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ピラニアにはどのような種類がある?飼育についてや必要なものなどを紹介

「迫力ある魚類を飼育してみたい」
「ピラニアって怖いイメージだけど、飼えるのかな」
「ほかの生き物と一緒に水槽にいれても大丈夫?」
このようにピラニアに興味はありながら、飼育をためらっている方はいらっしゃいませんか。

確かに、ピラニアがテレビで紹介されるときは勢いよく生肉に噛り付くシーンが多く、獰猛で怖いイメージがありますよね。そんなピラニアですが、個人でも飼育が可能です。

この記事ではピラニアに関する基礎知識や種類、飼育に必要なグッズについて解説しています。記事を読むことによって、ピラニアに適した飼育環境を用意できて、上手に管理しながら健やかに飼育できるでしょう。

ピラニアの飼育にチャレンジしたい方はぜひ参考になさってください。

ピラニアとは

ピラニアは主にカラシン目セルラサルムス科に属する魚類ですが、特定の種や属を示す言葉ではなく、主にアマゾン川などの南米熱帯地方に生息する肉食の淡水魚の総称です。

ピラニアという言葉は現地先住民の言語で歯のある魚という意味です。鋭い歯で勢いよく餌にかみつく姿を思うと、歯のある魚と名付けられたのがよくわかります。

ピラニアについて理解を深めるために、まずは特徴や寿命について詳しく見ていきましょう。

ピラニアの特徴

ピラニアの鋭い歯や、肉食で獰猛なイメージから怖い魚と思われることも多いですが、種類によっては緑や赤の美しい容姿を持ち、観賞用に飼育する愛好家もたくさんいます。体長は小型の種類で15センチほど、大型の種類は60センチに達するものもあります。

獰猛な魚を家庭で飼育するのは怖いと思われるかもしれませんが、ピラニアは単体ではとても臆病な性格で、野生では群れを成して自分よりも小さな魚類やネズミなどを食しています。

血液の臭いで興奮状態になるなど安全とは言えませんが、人を食べるイメージは誇張された姿と言えるでしょう。

ピラニアの寿命

ピラニアの寿命は種類により異なりますが、5~15年ほどと言われており、適した飼育環境を用意すれば20年近く飼育された記録もあります。病気やストレスに強く、飼育環境下でも長生きさせやすいでしょう。

より長く飼育するためには餌や環境などを管理してあげる必要があります。単体では臆病で群れることを好む種類のピラニアもいるため、その場合は同じ種類のピラニアを複数同じ水槽に入れてあげると良いでしょう。

ピラニアの種類

実はピラニアという言葉は特定の種属を表すものではなく、ピラニアと呼ばれる魚類には多くの種類があります。

ピラニアといえば鋭い歯で獰猛な性格をイメージすることがよくありますが、肉食ではなく植物の種子などを食べる種類のピラニアもいます。

そのような種類のピラニアは、ほかの種類に比べて歯があまり発達しておらず、食べた種子が消化されずに広範囲に運搬され、結果的に熱帯雨林の拡大に役立っています。

ウィンプル・ピラニア

ウィンプル・ピラニアは魚を捕食する際に鱗をはぎ取って食べるスケール・イーターとして知られています。大きな下あごで魚に体当たりし、素早く鱗をはぎ取ります。しかし歯があまり鋭利ではなく、獲物をかみ切れないため、他のピラニアとは区別して分類されることもあります。

体色は銀色、突き出た下あごと長い背びれと尾びれが特徴的で、黒い尾びれの先端が橙色になることが特徴ですが、生息地や個体により外見には差が出るようです。
分布パラグアイ川、アマゾン川南部
寿命約5年
体長約15cm
販売価格1,000円〜3,000円

ホワイト・ピラニア

ホワイトと名付けられていますが、体色は銀色がベースです。全体的に薄い黒の斑点模様があり、胸びれと腹びれがオレンジ色で尾びれは黒く縁どられることが特徴です。

幼魚の頃は体が丸みを帯びていますが、成魚になると口先が尖ってきます。体長25センチ程度でそれほど大型種ではありません。他のピラニアと比較すると少し見た目の派手さに欠けていますが、熱心な愛好家に飼育されています。
分布ネグロ川
寿命約15年
体長約25cm
販売価格5,000円〜10,000円

ピラニア・ピラヤ

ピラニアの中でも大きな種類の一つで、野生では体長50センチ以上で重さが6キロを超える個体が確認されています。水槽内でも30~40センチほどになる大型種です。

腹部付近を中心に体の6割程度が赤やオレンジ、金色と鮮やかに彩られることも特徴ですが、色の出方は生育環境により異なります。

性格は臆病で穏やか、餌をとるとき以外はほとんど動かずにじっと潜んでいます。体長を合わせれば他の魚との混泳も可能です。
分布ブラジル南東部・サンフランシスコ川水系固有種
寿命約15年
体長約45cm
販売価格10,000円〜30,000円

