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ハムスターに見られる威嚇行動の要因とは?対策方法もあわせて解説

小さく丸々とした体とつぶらな瞳が可愛いと人気のハムスターですが、その習性をみなさんはご存じでしょうか?

「触ろうとしたら鳴かれた」
「この鳴き声はどういう感情なんだろう」
「ハムスターがなぜ怒っているかわからない…」

など、ハムスターを飼っていて悩むこともあるのではないでしょうか。

この記事ではハムスターがする威嚇行動の種類や原因、対処法などについて解説しています。

記事を読むことでハムスターの気持ちをより理解することができ、彼らのストレスが減るため、さらに仲良くなれるでしょう。

ハムスターを飼っている方、もしくはこれから飼いたいと思っている方はぜひ参考にしてください。

ハムスターの縄張り意識は強い?

ハムスターは縄張り意識が非常に強い生き物です。

基本的に1匹で生活する生き物であり、小さな体のわりに広い縄張りを主張するため、それがトラブルになります。

その縄張りを侵害すると、餌を与えて可愛がってくれる飼い主にも攻撃や威嚇行動をとることがあります。

ハムスターに見られる威嚇行動

ハムスターが、威嚇するときに見られる行動があります。これからその威嚇行動について紹介していきますので、ハムスターを飼い始める際にこれらの行動を前もって知っておくと役に立つでしょう。

鳴き声で威嚇する

ハムスターは基本的に鳴かない生き物です。

その理由として、野生のハムスターは天敵が多い環境で育っているため鳴き声で敵に見つからないようにしていること、単独で生活する個体が多いため声を上げて仲間と交流する必要がないことなどが挙げられます。

しかし、縄張りに外敵や侵入者が現れた場合は、追い払うために威嚇として鳴き声を上げます。

人間に飼われていて他の肉食動物に襲われることがない安全な環境でも、ハムスターが恐怖を感じたり、縄張りを侵害されて怒ったりしたとき攻撃的になります。

ハムスターが頻繁に鳴き声を上げ威嚇するような環境は、彼らにストレスがかかっている証拠ですので飼育状況を改善する必要があるでしょう。

後ろ足で立って歯を見せる

ハムスターは後ろ足で立って歯を見せながら威嚇してくることがあります。

これは立ち上がるポーズで自分の体を大きく見せ、相手を威圧しようとしているのです。

歯をむき出し、これから攻撃するぞ!と警告しています。

ハムスターが後ろ足で立つことはよくあることで、警戒していたり周囲を確認したりするために立ちながらキョロキョロすることがあります。

そのような場合とは異なり、威嚇の後ろ足立ちはハムスターの顔も怒っていることが一目でわかるため、絶対に素手で触ったりしないようにしましょう。

においで威嚇する

ハムスターを驚かせたり怒らせたりしたとき、嫌なにおいを出して外敵を追い払おうとします。

ゴールデンハムスターは背中に、ジャンガリアンハムスターやキャンベルハムスターにはお腹に臭腺という器官があります。身の危険や縄張りの侵害を察知するとそこからにおいを出すのです。

また、マーキングとして臭腺からにおいを出し、縄張りを主張する行為も見られます。

このような強烈なにおいを飼い主が感じたときは、ハムスターは相当なストレスを与えていることになります。

過度なストレスは体調不良の原因になるので十分に気を付けてあげましょう。

強く噛んでくる

威嚇行動が最高潮に達すると外敵や侵入者を強く噛んで追い払おうとします。

ハムスターは体が小さいため攻撃力が低いように思えますが、彼らの前歯は鋭く、本気で噛まれると人間でも流血する事態になります。

好奇心で軽く噛んでくることもありますが、威嚇と攻撃の噛みつきは比べようにならないほどの痛みです。

攻撃的な態度をとった場合は落ち着くまでそっとしておくのがベストです。

しかし、診療やハムスターの安全のため抑える必要がある場合は、怪我をしないように手袋などをして保定してください。

ハムスターが威嚇する理由

ハムスターはなぜ飼い主や仲間を威嚇するのでしょうか?

