セミの声を聞くと、本格的に夏が始まったと思う人も多いでしょう。それくらい、セミは夏の風物詩として世間に知れ渡っています。子どものときに、そんなセミを飼ってみたいと思ったことはありませんか。
本記事では、セミを飼育する場合の注意点や寿命、種類について紹介しています。一般的にセミは成虫の期間も短く、外を飛び回って生きていることから、人の手での飼育が難しいとされていました。
しかし、本記事で紹介しているセミを飼育する際の注意点をしっかり理解しておけば、セミの飼育は可能といえるでしょう。また、仮に飼育することはなくても、今まで知ることができなかったセミに対して理解を深めることもできます。
それらを踏まえた上で、さっそく本記事をチェックしてみましょう。
本記事では、セミを飼育する場合の注意点や寿命、種類について紹介しています。一般的にセミは成虫の期間も短く、外を飛び回って生きていることから、人の手での飼育が難しいとされていました。
しかし、本記事で紹介しているセミを飼育する際の注意点をしっかり理解しておけば、セミの飼育は可能といえるでしょう。また、仮に飼育することはなくても、今まで知ることができなかったセミに対して理解を深めることもできます。
それらを踏まえた上で、さっそく本記事をチェックしてみましょう。
セミはカメムシの仲間?
セミは生物学的には「カメムシ目(半翅目)」に分類されている昆虫です。
カメムシ目は針のような尖った口を持っているのが特徴です。その口を器用に使い、動物や植物から蜜や体液を吸って栄養にしています。
また、セミは成虫期間が非常に短いことで知られていますが、その分幼虫期間が長く、総合的にみると寿命が長い昆虫です。種類にもよりますが、およそ3〜17年ほどは生きられるでしょう。
カメムシ目は針のような尖った口を持っているのが特徴です。その口を器用に使い、動物や植物から蜜や体液を吸って栄養にしています。
また、セミは成虫期間が非常に短いことで知られていますが、その分幼虫期間が長く、総合的にみると寿命が長い昆虫です。種類にもよりますが、およそ3〜17年ほどは生きられるでしょう。
セミの種類
夏の風物詩として古くから定着しているセミですが、日本でみられるセミの種類まで細かく知っている人は、少ないでしょう。
また、ペットショップなどでセミを取り扱っているところはほとんどありません。そのため、実際に飼育する場合は、野生のセミを捕獲するところから始まります。
そこでまずは、実際に日本で生息しているセミにはどんな種類がいるのか紹介します。
また、ペットショップなどでセミを取り扱っているところはほとんどありません。そのため、実際に飼育する場合は、野生のセミを捕獲するところから始まります。
そこでまずは、実際に日本で生息しているセミにはどんな種類がいるのか紹介します。
アブラゼミ
主に日本全土で目撃されるのがアブラゼミです。アブラゼミの幼虫期間は、2〜4年程度とされています。
全長は5〜6cm程度で、茶色でまだら模様の羽を持っているのが特徴です。日本では馴染み深いセミですが、羽が不透明な種類は世界的にみた場合、とても珍しい種類のようです。
また、アブラゼミは気温や湿度が高い夜や、街灯が明るい場所で「夜鳴き」をする種類です。そのため、無理に早起きをしなくても捕まえられる種類といえるでしょう。
全長は5〜6cm程度で、茶色でまだら模様の羽を持っているのが特徴です。日本では馴染み深いセミですが、羽が不透明な種類は世界的にみた場合、とても珍しい種類のようです。
また、アブラゼミは気温や湿度が高い夜や、街灯が明るい場所で「夜鳴き」をする種類です。そのため、無理に早起きをしなくても捕まえられる種類といえるでしょう。
ミンミンゼミ
ミンミンゼミは主に、北海道南部から九州にかけてみられるセミの種類です。アブラゼミ同様、日本の代表的なセミとして思い浮かべる人も多いでしょう。
全長6cm程度で、黒の胴体に緑色や水色の模様が入った透明の羽を持っています。「ミーンミンミン」という鳴き方が名前の由来になったといわれています。
暑さが苦手で乾燥した場所を好むことから、都市部の公園でも捕獲することができるでしょう。
全長6cm程度で、黒の胴体に緑色や水色の模様が入った透明の羽を持っています。「ミーンミンミン」という鳴き方が名前の由来になったといわれています。
暑さが苦手で乾燥した場所を好むことから、都市部の公園でも捕獲することができるでしょう。