ダイヤモンド・ピラニア

ダイヤモンド・ピラニアは全体的に銀色の鱗に覆われ、光の当たり方や見る角度によってキラキラとダイヤモンドのように輝きます。菱形の美しい体格と真っ赤な瞳が美しさをさらに引き立てますが、ピラニアらしい小さな口には鋭く長い歯も見えます。

性格は神経質で警戒心が強く臆病なため群れで生活しますが、他の生物との混泳は避けた方が良いでしょう。食性は肉食で主に自分よりも小形の魚類などを捕食しています。
分布南米グアポレ川・パラナ川流域
寿命約10年
体長18~20cm
販売価格10,000円〜30,000円

ラインノーズ・ピラニア

銀色に輝く体色を持ち、上あごから背びれに向けて体の中心線にそったヴァイオレットメタリックのライン模様が特徴的なピラニアです。その特徴的な模様から、フェイスラインピラニアとも呼ばれています。

獰猛なイメージが強いピラニアですが、ラインノーズ・ピラニアには繊細な美しさを感じるでしょう。

魚を捕食する際にヒレをちぎって食べるフィンイーターとしても知られています。成長に伴いより背中が盛り上がり、体高が増します。
分布ブラジル・トカンチンス水系固有種
寿命約5年
体長約30cm
販売価格15,000円~30,000円

ピラニア・ナッテリー

ピラニア・ナッテリーは、ピラニアと聞いてすぐ頭に浮かぶような、ピラニアの代表的な品種です。幼魚の時は全身が銀色ですが、成長するにつれて緑色がかった銀色や灰褐色になり、腹部と尻びれに入る赤系の色が印象的な見た目をしています。

臆病な性格のため群れで生活しており、三角形の鋭くとがった歯をつかい強い力で獲物にかみつき魚などを捕食していますが、果物や藻類などの植物を食べることもあるようです。
分布アマゾン川
寿命3年〜5年
体長25cm〜30cm
販売価格500円〜3,000円

ジャイアント・イエローピラニア

キラキラと光る鱗を持ち、腹部がオレンジイエローの美しい体色を持ちながら、大変獰猛な性格です。大きく発達した顎でまさしく獰猛な顔つきをしています。乾季に牛を襲うなど、原産地でとても恐れられていますが、個体数が多いため食用にも利用されています。

迫力ある捕食シーンが見られるため、肉食の熱帯魚を飼育したい方にぴったりでしょう。比較的簡単に飼育できますが、作業中に水槽の中に手を入れることで噛まれる事故が多いため、注意が必要です。
分布パラグアイ水系
寿命10〜12年
体長30cm以上
販売価格10,000円~30,000円

ピラニアの飼育に必要なもの

ピラニアは水質悪化に比較的強く、飼育の難易度は高くありません。ただし、ピラニアが興奮状態にあるときや空腹時などはかみつく可能性があるため、ケガには注意が必要です。

飼育に必要なものは、一般的な熱帯魚用の飼育設備となります。美しい熱帯魚として人気のネオンテトラとピラニアは、実は同じカラシン目に属する仲間です。そのため必要な飼育環境も熱帯魚用のもので対応できますが、混泳は基本的に難しいため注意しましょう。
  • 水槽
  • フィルター
  • ヒーター
  • 水草や底砂など

水槽

飼育に適した水槽のサイズ、は単体飼育の幼魚であれば45センチで成魚なら60センチ、大型種であれば90センチが目安です。ピラニアは元々群れで生活する性質ですので、同種を複数飼育する方がピラニアにとって快適な環境ですが、複数飼育の場合はワンサイズ大きい水槽を用意しましょう。

大型のピラニアを小さいサイズから成長させたい場合、水槽内では成長が止まりやすいこともあるため、120センチ以上の大きな水槽がおすすめです。

フィルター

生餌を使用しなかったとしてもピラニアの飼育では水質が悪化しやすいため、ろ過力の強い上部フィルターか外部フィルターが必要です。フィルターの掃除も週に一度は行いましょう。

単体飼育なら上部式フィルター、複数飼育の場合はよりろ過能力が高い外部式フィルターがおすすめです。投げ込み式フィルターやスポンジフィルター等の場合はピラニアがエアチューブに穴をあける可能性があるため、避けた方がよいでしょう。

