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ネオンテトラの繁殖を成功させる方法は?流れやどんな魚なのかを紹介

ネオンテトラは丈夫で飼育しやすく、価格も手頃なことから熱帯魚の中でも人気の高い魚です。
数十匹のネオンテトラが群泳する姿はとても美しく、繁殖して数を増やしてみたいと思う方も多数いらっしゃるのではないでしょうか。

ただ個人で繁殖するとなるとやや難易度が高く、ちょっとしたコツが必要です。
飼育している中で自然に繁殖する事はなく、水温や水質等を管理して繁殖行動のきっかけをつくってあげる事が必要となります。

でも、繁殖方法を理解してコツさえつかめば、個人での繁殖も可能です。

この記事では、そんなネオンテトラの基本的な知識や繁殖を成功するためのコツを解説していきたいと思います。

記事を読めば、ネオンテトラの繁殖方法をしっかり理解することができるでしょう。上手に飼育して繁殖を成功させましょう。

ネオンテトラはどんな魚なのか



ネオンテトラは主にアマゾン川流域に生息しているカラシン目カラシン科の熱帯魚で、ネオンのように青く光って見える体側が特徴です。

体長は成魚で約3センチメートルと小型の魚なので、比較的小さな水槽でも群泳させやすく、グッピーやエンジェルフィッシュなどと並んで、有名な熱帯魚です。

ネオンテトラの性格

性格はとても穏やかで、基本的には他の魚を攻撃する事はなく群れになって泳ぐ性質があるため、他の熱帯魚と混泳することも可能です。

とても臆病な性格なので、小さな物音や手の動きに反応して水草などの中に隠れてしまいますが、慣れてくるとそのまま泳ぎ続けるようになります。

一匹での飼育には向いていないため、複数匹での飼育がおすすめです。

また、グッピーやメダカなどと相性がよく、ネオンテトラと同じく飼育しやすいので、混泳すれば水槽の中も華やかになるでしょう。

ネオンテトラの寿命

ネオンテトラの寿命は通常2~3年くらいです。

鑑賞魚のなかでは寿命は短いほうですが、寿命は飼育環境に左右されるので上手に管理できれば8年以上生きた例もあります。

丈夫で飼育しやすいとされるネオンテトラですが、2年もしないうちに死んでしまう場合は飼育環境を見直してみるのもよいでしょう。

死因としては、老化による寿命はもちろんですが病気にも気を付けて下さい。水質の管理がきちんと出来ていないと水質が悪化して水槽内に細菌が増えてしまい、感染して病気になってしまいます。

ネオンテトラの原産地

ネオンテトラはブラジル、コロンビア、ペルーのオリノコ川やアマゾン川の流域で、鬱蒼とした森の中のほとんど光を通さないブラックウォーターの地域が原産地です。

枯葉などの残骸の成分が水のなかに溶けだして弱酸性となった水質で、ゆっくりとした穏やかな流れの中に生息しています。

養殖も盛んに行われ、日本で売られているネオンテトラは、主に香港や東南アジアで養殖されたものが輸入され流通しています。

ネオンテトラの飼育に適した水温

ネオンテトラを飼育するには20~28℃が適正水温になります。28~30℃の高水温では代謝が上がり成長が促進されますがその分寿命が短くなってしまうのです。また、20℃前後の低水温では代謝が下がり寿命は伸びますが、病気の発症のリスクが増えてしまいます。

飼育するには25℃前後を保つのが理想的です。

一日の水温の変化が大きいと体への負担が大きく、体力を消耗したりショック症状で死んでしまったりする事もあります。

日本の場合、冬になると水温も下がるため水槽用のヒーターを用意する必要があります。

また、夏には室温が上がり水温も28℃を超えてしまう事があるので、エアコンで室内の温度を下げたり水槽用クーラーを使用して水温を調節してあげたりして、一年中ネオンテトラが快適に生活できる水温を一定に保ってください。

ネオンテトラの種類



ネオンテトラはカラシン科の熱帯魚の一種で、同じカラシン科の近縁種が多数います。

色合いや体の大きさも色々とありマイナーな種類も含めると、かなりの数になるでしょう。

ここでは、その中でも代表的な3種について紹介していきます。

ダイヤモンドネオンテトラ

ダイヤモンドネオンテトラは、ネオンテトラを養殖する中で産まれた突然変異種を固定した改良品種で、原種と比べて体側のブルーラインが不明瞭で見た目は地味な感じですが、頭部が淡いメタリックなブルーに輝き群泳する姿はとても華やかに見えます。

