ハムスター多頭飼いはできる？おすすめの種類や育てる際の注意点を紹介

昔からペットとして、長年愛されている動物の1つにハムスターがいます。

よくハムスターを多頭飼いしている方をネットやSNSで見かけると思いますが、実際に自分で多頭飼いするとなると、何かと気をつけることや準備しなければいけないことが多いのではないかと、ちょっと構えてしまう覚えはありませんか。

本記事ではハムスターを飼いたい、もしくは飼っているけど多頭飼いはまだしたことがないという方向けに、飼育しやすい種類や飼育する際の注意点、そして多頭飼いについて役立つ情報をご紹介します。

この記事を読めば、ハムスターと上手に付き合っていくために飼い主が心がけることを把握でき、ハムスターを飼うための生活環境をスムーズに整えることができるでしょう。

愛らしいハムスターと長く付き合いたいという方は、是非ともご一読ください。

そもそもハムスターは多頭飼いできる動物なのでしょうか。基本的にはできますが、全種類のハムスターが多頭飼いできるわけではありません。

まずはハムスターの生態を正しく理解し、ストレスのない飼育環境を整えてあげることが大前提となります。

ハムスターはげっ歯類の一種で、とても丈夫な前歯と、餌を食べる際に器用に動く前足、そして身体の3分の1にも匹敵する大きさの頬袋が特徴の動物です。

野生では、ヨーロッパからアジアにかけての乾燥地帯に広く分布していて、意外にも厳しい環境の中で生活している種になります。

人が活動している昼間はほとんど巣の中で寝て過ごし、夜間になってから活動を開始する夜行性の動物です。

ハムスターは、実は目があまりよくありません。色の判別すらできないと言われています。そのため、周囲の状況を把握する際は主に、聴覚と嗅覚を用いています。

とくに匂いには敏感で、腰の辺りにある臭腺から分泌する匂いを各所の擦りつけ、自分の縄張りを主張するという習性を持っています。

種類にもよりますが、縄張りを侵した場合は喧嘩を行い、時にはその鋭い前歯を使って殺し合いにまで発展してしまうこともあるそうです。

ハムスターは非常に短命な生き物です。種類と環境によってある程度の差はありますが、寿命はおおよそ2〜4年とされています。ですが、正しい飼育方法で健康管理をしっかりとしていれば、5年以上生きるとも言われています。中には8年間も生き延びたという事例もあるそうです。

逆に劣悪な環境で飼育した場合は、1年と経たずにその生涯を終えてしまうくらい、儚い命なのです。

生き物の種類に関わらず、きちんと愛情を持って飼育することが大切といえるでしょう。

先述した通り、ハムスターは縄張り意識が非常に高い生き物です。なので、何も考えずに多頭飼いをしてしまうと、喧嘩に発展してしまう恐れがあるでしょう。

多頭飼いをする際には、原則として1匹につき1ケージ用意するようにしましょう。同じケージの中に、2匹以上のハムスターを同時に飼うこともできますが、それは比較的多頭飼いに向いている種類のハムスターに限った話です。また、ケージも極力大きいものを用意しましょう。

複数匹のハムスターを同一ケージ内で飼育するのは、基本的に推奨されていないのが現実です。それでも、種類によっては多頭飼いしやすいと言われるハムスターもいて、場合によっては同一ケージ内での飼育も可能とされています。

多頭飼いに向いているハムスターとしておすすめされているのが、「キャンベルハムスター」と「ロボロフスキーハムスター」です。この2種は、他のハムスターに比べて比較的温厚な性格をしているため、複数匹を同時に飼育しても喧嘩が起こりにくい種類だとされています。

反対に、多頭飼いは避けるべきハムスターは、「ゴールデンハムスター」や「ジャンガリアンハムスター」、それと「キンクマハムスター」です。これらはハムスターの中でとくに縄張り意識の強い種であるため、他のハムスターと同時に飼うことは避けましょう。

ごく希に、相性次第で上手くいくケースもあるとされていますが、あくまでそれは例外的な事例であり、例え表面上は仲良くしているように見えても、強いストレスを感じている可能性も高いため、注意しましょう。

これからハムスターを飼おうと思っている方は、まず飼育のためには何を用意すればいいだろうと悩むこともあるでしょう。

この項では、ハムスターの飼育で最低限必要とされているものをご紹介します。

ハムスターは夜行性なため、夜間に頻繁に動き回ります。そのため、飼育するためのケージは大きなサイズのものを選ぶことが理想です。代用品として水槽なども使えますが、掃除もしやすく壊れにくい、ハムスター用のケージを購入することをおすすめします。

ハムスターは元来、地面に巣穴を掘って生活する生き物です。なるべく自然に似た環境を整えるためにも、巣箱を用意してあげるようにしてください。市販品の中にはハムスター専用として販売されているものもあります。ケージと同様に、掃除のしやすいものを選ぶことが重要です。

ハムスターには専用のトイレを用意してあげましょう。実は、ハムスターは決まった場所で排泄する生き物なのです。

最初はトイレだと認識していないので、違う場所にしてしまうこともありますが、その箇所をしっかりと掃除して匂いを消せば、やがてトイレが排泄する場所ということを覚えます。