彼らが威嚇する理由は様々ありますが、その中でも多い原因を8つほど紹介します。

威嚇されたときは以下の項目を自分がやっていなかったか振り返って考えてみましょう。

初めて見る人間や知らない仲間を見た

ハムスターは縄張り意識が強い生き物ですので、知らない人間や仲間を見たら威嚇して自分のテリトリーを守ろうとします。

初めて来訪した人には触らせたり見せたりせず、別の部屋に案内するか、それが難しい場合はケージに布をかぶせるなど対策をしてハムスターをあまり刺激しないようにしましょう。

新しく仲間に迎える、もしくはすでに先住の仲間がいる場合は、ケージを離すなどしてお互いの縄張りに干渉しないようにしてあげるのが良いでしょう。

急に触る

ハムスターがくつろいでいるときや、寝ている無防備なときなどに急に触らないようにしましょう。

驚きや怒りで威嚇の鳴き声を上げるだけでなく、反射的に噛まれる恐れがあるのでとても危険です。

触るときは正面から手をさしのべ、これから触りますよという意思表示をしてください。

そこでハムスターが逃げたり嫌がったりするようならしつこく構わず、そっと彼らが歩み寄るのを待ちましょう。

購入直後に触りすぎてしまう

購入しておうちに来たハムスターは慣れない環境に緊張しています。

飼いはじめ1週間は新しい環境に慣れてもらうことを優先し、掃除などのお世話も最小限にしてむやみに刺激しないようにしましょう。

可愛いハムスターが気になる気持ちはよくわかりますが、ケージの中を何度ものぞき込んだり、無理に触ったりなど構いすぎないように注意してください。

ハムスターは本来人間と触れ合うことを喜ぶ生き物ではないので、馴れていない状態でのスキンシップはストレスになります。

ハムスターが寄ってきてくれる、撫でさせてくれるなど信頼関係が深まるまで無理にスキンシップをはかるのは控えましょう。

大きい音を立てる

ハムスターは外敵から身を守るため、かすかな音でも聞き逃さず危険を察知できるように人間の何倍もの聴力を持っています。

このように聴力が優れているかつ臆病なため、大きな音や声を出されると驚きと恐怖を感じて威嚇する子が多いようです。

テレビやオーディオの近く、人の出入りが激しい扉の近くなどにはケージを置かないようにしましょう。

香水や石鹸のにおいが残っている

ハムスターの嗅覚は人間の約40倍あると言われています。

このようにハムスターは嗅覚が優れているので、香水や石鹸など強い香りがするものを嫌います。特に強い刺激臭のものを嫌う傾向があり、ワサビやミント、ユリの花などが嫌なようです。