体長は成魚で3~4センチくらいと原種のネオンテトラと同じくらいで、飼育についても原種同様丈夫なため、飼いやすい熱帯魚です。

カージナルテトラ

カージナルテトラはブラジルやコロンビアが原産地で、リオネグロ川の上流から中流域やバウペス川流域の水草の多い浅い小川に生息しています。

繁殖は難しいのですが、近年は養殖されることも増えており、野生で採取されたものと養殖されたものの両方が流通しています。

ネオンテトラとよく似た外見ですが、体の上半分のメタリックブルーのラインと腹部に広がる赤色のラインが特徴的でネオンテトラに比べて、より鮮やかな印象をうけるでしょう。

体長は成魚で4~5センチくらいになり、ネオンテトラよりひと回り大きいです。

グリーンネオンテトラ

グリーンネオンテトラは、ブラジルやコロンビアが原産地でアマゾン川上流域やネグロ川に生息しています。

繁殖が難しく養殖されることがないため、流通しているのはほとんどが原産地で採取された野生の稚魚です。

ネオンテトラに比べて赤色が少なく、ブルーのラインが頭から尾の方に長く続くのが特徴で、別名ロングラインテトラとも呼ばれています。

体長は成魚の場合②2~3センチで、ネオンテトラより一回り小さく細長い体形です。

ネオンテトラの繁殖が難しいとされる理由

長い間繁殖するのが難しいとされ、初めて人工繁殖に成功したのは1950年代頃だと言われています。

野生下での繁殖時期は、雨期になり大量の水が川に流れ込んで水温と水質が大きく変化した時なのですが、飼育下では水温や水質は一定に保つため自然繁殖することはほとんどありませんでした。

またネオンテトラは成魚でも3センチ前後と小さく、その稚魚はさらに小さいため餌をちゃんと食べることが出来ずに餓死してしまったり、親魚が稚魚や卵を食べてしまったりすることもあります。

稚魚のサイズが小さい

孵化したばかりのネオンテトラの稚魚はとても小さく、野生下では水の中に豊富にある水中プランクトンなどを食べて育ちます。孵化してしばらくは通常の稚魚用の餌やブラインシュリンプの幼生などを与えても大きすぎて食べる事ができないため、十分な栄養が取れずに餓死してしまうのです。

また産卵を確認したらすぐに親魚と離さないと、孵化した稚魚を親魚が食べてしまいます。

ほかの生物に卵を捕食されてしまう

ネオンテトラは他のカラシン科の仲間と同様に、水草の中などに卵を産み付けるようなことはせずに、床にばらまくように卵を産み落とす性質のため卵が露出していて見つけやすいために、他の個体が卵を捕食してしまいます。

また、ネオンテトラ自身も卵を育てることはなく卵を食べてしまうので、産卵してオスが卵を受精させたらすぐに親魚を取りださないとほとんどの卵が食べられてしまいます。

繁殖のきっかけとなる水質や水温の管理

野生下では、雨季になり川の水量が増えて水温や水質が大きく変化した時が繁殖のきっかけになりますが、飼育下では急激な水温や水質の変化は体にかかる負担が大きく、死亡させる危険があります。

人工繁殖を行うときは、原産地の自然に近い環境を作ってあげることが必要です。

ネオンテトラを繁殖させる流れ

ネオンテトラの繁殖を成功させるためには、繁殖のきっかけとなる環境や水質条件を作ってあげる必要があるのです。

また、親魚となる個体の性別の確認や成熟度も大事になります。

ここでは、繁殖するための準備や産卵~稚魚の育成までの流れを解説していきます。

繁殖用の水槽を用意する

飼育している水槽とは別に産卵用の水槽を用意します。大きなものは必要なく30センチ程度の小型の水槽で大丈夫です。

産卵用の水槽の底には煮沸殺菌した大磯砂やウィローモスなどの水草を敷いておくことで、産卵された卵が隙間に入って親魚に食べられることを防ぐことができます。

また、ネオンテトラの特性で産卵~稚魚が成長するまでの間は薄暗い環境を好むので、水槽の周りを黒い紙などで覆いましょう。

産卵用の水槽は飼育している水槽とは少しだけ水質を変えてph5.0~6.0程度に下げて、水温は25℃前後にします。

ペアリングを試みる

ペアリングをするためにはオスとメスの判別が必要です。見分け方は簡単で体形を見て判断します。オスはスリムな体形をしており、メスはお腹が丸くふっくらとしています。

繁殖する時の親魚に使用するのには成熟の度合いも大切で、3センチとフルサイズまで成長していると、老化が始まっている可能性があり繁殖には向いていません。生後1年未満で2.5センチくらいの個体を選ぶとよいでしょう。