クマゼミ
クマゼミは、主に西日本以南に生息しているセミの種類です。
全長は6〜7cmと、本州でみられるセミの中では最も大型の種類です。体は黒っぽく、緑や水色の模様が入った透明の羽を持っています。
明け方から午前中に鳴くことが多く、「シャシャシャ」という鳴き方から、息継ぎのように「ジー」と間に挟むのが特徴です。
捕まえたい場合は、主に平地の公園や雑木林を探してみると良いでしょう。
全長は6〜7cmと、本州でみられるセミの中では最も大型の種類です。体は黒っぽく、緑や水色の模様が入った透明の羽を持っています。
明け方から午前中に鳴くことが多く、「シャシャシャ」という鳴き方から、息継ぎのように「ジー」と間に挟むのが特徴です。
捕まえたい場合は、主に平地の公園や雑木林を探してみると良いでしょう。
ニイニイゼミ
ニイニイゼミは、一部地域を除く日本全土で見られるセミの種類です。
小型のセミで全長は2〜3cm程度しかありません。胴体も木の皮のような模様が保護色のような働きをしているため、木に止まっているときは見つけづらい傾向があります。
日本全土に生息しているセミですが、乾燥した場所はあまり好みません。そのため、捕まえるなら湿気の高い緑地や森林を探してみると良いでしょう。
小型のセミで全長は2〜3cm程度しかありません。胴体も木の皮のような模様が保護色のような働きをしているため、木に止まっているときは見つけづらい傾向があります。
日本全土に生息しているセミですが、乾燥した場所はあまり好みません。そのため、捕まえるなら湿気の高い緑地や森林を探してみると良いでしょう。
ヒグラシ
ヒグラシは、日本全土の他に東アジアを中心に生息しているセミの種類です。この名前から夕方に鳴いているイメージがありますが、早朝にも鳴いています。
全長は2〜3cm程度と小型で、オスとメスで大きさが異なるのが特徴です。オスの方が比較的大きく、中には4cm近くまで成長する個体もいます。
オスのお腹は空洞になっていて、鳴き声が響きやすくなっています。
全長は2〜3cm程度と小型で、オスとメスで大きさが異なるのが特徴です。オスの方が比較的大きく、中には4cm近くまで成長する個体もいます。
オスのお腹は空洞になっていて、鳴き声が響きやすくなっています。
ツクツクボウシ
ツクツクボウシは、主に北海道からトカラ列島以北に生息しているセミの種類です。主に、夏の後半や秋にかけて鳴き始めるセミとして知られています。
全長は4〜5cm程度で、「ツクツクボーシ」と特徴のある鳴き声をしています。また、地域によっては7月上旬くらいから活動を始めますが、他のセミの声にかき消されることもあり、鳴き声があまり目立つことはありません。
全長は4〜5cm程度で、「ツクツクボーシ」と特徴のある鳴き声をしています。また、地域によっては7月上旬くらいから活動を始めますが、他のセミの声にかき消されることもあり、鳴き声があまり目立つことはありません。
ハルゼミ
ハルゼミは、春から初夏にかけて活動しているセミの種類です。
全長は3cm程度とやや小型で、全身が黒や黒褐色のような暗い色をしています。
ハルゼミは、主にアカマツやクロマツのような樹木を好んでいます。しかし、近年では都市開発の影響もあり、ハルゼミの生息域が減少しつつあります。実際に生息しているのを見たい場合は、郊外の松林に足を運んでみると良いでしょう。
全長は3cm程度とやや小型で、全身が黒や黒褐色のような暗い色をしています。
ハルゼミは、主にアカマツやクロマツのような樹木を好んでいます。しかし、近年では都市開発の影響もあり、ハルゼミの生息域が減少しつつあります。実際に生息しているのを見たい場合は、郊外の松林に足を運んでみると良いでしょう。
セミの寿命は?
一般的に、セミの一生は短いと感じる人も多くいると思います。これらの理由は、セミは幼虫期間が非常に長く、成虫として地上に出てきてから活動を始める期間が非常に短いためです。
また、セミが成虫になってから大きな声で鳴く期間は1週間程度しかなく、一生のほとんどは地中で過ごしています。その期間は3〜7年程度で、長い場合は10年以上地中で生活していることもあります。
また、セミが成虫になってから大きな声で鳴く期間は1週間程度しかなく、一生のほとんどは地中で過ごしています。その期間は3〜7年程度で、長い場合は10年以上地中で生活していることもあります。
セミの食べ物とは?