馴れている飼い主だったとしても普段と違うにおいに混乱し、思わずビックリして噛んだり鳴いたりして威嚇する可能性があります。

ハムスターと触れ合うときはなるべく香水をつけない、もしくは香りの弱いものを使用し、石鹸はよく洗い流してにおいを残さないようにするなど努力が必要です。

ハムスターの視覚外から触る

人間の視野は前向きに平行についているので正面と上下左右をまんべんなく見ることができ、150度から170度ほどといわれています。

ハムスターの視野はどれほどなのかというと、270度ほどあるということです。

ハムスターは斜め横に目がついているために視野が広く、首の角度も含めると死角がないようです。

広い視野を持つハムスターですが、見える奥行きは狭く、極度の近眼です。

その近眼を補うために嗅覚と聴覚が優れているので、それらを使って総合的に目の前に見えるものを判断しているようです。

さらにハムスターは1つのことに集中しやすいため、気になるものがあるとそちらに注意を引かれ、後ろや横から手を出した飼い主に気づかないことがあります。

その結果、視覚外から急に触られて驚いたハムスターに威嚇されてしまう恐れがあるので、正面から優しく声をかけて触りましょう。

ハムスターが寝ているときに起こしてしまう

ハムスターでも人間でも、寝ているときは完全に無防備な状態です。

そのような状態で急に触られる、ケージの掃除をするなど無理に起こされた場合、驚きと怒りで威嚇されてしまいます。

ハムスターは夜行性で、夜には活発に活動するものの、飼い主が起きている日中は寝ていることが多いです。

普段のスキンシップで慣れたといっても、相手が寝ているときに触ってはいけません。

無理に起こして触ろうとすると、人間に不信感を持ち、せっかく構築した関係にヒビが入ってしまいます。

寝ているときには起こさず、そっと見守ってあげましょう。

頻繁に巣箱に触る

縄張り意識が強いハムスターは、自分のおうちに侵入されるのを嫌います。

ケージの掃除や様子の確認のためにあちこち巣箱を動かしたり取り除いたりを繰り返すと、縄張りを侵害されたと思い、侵入者を威嚇します。

自分の居場所である巣箱が頻繁に動かされると、安心できる場所がないとハムスターは感じ、それがストレスになります。

彼らのおうちは必要以上に動かさず、人の視線を遮れる死角をつくってあげると安らげるでしょう。

ハムスターに威嚇されたときの対処法

触れ合っていたとき、傍に寄ったときにハムスターに威嚇されたとき、あなたは驚きと悲しみを覚えるでしょう。

しかし、ハムスターも驚き、怖がっているから威嚇したのです。

そのような彼らの気持ちも鑑みながら、ハムスターに威嚇されたときは以下の点に注意して対処しましょう。

飼い主であることを覚えさせる

ハムスターが飼い主を威嚇するのは、自分を害する敵だと認識しているからです。

彼らが嫌がる行為をせず、優しく接することで「飼い主は自分の味方」だと覚えてもらうことが重要です。

ハムスターはあまり目が良くないので、名前をたくさん呼んであげること、においを覚えてもらうことで飼い主と認知してもらいましょう。

記憶力もあまりよくないため、根気強く毎日話しかけてあげることが重要です。

驚かす行動をとらない

「上から急につかむ」「ケージにぶつかる」「大きな声を出す」など、彼らが驚く行為をするのはNGです。

自分の何倍も大きい生き物に上からわしづかみにされたら、どんな生き物でも恐怖を感じるでしょう。

威嚇は自らの身を守るための抵抗です。

関係性を深めるには、彼らを驚かせないように手をさしのべ、自分から乗ってくるまで気長に待ちましょう。

スキンシップを控える

ハムスターを必要以上に触ってストレスを感じさせることは、ハムスターに嫌がられる原因になります。

可愛くて触りたくなる気持ちはわかりますが、本来ハムスターは群れをつくらない動物なので他者との接触を嫌います。

彼らが環境に慣れるまでスキンシップは控え、自ら近寄ってくるなど親密な行動をとってくれるまで気長に待ちましょう。

飼い主のにおいや手で餌を与えて徐々に慣れさせる

お迎えしたハムスターが新しい環境に慣れてきたら、指を出してにおいを嗅がせてみたり、餌やおやつを手渡しであげてみたりしてみましょう。

餌を手のひらに乗せて与えるのは、馴れていないうちは怖がるため、指でそっと渡してあげてください。

毎日少しずつ触れ合っていくうちににおいを覚え、美味しいものをくれる人だと認識してくれるようになります。

ハムスターが威嚇や怒っているときの鳴き声

ハムスターはほとんど鳴かない生き物ですが、威嚇や怒っているときなどは声をあげて主張します。

その鳴き声も1種類だけではなく、気持ちや状況によって使い分けています。

以下に、ハムスターが威嚇や怒っているときの鳴き声について解説します。

「ジジッ」または「ギギッ」と鳴く

ハムスターが「ジジッ」「ギギッ」など低く鋭い声を出すのは、怒っているときです。

無理に捕まえようとしたり、ケージの中に突然手を入れたりすると縄張りを侵害したと判断されて威嚇してきます。

触ろうとしてこの鳴き声を上げられたのであればまだ馴れていない証拠ですので、無理に触ろうとせず関係を深めることから始めてください。

「ジージー」または「プキュー」と鳴く

ハムスターは怒りを感じたときに「ジージー」「プキュー」と鳴きます。

餌を食べているときに触ったり、寝ていたりするときに起こされるなどすると、不機嫌そうな低い声で「ジージー」と主張します。「やめてほしい」と訴えているので、触らないようにしましょう。

好きな餌を取り上げたりすると鋭く高い「プキュー」という叫び声を上げます。

本気で嫌がっている証拠なので、おやつや餌の量は与える前に調整し、取り上げることはしないようにしましょう。

「ジー」と長めに鳴く

ハムスターが低い声で「ジー」と長く鳴いているときも怒っているときです。

ハムスター同士での喧嘩や、機嫌が悪いとき、ストレスを感じたときに上げる鳴き声になります。

彼らに触ろうとする、触ったりすると不機嫌そうにこのような声を上げることがあります。

その場合は関係性が深まっていないか、「今は触らないで」と思っているときですので、構わずにそっとしてあげましょう。

「ギーギー」と鳴く

見慣れない人や動物を見たとき、または無理やり触ろうとしたときに歯軋りのような低い「ギーギー」音を出すことがあります。

相手を追い払おうと攻撃的に威嚇している状態なので、手を近づけると噛まれる恐れがあります。

威嚇されたときはハムスターが落ち着くまでそっとしてあげましょう。

「カチカチカチ」という歯軋りのような声で鳴く

ハムスターが怒っているときや怖いと思っているときに、「カチカチカチ」と歯軋りのような鳴き声を上げることがあります。

この声を出したときは嫌がっているのでそっとしてあげましょう。

しかし、爪を切ってあげるなどハムスターのために行っている処置も不快に思って「カチカチカチ」と鳴いて暴れることがあります。

その場合はお互い怪我をしないように注意して行ってください。

ハムスターが威嚇や怒っているとき以外に鳴く理由は?