ちなみに、糞はトイレに関係なくケージ内のどこでもしてしまうようです。

遊び道具としてポピュラーな回し車。野生と違い、狭いケージ内で暮らしているハムスターの運動不足対策としてとても有効です。また、ストレス発散の効果も期待できます。

回し車で遊ぶと、とくに夜間はその音が気になることも多いため、静音性の高いものを選ぶようにしましょう。ケージやハムスターに合わせたサイズのものを選ぶことも重要です。

必要なものを用意できたら、次は実際に飼育する方法をご紹介します。

ハムスターは大変デリケートな生き物です。飼育するための知識をしっかりと身につけ、できるだけ長い時間を一緒に過ごせるようにしましょう。

これまで述べてきた通り、ハムスターにも多くの種類があります。

とくに飼育しやすいのは「ゴールデンハムスター」です。サイズも大きく、それほど機敏に動き回るタイプでもありませんので、もしケージから脱走しても比較的捕まえやすいでしょう。

ですが、寒さに弱い、多頭飼いに向いていないという特徴もありますので、室内の気温や頭数には気をつけましょう。

多頭飼いするのであれば、先述したように「キャンベルハムスター」や「ロボロフスキーハムスター」がおすすめです。臆病で人になつきにくい種類ではありますが、温厚なので同時に複数匹で飼いやすいのがポイントです。

自分の飼育環境にあったハムスターを、きちんと選ぶことが重要といえるでしょう。

ハムスターの餌といえばひまわりの種が有名ですが、もちろんそれだけを与えるのは健康にはよくありません。栄養のバランスを考慮した食べ物を選ぶのは、人間と同じく重要なポイントです。

おすすめなのは、食べやすく栄養バランスが優れているペレットという餌です。迷ったらまずはペレットを購入しましょう。また、ペレットには固形タイプと半生タイプがあります。固形タイプは固いので、ハムスターの前歯の伸びすぎを予防する効果が期待でき、半生タイプは柔らかいため幼体や高齢のハムスターに向いています。

副食として、乾燥野菜を与えるのもオススメです。生の野菜が苦手なハムスターでも食べやすく、また乾燥しているので長期保存もできるのが特徴です。

他にも、ひまわりの種やドライフルーツがミックスされているものもあります。ハムスターにも好き嫌いがあるため、ミックスされている餌を選り分けて食べてしまうことも多いですが、そこから逆に好みの餌を把握して、不足している栄養分を他の餌で与えてあげることもできます。

ハムスターは自分の周囲の情報を、主に聴覚と嗅覚で感じ取っています。とくに嗅覚が優れているので、不衛生な飼育環境ではストレスになってしまうことも。こまめに掃除やお手入れをしてあげるようにしましょう。

餌や水は毎日取り替えるようにして、時には巣箱にしまい込んでいる餌もチェックしましょう。長期間保存している餌は腐ってしまい、ハムスターの健康的にも良くありません。

床材も週に1回は交換し、ケージ全体の掃除も月に最低1度は行うよう心がけましょう。なお、その際にはハムスターが脱走しないよう、掃除中でも極力目を離さないよう注意が必要です。

ハムスターは大変繁殖力の高い生き物です。生後1ヶ月から3ヶ月で性成熟するとされており、一度の妊娠で多い時には10匹ほど出産することもあります。もし多頭飼いするのであれば、自分が飼育できる数をしっかりと把握しておきましょう。雄と雌を分けて飼育することも重要です。

繁殖させたいと思った場合は、事前に里親になってくれる相手を探しておくようにしましょう。

万が一、同じケージの中に複数匹のハムスターを飼ってる際に喧嘩してしまった場合には、すぐに別のケージに分けるようにしましょう。もしくは、ケージの中に仕切りを作るなどして、喧嘩したハムスター同士の飼育環境を隔てるようにしましょう。

ハムスターはとても食いしん坊な生き物とされています。さらに縄張り意識が高いこともあって、自分の食事を取られることを極端に嫌います。餌が少ないと喧嘩に発展する可能性もあるため、多頭飼いをしている時は、各ハムスターに十分な餌が行き渡るように多めに用意してあげましょう。

もし、食べ過ぎが気になるのであれば、ハムスターの体重を適度に測定してあげると良いでしょう。逆にあまり食べていない子がいた場合は、個別に餌を与えるようにしてください。

いかがでしたでしょうか。

ハムスターはその愛らしい外見からペットとして大変人気です。犬や猫と違って、マンションや賃貸で飼育することも可能で、騒いでうるさいということも、散歩が必要ということもないので、気軽な気持ちで飼ってしまう方も多いようです。

ですが、生き物を飼うということは、大きな責任を負うということを忘れてはなりません。ハムスターは多頭飼いするにあたって、正しい知識を持っていないと、取り返しのつかない事態を招いてしまうこともあるでしょう。

事前にしっかりと情報を収集して、飼育環境を整えてあげることが飼い主の使命といえるでしょう。