産卵用の水槽にはメス1匹に対しオス2~3匹を入れて受精率が上がるようにします。受精率が上がれば受精卵の数も増えるので、繁殖の成功率もアップします。

産卵用の水槽に親魚を入れたら水温が15~18℃になるようにゆっくりと下げていきましょう。

水温を下げることにより産卵のきっかけを促します。1~2週間ほど飼育したら、25℃前後になるようにゆっくりと水温を上げていきます。

急激な水温の変化は体力を消耗して病気になったり、ショック症状を引き起こしたりすることもあるので、ゆっくりと時間をかけるよう注意してください。

水温が上がれば活性化するので、餌も多く与えて産卵が始まるまで様子を見てください。

産卵後のケアをしっかりと行う

産卵が終わり受精したことが確認できたら、速やかに親魚をとりだします。親魚をそのままにしておくとせっかく産まれた卵が食べられてしまいます。

親魚を取りだした後、水温を30℃位に上げると12時間ほどで孵化がはじまります。この時に孵化出来ずに死んでしまう卵が出てきますが、放置しておくとカビの原因になり他の卵に伝染する可能性もあるので、見つけたら直ぐに除去してください。

稚魚の育て方

孵化したばかりの稚魚はあまり動くことがなく、水底でじっとしています。3日くらいすると少しずつ泳ぐようになるので、この頃から餌を食べ始めるのですが、まだとても小さいので、溶いた卵黄やインフゾリアなどを与えるといいでしょう。

一週間ほどで活発に泳ぐようになるので、この頃から餌はブラインシュリンプに切り替えます。

この時に注意が必要で、あまりたくさんの餌を与えると食べ残してしまい水質を悪化させてしまいます。少しずつ回数を分けて与えてください。

水質の管理は、ろ過フィルターを使うと稚魚が小さいため吸い込まれてしまう可能性もあるので使用せずに、エアレーションを使用する程度にします。

6週間ほどで親魚に食べられない大きさに成長しますので、親魚と同じ水槽に移しても大丈夫です。

ネオンテトラの繁殖行動について



繁殖期になると複数のオスがメスを追いかけまわすように泳ぐようになります。

メスは逃げまわりますが、うまくペアになるとオスとメスが寄り添って泳ぐようになり産卵の準備に入ります。

妊娠したかを判断する方法

ネオンテトラのメスが妊娠するとお腹が大きく膨らんできて、もともとふっくらとして丸みを帯びた体形ですが、妊娠するとさらにお腹周りが大きくなります。

また、妊娠した時の特徴的な変化として背中の方が黒ずんできます。

産卵に伴う兆候や行動

メスは産卵が近づいてくると、急に止まったり、バックしたりと落ち着きのない行動をはじめるでしょう。

その後、水底にばらまくように卵を産み落とします。一回の産卵で30個ほどの卵を産み、傍にいたオスが精子をかけて受精します。

稚魚に適した餌を作る方法



ネオンテトラの稚魚はとても小さく、一般的な稚魚の餌では大きいので、産まれてしばらくの間はインフゾリア(動物性プランクトン)を食べさせましょう。

簡単なのは市販のインフゾリアの素を購入して、水を入れたペットボトルに入れ25~30℃に保てば増えていきます。

また、自分で作ることもできます。ペットボトルに半分くらいの水を入れ、キャップ一杯の米のとぎ汁とキャベツの切れ端を入れておくと2~3日で増えていくでしょう。

ネオンテトラの子どもを親の水槽に戻す時期




稚魚が順調に育ち、4~6週間ほどで体長が1センチを超えてくるので、親魚と同じ水槽に移しても大丈夫です。

このくらいの大きさになれば親魚に食べられる心配もなくなります。

ネオンテトラの繁殖を成功させるため知識を深めよう



ネオンテトラの繁殖は難しいと言われていますが、コツさえつかめば成功させることができます。

繁殖のためのきっかけ作りや、飼育の仕方をよく理解して知識を深めることが繁殖成功に繋がります。

ぜひ、この記事を読んで繁殖に挑戦してください。
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