ハムスターは威嚇や怒っているとき以外にも鳴き声を上げる、感情豊かな生き物です。

一緒に遊んでいるとき、ケージの中でゆっくり休んでいるとき…、様々な状況下で小さな彼らの声を聴くことができるでしょう。

寝言や嬉しくて興奮しているなどもありますが、中には体調の不良などを訴えてくる重要な鳴き声もあるため、ぜひ耳をすませて彼らの声に注意してあげてください。

寝言によるもの

人間は「んー」や「うーん」などといった寝言を言うことがありますが、実はハムスターも言います。

寝ているのに「キュキュキュキュキュ」と小さい声がするとき、「プスップスッ」と鼻息のような声がするときはハムスターが寝言を言っています。

ケージの中をそっと覗いてみると、ぐっすり眠っている可愛い姿を観察できることでしょう。

発情期によるもの

ハムスターは発情期を迎えると、異性を惹き付けるために通常時とは違った鳴き声を出すことがあります。

特にメスは「ギィギィ」と鳴いてオスを呼びますが、小さな声であったり全く鳴かなかったりする子もいるので個体差があるようです。

いつまでも鳴いていてうるさいようでしたら、オスとメスを別々の部屋に分けておくのがいいでしょう。

入れたばかりの砂場に興奮していることによるもの

ハムスターが喜んだり興奮したりすると「キュキュキュッ」と高い声で鳴きます。

元々乾燥地帯に住んでいた彼らは、砂浴びをすることで体についた汚れやにおいを落とします。

つまり砂浴びはハムスターにとってお風呂であり、嬉しく楽しいことなので興奮して鳴き声を上げることもあるようです。

砂浴びは多くの効果があり、身だしなみを整える、ダニから身を守る、ストレスを発散するなどハムスターにとって大切なものです。

砂場を定期的に点検し、汚れた砂はこまめに交換しましょう。

喧嘩によるもの

多頭飼いしている場合は、ハムスター同士が喧嘩することがあります。

特にオス同士は縄張り意識が強いので、エスカレートすると大怪我をするような激しい喧嘩になります。

ハムスターが傷つけあうのを阻止するため、基本的に1匹ずつケージに入れて飼うことを徹底してください。

部屋の中を散歩させているときに、他のハムスターのケージにちょっかいを出して喧嘩が始まることもあるため、散歩中は目を離さないようにしましょう。

病気によるもの

余命が短いとき、病気で弱っているときに「キューキュー」「チューチュー」など弱弱しい長めの鳴き声を出します。

ハムスターは病気が発覚してから重篤な状態になるまでの期間が短いため、気づいたらすぐに動物病院に連れて行ってあげる必要があります。

なにかあったときにすぐ対処できるよう、病気になる前からハムスターを診てくれる動物病院を探しておきます。ハムスターの体調がいつ悪くなるかわからないので、昼だけでなく夜も診療してくれるところを探しておくのが良いでしょう。

余命が短い場合は、残りの生涯を安らかに生きられるよう傍で見守ってあげましょう。

ハムスターが威嚇する理由と対処法を理解しよう

本記事では、ハムスターがどのように威嚇してくるのか、またその威嚇の原因と対処方法をテーマに解説しました。

ハムスターは小さい体ながら縄張り意識が強く、自分のテリトリーに侵入してくる外敵を追い払うため威嚇行動をとります。

威嚇行動をとられた場合に適した対処法は、刺激せずそっとしておいてあげることです。

ハムスターとの仲が深まるまで、手ずから餌をあげて飼い主のにおいを覚えさせる、自分から近づいてくるまで無理に触らないなどを心がけましょう。

ハムスターが健やかに生活するうえで、威嚇させない環境づくりはとても重要です。

ぜひこの記事を参考に、楽しいペットライフを送ってください。
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