セミは、幼虫や成虫も同じで木の樹液を餌にしています。
セミが持つ細長い口を木に刺して、自身の栄養として摂取しています。これは生きた木から摂取できる栄養が重要になっているため、木の枝や昆虫ゼリーなどでは同様に食事させるのが難しいとされています。
しかし、昆虫ゼリーの場合は、ぐちゃぐちゃにかき混ぜて液体と固体を分離させることによって、食べてくれる場合もあるようです。
セミが持つ細長い口を木に刺して、自身の栄養として摂取しています。これは生きた木から摂取できる栄養が重要になっているため、木の枝や昆虫ゼリーなどでは同様に食事させるのが難しいとされています。
しかし、昆虫ゼリーの場合は、ぐちゃぐちゃにかき混ぜて液体と固体を分離させることによって、食べてくれる場合もあるようです。
セミを飼うときの注意点
セミは、人間が思っている以上にデリケートな生き物で、すべての条件をクリアした環境下でなければ生きられません。そのため、一般的にはペットとしては向かない昆虫として知られています。
しかし、それらの注意点をしっかりと理解しておけば、実際に飼育することも可能です。それでは実際に、セミを飼うときにどのようなことに気をつけておけば良いのか、詳しく見ていきましょう。
しかし、それらの注意点をしっかりと理解しておけば、実際に飼育することも可能です。それでは実際に、セミを飼うときにどのようなことに気をつけておけば良いのか、詳しく見ていきましょう。
殺虫剤などの使用に気を付ける
夏は、害虫を避けるために、殺虫剤や蚊取り線香を利用する場面が増えてきます。それはセミにとっても有害物質を含んでいるため、飼育中の使用は避けておくのが無難でしょう。
さらに、防虫効果のあるアロマオイルやエッセンシャルオイルも同様に、セミは苦手としています。
もしセミを飼育したいと考えている場合は、殺虫・防虫効果のあるものは基本的に使用できないと考えておくと良いでしょう。
さらに、防虫効果のあるアロマオイルやエッセンシャルオイルも同様に、セミは苦手としています。
もしセミを飼育したいと考えている場合は、殺虫・防虫効果のあるものは基本的に使用できないと考えておくと良いでしょう。
暑さが苦手
セミといえば夏を代表する昆虫の代表格ですが、実は暑さが得意ではない一面も持ち合わせています。
特に、気温が30度を超えるような猛暑を苦手としています。そのため、常にセミが快適に過ごせる24〜26度程度を保たなければなりません。それ以外に、長時間の直射日光が当たる環境も苦手としているので、風通しが良く、日陰のある涼しい場所で飼育する必要があるでしょう。
特に、気温が30度を超えるような猛暑を苦手としています。そのため、常にセミが快適に過ごせる24〜26度程度を保たなければなりません。それ以外に、長時間の直射日光が当たる環境も苦手としているので、風通しが良く、日陰のある涼しい場所で飼育する必要があるでしょう。
尿を飛ばす習性がある
セミは空を飛ぶときに尿を飛ばす習性があります。これは、少しでも体を軽くしようとする習性の1つです。そのため、セミの近くにいたことで、飛び立つ際に尿をかけられてしまった経験がある人もいるでしょう。
一般的に尿と聞くと、あまり良いイメージを持てないかもしれません。しかし、尿に含まれている成分のほとんどは水であり、人体に害はありません。服についても通常の洗濯で綺麗になるでしょう。
一般的に尿と聞くと、あまり良いイメージを持てないかもしれません。しかし、尿に含まれている成分のほとんどは水であり、人体に害はありません。服についても通常の洗濯で綺麗になるでしょう。
セミの天敵の存在
自然界において、セミは捕食対象になることがほとんどです。そのため飼育する際は、それらの天敵からしっかり守る必要があります。
主に、クモやカマキリ、鳥類全般から狙われるようになるでしょう。野外で飼育している場合はネットで保護していたとしても、ちょっとした油断から天敵に捕食されてしまったという事態にもなり得ます。
そういった悲しい結末を迎えないよう、十分に注意しておきましょう。
主に、クモやカマキリ、鳥類全般から狙われるようになるでしょう。野外で飼育している場合はネットで保護していたとしても、ちょっとした油断から天敵に捕食されてしまったという事態にもなり得ます。
そういった悲しい結末を迎えないよう、十分に注意しておきましょう。
オスは鳴き方が激しい
セミを飼育する場合、とくに気をつけておかなければならないのが鳴き声です。
セミが快適に過ごせる環境を構築することも重要です。ですが、その環境下だとオスは激しく鳴き始めるでしょう。これは生態的に見ると求愛行動にあたるので、子孫を残すために非常に重要な行動です。
十分に騒音対策をした環境下でない限り、不要なトラブルを引き起こすキッカケにもなるため、注意が必要でしょう。
セミが快適に過ごせる環境を構築することも重要です。ですが、その環境下だとオスは激しく鳴き始めるでしょう。これは生態的に見ると求愛行動にあたるので、子孫を残すために非常に重要な行動です。
十分に騒音対策をした環境下でない限り、不要なトラブルを引き起こすキッカケにもなるため、注意が必要でしょう。
セミは飼育しても長生きできない理由とは?
