ほど置いておくといいでしょう。

水合わせについて

水質や水温が急激に変わると、バトラクスキャットのような熱帯魚には負荷がかかり弱ってしまうので、水合わせの工程は重要です。

まず、バトラクスキャットが入っている袋を1時間ほど水槽に浮かべます。袋と水槽の水温が揃ってきたら、袋をあけ水槽の水を少しずつ注ぎます。袋の中の水は汚れているので、水槽には入れないように破棄しましょう。

水槽の水を袋に注ぐ際は一度に行わず何回かに分け、水槽の水を増やすごとに約30〜40分置きます。

最後に、バトラクスキャットを水槽に放つ時は、袋の水が水槽に入らないように網などで掬うといいでしょう。

バトラクスキャットの飼育方法



バトラクスキャットは、ポイントを守れば長く飼育可能な魚です。ただし、一般的な熱帯魚とは飼育環境が異なる部分もあるので、後述する点を押さえて飼育していきましょう。

餌の種類と与え方

バトラクスキャットは肉食性で生き餌を食べます。丸呑みにして食べるので、体の大きさに合わせて選ぶといいでしょう。ミナミヌマエビ、金魚、ヒメダカや小赤などは、栄養価も高くおすすめです。冷凍餌でポピュラーなものはワカサギ、きびなご、赤虫などがあります。

人工飼料を与えたい場合は、生き餌と混ぜながら徐々に慣らしましょう。ただ、個体によっては時間をかけても人工飼料に慣れないこともあるのでご注意ください。

バトラクスキャットは与えた分だけ食べてしまうので、2〜3分で食べ切れる量だけ餌をあげましょう。

適している水温

バトラクスキャットを飼育するのに適した水温は大体23〜28℃です。水温が低下すると病気にかかりやすくなってしまうので、冬場は注意が必要です。逆に、水温が高くなりすぎると水中の酸素の含有率が下がってしまいます。

ナマズの仲間のバトラクスキャットはフンを多くするために水質が悪化しやすいので、適切な水温管理が必要になっていきます。

水質の保ち方

バトラクスキャットの水槽は、硝酸塩濃度が高くならないように注意しましょう。硝酸塩は放っておくと水槽内にどんどん蓄積してしまい、濃度が高くなってバトラクスキャットに悪影響を及ぼす可能性があります。

バトラクスキャットは大食感でフンが多く、水質が汚れやすい傾向にあるので注意しましょう。

水換えの頻度は1週間に1回行い、水を変える量は全体の3分の1程度にしておくといいでしょう。一気に全量変えてしまうと魚の負担となってしまいます。

レイアウト

バトラクスキャットは深い水の底で岩陰に潜み、ゆったりと泳ぎながら獲物を捕食したりします。隠れ家となるものをレイアウトすると安心して落ち着きます。

水換えの際に底砂があると大変ですが、敷きたい方は前述した田砂やガーネットサンドなど、あまり巻き上がらない比重の重いものがおすすめです。肌が弱く傷つきやすいので、流木や角が丸くない石などは入れない方がいいでしょう。

多頭飼育や混泳について

バトラクスキャットは単独飼育が基本です。大きな餌でも丸呑みしてしまうので、サイズを間違えれば一緒に飼育する魚も捕食してしまいます。

また、混泳する魚に餌を食べられて痩せる可能性も高くなります。さらに、他の魚から攻撃されると皮膚が弱いためすぐに傷ついてしまうでしょう。

バトラクスキャットにストレスを与えないためにも、複数飼いや混泳はおすすめしません。

バトラクスキャットの繁殖の仕方



バトラクスキャットの繁殖方法は、実はあまりわかっていません。その理由もあってか、他の熱帯魚より流通量が少なく価格も高めです。ただし、全く繁殖しないわけではなく、稀に産卵したケースもあるようです。

繁殖させたい場合はもちろんペアで育てる必要がありますが、その場合は共食いに気をつけましょう。相性があるので、最初のうちは分けて様子を観察しながら飼育することをおすすめします。

オスとメスの見分け方

オスとメスの見分け方は、バトラクスキャットの後ろの方にあるお尻のヒレの違いでわかります。白い生殖口を持った方がオスで、ない方がメスと言われています。

ただ、小さいうちは判別が難しく、判別できるようになるには12〜13cm程度まで成長する必要があります。

店舗によっては雌雄で販売されているところもあるので、繁殖させたい場合は取扱店舗で購入するといいでしょう。

バトラクスキャットを飼育する際の注意点



バトラクスキャットを飼育していると、急に餌を食べなくなり痩せてしまったり、逆にお腹が膨らんだまま弱ってしまったりと、不安になることがでてくる場合があります。そんな時は下記の項目をチェックしてみましょう。

絶食期間がある

野生下では、その環境に合わせて餌が豊富な時期に栄養を蓄え、繁殖期間中や季節的に餌がなくなる時期に絶食をする生物がいます。バトラクスキャットにも長期間餌を食べなくなる、絶食期間がある個体が存在するようです。

ただ、絶食と摂食不良は違うものなので、痩せてしまったり極端に弱っていたりするようでしたら、人工飼料の場合は生き餌を与えてみたり水温を少しあげてみて、新陳代謝を活発にすることにより消化を促してあげるなどするといいでしょう。

生餌は小さいものを与える

バトラクスキャットは巨大な生き餌を丸呑みにするので、それを見たくて大きめの餌を与える方もいるのではないでしょうか。実は、バトラクスキャットは消化器官がそこまで強いわけではなく、気をつけないと消化不良をおこしてしまう場合があります。

また、あまり大きいと口周りが傷つき変形してしまい、食欲がなくなったり餌を食べなくなったりすることもあります。生き餌はなるべく小さいものを与えましょう。

噛まれないように注意する

バトラクスキャットには細かい歯がたくさんあります。

比較的人になつきやすいので、個体によっては口元まで餌を持っていってあげると直接餌を与えられるようになりますが、その際は噛まれないように注意しましょう。

白点病について



白点病とは、ウオノカイセンチュウという寄生虫が原因で、熱帯魚の体の表面が白点で覆われてしまう病気です。特に導入直後は、輸送のストレスや水質の変化などで魚の抵抗力が弱っていて、ウオノカイセンチュウが寄生しやすい状態です。

エラに寄生してしまうと大変危険で、呼吸困難に陥り急死してしまう可能性があります。早めの対処が大事なので、導入時は注意深く観察しましょう。

出典:白点病|ガーデン動物病院
参照:https://garden-ah.com/2266.html

出典:病名:白点病|地方独立行政法人 大阪府立 環境農林水産総合研究所
参照:http://www.kannousuiken-osaka.or.jp/kankyo/gijutsu/seika/yamai/haku.html

適切な環境でバトラクスキャットを飼育しよう

バトラクスキャットの飼育方法について、いくつか注意点やポイントを紹介しました。他の熱帯魚でも当てはまることや、バトラクスキャット特有のものもありましたが、これらを注意すれば長く飼育していくことは可能でしょう。

一度環境に馴染んでしまえばその後は比較的飼育しやすい品種なので、飼育環境をしっかりと整え、導入時はバトラクスキャットの様子を特に観察し丁寧なケアを心がけましょう。
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