ヒーター

ピラニアは熱帯で生きる魚類のため、特に冬場はヒーターを使用して適切な温度に管理することが必要です。水温は25℃程度必要なため、ヒーターなしでは温度を保つことが難しく、水温が下がるとピラニアの体に大きな負担をかけることになります。

なお、ヒーターのコードをかじってしまうことも考えられるため、噛み癖があるならばヒーターカバーやコーナーガードを使用することをおすすめします。

水草や底砂など

ピラニアは餌を食いちぎるため水質が悪化しやすい傾向にあり、まめに水槽内の掃除が必要です。そのため水槽内に底砂を一切敷かず、水草などのレイアウト品も置かないベアタンクでの飼育が掃除しやすいため一般的です。

飾り付けてはいけないわけではありませんが、底砂を敷く場合は砂の間に汚れがたまりにくいよう、ガーネットサンドなどの細かい底砂がおすすめです。底砂はなくても水草はいれたいようなら、流木に活着させるとよいでしょう。

ピラニアの飼育について

ピラニアの飼育に特別に必要なものはなく、どれも一般的に手に入る熱帯魚飼育用品です。実際に飼育する際の水温や餌など、具体的にどのようなものが必要になるのでしょうか。

また、ピラニアはとても丈夫で飼いやすい熱帯魚ですが、ケガには注意しましょう。種類により多少性格に違いがありますが、どのピラニアも鋭い歯を持っています。油断した際にかみつかれるとなかなか離してくれず、出血は避けられません。

適切な水温と水質

ピラニアに適した水槽環境は、水温が23~28℃、pH6.0~7.5のやや酸性よりの水質を好みます。酸性やアルカリ性に偏りすぎた状況での飼育は良くありませんが、そこまで神経質にならなくても問題ありません。

水を汚して水質を悪化させやすいため、少なくとも週に一度程度はフィルターの掃除や水の入れ替えなどこまめに掃除しましょう。適した環境を用意すれば非常に美しい発色を見せてくれるでしょう。

ピラニアの餌

野生のピラニアは小型の魚や哺乳類などを食べる肉食魚ですので、飼育下でも生餌を好んで食べます。

代表的な生餌としては金魚やメダカ、ミルワームやコオロギ、アジの切り身や鶏肉も食べます。うまくいけば人工飼料も食べてくれますが、生餌なしの飼育は難しいでしょう。

種類や個体により適正な量は異なりますが、食べきれる量を1日に2~3回与えます。水質の悪化を防ぐため、食べ残された餌はその都度水槽から取り出してあげましょう。

ピラニアの入手方法

ピラニア・ナッテリーは人気で流通量も多いため、一般のホームセンターや熱帯魚専門店などで購入できます。

他の種類は流通量が少ないため、熱帯魚の専門店に何度も足を運んだり、インターネットで検索したりして探す必要があるでしょう。狙い目の時期は秋~春で、この時期は幼魚が多く輸入されます。

また、持ち帰る道中にピラニアが袋に穴をあけてしまうことがあります。なるべく目の届く範囲に置き、注意して持ち帰りましょう。

ピラニアの繁殖と産卵

野生のピラニアは乾季から雨期に入るときに産卵期を迎え、メスが流木の根元などに卵を産み付け、自然ふ化します。飼育下での繁殖は難しいですが、不可能ではありません。

そもそも繁殖のために混泳させることで共食いするリスクがあり、雌雄の判別も難しいのですが、挑戦したい場合は混泳しやすいとされるピラニア・ナッテリーで挑戦しましょう。

共食いを防ぐために常に満腹になるようにし、10匹ほどを混泳させてペアが出来たら別水槽で様子をみます。産卵後は卵を隔離し、孵化したらブラインシュリンプを与えて育てます。

ピラニアの混泳

ピラニアは肉食で共食いの可能性もあるため、混泳には向いていません。混泳相手が傷つくことを許容したうえでチャレンジするのであれば、ピラニア同士やピラニアよりも大きな種類の熱帯魚を選びましょう。特に鱗の硬いプレコやポリプテルスが選ばれることが多いようです。

ピラニアの中でも特に臆病な種類のピラニア・ナッテリーは、複数飼育した方が安心してのびのびと暮らせるでしょう。その際は水草や流木などで隠れ場所を作ってあげるのもおすすめです。

ピラニアの種類について知ろう

ピラニアには多くの種類があり、大きさや見た目もさまざまです。なかには植物の種を食べる種類もありますが、ピラニアの飼育を検討する人の多くは鋭い歯で獲物に食らいつく獰猛な種類を想像しているでしょう。厳ついイメージもありながら美しい体色もとても魅力的です。

注意点はありますが、飼育自体の難易度は高くありません。気になる種類のピラニアがいたら、ぜひ探して飼育にチャレンジしてみてください。
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