セミは元々成虫期間が非常に短く、捕まえたとしても1週間程度しか生きられません。
また、普段は自由に空を飛んでいることから、狭い飼育環境には適していません。セミが無理に飛び回ろうとして、ケージやネットなどに体をぶつけたことより傷つき、寿命を縮める可能性も出てきます。
人間の生活環境では、セミが自由に生きられる環境を構築するのが難しいため、セミを飼育しても長生きできないといわれてきました。
また、普段は自由に空を飛んでいることから、狭い飼育環境には適していません。セミが無理に飛び回ろうとして、ケージやネットなどに体をぶつけたことより傷つき、寿命を縮める可能性も出てきます。
人間の生活環境では、セミが自由に生きられる環境を構築するのが難しいため、セミを飼育しても長生きできないといわれてきました。
セミの幼虫はどこにいる?
セミは成虫としての期間が短く、飼育も一筋縄ではいきません。そうなると、幼虫からの飼育に興味が出てくる人もいるでしょう。
実際に幼虫からセミを飼育することによって、羽化する瞬間を目の前で観察できるメリットもあります。野生でその瞬間を見られることはほとんどないため、子どもの知的好奇心を養うキッカケにできるでしょう。
それでは、今度はセミの幼虫について詳しく解説していきます。
実際に幼虫からセミを飼育することによって、羽化する瞬間を目の前で観察できるメリットもあります。野生でその瞬間を見られることはほとんどないため、子どもの知的好奇心を養うキッカケにできるでしょう。
それでは、今度はセミの幼虫について詳しく解説していきます。
セミの幼虫の捕まえ方とは?
セミの種類によって生息域が異なるため、好みのセミの幼虫を捕まえるとなると困難を極める場合もあります。
ただ、身近に生息しているセミに限定するのであれば簡単です。まずは、セミがたくさん鳴いている木々が生え茂る場所に足を運んでみましょう。
また、日中は活動時間外のためほとんど捕まえることができません。そのため、夕方から夜になる時間帯が良いでしょう。
ただ、身近に生息しているセミに限定するのであれば簡単です。まずは、セミがたくさん鳴いている木々が生え茂る場所に足を運んでみましょう。
また、日中は活動時間外のためほとんど捕まえることができません。そのため、夕方から夜になる時間帯が良いでしょう。
幼虫期間のセミ
セミの幼虫期間は7年という話を聞いたことがある人も多いでしょう。しかし、実際のところ日本に生息しているセミに、7年もの歳月を地中で過ごす種類は存在しません。
また、種類や生活環境によって幼虫期間が異なることもあるため、いまだに全貌が明らかになっていない昆虫といえます。
また、種類や生活環境によって幼虫期間が異なることもあるため、いまだに全貌が明らかになっていない昆虫といえます。
10年以上幼虫期間のセミがいる?
セミの中には、周期ゼミと呼ばれる世界的にみても長生きする種類が存在します。それらのセミはきっちり13年、もしくは17年生きるのが特徴です。
これらは主に北アメリカ東部でみられるセミの種類ですが、いまだに正確にその年数を数えられる理由はわかっていません。10年以上の歳月を幼虫として過ごしつつ、人間の想像を遥かに超える生態を持つのがセミの特性ともいえるでしょう。
これらは主に北アメリカ東部でみられるセミの種類ですが、いまだに正確にその年数を数えられる理由はわかっていません。10年以上の歳月を幼虫として過ごしつつ、人間の想像を遥かに超える生態を持つのがセミの特性ともいえるでしょう。
セミの食べ物や種類を知り理解を深めよう
セミは、いまだに全貌が解明されていない昆虫の一種です。そのため、実際に飼育するのは難易度が高い昆虫ともいえます。しかし、少しでも理解を深めることによって、1日でも長く飼育することができるでしょう。
闇雲に飼育することは、生態を崩す原因にもなり得ます。少しでもセミの生態について理解を深めたいのであれば、たとえ短期間でもしっかりとした環境下で飼育してみましょう。
闇雲に飼育することは、生態を崩す原因にもなり得ます。少しでもセミの生態について理解を深めたいのであれば、たとえ短期間でもしっかりとした環境下で飼育してみましょう。